第九十五話 GTカ選手権と総輪駆動でオフロードの確認と
次のレースに向けて車づくりをする悟瑠達、脚を見直してどうなる?
しかしながらまた一人ボンネットトラックを持ってきて?
主な登場人物紹介
ヒロイン 佐野 雅子 26歳
4月生まれ 峠のバトラー⇒TSカップレーサー⇒GTレースへ挑戦中
家業の佐野自動車販売の中古車販売店副店長兼整備工場の副工場長、整備の受注、部品調達担当の副社長 販売部部長 前職はスーパーの経理兼販売促進課
所有免許、資格;大型2種、牽引運転免許、2級整備士、危険物乙4、玉掛、ガス溶接、救急救命士、巻き上げ機、簿記2級、税理士、会計士、テルミット溶接、クレーンオペレーター
レース以外の趣味:
オフロード走行:大型の2軸、3軸総輪駆動のエンジン、サスペンションをいじって自分好みした。
パソコン:プログラム組むのも好きでシステムを自力で組める
僕 佐野 悟瑠 29歳
雅子の兄 3月生まれ 妹の雅子より4学年上 家業の佐野自動車販売に就職して6年目、整備工場の工場長 整備工場総括の副社長。
所有免許、資格 2級整備士、MIG溶接機、レーザー溶接機、ガス溶接、玉掛、大型2種、けん引免許、巻き上げ機、危険物乙4、テルミット溶接、クレーンオペレーター
カーキチ、スペックオタク、エンジンスワップ大好き。エンジン加工名手 オフローダー
佐野 康晴 57歳
僕の父親 佐野自動車販売の社長、総括責任者。
趣味人 マニ割、エギマニ作りの達人 元整備工で板金も得意。
佐野 康子 55歳
僕の母親 佐野自動車販売 副社長 佐野自動車販売店店長、営業、仕入れ担当
加藤 隆弘 29歳
僕(悟瑠)の同級生で親友。佐野自動車の副工場長、整備工場の専務取締役
専学卒業後家業の内燃機整備工場に就職、佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。悟瑠の幼馴染。2月生まれ。
エンジン加工名手、エンジンスワップ大好き 実は弟の隆文が一目置く運転センスの持ち主
所有免許、資格 大型免許、牽引免許、玉掛、ガス溶接、アーク溶接、レーザー溶接、危険物乙4、巻き上げ機、電検2種、テルミット クレーンオペレーター
趣味:レースカーづくり オフローダー 生エンジン好き
加藤 隆文 26歳
整備部長 隆弘の弟。雅子より一学年上だが、3月生まれで実はほとんど同い年。工業高校から家業へ就職。佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。板金と排気系を作るのが得意
所有免許、資格 大型免許、牽引免許、玉掛、ガス溶接、アーク溶接、レーザー溶接、危険物乙4、テルミット溶接、巻き上げ機
趣味:TSカーレース、GTカーレース、オフロード走行 生エンジン好き
加藤 隆義 57歳
加藤運輸社長 佐野 康晴の同級生の親友
かつては運輸業、リース業に忙しく趣味の旧車はやめていたが、今は余裕がでて旧車趣味が復活
かつて運営していたエンジン整備部門は、同じ敷地内にある佐野自動車販売に従業員ごと譲渡して運輸専門にした
松尾 百合 26歳
雅子の親友、丸松建設のお嬢さん。雅子と同じ高校卒業して同じスーパーに入って家業に転職。
松尾建設運輸担当副社長。普段はおっとりだがスイッチが入ると途端にせっかちとブチ切れになる
5月生まれ TSカーレーサー、GTカーレーサー TSカーカップではトータルで2勝あげ、シーズン3位
旧車好きで父親譲りの速い車好き。オフローダー
所有免許、資格 大型免許、牽引免許、玉掛、クレーンオペレーター、巻き上げ機、ガス溶接、テルミット、アーク溶接、危険物乙4、電検2種、火薬類取扱保安責任者(甲種)
松尾 譲 28歳
百合ちゃんの兄 、丸松建設の建設系担当副社長。マニ割マニア 実はオリジナル主義、生エンジン好きで速さにはこだわらない ドリフト競技に参戦中、TSカーカップにも挑戦中
所有免許、資格 大型免許、クレーンオペレーター、玉掛、巻き上げ機、ガス溶接、アーク溶接、テルミット、危険物乙4、電検2種、火薬類取扱保安責任者(甲種)
松尾 隆 57歳
丸松建設の社長 百合ちゃんの父親 速い車大好き 古いものを大事にする
悟瑠の父親の同級生
松尾 友香 55歳
百合ちゃんの母親、丸松建設資材調達兼外注先調整担当副社長
旧車大好き、かつオリジナル主義
小笠原 愛理沙 25歳
かつて雅子がいたスーパーマーケットの販売部移動販売課係長
実は創業者の孫でもある(第三十七話参照) 雅子の同じ高校の一つ後輩。スーパーマーケットの主要取引先の小笠原食肉のお嬢さん。 元レディスの7代目総長 2児のシングルマザー(第三十六話参照)抜群の運転センス
所有免許、資格 簿記2級 大型2種免許、牽引。危険物乙4、ガス溶接、巻き上げ機、玉掛、アーク溶接、火薬類取扱保安責任者(乙種)
TSカーレーサー⇒GTカーレーサー 雅子と組んでクラス優勝を狙う
実は空手で中学の時に全国大会に行った猛者
子供は上の子が哲也、下の子が愛美
小笠原 哲史 28歳
愛理沙の兄。別の会社に勤めていたが家業に転職、製油担当副社長
旧車好きで母親譲りのオリジナル主義だが必要に応じて改造する
所有免許、資格 大型免許 危険物乙4
ドリフト競技参戦中、TSカーカップ挑戦する 愛理沙の元旦那とは親友で同級生(第三十六話参照)
長野 暁 31歳。
スーパーマーケットの販売部移動販売課 課長代理。
かつては首都圏のバス会社に居たが欲しいバスが排ガスの関係で住んでいた地域で登録できなくて雅子がいたスーパーに転職。今は愛理沙ちゃんの上司短尺バス好き
