第九十七話 中古のダンプ、トラクターのパワーアップと丸松建設の救援に行く雅子たち
ミーテイングで請け負った仕事をこなす悟瑠達だけど困ったことに?
主な登場人物紹介
ヒロイン 佐野 雅子 26歳
4月生まれ 峠のバトラー⇒TSカップレーサー⇒GTレースへ挑戦中
家業の佐野自動車販売の中古車販売店副店長兼整備工場の副工場長、整備の受注、部品調達担当の副社長 販売部部長 前職はスーパーの経理兼販売促進課
所有免許、資格;大型2種、牽引運転免許、2級整備士、危険物乙4、玉掛、ガス溶接、救急救命士、巻き上げ機、簿記2級、税理士、会計士、テルミット溶接、クレーンオペレーター、X線技師
レース以外の趣味:
オフロード走行:大型の2軸、3軸総輪駆動のエンジン、サスペンションをいじって自分好みした。
パソコン:プログラム組むのも好きでシステムを自力で組める
僕 佐野 悟瑠 29歳
雅子の兄 3月生まれ 妹の雅子より4学年上 家業の佐野自動車販売に就職して6年目、整備工場の工場長 整備工場総括の副社長。
所有免許、資格 2級整備士、MIG溶接機、レーザー溶接機、ガス溶接、玉掛、大型2種、けん引免許、巻き上げ機、危険物乙4、テルミット溶接、クレーンオペレーター、X線技師
カーキチ、スペックオタク、エンジンスワップ大好き。エンジン加工名手 オフローダー
佐野 康晴 57歳
僕の父親 佐野自動車販売の社長、総括責任者。
趣味人 マニ割、エギマニ作りの達人 元整備工で板金も得意。
佐野 康子 55歳
僕の母親 佐野自動車販売 副社長 佐野自動車販売店店長、営業、仕入れ担当
加藤 隆弘 29歳
僕(悟瑠)の同級生で親友。佐野自動車の副工場長、整備工場の専務取締役
専学卒業後家業の内燃機整備工場に就職、佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。悟瑠の幼馴染。2月生まれ。
エンジン加工名手、エンジンスワップ大好き 実は弟の隆文が一目置く運転センスの持ち主
所有免許、資格 大型免許、牽引免許、玉掛、ガス溶接、アーク溶接、レーザー溶接、危険物乙4、巻き上げ機、電検2種、テルミット クレーンオペレーター X線技師
趣味:レースカーづくり オフローダー 生エンジン好き
加藤 隆文 26歳
整備部長 隆弘の弟。雅子より一学年上だが、3月生まれで実はほとんど同い年。工業高校から家業へ就職。佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。板金と排気系を作るのが得意
所有免許、資格 大型免許、牽引免許、玉掛、ガス溶接、アーク溶接、レーザー溶接、危険物乙4、テルミット溶接、巻き上げ機、電検技師
趣味:TSカーレース、GTカーレース、オフロード走行 生エンジン好き
加藤 隆義 57歳
加藤運輸社長 佐野 康晴の同級生の親友
現在は運輸業、リース業に忙しく趣味の旧車はいじりが復活
かつて運営していたエンジン整備部門は、同じ敷地内にある佐野自動車販売に従業員ごと譲渡して運輸専門にした
松尾 百合 26歳
雅子の親友、丸松建設のお嬢さん。雅子と同じ高校卒業して同じスーパーに入って家業に転職。
松尾建設運輸担当副社長。普段はおっとりだがスイッチが入ると途端にせっかちとブチ切れになる
5月生まれ TSカーレーサー、GTカーレーサー TSカーカップではトータルで2勝あげ、シーズン3位
旧車好きで父親譲りの速い車好き。オフローダー
所有免許、資格 大型免許、牽引免許、玉掛、クレーンオペレーター、巻き上げ機、ガス溶接、テルミット、アーク溶接、レーザー溶接、危険物乙4、電検2種、火薬類取扱保安責任者(甲種)
松尾 譲 28歳
百合ちゃんの兄 、丸松建設の建設系担当副社長。マニ割マニア 実はオリジナル主義、生エンジン好きで速さにはこだわらない ドリフト競技に参戦中、TSカーカップにも挑戦中
所有免許、資格 大型免許、クレーンオペレーター、玉掛、巻き上げ機、ガス溶接、アーク溶接、テルミット、レーザー溶接、危険物乙4、電検2種、火薬類取扱保安責任者(甲種)
松尾 隆 57歳
丸松建設の社長 百合ちゃんの父親 速い車大好き 古いものを大事にする
悟瑠の父親の同級生
松尾 友香 55歳
百合ちゃんの母親、丸松建設資材調達兼外注先調整担当副社長
旧車大好き、かつオリジナル主義
小笠原 愛理沙 25歳
かつて雅子がいたスーパーマーケットの販売部移動販売課係長
実は創業者の孫でもある(第三十七話参照) 雅子の同じ高校の一つ後輩。スーパーマーケットの主要取引先の小笠原食肉のお嬢さん。 元レディスの7代目総長 2児のシングルマザー(第三十六話参照)抜群の運転センス
所有免許、資格 簿記2級 大型2種免許、牽引。危険物乙4、ガス溶接、巻き上げ機、玉掛、アーク溶接、火薬類取扱保安責任者(乙種)、レーザー溶接
TSカーレーサー⇒GTカーレーサー 雅子と組んでクラス優勝を狙う
実は空手で中学の時に全国大会に行った猛者
子供は上の子が哲也、下の子が愛美
小笠原 哲史 28歳
愛理沙の兄。別の会社に勤めていたが家業に転職、製油担当副社長
旧車好きで母親譲りのオリジナル主義だが必要に応じて改造する
所有免許、資格 大型免許、危険物乙4
ドリフト競技参戦中、TSカーカップ挑戦する 愛理沙の元旦那とは親友で同級生(第三十六話参照)
長野 暁 31歳。
スーパーマーケットの販売部移動販売課 課長代理。
かつては首都圏のバス会社に居たが欲しいバスが排ガスの関係で住んでいた地域で登録できなくて雅子がいたスーパーに転職。今は愛理沙ちゃんの上司短尺バス好き
所有免許、資格 大型2種免許、牽引免許、危険物乙4 簿記3級
狩野と一緒に走り屋チームの運営していた
狩野 守 31歳
丸松建設の業務課課長 運送会社にいたが首都圏の事業縮小で地方に転勤になった。偶然募集していた松尾建設に転職
