表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/40

第13話 書庫を燃やしたい者たち

 敵も、証拠が揃い始めたことに気づいたのだろう。


 夜半、旧書庫の方から焦げ臭い匂いがした。私は飛び起き、外へ飛び出す。炎は窓枠を舐め、保管庫の扉へ伸びていた。


「補正頁の箱を!」


 叫ぶと同時に、クラウスが先に火の中へ踏み込んだ。外套で口元を覆い、鍵付きの証拠箱を抱えて戻ってくる。その腕を、燃えた梁の火の粉がかすめた。


「クラウス!」


 衛兵が消火に入る間、私は箱を抱えたまま彼のところへ走る。右手の甲が赤く腫れていた。


「大丈夫だ」


「大丈夫な火傷に見えません」


 裏庭では、逃げようとしたブルーノが取り押さえられていた。懐からはオスカーの筆跡入り指示書と、白曜慈善会の封蝋印が出てくる。


「書庫が燃えれば、全部終わると思ったんだろう」


 クラウスが低く言う。


 ブルーノは最初こそ黙っていたが、衛兵長ディーターに証拠を突きつけられると崩れた。


「フェルナー様に言われたんだ……あの女が頁を見つけたら終わりだって」


「頁を抜いたのもあなた?」


「最初は頼まれただけだ! 補正頁と教会写しを隠せば、あんたは王都で終わるはずだった!」


 私の手の中で、証拠箱の鍵が冷たい。


 終わらせたかったのはこちらだ。こんな泥臭い嘘に、私の人生を勝手に区切られるのはもうたくさんだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