所有免許、資格 大型2種免許、牽引免許、危険物乙4 簿記3級
狩野と一緒に走り屋チームの運営していた
狩野 守 31歳
丸松建設の業務課課長 運送会社にいたが首都圏の事業縮小で地方に転勤になった。偶然募集していた松尾建設に転職
所有免許、資格 大型2種免許、牽引免許、玉掛、巻き上げ機、ガス溶接、アーク溶接、危険物乙4、電検2種、テルミット、クレーンオペレーター
長野と一緒に走り屋チームの運営していた
河野 優花 23歳
スーパーマーケットの業務課から移動販売課に異動。大型免許取得して移動販売車で販売する
所有免許、資格 大型2種免許 簿記3級
綿貫 洋平 38歳
スーパーの販売部 移動販売課 課長
大型免許取ったらバスに嵌って自分でも買ってしまった。大型2種も持っていて見学者用のバスを運転する
所有免許、資格 大型2種 商業簿記2級
橋爪 正治 62歳
かつて雅子が務めていたスーパーの社長
雅子や百合、愛理沙に刺激されバス好き、旧車好きが復活
見学者の送迎の為のバスとしてボンネットバスそろえてしまった スーパーマーケットの広告も兼ねている
笠木 徹治 31歳
ウッディパラソルの経営者:悟瑠の父親の先輩(笠木 達也)が経営していたが代替わりした2代目
大型車主体の中古車屋 お店が暇なときは敷地内の笠木工房で作業
笠木 達也 61歳
笠木工房の共同運営者、ウッディパラソルの初代経営者 かつては悟瑠の父親、隆弘の父親と同じ大型車のディーラーにいたが、結婚を機に独立してウッディパラソルと笠木工房立ち上げ、奥さんの地元に移動
お店が暇なら奥さんの実家の農業をやる
植木 桂 61歳
笠木達也の奥さんの兄
同じく笠木工房の共同運営者 40歳で大型車のディーラー勤めを辞めたのち実家の農業をしながら笠木工房に合流して共同で運営する
矢代 圭一、伸一親子
松尾建設のビル内装工事委託先の経営者
大型ボンネットバスが好きという親子で趣味人
五式 紫陽花 19歳
愛理沙のいたレディスの13代目総長 小5から一つ上の兄とともにカートで走っている。
空手部だったが顧問の意地悪で干されたが弱みを見つけて追放、段位は取れて無いが実力は3段と言われる猛者。
佐野自動車販売に就職した 五式不動産のお嬢さん
所有免許、資格 準中免許 商業簿記2級 危険物
馬橋 舞由良 26歳
雅子と同じ高校の同級生、レディスの6代目総長。事情あって旦那と離婚して元の姓に戻った
加藤運輸に個人の事務所から転職 かつては福田 舞由良 六十三話参照
所有免許、資格 大型免許 商業簿記2級 危険物乙4
シングルマザーで子供はみゆき
石川 由香里 20歳
個人の販売店から小笠原精肉に転職
雅子と百合ちゃんと同じ高校でレディスの12代目総長
高校では古武道部の主将もやっていた猛者、愛理沙のアドバイスで段位を取っていないが実力は3段以上といわれている
所有免許、資格 大型免許 商業簿記2級 危険物乙4
月曜日の夜にアジトに帰ると愛理沙ちゃんと優花ちゃんがキャビンに錆があるダンプカーを見て思案顔になっていた
「愛理沙、もしかしてこのちょっと錆びちゃってるトラックを直してほしいってこと?」
「そうです。課長がボンネットの練習するとか言っちゃってウッディパラソルで見つけたのがお隣の県との境にあった個人の製油工場に眠ってたこの車です」
「お兄ちゃんこれ何よ?なんか優香の逗子ちゃんに似てるけど」
「たぶんZH12D改かな?ゼットワンの前のモデル。簡単に言うと逗子ちゃんの2軸版」
「そうなの?」
「そう、窓に三角窓が付く前のモデルで見てごらんよ。譲さんの総輪駆動とはドアの形状が違うでしょ。ゼットワンはカービーちゃんとか隆弘のお父さんのスワンと共通のドア」
スマートフォンでゼットワン、スワンのキャビンの画像を見せた
「そうなんだ。これがあったなんて」
「雅子さん、これもおじさんが昔の仲間の工場だった建屋で見つけて、笠木工房でサルベージしたんです。逗子ちゃんが売れたんでもしかしてってオーナーに伯父さんが売れるかもといって笠木さんのところに相談が行ったんです。キャビンに電気がうまく流れてなかったみたいでキャビンだけちょっと錆びちゃいました。オーナーは復活させる考えではいたみたいですけど、復活かなわずということで息子さんが処分に困っていたみたいですね」
「そうなんだね」
「それでキャビンがすこし錆びているんだね、電気で防錆してたのね。道理でこの年式にしては錆がないって思ったわよ」
「はい、そうなんです。」
「優花、綿貫さんはこれをレストアしてほしいって?」
「そうなんです。悟瑠さん、このZH12Dは課長が乗ると言って買ったんですよ。現状渡しで。ここに頼んでレストアと現代でも使えるように直してほしいって言ってます。向かってるとか」
「そうか、笠木さんはここの住所も知ってるからねえ。ここに送れって言われたらそうだよなあ」
「愛理沙、優花。その仕事受けたよ。あたしたちからも言うけど。綿貫さんに注文書よろしくねと言っておいてね、メニューは優花ちゃんの逗子ちゃんと同じね。お兄ちゃんエンジンは何があるかなあ?こっちで選ぶのは任せてほしいな」
「はい、それはいいみたいですよ。優花の逗子ちゃんみていいなあとか言ってましたから。それから課長はこの車はゼッツーと呼ぶとか。速さはいらないとか言ってます」
「えええ?優香、課長はもうニックネームつけたの?」
僕と雅子と愛理沙ちゃんは顔を見合わせてあきれていたのだった。