所有免許、資格 大型2種免許、牽引免許、玉掛、巻き上げ機、ガス溶接、アーク溶接、危険物乙4、電検2種、テルミット、レーザー溶接、クレーンオペレーター、火薬類取扱保安責任者(乙種)
長野と一緒に走り屋チームの運営していた
河野 優花 23歳
スーパーマーケットの業務課から移動販売課に異動。大型免許取得して移動販売車で販売する
所有免許、資格 大型2種免許 簿記3級
綿貫 洋平 38歳
スーパーの販売部 移動販売課 課長
大型免許取ったらバスに嵌って自分でも買ってしまった。大型2種も持っていて見学者用のバスを運転する
所有免許、資格 大型2種 商業簿記2級
橋爪 正治 62歳
かつて雅子が務めていたスーパーの社長
雅子や百合、愛理沙に刺激されバス好き、旧車好きが復活
見学者の送迎の為のバスとしてボンネットバスそろえてしまった スーパーマーケットの広告も兼ねている
笠木 徹治 31歳
ウッディパラソルの経営者:悟瑠の父親の先輩(笠木 達也)が経営していたが代替わりした2代目
大型車主体の中古車屋 お店が暇なときは敷地内の笠木工房で作業
笠木 達也 61歳
笠木工房の共同運営者、ウッディパラソルの初代経営者 かつては悟瑠の父親、隆弘の父親と同じ大型車のディーラーにいたが、結婚を機に独立してウッディパラソルと笠木工房立ち上げ、奥さんの地元に移動
お店が暇なら奥さんの実家の農業をやる
植木 桂 61歳
笠木達也の奥さんの兄
同じく笠木工房の共同運営者 40歳で大型車のディーラー勤めを辞めたのち実家の農業をしながら笠木工房に合流して共同で運営する
矢代 圭一、伸一親子
松尾建設のビル内装工事委託先の経営者
大型ボンネットバスが好きという親子で趣味人
五式 紫陽花 19歳
愛理沙のいたレディスの13代目総長 小5から一つ上の兄とともにカートで走っている。
空手部だったが顧問の意地悪で干されたが弱みを見つけて追放、段位は取れて無いが実力は3段と言われる猛者。
佐野自動車販売に就職した 五式不動産のお嬢さん
所有免許、資格 準中免許 商業簿記2級 危険物
馬橋 舞由良 26歳
雅子と同じ高校の同級生、レディスの6代目総長。事情あって旦那と離婚して元の姓に戻った
加藤運輸に個人の事務所から転職 かつては福田 舞由良 六十三話参照
所有免許、資格 大型免許 商業簿記2級 危険物乙4
シングルマザーで子供はみゆき
石川 由香里 20歳
個人の販売店から丸松建設に転職
雅子と百合ちゃんと同じ高校でレディスの12代目総長
高校では古武道部の主将もやっていた猛者、愛理沙のアドバイスで段位を取っていないが実力は3段以上といわれている
所有免許、資格 大型免許 商業簿記2級 危険物乙4
僕と隆弘はあっけに取られてしまっていた。
そのあとに来た一本の注文書でさらにあきれることが起きていると分かったのだ
「ねえ、お兄ちゃん、百合リンから百合リンのパパが3軸の元除雪車をイベントの時に見つけていて買っちゃったって連絡きたよ。レストアしてくれって言ってるんだって、元除雪車はV8エンジン乗ってるみたい。」
「ええ?もしかしてあの展示してあったK-CZ50M改?元除雪車って今回はうちらのを除けば1台だけだったよね」
「うん、その通り、ジュゴンと同じ仕様にしてほしいって。色はサンデー君と同じにだって」
「はあああ、なんでまた?」
百合ちゃんの色にもあきれたが、またまた総輪駆動を買ってくる百合ちゃんのお父さんにもあきれていたのだった。
「なんかさあ、百合リンのパパはうちのパパと張り合ってない?」
「それはないでしょ。単純に欲しいものがっていうかうちの親父はボンネットが好きで、百合ちゃんのお父さんはキャブオーバーが好きって思えるよ。あ、なんか隆弘のお父さんと張り合ってないか?」
「そういったらそうねえ。あ、そうかも。それにしても百合リンはどっちでもいいのか?百合リンのママってボンネットが好きなのかしらね」
「そうみたいだね」
「悟瑠、雅子。よく考えたら俺たちと俺の親が総輪駆動の3軸持ってて、悟瑠も雅子も悟瑠の親も3軸総輪駆動を持ってて、百合も譲さんも3軸総輪駆動を持ってるのか。ってことで自分も欲しくなったということか。それならわかるなあ」
「あーあ、隆さん。何やってるのかしらね。はやりもの欲しい子供じゃないんだから」
「康子、それいったら男はいつまでも子供だよ」
「はああ、そうかもね。って雅子も悟瑠が買ったものを欲しがっていたことあったもんね。って今もそうか。観光バスとか路線バスとか総輪駆動とか」
「まあ、康子。仕方あるまい。雅子は小さいころからお兄ちゃん娘だったし、今も変わらないから仕方ないとしてだ。隆は友達が持ってると欲しがるやつだからなあ。それに普段はのんびりなんだけどいきなりせっかちとか」
「友香も大変ね」
「そうね。百合リンもその気があったわね。今もそうよ。百合リンもママがあきれてたもん。父娘で性格そっくりでってほら軽快君見に来た時、百合リンのママが着替えに言ってる間に出発しちゃったって」
「あはは、百合ちゃんは隆さんの性格をひいちゃったのね。譲さんは友香の我関せずって性格引き継いだのね」
「そう、その時譲さんは来なかったからね」
「まあ、とにかく、狩野さんの ニコルの載せ替えた後のテストやって。そうそう、百合リンがニックネームつけたの。CW55YNHD改なんだけど、言いづらいから"にごゆん"⇒"ニコル"ね。他にはブロック割れた6W210のエンジンスワップでしょ。トラクターのKL-SH1FGGのエンジンオーバーホールとパワーアップ。名変終わってとりあえずは使ってるけど調子悪いとか言ってるからね」
「うん、それやったら、訓練車のデニムちゃんとTSD40の確認とレストア、頼んできた順番からするとK-CZ50M改のエンジン積み換えとレストアってことね」
「なんか仕事が溜まってきたなあ。6W210エンジンどうしようかなあ。エンジンルームの中が意外に狭くて10DC11乗らないんだよ」
