3.卒業パーティーでの出来事
投稿の間隔や時間は決まっていません。
ある程度書き溜めたら投稿するパターンです。
時間も気の向くまま。
お許しください。
さて、卒業パーティー当日。
婚約者のモニカを、ちゃんと屋敷まで迎えに来て、パーティーの場にも一緒に入場した。
ファーストダンスも踊った。
生徒達に一緒に挨拶して回った。
あれ?何も問題なくない?
心配していたのは杞憂だった?
怖れていた事態にはならないかもしれない。
そこからジョナスは男友達ともう少し歓談してくるから、その間にモニカも自分の友達と交流しながら何かつまんだり飲んだりしておけばいいよ、と別々の行動に出た。
うん、これも常識の範囲内。
最後に友達と交流するのは大事。
しかしジョナスがモニカの元に戻ってきた時、横にはマリアン・ロイド男爵令嬢、後ろには側近候補のカーク、セルジュ、ソレスの三人が付き従っていた。
そして「モニカ、話があるんだが」と切り出した。
おやおや〜?何か雲行き怪しくなってきた?
「さて・・・」ジョナスが話し始める。
「まずこのような場を設けたのは、モニカ、君がなかなか捕まらないからだ」
「いつも忙しそうに動き回り、あちらにいたと思えばこちら。ランチの時間には捕まるかと思えば、どこにもいない。
食堂内はもちろんランチが取れそうな院内の庭も探したが見つからない。一体どこで食事しているんだ?
学院内でなければ、このマリアンと顔合わせもできない。だから仕方なく今日のパーティーでこのような場を設けたのだ。」
「本題に入ろう。セルジュ、ソラン、打合せ通りに」
命令を受けた二人は一瞬とても嫌だ嫌だ、ああ嫌だ、みたいな表情を見せたが、セルジュがモニカの、ソランがマリアンの正面に立ち、真面目な顔から一転して舌を口の横に出してウィンクした。(前世の世界でいえば不〇家の〇コちゃんみたいな顔)
それを皮切りに立て続けに面白顔を披露した。
あのいつも冷静沈着なセルジュ様が。
あの愛らしい顔だけど、めったに笑顔を見せず感情に乏しそうなソラン様が。
周りの生徒達も、あまりの落差と面白い表情に笑ってはいけないと思うが、耐えきれず声を漏らしてしまう。
「プッ・・・ククッ」
「クスクス」
そしてマリアンに至っては、それは楽しそうに「アハハハハ!」と大声で笑った。
しかしモニカは声を上げはしなかった。
たしかに笑顔は見せている。
だがその笑顔は少し目を細めて扇の陰に隠されている唇も端が少し上向きになっているだろう貴族女性の典型的な笑顔だった。
それを見てジョナスは言った。
「モニカ、昔の君だったらマリアンのような心からの笑顔を見せて笑い声を上げていたよね。
マリアンは君と顔立ちは違うけど、髪と瞳の色が同じで十歳位の時の君と雰囲気が似てる。
だから僕は・・・」
その時、ホールのベランダから侵入してきた三名の者が王太子目掛けて走り寄ってきた。
全員黒装束と覆面を身に着けている。
おそらく暗殺者。
すかさずカークがジョナスを守るべく前に出る。
そして暗殺者を撃退しようとするが、機先を制した暗殺者の一人がカークの腹部に足蹴りを叩き込む。
たまらずカークは膝を折り、身を伏せる。
その際重心を後ろにかけてしまって、身体が後退し王太子がすぐ後ろにいるという態勢になった。
カークはその状態で、とにかく早く立ち上がらねばと勢いよく身体を上へ伸ばす。
その結果、カークの頭頂がジョナスの顎を直撃。
ジョナスはまともにアッパーカットをくらったような状態になり、気を失う。
慌ててカークは、倒れていくジョナスの身体を受け止める。
ちなみに暗殺者は駆け付けた多数の騎士や兵士を見て、逃走する事を選んだ。
ジョナスは王宮の自室のベッドに運ばれ、念の為医師の診察を受けて、そのまま眠り込んだ。
ジョナスからの命令の変顔実行者は側近三名の内の二人。
もちろん全員やりたくない。
しかし、カークはジョナスの身の安全の為に護衛として側にいなければいけないので、必然他の二人が実行役となりました。