「課長もニックネームに嵌ったわね。ZH12Dつかってゼットツーじゃあ言いづらいからね」
「そうだねえ、愛着湧いていいかもね。ウッディパラソルはこの手の車よく見つけて来るよ。あ、笠木工房に再生頼むとエンジンスワップやれないか、オーバーホールはやれてもスワップする設備無いもんな」
「そうだよねえ、笠木さんの得意はボディのレストアだもんね」
「そう、メインはボディだよ。エンジン関係はオーバーホールはできるけど、まるっきり別の系列のエンジンには乗せ換えムリでしょ」
「そうなんですね。それであたしの逗子ちゃんもここにレストア頼めって言うことなんですね」
「そういう事よ、悟瑠さん、このゼッツーはどっちにしてもお店に持っていって再生ですよね」
「その通りなんだけど、ここにおいたのはどうしてかなと思ってね」
「お兄ちゃん、綿貫さんから注文が入ってて、乗って注文書に不足ないか見てくださいだって」
「そういうことか、雅子。仮ナンバーでお店まで移動するよ。愛理沙ちゃんこの車ってどうやって持ってきてたの?」
「加藤運輸が自走で来てましたよ」
「自走かあ、綿貫さんは乗ってくれということかあ」
といっていると、コオオオオォンという甲高いエンジンの音とともに低めのフオオオーンというエギゾーストノートが聞こえてきて中型バスがアジトに入ってきた
ロニーでドライバーは予想通り綿貫さんだった
「すみません、急に車を送り込みまして」
「話は聞いてましたが、お店に来るのはいつかと思っていたんです。昨日ということだったんですが加藤運輸のトラクターが不足ということで遅れるとあったきりで」
「連絡というか行き違いがあったようです。この車の軽整備したウッディパラソルさんとの行き違いで明日の予定が今日になって、自走で出発したまではよかったんですけど明日納車してくれとお店から言われて急遽ここの格納庫に入れることになったとか」
「あ、ほんとだ。ママから連絡入ってる。お店でいうの忘れてたとか。一晩預かれって」
「お袋はこれだよ」
「このZH12Dはフロントセクションが逗子ちゃんと同じだから、ええとシリンダーでアシストするパワステにするのか。あ、そうか逗子ちゃんはフロントのホーシング交換するから今の方式が使えないのか?ホーシングは何の?あれ?このホーシングなんだ?」
「お兄ちゃん、これって笠木工房から"注文のZH100の純正未使用品送ります"ってかいてあるよ。もしかして優花の逗子ちゃん用に買ったやつかな?元除雪車だったもんね」
「そうだと思う。そうかあ、雅子、どうして逗子ちゃんのホーシングが割れたかわかったよ。逗子ちゃんはエンジン交換した分重量増えて負担増えちゃったのか?と思っていたけど、ちがったよ。笠木さんに冬は雪かきにも使っていたって聞いたのと、さっき雅子が除雪車で使っていたって言ってから考え直したんだ。スノープラウの重さでフロントのホーシングに負担かかっていたのかもね。フロントのオーバーハングにつけるから負担はでかいよ。いくらエンジンが軽いって言っても。それに3軸の総輪駆動ならなおさらだよ。推進力が違うもんね」
「悟瑠さん、僕のゼッツーのフロントは?大丈夫でしょうか?」
「綿貫さん、ゼッツーは念のためにレストア前にフロントもX線で確認しますよ。特にデフの下面に割れがないかどうか?フレームも亀裂が入って無いかも。エアサスにする時に錆も全部確認します。このゼッツーはフロントの構造上スノープロウつかないです。多分ですけど、負荷は少なかったはずですよ。ウインチもないし」
「それなら安心です。後ろもですか?」
「勿論です。リアのホーシングは全部X線で内部の亀裂確認するんです。通常ボンネット車はフロントに負担がかからないんで確認しなかったんですよ。それに逗子ちゃんのような車は30km位でゆっくり走る使い方と聞いていたんで除雪の時の負担は見逃してました、親父も同じですけど生まれた頃には大体の道が舗装されていて、砂利道なんて探さないとなかったといってますよ。それなら痛みは少ないと思って」
「そうだよなあ。俺たちはわざとダート路作ったもんな」
「逗子ちゃんとゼッツーの年式だとほとんど舗装路でしょうから多分ですけど傷みは少ないかもしれません」
「そうですね。」
「走ってもあぜ道とか後輪駆動が入れないようなところを走っただけと思います。逗子ちゃんは3軸で駆動力ある分、除雪でフロントのホーシングには無理かかったかなと思ってます」
「走り方によるんですね」
「そうですね。やっぱり雪かきが一番効いたかなと思いますよ。さっき、笠木さんにスノープロウの画像送ってもらいましたけど、今の除雪車並みに重そうです。僕らも除雪車上がりなら割れがないか見ます。今度からは全車割れ確認しますよ」
「よろしくお願いいたします。」
「綿貫さん、ゼッツーの再生承知いたしました。明日から手が付きそうです。エンジンはもう部品がでないのでこちらのまだ部品が出る在庫に乗せ換えますね」
「よろしくお願いいたします。夜分ありがとうございました。失礼します。小笠原さん、河野さん、明日もよろしくお願いします」
「「はい」」
コオオオオォンという甲高いエンジンの音とともに低めのフオオオーンというエギゾーストノートを上げた綿貫さんのロニーが帰って行った
次の日、仮ナンバーをつけた綿貫さんのゼッツーに乗ってお店に行った
「お袋、忘れているよ。綿貫さんの車のこと。昨日の夜来ててびっくりだよ」
「あ、そうね、ごめんねえ。雅子には連絡いれてたのに悟瑠にいれてなかったわ。これね。へえええ、これもまたレアものよね」
