表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歴史の陰 無口が世界で愛されるのには理由がある  作者: かづ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/59

3.6


超えられない壁を感じたが、母や親族を考えると私の望みは絶たれている訳ではないのだ。

未だ遺伝子が仕事をしていないだけだ!それだけのはずである!


目覚めよ!我が巨乳遺伝子!

そして巨乳好きに(わざわい)あれ!


願掛けをしたところで、晩餐へと望む。


マリーに昨日と同じように少しおめかししてもらい食堂へと向かった。

昨日も同じような服装で臨んだので、お義父様、お義母様の反応は薄いがしっかり褒めてくれた。

「あら、今日も素敵ね」「おお、妖精のようだ!美しいよステファン」

「ありがとうございます」


フフと心で思いながら、ロレンスを見るとしれっとした無表情だった。


おめかししてもダメか。巨乳好きめ。


心で舌打ちをかまし、席につくと改めて挨拶をされた。

「先程は済まなかった。いきなり会うとは思っていなかったからな。改めて挨拶させてくれ」


どういう風の吹き回しか、初対面の高圧的な態度からは一変したように感じる。


「私がロレンス・ログレスだ。これからよろしく」

ニカッと優しそうな笑顔に不覚にもオゥと思ってしまった。


これは父親には頭が上がらないとか、そういう事だろうか?


先程から見たら大違いの態度ではないか。これくらい紳士的ならば協力的に過ごせるだろう。


向こうが下手(したて)に出るのであれば、私も意固地に敵対する必要は無い。

素直に「ステファンです。よろしくお願いします」と返した。


その後晩餐は(おごそ)かに済ませ、食後は場所を移して4人で談笑になった。


「ステフはバーンベルクではどんなことをしていたの?」

「稽古や薬草の研究です」

「流石だわ」

「そうだな、バーンベルクの女性と言えば、治療のエキスパートって言われているからな。小さい頃から大変だっただろう」

「最高の思い出です」

「こっちでは、(わたくし)に付いて色々教えることになるんだけれど、そのうちにロレンスが王都に行ってしまうのですから、その前に二人で楽しい思い出を作って来た方が良いんじゃないかなって思うのだけれど、いかがかしら?」


どうやらロレンスは騎士叙勲の試験の為に2、3年王都へと向かってスクワイアの修行をしないといけないらしい。


レオナルドやアントニオは自領で騎士叙勲を受けていたから、王都でどんな訓練があるのか良く分からないが、バーンベルクでの騎士と認められるのはとんでもない修練が必要になる。


アントニオは早々にクリアしたが、レオナルドは少し人格が変わり、大人になった感じがした。


それだけ辛いことを王都でも課されるのだろうと思い、ご愁傷様ですと心の中で手を合わせておいた。


まあ、その過酷な訓練の前のひと時を私と過ごすことで何か得るものがあるのかどうかは知らないが、仲は深める事は必要だろう。


正直あんまり結婚って良く分からないから、どんな距離感で付き合うのが良いのか分からない。


あんまりこういうことに関しての知識とか経験ってないんだよね。


前世でも付き合ったことは何度かあったが、それほど長続きしたことは無い。

私にとって最も苦手な人間関係の一つと言えよう。


「そうだな、街にでも行って来たら良い。今は貿易船も来ているから賑やかで活気があるぞ」


お義父様の勧めもあって、そうすることになった。


二人きりといっても、侍女や使用人を連れる上、護衛騎士を先導させるという具合だ。

これを二人きりと思えるようになるのが貴族という人種なのだろう。


自分が未だ染まり切れていないことを感じる。


服装は汚れてもいいような、いつもフィールドワークをする時に着るような服装だ。

周りをガッチリガードされていたとしても、ドレスでは人混みを歩くのは大変だから。


それに港町は治安は、決して良いという訳ではない。


外国からの人は必ずこの国のことを分かっているなんてことは無い。

向こうの文化とこちらの文化が溶け合い、なんとなくで治安を維持しているというのが現状だろう。


常識と思っていることが必ず通用するとは限らないのだ。治安の維持も私たちの課題になるだろう。


港の方まで行くとそこには大きな帆船があった。

かなり大きくて、見上げると圧倒される。

ロープも太ければ、船のマストもデカい。改めて人は凄いものを作るのだなと感心する。


バンダナを撒いた人が大きな荷物を担いで歩いている。

話声を聞くとどうやら、言語は同じようだ。ここでは外国語をマスターしないで済むのは助かる。


港の近くには露店が並んでいて、船に乗っていたのだろうか、カラフルな色の服や布が売られている。

異国情緒あふれる色彩で、改めて外国の文化を感じた。


また今朝獲れたばかりの新鮮な魚介を並らべたお店もいくつもある。


それ以外も露店なのに宝石?を扱っているところが在ったり、絨毯を扱っている所、アクセサリーショップ、果物屋、色々観て回ったが、何も買う事はしなかった。


私、あんまり物欲(ぶつよく)ないんだよね。


そこにマリーが、耳元でささやき教えてくれた。

「お嬢様、何かをプレゼントされるのはいかがでしょう。思い出の品を交換とかって良くないですか?」


なるほど。物で思い出の共有か。

でも私相手の好みは、大きなお胸が好み以外知らないしな。


ここに来てから一切喋っていなかったことも思い出し、ロレンスに話を聞くことにした。


「ロレンス様、何か今日の記念にお互い贈り合いましょうか」

「悪くないな、お前は何が欲しい?」

「え、じゃ、この石でいいです」


それは偶々目の前の露店に並べてあった、真っ黒な石だ。

多分、海岸で拾って来たのではないかと思えるほど角がなく、丸みがある石だった。


なんだか愕然としたような表情をしているが、そこに意味は無いのだ。

大切なのは思い出であり、物ではないのだから。


「ロレンス様は何が良いですか?」

「・・・ならば、俺はその隣のでいい」


それは赤と白の模様が何層も重なったような石だ。

両方とも手にすっぽり収まるほどの大きさで、そこまで嵩張(かさば)らないから丁度いい。


思い出の品が邪魔になったことあるんだよね。


思い出の品も買ったし、見るところは見た。


そろそろ帰ろうかと思って屋敷に向かおうとしたら、ロレンスに引き留められた。


「思い出の品は買ったが、せっかくだから何か身に付けるアクセサリーを送りたい。そこに丁度いい店がある。ついてこい」


アクセサリーを買ってくれるというのだから嫌ではないが、あんまり付けた試しがない。


こういう相手のことを考えない行動は男性あるあるだよね。




最後まで読んでくださり、誠にありがとうございます。

精鋭の読者のお陰で続けられています。

本当にありがとうございます。

私も風邪をひいてしまい、更新できず残念です。

未だ体調が良くないので、明日もお休みするかもしれません。

喉に剃刀でも刺さっているのか?と思うほどの痛み。辛いです。


喜怒哀楽の何か感じたら、評価、ブックマークをお願いします。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