208話 消えぬ篝火
―― Undying Bonfire ――
氷を使ってはならない——その制約が、ここまで自分を苦しめるとは。
ユニム自身、思いもよらなかった。
ハヤタカの連撃を、海内女王拳でかろうじて受け流す。
「おいおい、どうした? そんなもんか」
炎が練り上げられていく。
だが、その“練り方”が、わからない。
ハヤタカは、あの三人のように魔人化や獣化、四権こそ使ってはいない。 それでもなお、圧倒的だった。
火種のような細かな焔の飛び道具。 そして、練り上げられた炎纏〈エンテン〉の拳。
それらが、間断なく襲いかかる。
位がひとつ下がるだけでも、猛威を振るうだろう。
——四権英雄に等しいのではないか。
研鑽された魔術。 研ぎ澄まされた拳。 そして、揺るがぬ武術の基礎。
魔導士としての才。 武闘家としての才。
その存在は、いつしかユニムの中で「強者」から 「危険」へ、 そして「脅威」へと変わっていく。
嫉妬すら、滲む。
ユニムは小さな体躯で地を蹴り、距離を取った。
「はぁ……はぁ……」
身が持たない。
いや、もう持ちそうにない。
体力が、ごっそりと削られていく。
——ハヤタカ。
実に、恐ろしい男だ。
炎纏を維持したまま、寸分の狂いもない拳を叩き込んでくる。
背後でゆらめく炎の円輪からは、弾丸のような火が飛ぶ。
よそ見などできない。 考える暇すら、与えられない。
(作戦を……練るべきか)
だが、合格条件は伏せられている。
「炎に関連する」ことだけは分かっている。 だが、それ以上は——見当もつかない。
事前にアルキメデスガールズへ連絡を取った。
永遠のアリス。
インプリシットのヒマリ。
分割のティタイン。
だが、返ってきた答えは、いずれも同じだった。
——「わからない」
強いが、新人には厳しいのか。
彼女たちの知恵は借りられなかった。
ユニムはゆっくりと息を吸い、呼吸を整える。
(今の手札は——)
・物理
海内女王拳
十二獣拳
・魔法
氷(上級)
自然・雷(中級)
炎——未習得
だが、自然の応用として岩漿化は使える。
一見、マグマに近い。 だから炎魔法の代用になる——そう思われがちだ。
だが違う。
マグマと炎は、似て非なるものだ。
ましてや岩漿は未完成。
これを炎の上級魔術とは呼べない。
言うなれば——
見様見真似で本を音読しているだけ。
暗唱できていない。
自分のものになっていない。
自らの言葉として、一言一句紡げてこそ。 それで初めて、「上級魔法の使い手」と言えるのだ。
ユニムは、炎の魔術教本を思い出す。
内容は、覚えている。
だが——発動しない。
これは魔力の問題か。 それとも、四元力において炎の素質がないのか。
呪文を唱えても、炎は現れない。
なぜだ。
その答えを——
誰よりも、ユニム自身が知りたかった。
みなさん、こんばんは! どうもVIKASHです。
最近ポケカラにハマっていて、というより趣味で音楽をやっているので、自分で歌いたいだけです。
よかったら聞いてみてください。
私はボカロを用いて楽曲制作をしていて、小説家になろうと連動しています。
あまりない試みだと思うので、気になった方はVIKASH SHUNSUKE or 私のELECTLIZE-VOLTという小説を読んでみてください。
今までにない感覚が味わえるかもしれません。
さてさて、今回ですが、前回の話とは対照的にユニムの炎の節の試験を描いております。
私のお気に入りであるハヤタカは、実は他の作品にも登場しており、姓は火神〈ひがみ〉という名前になっています。
彼は実は皇一族で……
長くなりそうなのと、ややこしくなりそうなので、そこの関連やマルチバーサルな説明は省きます。
さあ、戻ってまいりました。
ハヤタカといえば、炎の魔導士。
ちょっと足りない。
というイメージが私の中ではあるんですが、みなさんはどんなイメージを持たれているんでしょう? 気になるところです。
コメントじゃんじゃん書いてください。
返せたら返信しますよ!
このハヤタカ先生なんですが、元々は『FIRE and FLAME 火炎の二人』という小説が草案にあって、バトルものの小説にする予定でした。
もちろん相棒はホムラちゃんで、最初の草案ではハヤタカにはチビの設定があり、現在の『TWO ONLY TWO』の『ユニム』ちゃんに活かされてはいます。
名を冠する……ではなく名を冠された者達シリーズという私の小説群があるんですが、元々『TWO ONLY TWO』は連結して、異彩を放つ異世界物、と、なる予定でした。
ですが、何事もすぐやったほうがいいという私の浅はかな考えのもと、『If I wasn't me 俺が俺じゃなかったら』という作品を打ち切りにし、TWO ONLY TWOを書き始めました。
当時、異世界を酷く嫌っていた私ですので、一話目は大衆文学に寄せたつもりでいました。
そこから、うなぎ上りで他の作品とは明らかに異なる伸び方を見せ、私の小説魂に火をつけました。
今回のバース『Wildfire 荒ぶる焔』と掛かっています。笑
とことん小説を探求し、新しい小説を書くため、異世界物に大きな風穴を空けるため、仕事が終わっては図書館に行き、小説の在り方というものを勉強し直しました。
正直言って、大学で学んだつもりになっていた当時(2022年)の私は、初心者よりも甘かったです。
根拠のない自信だけがあり、絶対書籍化すると、意気込んでいました。
ですが、この小説家になろうにもルールが存在することを私は知りませんでした。
今思えば、浅はか極まりないです。
他者様の作品を読み、本当の読みやすさとは? を、追求した結果が、この小説に顕著に出ています。
そうでもなければ、152pt(現在2026年)は獲れていません。
この話は壮大な話なので、時間は掛かるかもしれませんが、必ず完結まで持っていきたいです。
この後も篇をいくつか用意していて、各所に伏線が散りばめられています。ぜひ、探してみてください。
何度も言っていますが、持ち込みまでして、書籍化がされなかったのは、本当に悔しいですが、この作品はなんらかの“形”にしたいです。
長らくお待たせ致しました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
これからも誠心誠意務めて参りますので、どうぞわたくしVIKASHとこの作品をどうぞよろしくお願いします。
最後になりますが、ブックマーク。評価をしていただけますと、ドーパミンが放出されます。
つまり、やる気が出ます。
お手数ですが、どうぞよろしくお願いします。
以上VIKASHでした!
次回をお楽しみに!
◀次回のタイトル「氷帝の血が吼える」