「うん。加藤運輸で自走でもって来たよ。キャビン周りは結構来てるなあ」
「悟瑠、これかあ。高尾さんの同業者が使っていた車だろ。先輩の親がこれの面倒見てたよ。このドライバーはとにかくものを大事にする人で車に無理かけない様に余裕あるZH12D買ったらしいよ。TSD40だとパワー無いから無理がかかってしまうと言ってたらしい」
「なるほどね」
「総輪駆動にするのは、収穫の時に泥道にはまったときだけとか」
「親父よく知ってるなあ」
「これは、先輩が実家に帰ると先輩の親父さんが整備していたらしいからさ。帰省から帰って来ると先輩が子供のころに親が整備していたトラックがまだ現役で働いているってわかるとうれしいとかいってね。オーナーともよく話していたようだよ」
「へええ、そうかあ。親父、これは綿貫さんがニックネームつけてゼッツーって呼ぶってさ」
「そうか、このゼッツーを先輩に来てもらってレストアやってもらうのもいいかもなあ」
「親父、笠木さんのお店があるだろ。迷惑じゃあ?」
「そうだけどな。最新の車は今年から入ってきた植木さんの息子さんに任せて今のメインは4トン総輪駆動で野沢菜漬け売ってるって言うからさ。植木さんの息子さんもウッディパラソルの共同経営者になったようだよ。板金の腕もよくって先輩はひまを持て余してるらしいぞ」
「それなら、笠木さんもここで板金ハンマー握りたいかもね」
「ということだ。ダメもとで呼んでみよう」
親父はすぐさま笠木さんに電話していた、終わるや否や僕らに向かって
「先輩は二つ返事で来るって。五式さんのウィークリーマンション予約してと」
「ひと月?」
「ああ、1月間頼んだ。このところ板金ハンマー握ってなくてストレスだったらしいから喜んでたよ。ZH12Dのレストアって言ったらすぐだよ。自分と親が面倒見ていた車ってこともあるんだろうな」
「明日からかな?」
「多分な。車はやっぱり4トン総輪駆動だろうね。駐車場の確保とマンションの往復で貸し出しできる車を準備するか?」
「それなら、あたしのE-KE70いいわよ。笠木さんがいいというなら」
「ありがと。こことマンションとせいぜいコンビニ行くくらいなら十分だろ」
「それなら明日から隆文はここだな。僕はアジトでリース車両の車検で雅子はまた車積んで往復か。隆弘と二人で車検だなあ。石橋君に来てもらっていいかな?」
「仕方あるまい。ゼッツーのレストアは村上君たちにも手伝ってもらって進める。エンジンは何を積めばいいんだ?EM100?」
「それがいいかな?M10Cがいいかな?排気量似たり寄ったりだし」
「悟瑠。それなら在庫と相談するよ」
「よろしく。今日はできる限り大型の車検と点検終わらせてだな」
「そうだな」
僕らは綿貫さんのゼッツーに手を付けるべくほかの車の車検の処理と優香ちゃんの逗子ちゃん、スワンのフロントホーシングの交換を進めようとしていた。
僕らは作った計画通りにフロントホーシングの入れ替え作業をやっていた。
「悟瑠さん、逗子ちゃんのフロントホーシングなんですけど。ちょっとスパンがきついです。リーフのスパンをいじる必要あるかもしれません」
「うーん、そうかあ」
「悟瑠、ちょっと、誤算だったなあ」
「元オーナーは使えると思って持っていたのかな?いったん保留しておいて、ちょっと調べたいから。調べた限りじゃあ一番トレッド近いんだけどなあ、うーん」
「悟瑠、考えよう。データ見たほうがいいだろ」
「そうだな。脚のデータ調べよう。フレームのデータも」
僕らはかつてレストアしたゼットワン、スワン、ZC121改造バスのデータを調べていた。
「あ、ゼットワンとスワン、ZC121は構造的には近いんだね、というかゼッツーとスワンは同じエンジン積んでるからかな?逗子ちゃんはフロントセクションがちょっと狭い。ZC121がトレッド一番広いんだね。リーフ間スパンは逗子ちゃんだけ狭いんだなあ」
「悟瑠。ホーシングいじるしかないぜ。位置決めピンの位置ずらすしかないだろ。」
「隆弘。ちょっと考えたんだけど、スワンのホーシングも下手したら持たないぜ。V10の重さはV8+250kg、逗子ちゃんのエンジンは670kgくらいで積んだエンジンは1060kg。それからゼッツーに積むエンジンはほぼ850kg。だとすると、ホーシングは逗子ちゃんはスワンのがいる、ゼッツーは今入手したものにすればいいよ。スワンはみさえのがいるよ。みさえはキャブオーバーでもとから除雪車用でフロントが強化されてるんでV10は行けそうだ」
「悟瑠。図にかけ。わからん」
「こうだよ」
僕はホワイトボードにゼッツー⇒ZH100のホーシング(入手済)、逗子ちゃん⇒スワンのホーシング。スワン⇒みさえ(要入手)のホーシングが必要と縦に並べて書いていた
「ってことは、みさえのホーシングを入手する必要あるってことか」
「その通り、もっといいことにそうすると全部がボールナットになるからパワステ化も楽だよ」
「なるほどね。ってことは、みさえを買ったところに聞いてみるか?」
「そうだな。僕は笠木さんのところに聞いてみる」
「俺は北の方に聞いてみる」
僕らはすぐに連絡した、すると北の方にデフ、ホーシング、そのほか大型車の部品の在庫があって廃棄も忍びなく処理に困っていると言っていた
「隆弘、買ってこよう。うちの在庫にすれば修理が早くなる」
「そうだな。アジトの隣に部品倉庫作ったんだよな」
「うん、そこに保管しておこう。エンジン、ミッションもおいてある。デフやホーシングもおけるからいいよ」
「そうだね」
僕らは親父に言って次の日に隣の県に行くことにしていた。
