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TWO ONLY TWO 唯二無二・唯一無二という固定観念が存在しない異世界で  作者: VIKASH
【魔法学校篇】:Wildfire And Cyristalice

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205/218

205話 炎纏〈エンテン〉

 

―― Wildfire ――



 これより炎の節の試験を始める。



 ハヤタカの、その一言が静かに発せられた。



 同時刻。

 ゼルドとシンは、牙王ライオネルの前に立っていた。二人は自らがアルキメデス魔法学校の生徒であることを名乗り、炎の節の試験を受けたいと懇願する。



 牙王ライオネルは、低く頷いた。




「致し方なし」




 その一言で、試験は認められた。



 ユニムは構えを取る。



 海内女王拳の構えだった。



 右手を強く握り締める。

 左手は、水をすくい上げるように天へと向ける。



 その動きは静かでありながら、海そのものの気配を帯びていた。



 するとハヤタカが、藪から棒に口を挟む。




「炎の節の試験だぞ?」




 ユニムは、少しだけ視線を動かす。




「海内女王拳は海に由来する拳なのだ」




 言葉を選ぶように続ける。




「海洋のような大きな動き。

 小魚のような俊敏な動き。

 そして甲殻類のような鉄壁の防御」




 ハヤタカは、口元を歪めた。




「おもしれえじゃんか」




 興味を持った獣のような笑みだった。

 あの炎帝を彷彿とさせる。




「また聞かせてくれ、な?」




 ユニムは続けようとする。




「そこに炎を練り上げたならば――」




 だが言葉が、そこで詰まった。



 ハヤタカは、実力の知られていない教師だった。



 しかしアルキメデス魔法学校の教師は、

 例外なくトップクラスの実力者ばかりである。



 その列に並ぶ存在なのだ。



 只者であるはずがない。



 ユニムは、センチュリオンとの戦闘を思い出す。

 そしてイェリエルとの戦闘も、すぐ目前で見ていた。



 試験で済むだろうか。



 胸の奥で、鼓動がわずかに速まった。



 ドク、ドク。と、小刻みに音を立てる。



 先ほど聞いた話を思い返しても、どちらも化け物だった。



 マダム・ウィッチおばあちゃん。

 そしてハヤタカ。



 二人は同じ技を使っていた。



 紅炎〈プロミネンス〉。



 あの技の威力は、もはや魔術というより災害だった。



 ユニムは思う。



 私たちの体内に宿る四元力を司る魔力。



 それは、実に不確かな存在だ。



 目には見えない。

 触れることもできない。



 だが確かに、魔術を使うためには必要とされる。



 今までユニムは、魔力とは無限に近いものだと考えていた。



 だが違う。



 ハヤタカのプロミネンス。

 ネイビスの蒼雷〈プラズマ〉。



 あれらの技には必ずインターバルがあった。



 放出すれば、必ず回復が必要になる。



 無限ではない。



 確実に消費される。



 そう考えれば、ゼルドの変化も理解できた。



 あの時、ゼルドは魔人となり、

 狼へと姿を変えた。



 そして戦いのあと、深い眠りに落ちていた。



 三日三晩。



 それほどの時間を眠り続けた。



 つまり魔人に必要な魔力量は、

 桁違いということだ。



 人の領域ではない。



 その結論に、ユニムは静かに至る。



 その時だった。




炎纏(えんてん)




 声が響く。



 届く。



 澄み渡る。



 まるで水面にかかっていた霧が、

 ゆっくりと晴れていくようだった。



 その一言とともに――彼は、炎を纏った。



 揺らめく紅。



 だがそれは暴れる炎ではない。



 制御された炎。



 身体の外側に薄くまとわりつき、彼の存在そのものを包み込んでいた。




『覚えてるか?』




 軽い声音。




『まあ、復習はいらねえよな』




 それは、強者の発言だった。



 ユニムの呼吸が、わずかに深くなる。



 仕掛けるべきか。



 それとも炎で迎え撃つべきか。



 だが――ユニムは炎が使えなかった。



 理由は、あまりにも単純だった。



 氷の反対は何かと問われれば、人はたいてい炎と答える。



 それは常識のように語られる。



 そして、その通りだった。



 炎は氷の弱点。



 つまり――ユニムが最も苦手とする魔術だった。



 焦りが胸を締めつける。



 思考がわずかに揺らぐ。



 その時、マスタングの言葉が脳裏に蘇った。



 ――「どっしりと構えるんだ」



 続いて、ゴジョウの声も思い出す。



 ――「勇者か?」



 その言葉が、静かに胸の奥へ沈んでいく。



 ユニムは、ゆっくりと息を吐いた。



 海のように。



 揺れながらも、崩れないように。



 拳を握り直す。



 海内女王拳の構えは、まだ崩れていなかった。






こんばんは!VIKASHです!

お目を通していただき、ありがとうございます。


炎の節の試験の開始ということで、TWO ONLY TWOの主要人物とされているユニムとゼルド、シンに焦点が当てられています。


そして、披露される炎纏〈エンテン〉――とある漫画から影響を受けていて、漢字こそ違いますが、名前は全く同じです。


ちなみにその漫画様では、刀として登場します。


ところで、深く読み込んでいる方がいたなら、気づいたかもしれません。


ハヤタカは、センチュリオンそしてイェリエルとの戦闘の際に炎纏〈エンテン〉と発言しなかったが、炎を纏っていた。


ここで矛盾が生じますね?


その矛盾を解説していきます。


まず、言霊の話からになるのですが、言葉には力があります。


魔術に於いて、詠唱や呪文はその効果を指定しているんです。


あの魔法のこの効果を使いたいから、〇〇と言おう。の、ように。


また、描写的観点から、言葉を発するのと発さないのでは、圧が違います。


発した方が段違いに技としての威厳が生まれます。


少年漫画や面白いアニメでの、所謂必殺技的立ち位置にしたい時、私は言葉を発するという方法を持ってきます。


なによりわかりやすいですからね。


それ以外の下級の魔法や、今後インフレが考えられる高等の魔術に関しては、名前をつけるか決めかねています。


ある地点で、過去の技が登場した時、おっ。となるのか。それとも、なんだ雑魚じゃんとなってしまうのかは、今後次第でしょう。


少なくとも現在では、炎纏〈エンテン〉は高度な魔法です。


また、疑問に思われた方もいるかもしれませんね。


炎は熱くないのか?


答えは簡単です。


薄い空気の層を体表に作り、燃やさせるか。


皮膚の遺伝子元素もしくは、信号そのものを作り変えてしまうことで、熱く感じることはまずないでしょう。


ハヤタカともなれば、魔法の同時併用も容易いはず、こっそりと皮膚を冷却しているかもしれませんね。


さあ、こんなところでしょうか。


そういえば、最近ポケカにハマっているんですが、TWO ONLY TWOのカードがあったら、面白そうですよね。


すいません。完全に酔ってます。笑


飲んではいませんが、自惚れていますね。


次回の投稿はまだ、未定ですが、明日には間に合わせたいです。


小説家になろうは、投稿頻度が大事らしいですよ。


三年も書いてて何を今更という感じですが、これからは投稿頻度を増やしていければ、と思います。


それでは、また次回まで!

お楽しみに!



◀次回タイトル「自分を信じること」


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