「そうなの?」
「少し幅が狭い10DC8にしようかと思うんだよ。キャビンを載せ替えすればターボ組めるけどね」
「仕方ないよねえ。入らないんじゃ」
「ターボなしでも10DC8が精一杯ってオーナーには言っておいた。ほとんどエンジンの出力が倍ならいいよって。この6W210はフェンダーは広いけどキャビンとかエンジンルームは狭いよ。直6用に作ってるようだよ。とにかく在庫の8DC10を使うから」
「悟瑠、V10エンジンはうちの在庫のオーバーホール済を使うんだろ。とにかく直6の排気量じゃきついだろ。いくらターボでパワーあげたにしても、発進が」
「うん、今あるエンジンだと排気量下がるからね。V型にすれば最高でエンジンのパワーが倍位に上がるからミッションもトランスファーも載せ替えだからなあ。見る限りミッションとトランスファーは生きてて使えるんで買取かな?ドラシャはジョイント部分の改修が必要だな。専門業者に頼むよ。ハブは見て必要なら交換、ホーシングとフレームは念のためX線検査して内部亀裂ないか見ないとな」
「全部在庫あるんだろ」
「うん、ドラシャ除けば在庫部品でなんとかするよ、トランスファーとミッションは需要あるから、是非買取りにしたいな」
「ああ、よく来る古いオフロードダンプとか農場のトラクターだろ」
「うん、トランスファーって結構丈夫みたいで、今でもオリジナルをオーバーホールして使ってるよ」
「それいいじゃん、お客さんが売るって言ったら買い上げて」
僕らはミーティングでエンジンブロックに罅が入ってオイル漏れして修理の為に引き取った6W210のエンジンを降ろして交換する準備のため板金名手の3人に錆の状態を見てもらっていた
6W210の錆を見てもらってる間に僕らは狩野さんのニコルに新しくV10エンジンを積んで隆文に等長エギゾーストマニホールドとマフラーとサージタンク、等長インテークマニフォールドを作ってもらっていたのを組み込んでいた
夕方、6W210をみてくれていた鈴木さん達3人に結果を聞いていた
「悟瑠さん、これ凄いと言うかなんというか良く生き残ってましたねえ。キャビンが結構来てて直したいくらいですね。雨漏りもしたあとがあるんです」
「オーナーも言ってたんですが、なにせほぼ60年間未再生というか原型のままだそうですよ」
「凄いなあ。車庫にしまってあるようですね」
「そうですね。車庫保管と言ってましたよ」
「未再生じゃあこの傷み方も納得ですね。ほんとはここの左ドアのヒンジのところは直したいですよ」
「上側のヒンジのところですね。」
「ドアパネルに亀裂が入ってて修理しないとこのままじゃ亀裂が広がって最悪はドアが落ちますよ」
「そうですねえ。オーナーに聞いて修理する方向で言ってみますよ」
「他は大丈夫そうですね。というかキャビンの傷みはひどいですね。本音は一旦フレームから降ろして全部修理と防錆やり直したいほどです」
「ですよね。今回は予算もあってエンジン載せ替えだけなので仕方ないですね。見てくれてどうもありがとう」
僕は6W210のオーナーに鈴木さんが見つけたドアの亀裂をどうするか聞いていた、するとやはりドアの亀裂は脱落につながるのはまずいということで見積もりをくれといわれて見積もって送るとこの値段なら直してほしいと連絡が来た
「鈴木さん、6W210ですが左ドアを直してほしいとのことですのでお願いします」
「はい。これは外側全部交換します。ふつうは部分的に切り取って修理をするんですけど、ここだとCADで図面作ってダイレスで外側を作る方が防錆もよくて時間もかからなくて安いです。材料と錆び対策は防錆鋼板と防錆メッキで仕上げますよ。内側の骨格は錆びてないんでレーザーで溶接します」
「お願いします。石橋君ダイレス加工機のデータ作りよろしくね」
「はい」
僕らはキャビンのドアを直している間にエンジンマウントの位置を見てフレームを加工してV10が乗るようにしていた
「お兄ちゃん、ニコルと違って大変だね」
「うん、CW55YNHD改はもともとV8とV10の両方の設定あるから楽なんだよ。フレームが共通っていうかフロントのマウント位置が共通で後ろはメンバーでエンジンマウントの位置違いの調整してるんだよ」
「そうなの?」
「4点マウントなんだけど、面白いよね」
「ああ、そうだな。他のメーカーもV10とV8があるときは意外に楽だよ」
「ふーん」
「今回の6W210もそうだけど、直6しかないのにV8積むとかは結構大がかり。スワンはV10積んだから大変だった。ターボ無しにしたからまだいいけど」
「そうなのね。それじゃあねえ」
「優花の伊予ちゃんとかなみちゃんとかZC121も大変だったのね」
「まあね。なみちゃんは最初からV8積んであった。伊予ちゃんはどうやらV8の計画あったみたいだよ。スペース空いてた。他には百合ちゃんのパイ君はV6だからまだ楽、それに同じボンネットにV8があるから」
「そうか、パパのタフさんも同じか。同じボンネットにV8があるから直6から載せ替えが楽だったのね」
「そういうこと。V型の乗せ換えで大変なのはV型の設定のない車両にV型を乗せるほうが大変。ZC121とスワンと今回の6W210が大変だよ」
「そうなのね、じゃあ、もし6W210にターボつけるならキャビン載せ替えね」
「そういうこと」
「雅子さん、そうですよ。悟瑠さんと隆弘さんの空間認識というか全体を見る能力は大したものですよ」
「僕もそう思いますよ。エンジンと車を見てこの補機当たるとかここに遮熱板いるとか見てレイアウト出せるなんて」
「おれもそう思う、兄貴と悟瑠さんはこのレイアウトの読み外さないんですよ」
「お兄ちゃんって凄いんだね」
「雅子ちゃん、俺もそうだと思うぞ。二人は空間認識能力が異様に高いんだよ」
「笠木さんも?そう思うんですか」
「うん、俺も徹治もそのへんが得意じゃなくて直6からV8のスワップはやってなかったんだよ」
「そうなんですね」