加藤運輸のトラックも出してもらって僕のジゴちゃん、隆弘のみさえ、雅子のピッピ、隆文は加藤運輸のトラックのFR3FZDAを乗って向かっていた。
親父は任せたということでこっちの仕事の指揮と隆弘のお父さんのスワンを持ってきてホーシングを交換する準備もしておくと言っていた
4台の大型トラックで行って廃業する倉庫で眠っていた部品を全部引き取ってきた、僕らは買うと言ったのだが、オーナーは長いものは30年を超えてしまっているデッドストックになってしまって、箱や包装が痛んで売れないと思って捨てるつもりで見積もり取ったので、捨てる費用が0になっただけでうれしいということで逆にお金を払おうとしたのでそれはいいということで、全部を1円として払って引き取って帰ってきた
お店に着くと親父が
「悟瑠のメモを見たら最初にスワンの交換だろ。その次に逗子ちゃんにスワンのホーシング入れて、ゼッツーに先輩から送ってもらったホーシングの順番だよな」
「うん」
「ってことで、スワンはもうホーシング降りているから、デフもおろした。買ってきたのはこれか?」
「うん、K-FU633AAって書いてあるやつ」
「これにデフ組んでやればいいな。さすがに強化品だ。これならV10の重量もOKだな」
「僕らは、逗子ちゃんのをやればいいか」
「おう。車検はこっちで全部済んだよ。先輩はZH100のホーシングにZH12Dのデフ組んでくれたからリーフのスパンそのままでいくなら、念のため切った鉄板を補強として貼るんだぞ。先に割れることが多いデフの下面に5mm以上の鉄板貼っておけばOK。強化品を見てみろ、ここにリブに入ってるだろ。それに下面に補強版も貼ってある。真似すればいいよ」
「なるほどね。そうかこれには入ってない」
「できれば強化品のように上下に入れておけば万全だろ。防錆処理もきちんとな」
「OK、やっておくよ」
僕らはその週は旧型トラックの再生とフロントセクションのカスタムをやって不具合出ないようにしていた。
土曜日と日曜日は北の方にあるサーキットでGTカーレースがあってエントリーしていた、土曜日の予選は前回の反省で見直した脚とフレームに補剛を組んでいたのでちょっとは上を狙えるかと思っていた
今回の予選はうまくクリアラップが取れて走れたのは隆文でチームではトップタイムの2着、雅子はちょっと遅い車に引かっかって愛理沙ちゃんが3着と表彰台を狙えそうなところに来ていた
「3回連続で予選3位よ。今回はクリアラップが取り切れなかったわ」
「仕方あるまい。車はどうだ?」
「車はばっちり、それにお兄ちゃんのいじったエンジンいいね、脚もあるけど同じ300クラスをストレートで抜けるっていうのは楽でいいわよ」
「それはよかった」
「強敵は35かな?V8だと思うよ。結構ストレートが速い」
「熟成してるだろうから速いだろうな」
「うん、お兄ちゃんの車台補剛ばっちりよ。それに脚のストロークをのばしてトラクション重視はいいよ。最終コーナーで全開で踏んでもガンガン前に行くからね。隆弘さん補強の試験ありがと」
「そう。悟瑠さんの車台の対策がいいです。俺もこんなに乗りやすくなってるとは思わなかった。何やっても前に行くっていいよ。兄貴が組んだエンジンもいいよ。高回転が周りよりも伸びてるから速くって」
「そうか。よかったよ」
「悟瑠さんありがと。隆弘さんありがと。あたしも表彰台狙います」
「そうですね。百合先輩の言う通り。表彰台取っちゃう」
「よかったよ。今日は早く休もう。夕飯はとんかつ?それとも牛タンがいいかな?」
「あたしはここに来たんだから牛タンでしょ。百合リンは?」
「雅子は牛タンね、あたしはとんかつがいいな。愛理沙は何かな?」
「ええと。とんかつにします。隆文さんは?」
「俺は牛タンだな」
「隆文、明日は舞由良が応援にくるんだよね。この前のFは時間がかかるからこれなかったけど」
「そうだね。親父が舞由良に出張旅費って言って手当出してしかも日曜日なんで休出扱いにしちまったよ」
「それじゃあ、表彰台に乗らなきゃね。舞由良ががっかりしないようにしなきゃね。乗れるかな?」
「乗ってやろうじゃん」
やれやれ隆文は雅子の挑発っていうか、からかいにすぐにムキになるよなあ。小さいころから変わらんなあ。まあいいか。そこが隆文のいいところでもあるからなあ
「悟瑠、昔っから雅子は隆文を操るのうまいよな」
「そうだな。今日は早く休んで明日に備えよう」
次の日はこれでもかというほどのピーカンでタイヤへの負担がでかい日でもあった。
「悟瑠、今日はハードとスーパーハードの出番かな?」
「そうだねえ。ここまで路面温度高いとタイヤがきついね。オーバーヒートも」
「そうだな、オイルクーラーは左右に2つつけたよ。ラジエターはGT500用だろ」
「そうだよ。それならいいだろ。雅子。プラクティスの結果はどうだ?」
「いいよ。後ろがしっかり踏ん張るから。タイヤもこれで行く」
「隆文、車のセッティングはどうだ?」
「いいよ、このタイヤでいけるよ」
「じゃあ、新品に交換はしなくてよさそうだな」
「うん、一皮むけたところでちょうどスタートにはいいよ。2周かな早く入れば後半もスーパーハードにしたいなあ」
「わかった。スタートは?」
「今回は愛理沙、あたしは後」
「今回は隆文さん。あたしが後」
「よし、それで行こう」
僕らの準備が終わったころ、場内のアナウンスが
"やってまいりましたラウンド6SS選手権です。今回の実況は松島、解説は許山さんです、今回の見どころは何と言ってもウエイトハンデをどう克服するかですね。回数も重ねているのでハンデも増えてますからね"
