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元勇者パーティーの最強魔導士も隠居後は気ままに過ごすようです  作者: UMA未確認党


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第16話 合流

 ヴァルツは乗り合いの飛行艇を利用し、北方へと向かった。


 そして山の近くで降ろしてもらう。


「ヴァルツ様こんな辺境に何か用なんですか?」


 運転手が怪訝そうな顔で尋ねる。


「えぇ少し所用で呼ばれましてな。帰りは乗せてもらって帰りますのでご心配なく」


「お気をつけて。冒険者共の悪評はちょくちょく聞きますぜ」


「それは申し訳ない。Sランクとしてお詫び申し上げます」


 そのまま飛行艇が飛んでくのを見送り、山に入っていく。




 少し上がると建物が見えて来た。ここが連合軍の本拠地である。そこの門を叩くとドタドタと言う足音とともにリコルドが出てくる。


「親父?!何で」


「何でって息子のいる現場に来ちゃいけないのか」


「授業参観じゃねぇんだよ。今は魔王軍との戦闘中、爺さんの見学を受け入れている暇は無いんだよ」


「見学っとは何だね……私はただリコルドに呼ばれたから来たんだが」


「呼んでねぇよ。誰に聞いた」


「ハリアー殿だが」


「ハリアー?アイツ何で他国の冒険者呼び寄せてんだよ」


 リコルドは頭を抱える。それもそのはずリコルドはヴァルツを呼んでなどいないのである。完全にランゴ王国勢への了解を取っていないハリアーの独断だった。


「アンタもアンタだ。俺やカレンから連絡がなくて、他国の冒険者風情に呼ばれた時点で騙されたと気づけよ」


 リコルドは嫌そうな顔をするが背後から来る声はそうでは無かった。


「ヴァルツ先生……ヴァルツ先生では無いか!」


「……嬉しい」


「全くリコルド様も人が悪い。サプライズでヴァルツ様を呼ぶなんて!これで百人力ですな」


 軍帽を脱いだカレンに加え、背が低く大人しそうな少女と細身で背が高い中年男性が現れる。遅れて巨大な鎧の塊も動く。


「やぁカレン、アニス、ウォリアー、後サイモンもいるな。私が世話したA級冒険者たちに会えてうれしいよ」


 ヴァルツは息子とその仲間たちとの久しぶりの再会を喜んだ。


 リコルドは周囲の反応を見て大きくため息をついた。


「分かったよ。足引っ張んじゃねぇぞ」


「私がリコルドの足を引っ張ったことがあったかの?」


「……ねぇよ。山の上は寒いからな早く入れ」


 ヴァルツが歩いていくとそこにハリアーが居た。

「これはこれはヴァルツ殿。お久しぶりです」

「ハリアー殿。直接お会いするのはビビット王国への遊説以来ですかな」


 二人は固い握手を交わす。それを見てリコルドがハリアーに一言囁く。


「ハリアー、お前俺の親父呼んでどういう腹積もりなんだ?」


「いえいえ少し戦力の補充がいると思ったからですよ」


「あぁそうかい。まぁ親父を呼んで損するわけじゃないしな」


 リコルドは態度を柔らかくした。リコルドは年老いたヴァルツを心配してはいるが冒険者としてはある程度尊敬と信頼の念を抱いている。恐らくここにいても足を引っ張ることはなくむしろ助けになるだろう。手順を踏み違えているがビビット王国もこの行動がランゴ王国にとってマイナスにならない事くらい分かっているはずだ。


 リコルドのその見立てが甘かったことを知るのは少し後になってからだった。




 ヴァルツが歩いているとふとある勇者とすれ違う。


「ん?見ない顔だな」


「これはこれは勇者アース殿ですか。私はランゴ王国のヴァルツと申します」


 しかしアースは挨拶を返さない。


「言っておくがここは俺が主導権を握っている。邪魔すんじゃねぇぞ」


 そう得意げに言い放つ。


「貴様……」


 カレンが殺気を放つのも気にせずアースは歩き去って行った。

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