「雅子、6W210のエンジンスワップとドアの修理が終わったら念のための全開テスト行ってOKなら納車するよ。次々仕事あるからね」
「全開テストは金曜日かしら?」
「うん、狩野さんのニコルは木曜日に全開テスト行くから」
「OK、準備しておくね」
僕らは6W210のエンジンスワップ、ドア修理とキャビンの塗替え、狩野さんのニコルの仕上げをやってテストに向かう準備していた
木曜日の朝、いったん会社に出て狩野さんのニコルと3軸内販用レッカーの2台の出かける準備を終えると出発していた
「雅子、全開テスト行くよ。笠木さんは同乗してお家に帰るんでしたね」
「悪いけどいいかな?全開テストってどんなのか見てみたくてというのと午後に旧くからのお客さんがお店にお見えになるんでね、お休みもらったんだよ。明日に拾ってもらえると嬉しい。土日は康晴と隆義と海辺に行こうと思ってね」
「いいですよ。行きましょう。明日の午後に拾ってくればいいんですね。6W210の高速試験もするのでついでですから。今日は野上さんのところに行って修理の見積もりして帰るんです」
僕らは笠木さんを乗せて慣らしの終わっているV10エンジンを積んだ狩野さんのニコルで何時もの試験路を全開で走っていた。
V10に等長エキマニ、吸気系の改良、コモンレールにして550psになっているとは言え、総重量で22トンのダンプでは流石に速いと言うには厳しいが登坂車線のお世話にはならないで済んでいた
「ここまで回すんですか?」
「はい、レブリミットの連続で走ってみてオーバーヒートしないか見てます。重量はフル積の22トンですね」
「それだけ過酷なテストしてそれから納車なんだね。試験の途中で壊れるとかはないの?」
「今のところないですね。親父の経験とか今加藤運輸の運行係やってる隆弘のおじさんに弱いところ聞きながらやってるのでないですね。弱いところは補強します。次に弱いところも場合によっては補強しますよ。このエンジンのクランクは設計上は300kg・mと連続定格で800psまではいけます。マリンエンジンだとフルに回すなんて普通ですから。ブロックとヘッドも組む前にX線で検査して罅がないか見ます」
「それじゃあ。問題は出ないはずだね」
「はい。あ、頂上に着きました。ここでいったんエンジンから漏れがないか確認してから下りに入ります」
広くなっているところにCW55YNHD改を停めて、キャビンを上げてエンジンオイルの漏れなどを確認していると雅子が3軸内販用レッカーから降りてきて
「お兄ちゃん、黒煙も狙ったとおりかな?後ろから見てたけどほとんど見えないよ」
「そうだね。室内のカメラでも見えなかったよ。実際に狩野さんが使ってるときはBDF入れるよね、それなら全く吐かないから大丈夫でしょ。雅子、交代して下りを見て」
「はいよ。液体式リターダー2連奏だよね」
「うん、その通り」
「それなら5速で下っても大丈夫かな?ジェイクもOKで26.5リッターの生エンジンだもんね」
「そう。乗りやすいはずだよ」
「帰りは野上さんのところに寄ってバスを調べてくれってことね」
「うん」
「そうか、俺はこっちのレッカーでいいかな?なかなかいい走りを満喫させてもらったから。この3軸内販用レッカーの走りをわきで見るのもいいかも」
「雅子、ウッディパラソルに寄ってくれ」
「はいよ」
雅子が一気に加速して下っていった、排気、ジェイク、リターダーを作動させるとブレーキペダルを踏まなくていいくらいの減速度が出てしまう。
こっちのレッカー車も600ps超えのエンジンを積んでると言っても総重量25トンあるので下りは重さが出てしまう。
それに悪いことに排気量は雅子が乗ってるニコルの方が大きいので補助ブレーキの効きはエンジンブレーキの効きのいい分、ニコルにはかなわないので、こっちは慎重に下っていた
「雅子ちゃんってすげえなあ。あんなにカッとんでても不安な要素ないね」
「そうなんですよ。ほんと大型の運転も一気にマスターして速いのなんのって」
「だよねえ。しかもしっかり補助ブレーキ使ってるからガンガン行っちゃうね」
「そうですね。ニコルの方がこの3軸内販用レッカーよりも3トンも軽いし排気量も4リッターも多いですから下りは速いですよ」
「そうだねえ。あ、もうついちゃったよ。どうもありがとうございました。明日は?同じくらいの時間?」
「はい。多分、今日と同じくらいの時間になりそうです。漏れを確認するときに止まる頂上に着いたら電話します。」
「じゃあ、電話来たら出れるように準備しておくよ。これから戸隠よって?」
「はい、野上さんの知り合いの方が相談とか言ってて」
「ああ、あのDR11の野上の知り合いか」
「はい、なんか大型バスのエンジンスワップして欲しいとか」
「エンジンスワップはうちじゃあ無理だなあ。徹治。ただいまあ。午後2番くらいにお客さん来るんだよな」
「あ、親父、おかえり。うん、一昨日なんだけど93年式の大型観光バスのエンジンスワップというかターボにしてくれって言うのがあったから佐野さんのところ紹介したよ。うちじゃあリアエンジンのターボとかスワップは難しいよ」
「それか。それは仕方あるまい。あ、それで、悟瑠君たちは戸隠に行くのか。ところで今日のお客さんは?」
「あ、佐野さん、どうもありがとうございました。野上さんのこれまた知り合いでBX331とか言ってた。ボディとフレームの再生して欲しいらしいよ」
「いえいえ、笠木さん。いつもお世話になっております。明日またきます」
「どうもありがとう、明日も全開テスト見せてもらっていいかな?徹治、週末は康晴達とちょっと海際に行って来るよ。滅多に太平洋なんていかないから」
「わかったよ。お袋には言っておくよ」
「では、明日、電話しますね。失礼します。雅子、野上さんのところに行くよ」
「うん」
僕らは笠木さんのお店を辞すると野上さんの家に行った、すると納屋で農作業していた野上さんが来て