"そうですね。ええと多いのは50kg超えもありますからね"
"そこはチームごとの作戦もありますからね。コンスタントに入賞すると増えますよね"
「うちはどうなんだ?」
「雅子たちが46kg、百合ちゃん達が44kgだよ」
「次に出るのは最終戦だからハンデ0か」
「そういうことだな」
「結構積んでるよなあ」
「いい車にしすぎたかな?2戦とも完走で表彰台には乗ってないけど、ポイントはたまっちまったからなあ」
「今回うまく走り切れば、最終戦がチャンスか」
「うん。そこだな」
"予選も終わってフォーメーションラップのスタートです。500クラスはメーカー同士の意地の張り合いと作戦ですね。300クラスは今回はチーム佐野が予選で2着にいますからどこまでいけるかですねえ"
"サクセスウエイトは485号車が46kg、583号車が44kgですね。2戦しか参加してない割には多いですね。プライベーターで資金の関係もあってフルに参戦してないのですが表彰台に乗ってはいませんが2戦とも上位で完走ですからねえ"
"個人のお店が持ってるチームですからね。聞いたところチューバーとCFで資金募って参加なので全戦参戦は元から無理と割り切ってますが、出てくるとワークスにはうるさい存在ですよね。車がとにかく速いです"
"ドライバーの腕もあるでしょうね。元々ドリフトでチャンピオンになっているんでコントロールするのに長けてますね。それにとにかく勝利に貪欲ですね"
"自前でコースを持って開発するという熱心さが表れてますね"
「なんかくすぐったいなあ」
「お兄ちゃん、確かにうちってサクセスウエイトおおいかもね」
「うん、その分も考えてサスのセッティングしたんだよ」
「まあ、2キロなんてダイエットで変わっちゃうけどね」
「それいったらそうだな」
「スタートだ。それいけえ」
「愛理沙、いったあ。隆文を躱してトップに迫ってる」
「トップはハンデ無いから?結構速いよね」
「そうだな。百合もそう思うだろ」
「今のは隆文の油断だなあ」
「ああ、そう思ったよ。愛理沙ちゃんはトップのスリップ使っていたからね」
「そう、隆文のインに飛び込んじゃんったら隆文はどうしようもない」
「ハンデウエイトが効いたな」
「どうやらトップはとにかく逃げ切りの体勢だな」
「愛理沙ちゃんと隆文はあえてしかけずに後続を離して後で勝負って考えか」
「あの二人はTSカーの時も似たような作戦よく使っていたからね」
「愛理沙、そのままついていって後ろを離していけば表彰台に行けるよ」
『はい』
「隆文、後ろを離しているからそのままいけ。ピットの時間を稼げばいいよ」
『はいよ』
「このままうまくいけは表彰台か」
「まあ。それはそうだ。油断せず行くぞ」
"レースは中盤の15周目に入り、500クラスがそろそろ300クラスに追いつく頃ですね"
"そう、そろそろ追いついてもいいころで300クラスでは50kgのウエイトではさすがにここはきついですね。ウエイト乗っていても速いのはチーム佐野ですね。これは脅威ですよ、ストレートはスリップ使っているとは言えノーウエイトの車についていける速さは半端ない。4位を走ってるのは18kgですからそれでもストレートでおいていかれるというのはいかにチーム佐野のエンジンがいいかですね"
"エンジンはV8と聞いてますがうまくパワーを引き出してますね"
"ほかのチームと同じメーカーと一緒ですから特殊なことはないはずですが"
"そうですね"
「そろそろ隆文を入れたほうがいいか?」
「ああ、500の遅いのとラップが近くなってきてるぞ」
「200psの差があるはずだなあ」
「なんだろうね。あ、タイヤの選択を誤ってるんじゃないか?もうずるずるとか」
「そうか、あり得る」
「混戦の中だと抜きにくいか?」
「そこはどうするかだな。今交代して2/3超えないか」
「そう」
「お兄ちゃん、愛理沙も隆文も乗れてるからしばらくそのままでもいいかも」
「うん、そこは難しいよね」
「そうなんだよ。乗ってるから交代させづらいって難しいよなあ」
「コース状況見てだな。TSカーの時もタイミング悩んだもんだよ」
「そうね」
『兄貴、あと何周走ればいいんだ?』
隆文から無線が入った、不安になっているのだろう。
入り始める車も増えている、タイヤはサクセスウエイトハンデで結構きついかもしれないなあ
「今のトップが入る時に合わせて入れ、タイヤがやばいときは言えよ」
『OK』
「愛理沙、悪いけど、トップと同じタイミングで入るんだよ。よろしくね」
『はい』
「車に何かあったら言ってよ」
『はい』
レースも進んで規定周回に近くなって来ていた、今まで入らずに引っ張ってきたチームが入ってきて各チームの作戦のどれが上手くいくかという時
"300クラスそろそろトップがあ、入りますね"
"この辺でしょう。2着、3着も続いて入ります。似たような作戦でしょう"
"燃料とタイヤですか?"
"ですね。あ、4番手と5番手がもうピットアウト。どうやら左のみの交換でスタート。先ほどまでトップの車はどうしたんでしょう?何に手間度ってます。チーム佐野2台がピットアウトですが583号車が先にピットアウトです。485号車がちょっと遅れて出ました"
"燃料でしょうか?ちょっと手間取りましたね。先ほどまでのトップがやっと出ました。なにか不具合あったようですが?順調に走ってますのでホイールナットが緩まなかったとか?"
"ピットレポートを呼んでみます。今居さん。GT300のトップだった123号車に何があったんですか?"
