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TWO ONLY TWO 唯二無二・唯一無二という固定観念が存在しない異世界で  作者: VIKASH
【魔法学校篇】:Wildfire And Cyristalice

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202/219

202話 二王邂逅

 

―― Clash of Two Kings ――




 一方その頃、ゼルドとシン。

 彼らは行動を共にしていた。



 セレストは、仕事があると言い残し、二人を置き去りにしていた。



 途方に暮れていたゼルドだったが、シンが血相を変える。




「ゼタ=エルド、気をつけろ。何か来る」




 ゼルドは、騎士王の剣に手をかけた。

 構える、というよりも――腰を据え、静かに柄へ手を置く。そんな姿勢だった。



 彼は碧色の瞳で、まっすぐ前方を見据える。



 ステラロイドたちは変形を始めた。

 まるで盾のように形を変え、ゼルドの前へ展開していく。



 ――何か来る。

 だが、それが何なのかは分からない。



 もし、この『騎士王の剣』が奪われようものなら、牙王ライオネルに顔向けできない。



 牙王ライオネルという男は、必要に応じて躊躇なく暴力を用いる男だった。



 それは紛い物の正義などではない。



 人に恐れを植え付ける――純粋な恐怖。



 恐怖を用いた政治。

 恐慌すらも戦略として扱う。



 そのすべてを誰よりも理解し、帝王学に基づいた思考から、人間の五感、さらには感情さえも操る。



 彼こそが――世界皇帝、その人である。




『剣を預けた意味はわかるか?』




 その問いが、いまだにゼルドの脳裏から離れない。



 返せ、という意味なのか。

 それとも――自分のものにしろ、ということなのか。



 だが、ライオネルはそのどちらの言葉も口にしなかった。



 牙王ライオネルという男は、人間を操ることに非常に長けている。



 それがホモ=サピエンスであろうと、ホモ=セレスティアルであろうと、フォールの住人であろうと関係ない。



 ましてや、ステラロイドのようなバタリアンでさえも、彼の掌の上に置かれてしまう。



 実に恐ろしい男だ。



 彼の所在は、誰にも知らされていない。



 同じ「王」の名を持つ存在。



 牙王ライオネルと、魔王シン。



 もしこの二人が出会ったなら――何が起きるのか。



 誰にも予想できなかった。



 だが、現実は思いもよらない形で訪れた。



 狙いは、魔王シンへと集中していた。




「禁忌である」




 牙王ライオネルは静かに言い放った。




『いや、違う。話を聞いてくれ』


「聞かぬ。聞くに値せず」


『なら、拳で語り合うか?

 噂は聞いている――世界皇帝、だったな』


「同じく、魔王よ。探したぞ」


「魔王さみゃ。やめたほうがいいですにゃ」


『ゼタ=エルド。どちらにつく?

 俺か? それとも、あいつか――』




 ゼルドは一瞬、迷うように目を伏せた。




「す、すいません。

 契約を交わしていますので」




 ゼルドの説明によれば、彼はユニムと共にメーラジャッロヴェルデに加わっていたが、現在は一度そこを離れ、K.W.B.という組織に所属しているらしい。



 その組織のメンバーには、



 武人闘王マカ=オルテガ。

 竜騎士王アーサー・エルド・ドラゴニクス。



 などなど――名だたる人物が名を連ねている。



 話を最後まで聞いた魔王シンは、しばらく沈黙した。



 やがて……。




「わかった」




 と、一言だけ呟いた。



 その後、彼らは舟に乗った。



 牙王ライオネルと共に。



 目的地は――インペリアルハーツ。



 静かな水面を切り裂くように、舟はゆっくりと進んでいった。






 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

 今回の話は、実は「邂逅」というテーマを意識して書きました。

 書いていて、自分でもこれでよかったのか。と反芻しました。


 この選択が正しかったのか――

 あなたはどう感じましたか?


 もし少しでも面白いと感じていただけたら、

 ブックマークや評価、感想などいただけるととても励みになります。

 それでは、また次回。




◀「次回タイトル」―《玄丹皓三人衆》

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