「佐野さん、わざわざお越しいただいてありがとうございます。実は隣の方が持っているバスのエンジンが壊れて動けないんです。エンジンを乗せ換えしたいんですって。僕のDR11をターボにしてもらったんでその人もターボに出来ないかと、予算があるので乗せ換え出来なければ現状渡しで引き取れる人が居れば売りたいっていってます」
「車を見せていただけますか?」
「はい」
野上さんはお隣の湯津上さんという方の家に行って僕らが来たことを知らせてくれた
「初めまして、湯津上です。よろしくお願いします」
「初めまして、佐野自動車の佐野 悟瑠です。妹の雅子です。こちらこそよろしくお願いします」
「初めまして、佐野 雅子です」
「え?凄い。大型をお持ちなんですね」
ニコルから降りてきた雅子を見て湯津上さんが驚いていた。
それも無理はない、女性にしては高めの168cmの身長で、しかもモデルができそうなフェイスなのだから
「はい。うちの仕事に必要ですから」
「このバスを見てほしくて、U-MS716Nです。エンジンがかからないんですよ。なんかオイル臭くって」
「ちょっと見ますね。うあ。これって」
「お兄ちゃん、どうしたの?」
「バンク内側はオイルの海だ」
「え?ほんとですか?」
「うーん、ヘッドがおかしいのかなあ?ボルトがゆるんだ?それで圧縮が抜けたかなあ?これはエンジンおろしてばらさないとわからないよ。ヘッドカバーのパッキンならOKだけど」
「そうなんですね。」
「それにエンジンオイルが飛び散った跡があるから、申し訳ないけど修理は簡単にはいきそうもなさそうです。見ての通りエンジンルームの天井にオイルが付着してて」
「うわあ。これはひどい」
「それにここのオルタネーターにもエンジンオイルの飛沫がが来てます。オイルゲージを見ると下限まで減ってます。この車のエンジンオイルはわざとギリギリにしてるってことはないですよね」
「ないです。U-なので結構減るんですよ。それなんで交換するときはオイルゲージの上限まで入れてます。交換したのは3か月くらい前でその時は何ともなかったですよ。何回もやったのが悪かったのかバッテリーが上がってしまって」
「エンジンがかからないってことは、重症になっている可能性ありです。幸い今日はレッカー車で来ているので給電してやってみますよ」
僕と雅子は3軸内販用レッカー車から24V給電装置を使ってバッテリーにつないで始動するかやってみた
「雅子、エンジンルームで見ててくれ。3軸外販用レッカーの給電装置をめいっぱい上げて」
「はいよ。お兄ちゃん。LINEのテレビ電話つないで。エンジンルームの状態を動画撮りながら共有するから」
「ほい。かけたぞ。雅子どうだ?」
「お兄ちゃん。見える?聞こえる?」
「OK。雅子は?」
「OK」
「じゃあエンジンをかけるよ」
「うん」
クウウオオオオオオン、かからない。
給電装置は24Vで最大500Aまで出せるが、H51サイズのバッテリーが発揮する最大電流よりは小さいのでちょっと時間をおいてバッテリーに充電してからエンジンをかけてみた
クウウオオオオオオン、ガラッ、ガラッ、ガララランと始動したが、電話の雅子から
「お兄ちゃん、ダメ。エンジンとめて。オイルまき散らすから止めて」
「うん」
すぐさまエンジンを止めたけど、どうやら動画を撮っていた雅子はオイルを浴びてしまったようだった
「お兄ちゃん、今日は作業着だったからよかったけど。見てよ。噴水みたいになっちゃう」
スマートフォンで撮った動画を見せてくれた、バンク間に罅が入っているようでエンジンオイルが噴水のように上がっている
「雅子、ごめんな」
「いいんだけど。これは見たら分かる通りこのエンジンは結構重症だよ。多分オイルギャラリーがおかしいのかも」
「ってことは、ブロックがいってる?割れちゃったか?今はわかんないかもなあ」
「みたいね。罅ならダクタイル鋳鉄を修理できるところでなせるんじゃない?でもお隣の県に行かないとないのか。それにしても直せるかだけどね」
「そうだね。そこに出して直してもらうって手もあるかもね。どっちにしてもいったんエンジンをおろして修理だよ。このV8エンジンだけで1.25トンくらいあるからクレーンとエンジンアンカーないと無理だよ」
「そうですね。ここにはクレーンとか重整備の機器はないです。タイヤ交換やオイル交換はできますが他は無理ですね。ここまで重症ならただでいいので引き取りお願いできますか?移動するにしてもレッカー要りますよね。修理したいのはやまやまですが」
「お兄ちゃん。それなら、このU-MS716Nをもしかして今日のうちに引っ張って帰る?」
「まあ、置き場はアジトに置けばいいか。エンジンのオイルを掃除して、オイルパンのオイル抜いていけば帰りはまき散らさずに行けそうだな」
「廃油処理はできるのでここで抜いてOKですよ。すぐにやりましょう」
「はい、これの希望価格はいくらですか?僕らが査定するとほとんど0に近いですが」
「そうですねえ。といっても部品をばら売りしてもどんガラをとめておく場所を取るんで家内からは売れと言われてます。うーん。引き取り代金が出ればいいんですが」
「エンジンがまともならこの車は規制地に行けないのでその分を考えても100万円かな?」
「そんなに?」
「はい、エンジン修理で50万円はかかるのでその分差し引くと50万円かな?いかがでしょう?」
「それなら50万円でお願いします。移動させるにも廃棄するにも移動の費用で50万くらいかかるといわれましたので」
「移動費用は僕らがレッカー車で来ていてついでに引っ張ります。なので不要です。これで。内金と契約書です。このここで引き取っていきます」
「お兄ちゃん。オイルの処理やってだよね」
「もちろん。このまま持っていったら路面にオイルまき散らす」
「まずいもんね」