"はい、こちら今居です。はい。原因はドライバーのシートベルト調整がうまくいかなくてちょっと交代に手間取ったようです"
"こちらもチーム佐野と同じくプライベーターですからね。なんか惜しいですね"
"そうですね"
"はい、以上、ピットからでした"
「ちょっと雅子の方が遅れたなあ。左がホイールナット緩まなかった」
「スタッドボルト交換だな。かじってるだろ」
「そうだな。仕組みとしてはセンターハブで支持してナットは外れ止めだからきつく締めなくてもいいんだが、絞めすぎたか?」
「ちょっとオーバートルクだったかもな」
「雅子、すまん」
『いいよ、仕方ない。今は百合リンが先にいってるからあたしは援護射撃に回るよ。うまくいくと百合リンが3着になれる。後続はあたしが抑えるから』
「雅子、いいのかよ」
『隆文。お疲れ。チーム内でつぶし合ってもダメじゃん。百合リンがミスってとかあったら行くけどそれまではうまく後続をブロックするから』
「雅子、頼んだ」
「百合、ガンガン行け。雅子が後ろは任せろだから」
『隆弘、ありがと。真子にもお礼言っといて。隆弘。絶対に表彰台乗ってやるから。雅子と愛理沙のためにも』
「百合。任せた」
"583号車走りが変わりましたか?ピットの作業中に抜いていった2台を追いかけてますね、ちょっとトラブルで苦しんでいる500クラスにどけと言わんばかりのパッシングライト"
"そうですね、後ろには同じチームの485号車がいて、どうやら後ろから来る300クラスを抑える作戦ですね。それなら前だけ見てガンガン行けますよ"
"悲願の表彰台に上れるかですね。500クラスは上位はなかなかの接戦ですからね。トラブル抱えててもチャンピオンがかかっているとここでポイント稼ぐ必要ありますからね"
"そうですね。リタイヤするわけにはいかないんでペース守ってですね。ああ、どきましたね。ブルーフラッグ無視はペナルティくらいますからね"
"あ、後ろでは佐野選手に襲いかかる300クラスですが、ストレートは佐野選手の車が速い。スリップにつけませんね"
"これでは抜けないです。コーナーで迫るものの立ち上がりの加速では佐野選手に分がありますからね"
「雅子が後続を上手くブロックしているなあ、それにストレートは明らかに雅子が速いからフラッグも振りにくい。あっちは50kgのハンデ背負っているんだな。ストレート区間で速いうちの車のインには後ろから来たのは飛び込めないからレースバトルに見られるな」
「徐々に百合との間を離して行ってだな。雅子、5番手を押さえていればOKだ。6番手以降は15秒もうしろだ」
『はいよ。任せて』
「百合、思い切っていけ。何かあっても雅子がいるから。めいっぱいいけ」
『はい、隆弘。見てて』
「百合先輩ゴーゴーレッツゴー」
レースはそのまま進んで百合ちゃんの583号車がそのままゴールイン。雅子の485号車は後続を残り5周で逆に突き放して4着のままゴールだった
「雅子、ありがと。雅子だって表彰台に登りたいのに」
「レースだもん仕方ないって。チームで戦っているんだから。うちのチームが表彰台に乗れればいいの」
「先輩、大人すぎてあたしはもっと精進が必要です」
「えっく、えっく。雅子。ありがどう」
「おいおい、隆文。お前泣きすぎだろ。はあああ」
「雅子に甘えっぱなしかよ。おめえの方が誕生日一週間早いんだからよ。お兄さんらしいところ見せろ」
「あははははは、隆弘さん。仕方ないって。隆文って小さいころから泣き虫で」
「そうだな。三つ子の魂百迄ってか?舞由良ちゃんに笑われるぞ」
「「「「「あははははは」」」」」
チーム佐野として初めての表彰台に乗った僕らはその余韻に浸ったまま帰ってきた。
次のGTカーは最終戦に参加で次戦の7戦目はパスの予定だった。
月曜日から、ワオ君、ゼッツーのレストアとスワンと逗子ちゃんのデフ入れ替え、脚のチューニングをやって他には車検と法定点検をやる日常が戻ってきた。
その結果を試すために土曜日に雅子たちがやってるコースにやってきた
「隆義。スワンはモニターあっても視界が厳しいか?」
「ああ、ホイールベースが一番長いから厳しいぜ。それに視界もよくない。それにしても康晴のジュゴンは結構いけてるなあ」
「うん、ホイールベースで600mmの長さ違いはでかいぜ。おおよそ10%。それに脚の伸びの長さも違うだろ。スワンが浮いてしまうところでもジュゴンは浮かないから」
「仕方ないか。タフさんもすごかったけど、ジュゴンもフロントのデフロック使わずこのモーグルクリアだもんな」
「そうだな。悟瑠、隆義のスワンはこれ以上無理か?」
「うん、どうしてもというならプロペラシャフトのジョイントを交換しないと、シングルユニバーサルだと厳しい。ジュゴンとか僕のジゴちゃんはパワーアップするんでプロペラシャフトを強化する必要あるからついでにジョイントはダブルユニバーサルにしてサスの伸びを取れる様にしてある。この車はペラは390psも大丈夫なんでオリジナルの儘なんだよ」
「ってことは、俺のとか、悟瑠のとか?あとは?」
「あとは雅子のピッピもそうだな。百合ちゃんのワンコも愛理沙ちゃんの2台の総輪駆動みたいにパワー上げたのは全部やった。スワンはもとから後ろは390psにも耐えるジョイントだからやってない。」
「悟瑠さん、あたしの逗子ちゃんはプロペラシャフトどうなんですか?。脚が伸びるのか?めちゃくちゃ走りやすかったです」
優花ちゃんもフロントのホーシングを交換したのでテストもかねて来ていたのだった
「優花ちゃん、もちろん、強化品にしてあるよ。ダブルユニバーサル。脚は伸びるよ」
「悟瑠君、あとダブルユニバーサルになってる車両は?」
「ここにきてませんが、譲さんのワオ君も交換済です。最高速上げるにはベアリングからホイールハブのような駆動系のほとんどを交換しないとだめだったから」
「ってことは、ターボのないしずかはプロペラシャフトの強化やってない?」
「あ、それはやりました。トルクが倍近くになるんで」
「そうか。しずかはダブルユニバーサルか」
「強化品のプロペラシャフトが入っているのはターボにした総輪駆動全部としずかとかエンジンを載せ替えてトルクが倍近くになってる車たちです」
「わかった。スワンはホーシングの交換で回転半径が小さくなって使いやすくなったし、エアサスにして乗り心地いいからモーグルを走らなきゃあ十分だな。それに使い方を考えたら専用のプロペラシャフトまで要らないか。よし、分かった。ちなみにK-SKW520改はやってある?」
「もちろんです。生のV8の62kgからV10の130kgまでトルクが上がるんで交換しないとプロペラシャフトが持たないです」
「ありがと。よし決めた」
土曜日の走行テストは終了して解散、優花ちゃんは自分が乗れと言われている車のポテンシャルの高さに圧倒されていた
日曜日は久しぶりに何もしないでアジトから一歩も外に出ないだらだら過ごしてリフレッシュしていたし、雅子も同じくのんびり過ごしていた
週が明けて月曜日に会社にいくと、隆弘のお父さんから名義変更の仕事が入っていた、しかしながら2台というのが解せなくて隆弘に聞いていた
「ちょっと待って、ということは、隆弘たちのお父さんはしずかを隆文にくれという代わりにくわちゃんを隆文に乗れってことか?」
「悟瑠さん、そうなんだよ。親父はよっぽどオフロードでのZC120改の視界の悪さと車高不足の腹擦りにこりたらしい。キャブオーバーでショートホイールベース、しかも脚が伸びる3軸がほしいとか言って狩野さんからくわちゃんをかったんだよ。それでももっとホイールベースの短い隆文のしずかと交換してくれだってさ」
「ってことはやっと話がわかったよ。狩野さんから加藤運輸に車を売ったから名変変更してくれと来たんだが、隆弘のお父さんからどうして2台の名義変更あるのかわかんなくて不思議だったんだよ」
「親父は肝心なこと言ってないなあ」
「悟瑠、それから、狩野さんの新しいダンプをV10にしてくれとか来たぞ。型式はKL-CW55YNHDで、V10のRH10Fにしてくれとか。百合も言ってた」
「お兄ちゃん、それ百合リンからも来てる。今、狩野さんが持ってるダンプが2台とも規制地域に入れないから新しくKL-の車を買ったんだって」
「なるほどね。N尺の 22トンダンプでV10かあ、半分趣味車だなあ」
「だと思うわよ、くわちゃんとホイールベース近いからね」
「そういったらそうか。丸松建設の悪路での仕事だと会社の総輪駆動もあるからそれで行けるし、このダンプは規制地での仕事専用か」
「そのようだね」
「俺たちも仕事があるってことだ、ありがたいということだな」
「ねえねえ、隆文。くわちゃんのニックネームは他の2台に倣って女性に揃えようよ。"わかこ"っていいでしょ。K-SKW520改でわかこ。それとも"和香"?」
「おいおいおい、それって。無理くりじゃん」
「いいのよ。ニックネームなんてそんなものじゃん。決まりね。これからはK-SKW520改ね」
「はあああああ」
「「あははははは」」
ひとしきり笑った僕らは在庫からオーバーホール済のRH10エンジンを引っ張り出してKL-CW55YNHDのエンジンスワップの準備をしていたのだった。
やっと表彰台?