僕らはU-MS716Nのオイルを抜いて、エンジンルームに飛び散ったオイルを処理していた、2時間くらいかかったが、湯津上さんの協力もあってオイルの処理が終わった僕らは乗ってきた3軸内販用レッカー車でU-MS716Nの前輪を持ち上げて引き取って帰った、着いた時夜は少々遅くはなったが引き取ったUーMS716をアジトに格納していた
次の日、3軸内販用レッカーを補助車にして、隆弘に乗ってきてもらった6W210に乗って全開試験やっていた。
全開試験がおわったニコルは隆弘にお店に乗って行ってもらった。
狩野さんがすぐに引き取りに来ると言っていたらしい。
僕は6W210で試験する道路の急坂を全開で登っている最中に後ろに居る雅子に声をかけて黒煙の状態を聞いていた。
モニターで見る限りはニコルよりは多めに黒煙を吐いているからだ
「雅子、これもニコルと同じく生にしてるから黒煙が出てそうだけどどう?モニターでは結構黒煙出てるんだよなあ。だけど煙突だから上に行っちゃうよね」
『うん、黒煙はまあ見えるよ。でもそんなに酷くないと思うよ。この車が旧いのもあるからかな?車相応って感じね。酷いと真っ黒い煙吐き上げるじゃん、それに比べると少ないことは少ないよ』
「そうだな。約60年も前のトラックだからなあ。多少の黒煙はいいか。」
『うん、あたしはいいとおもうよ。超レトロな外観だよ6W210も煙突マフラ-ーだし。お兄ちゃん、黒煙気にするのもいいけど水温、油温、ベアリング温度や他の数値は?異常は出てないの』
「うん、問題なし、順調だよ。ベアリングの進化もあるよ。ハブベアリングは全部交換したから」
『OK、それならまた、サミットで漏れのチェックしたら運転交代ね』
「うん。下りは頼むよ」
『任せて。高速も行くんだよね』
「もちろんだ。高速にも乗れるようにしてほしいって言っていたから」
『りょ』
登坂を登っている6W210は全開試験の為に総重量約20トンになるようにバラストをつんである。
エンジンを旧式の直6の200psからひと世代後で、2000年代まで生産されていた同じシリーズのV10の380psに積み替えたと言っても、この試験している道路路のような急な登坂では加速するにはきつく、4速でアクセルベタ踏み、エンジンをレブリミット迄回してもやっと制限速度+αくらいだった。
エンジンを全開でぶん回し続けて僕らは6W210で無事にサミットまで登りきるとオイル漏れ、LLCなどの漏れがないか見て、問題ないこと確認、笠木さんにサミットから出発する事をしらせ、雅子と運転を交代すると急坂を下ってウッディパラソルに向かっていた。
雅子は新設した流体と永久磁石式リターダー、排気を駆使しながら下っていく、登りとは違って雅子はガンガン行っている
元からダウンヒルが得意とは言っても、補助ブレーキ、ジェイクブレーキの使い方のうまさは僕もびっくりするほどだ。
雅子が飛ばすので思ったよりも早い時間についてしまった
「こんにちは、佐野です。すみません。昨日よりも早くなっちゃいました」
「こんにちは、いらっしゃいませ。親父、佐野さん来たよ」
「おう、悟瑠くん、どうもありがと。徹治、俺はこれから佐野さんのお店に行くから。全開試験の帰りの高速試験に付き合って見てくるんだよ。」
「わかった。うちでも何かできるか教えてよ。いいところあればマネするよ」
「勿論だ」
僕らは笠木さんを6W210に乗せて高速道路での試験をやってベアリング、ミッション、デフの温度に問題ないことを確認してお昼ちょっと過ぎに店に戻った。
戻る途中で6W210のオーナーに連絡して今日の夕方には納車または引取できることを伝えていた。
戻ると親父から
「悟瑠、雅子、すまないが丸松建設のトレーラーダンプが悪路で嵌って動けなくなったと連絡がきた。急いで救援に行ってくれ。それに緊急でW122トラクターの修理も来ちまったから来週はばたばただ。KL-SH1FGGのエンジンオーバーホールもあるだろ」
「はいよ。場所は?」
「スマートフォンに飛ばした。そこに行ってくれ。4軸総輪駆動レッカーと隆弘君には3軸外販用レッカーの運転頼んだ。4軸総輪駆動レッカーはもう暖機してある」
「行ってくる。雅子。準備したら行くよ。3軸内販用レッカーの運転頼むよ」
「はいよ」
「親父、KL-SH1FGGはオーバーホール済の在庫に載せ替えて出しちゃう。見た限りは問題ないから」
「そうか、それなら救援行っている間にエンジンをおろしていくよ」
「よろしく、W122も在庫に載せ替えるよ」
「いいよ」
僕と雅子、隆弘は3台のレッカー車で丸松建設のトレーラーダンプが嵌ったという工事現場に急行していた、現場で見ると既に半分くらい短尺3軸トラクターの後ろの2軸がマッドに埋もれていて3軸ダンプトレーラーをつないだまま動けない状況だった。
しかも繋がっている砂利が満載の3軸ダンプトレーラーのアウトリガーも埋もれる状態になってしまっていて出せないので、トラクターだけを切り離して救援ができる状態では無く繋いだまま引き出すしかない状態だった
幸いなのはトレーラーダンブの前にレッカー車を3台繋ぐスペースが有るので3台のレッカー車を繋いで引き出す準備して
「よし、引っ張るぞ。クラクション鳴らしたら全員でパワーかけてくれ」
「おう」
ボーンとエアホーンを鳴らすとグオオオオーと4台のV10エンジンがうなりを上げる、じゃりじゃりじゃりじゃりじゃりと地を蹴る12本の駆動軸、ドドドドドドドドドとエギゾーストノートを吐き上げる8本の煙突マフラー、泥道に嵌った総重量50トンのトレーラーダンプがじわりじわりと動き始め、嵌っていたところから抜け出した
「この足場じゃあ仕方ないか?短尺3軸トラクターがいくらマッドタイヤ履いててもきついよなあ」
「そうだね。百合。コレだとチェーン巻かないときついぜ。しかもデフロックして」
「そう。嵌りかけたかなと思ったからデフロックもいれたけどね。それに登りになってるから。最初にデフロックをいれてないのが失敗かなと言えばそうね」
「まあ、仕方ないって。この足場ならトラクターを総輪駆動にしてギリかなあ?」
「隆弘の言う通り微妙だなあ。それならダンプを総輪駆動にした方が確実だよな、トラクターの総輪駆動はお守りかな?」
「そうだよね。レッカー車位の重さがないと救援は無理でしょ。総重量で50トンでしょ」
「そうね、トータルで6軸になるからね
「ってことは、総輪駆動トラクターなら最初から総輪駆動にして後ろのデフロックをいれて駄目ならフロントもいれてチェーンかしらね」
「そうだね。ここまで嵌まる前に救援を呼んだほうがいいよ。それに台数は増えるけど総輪駆動のダンプのほうがいいよ。総輪駆動のトラクターと言っても絶対的じゃないと分かっていれば大丈夫だけどね。百合ちゃんなら、隆弘仕込みだから総輪駆動ダンプは大丈夫だろ」
「ありがと。うん、そうするよ」
「戻ろう」
「百合リン、ガンバだよ」
「雅子、隆弘、悟瑠さん。どうもありがとう。たすかったわ」
「百合、じゃあまた」
僕らはお店に帰ってから残業になったが、加藤運輸で暫定的に運用しているKL-SH1FGGにオーバーホール済のエンジンに積み替えていた、土曜日に休出でマフラーを作って午後にはアイドリングで漏れ確認していて、念のため全開試験なしで納車できるようにハイパワー用のラジエターに載せ替えやっていた
日曜日は久しぶりに何もしないでぼーっと過ごしてリフレッシュして月曜日に出社すると段取りを決めて人の割り振りを考えていた
今週の段取りは飛び込みしかも急ぎのW122の修理と百合ちゃんのお父さんが買ったK-CZ50M改とTSD40の点検とレストアに取り掛かる予定だった
加藤運輸のトラクターは560ps用の冷却系にしてあるので隆弘のお父さんと相談した結果、全開試験はいらないということになってそのまま納車して少しほっとしていた
月曜日の朝からは金曜日に飛び込みで来たW122トラクターを見ていた、するとこれまたエンジンのブロックにひびが入っていて載せ替えが必要と伝えて見積もりもらってエンジン載せ替えをやっていた。
エンジンルームの関係でどうしても大きなラジエターとターボが入らないので在庫の8DC9エンジンと8DC9ターボのラジエターに載せ替えて納車していた
幸いなのはすべて在庫があったので簡単に載せ替えが済んでしかもV8同士なので2日で終わらせて納車にこぎつけたのだった。
水曜日にやっと百合ちゃんのお父さんのK-CZ50M改の錆対策とオリジナルエンジンをおろして別のV8エンジンに載せ替えの準備を終えて帰る準備していた夕方だ、百合ちゃんが見たことがない総輪駆動のダンプに乗ってやってきた。
「ねえ、雅子。聞いてよ。この前あたしが乗ってた3軸トレーラーダンプがマッドではまったもんだから、パパったら今度は総輪駆動のトラクターと総輪駆動のダンプ2台を見つけて買ってきちゃったよ」
「まじ?何を買ったのよ」
「まじよ。トラクターはW122Rだって、ほら今週の月曜日かなあ?ここでエンジン積み換えしたでしょ。あの総輪駆動のトラクターなのよ、エンジンをV8からV10+ターボにしてほしいとか。エンジンもキャビンも見つけて買ったとか言ってるの」
「えええ?それでもう2台の総輪駆動のダンプってなに?」
「それが今乗ってきたこのWD300D。これもV8に換装して欲しいとか言ってるよ。それからパパのしず子もダンプカーにしようかと思ったらしいけど、パパは先週納車した6W210オーナーが直したけど維持が大変手放すから欲しい人いないかっていってるの聞いてて、説得して買ってきちゃったのよ。元はダンプみたいでそれならダンプを復活させて使うからリースにできないかだって。このところ増えてる足場の悪いところへ行く総輪駆動のダンプ2台体制にするとか言ってるのよ。3軸のキャブオーバーも探してるのよね。そうそうK-CZ50ND改はK-CZ50ND改でニックネームはしず子ね」
百合ちゃんが乗ってきたのは見慣れない元除雪車と思えるキャブオーバートラックで、カラカラカラと直噴エンジンの軽い音を立ててアイドリングしていた
「ねえ百合リン。このWD300Dもリースにするの?」
「そうよ。パパはもう2台さっき言ってたW122と6W210も会社専用にするからリースにしてほしいんだって。もう加藤運輸っていうか舞由良には頼んだって」
「ってことは、総輪駆動を3台を会社専用にするのね」
「W122は半分はあたし専用だけど、足場が悪いところにトレーラーダンプを引っ張って行くには、これしかないんだもん。路面状況悪くても工事できないと困る人が出ちゃうからね。トレーラーダンプでもやるしかないじゃん」
「さすがだね。どっかのドリルに聞かせてやりたいよ。自分に都合悪いとドリルで自分のpcを壊した奴ね」
「わかったけど。百合リンは今日このWD300Dをおいていくのね」
「うん、V8エンジンに換装してね。いっぱい頼んで悪いけどよろしくね。できれば代車あるといいなあ」
「ママ、タフさん貸してね。百合リンへの代車」
「はいよ。百合ちゃん。暖機してエアタンクの水抜きしてよ」
「はい、ありがとうございます。お借りします。水抜きします。そうだ。置き場がなくなるんでハットくん買い取れる人いるといいんだけど」
「それなら、僕が買うよ。練習用にいいから」
「じゃあ、パパに言っておきます。雅子、よろしくね」
百合ちゃんが暖機が終わったタフさんに乗ってゴロゴロドドドドドヒュオオーンとV8ターボエンジンのエギゾーストノートを左右煙突から響かせて帰っていった
「百合リンって今はトラクターガールになってるね。お父さんの信頼が一番高いもんね」
「そうだねえ。隆は喧嘩しても何しても娘が可愛いいんだよ。トラクターを総輪駆動のV10ハイパワーにするってことか」
「そうね。隆さん譲りのセンスだもんね」
「キャビン乗せ換えやってか、隆も速い車にしたいんだな」
「そうだね」
僕らは仕事があるのはいいのだが、忙しくなってきたと思っていた。
またまた総輪駆動の仕事が増えた雅子たち
またまた仕事が来てホクホクなのか?大変なのか?
登場人物の所有車紹介
佐野 雅子
・大型リアエンジンバス
①観光シャシ+観光ボディ
KC-RA531MBN改
U-RU2FNAB改
②路線シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
U-UA440HAN改
KC-HU3KMCA改
③短尺路線用シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
U-RP210GAN改
U-MM618J改
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 U-FZ2FJCA改 V10に換装済
②カーゴ フレーム交換車
6×6 KC-FU4FPDA改 V10に換装済
・大型ボンネットトラック
①カーゴ
4×4 K-TSD45G改
・小型車
①クーペ
GF-S15改
佐野 悟瑠
・大型リアエンジンバス
①観光シャシ+観光ボディ
KL-RA552RBM改
KC-RU3FPCB改
②路線シャシ+観光ボディ;V8に換装
KL-UA452PAN改
KC-UA460NAN改
③路線シャシ+路線ボディ 路線用前中2ドア
KC-LV280N改
U-LV218M改;V8に換装
・大型キャブオーバー トラック 元除雪車 フレーム交換車
①ダンプ
4×4 KC-CF53XGH改 V10に換装済
②カーゴ
6×6 KL-CZ55YNH改 V10に換装済
・小型車
①セダン
GF-GC35改
GFーENR34改
佐野 康晴
・大型バス
①リアエンジン 路線シャシ+路線ボディ
自家用1ドア
KC-UA521NAN改
②ボンネット トラックシャシ+路線ボディ 路線用1ドア 元移動診療所
4×2 TK20L改
・中型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ 路線用前中2ドア
P-LR312J改
K-102H改
・小型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ 路線用中1ドア
P-RB115AA改
・大型ボンネットトラック
①カーゴ
6×6 TZ50MD改 V10に換装済
②ダンプ
4×2 KB112D改
・小型車
①セダン
Q-LS131H改
佐野 康子
・大型バス
①リアエンジン 路線シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
U-LV224K
②ボンネット トラックシャシ+路線ボディ
路線用1ドア 元移動診療所
4×4 T370改
・大型ボンネット トラック
①ダンブ
4×4 TF30GD改 V8に換装済
4×2 TD50AD改 クレーン車改造済
・小型車
①ハードトップ
E-KE70
②セダン
E-AE70
加藤 隆弘
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 U-FR415H改
②カーゴ
6×6 K-FU633AA改 V10に換装澄
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ
自家用 1ドア
U35H改
・小型車
①セダン
CBA-GVB
加藤 隆文
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 SKS390改
②カーゴ
6×6 K-SKW520改 V10に換装済
・大型リアエンジンバス
①短尺路線シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
MR510改
・小型車
①クロカン4×4
KG-VGY61
加藤 隆義
大型キャブオーバートラック
①カーゴ
6×6 SKW440改 V10に換装済
・大型 ボンネットトラック
①カーゴ
6×6 ZC120 V10に換装済
4×2 DU780HD改
②ダンプ
4×2 DA100D改
・大型リアエンジンバス
①短尺路線シャシ+ナロー仕様路線ボディ
路線用中1ドア
BA05N改
松尾 百合
・大型リアエンジンバス
①観光シャシ+観光ボディ
P-RU636BB改
P-RA52M改
・大型キャブオーバートラック
①カーゴ
6×6 K-FW125M改 V10に換装済
・大型ボンネットトラック
①ダンプ
4×4 W81D改 V8に換装
・小型車
①クーペ
EーS110改
松尾 譲
・大型キャブオーバーバス
①トラックシャシ+路線ボディ
路線用中1ドア
4×2 BF30改
・大型ボンネットトラック
①ダンプ
4×2 T800FD改 V8に換装済
4×4 ZH110改
6×6 6W100改
・小型車
①クーペ
E-GS130改
松尾 隆
・大型 キャブオーバートラック
①ダンブ
4×4 CF30DD改 V8に換装済
②カーゴ
6×6 CZ50M改 V10に換装済
・大型 ボンネットトラック
①ダンプ
4×2 TK20GD改
・大型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線ボディ 元レントゲン車
路線用中1ドア
4×2 K-TDJ72改 V8に換装済
・大型リアエンジンバス
①短尺観光シャシ+観光ボディ
P-RU192AA改
・小型車
①セダン
E-GNY33改
松尾 友香
・大型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線ボディ
路線用中1ドア
4×2 DB100改
4×4 TSD43改
・大型キャブオーバーバス
①短尺トラックシャシ+ナロー仕様路線ボディ
路線用中1ドア
4×2 BXD20E改
・大型ボンネットトラック
①ダンブ
4×2 TXD60D改
・小型車
①HB
E-KP61
小笠原 愛理沙
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+観光ボディ
B806K改
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 KC-FR529改
・小型車
①セダン
TA-GXE10
小笠原 哲史
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ 自家用前1ドア
MAR480改
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 K-FR113H改
・小型車
①クーペ
E-MA45改
長野 暁
・大型リアエンジンバス
①短尺路線シャシ+路線ボディ
自家用1ドア
P-MM517J改
路線用前中2ドア
MR520改
②短尺観光シャシ+観光ボディ
MM515H改
・小型車
①クーペ
ZN6
狩野 守
・大型キャブオーバートラック
①ダンプ
6×4 U-FS1VKBD改 V10
6×4 KC-FS3FKCD改 V8
6×6 KL-CW55YNHD改 V10に換装
・小型車
クーペ
ZN6
河野 優花
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+観光バスボディ
P-LV214L改 V8に換装
・大型 ボンネットトラック
①カーゴ
6×6 ZC44改
・小型車
①HB
L700S改
綿貫 洋平
・中型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線バスボディ
自家用前1ドア
B622B改
・大型ボンネットトラック
①ダンプ
4×4 ZH12D改
橋爪 正治
・中型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線バスボディ
路線用中1ドア
BX521改
・大型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線バスボディ
路線用中1ドア
BXD30改 後面丸形状
BXD30改 後面平面形状
笠木 徹治
・中型増トントラック
①クレーン付き 増トン レッカー車
4×2 KC-PK262HFZ改
②ウイング積載車
4×2 KC-PK262UFZ改
③オープン積載車
4×2 KC-PK262VFZ改
笠木 達也
・4トントラック
①カーゴ
4×4 U-FL618G改
矢代 圭一、伸一親子
・大型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線バスボディ
路線用1ドア
4×4 K-ZC121改 車体メーカーでオンオフ
4×2 BH15改⇒P-FH229BA改 29人乗り仕様 フレーム交換車
4×2DA90改 トラックにバスボディ架装
高尾製油所
・大型ボンネットトラック
①ダンプ
4×2 T412DD改
・中型リアエンジンバス
①路線系シャシ+観光系ボディ 自家用
K-MK116J改
・中型キャブオーバートラック
②カーゴ
4×2 U-FB2WEAA
いつも読んで頂き、どうもありがとうございます。
今回はここで更新します。
お気に召しましたらイイネや感想いただけると更新のモチベーションアゲアゲになります。