雅子はちょっと残念だったかな?
総輪駆動の入れ替えでまたすったもんだとはいつものこと
登場人物の所有車紹介
佐野 雅子
・大型リアエンジンバス
①観光シャシ+観光ボディ
KC-RA531MBN改
U-RU2FNAB改
②路線シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
U-UA440HAN改
KC-HU3KMCA改
③短尺路線用シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
U-RP210GAN改
U-MM618J改
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 U-FZ2FJCA改 V10に換装済
②カーゴ フレーム交換車
6×6 KC-FU4FPDA改 V10に換装済
・大型ボンネットトラック
①カーゴ
4×4 K-TSD45G改
・小型車
①クーペ
GF-S15改
佐野 悟瑠
・大型リアエンジンバス
①観光シャシ+観光ボディ
KL-RA552RBM改
KC-RU3FPCB改
②路線シャシ+観光ボディ;V8に換装
KL-UA452PAN改
KC-UA460NAN改
③路線シャシ+路線ボディ 路線用前中2ドア
KC-LV280N改
U-LV218M改;V8に換装
・大型キャブオーバー トラック 元除雪車 フレーム交換車
①ダンプ
4×4 KC-CF53XGH改 V10に換装済
②カーゴ
6×6 KL-CZ55YNH改 V10に換装済
・小型車
①セダン
GF-GC35改
GFーENR34改
佐野 康晴
・大型バス
①リアエンジン 路線シャシ+路線ボディ
自家用1ドア
KC-UA521NAN改
②ボンネット トラックシャシ+路線ボディ 路線用1ドア 元移動診療所
4×2 TK20L改
・中型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ 路線用前中2ドア
P-LR312J改
K-102H改
・小型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ 路線用中1ドア
P-RB115AA改
・大型ボンネットトラック
①カーゴ
6×6 TZ50MD改 V10に換装済
②ダンプ
4×2 KB112D改
・小型車
①セダン
Q-LS131H改
佐野 康子
・大型バス
①リアエンジン 路線シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
U-LV224K
②ボンネット トラックシャシ+路線ボディ
路線用1ドア 元移動診療所
4×4 T370改
・大型ボンネット トラック
①ダンブ
4×4 TF30GD改 V8に換装済
4×2 TD50AD改 クレーン車改造済
・小型車
①ハードトップ
E-KE70
②セダン
E-AE70
加藤 隆弘
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 U-FR415H改
②カーゴ
6×6 K-FU633AA改 V10に換装澄
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ
自家用 1ドア
U35H改
・小型車
①セダン
CBA-GVB
加藤 隆文
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 SKS390改
②カーゴ
6×6 K-SKW520改 V10に換装済
・大型リアエンジンバス
①短尺路線シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
MR510改
・小型車
①クロカン4×4
KG-VGY61
加藤 隆義
大型キャブオーバートラック
①カーゴ
6×6 SKW440改 V10に換装済
・大型 ボンネットトラック
①カーゴ
6×6 ZC120 V10に換装済
4×2 DU780HD改
②ダンプ
4×2 DA100D改
・大型リアエンジンバス
①短尺路線シャシ+ナロー仕様路線ボディ
路線用中1ドア
BA05N改
松尾 百合
・大型リアエンジンバス
①観光シャシ+観光ボディ
P-RU636BB改
P-RA52M改
・大型キャブオーバートラック
①カーゴ
6×6 K-FW125M改 V10に換装済
・大型ボンネットトラック
①ダンプ
4×4 W81D改 V8に換装
・小型車
①クーペ
EーS110改
松尾 譲
・大型キャブオーバーバス
①トラックシャシ+路線ボディ
路線用中1ドア
4×2 BF30改
・大型ボンネットトラック
①ダンプ
4×2 T800FD改 V8に換装済
4×4 ZH110改
6×6 6W100改
・小型車
①クーペ
E-GS130改
松尾 隆
・大型 キャブオーバートラック
①ダンブ
4×4 CF30DD改 V8に換装済
・大型 ボンネットトラック
①ダンプ
4×2 TK20GD改
・大型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線ボディ 元レントゲン車
路線用中1ドア
4×2 K-TDJ72改 V8に換装済
・大型リアエンジンバス
①短尺観光シャシ+観光ボディ
P-RU192AA改
・小型車
①セダン
E-GNY33改
松尾 友香
・大型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線ボディ
路線用中1ドア
4×2 DB100改
4×4 TSD43改
・大型キャブオーバーバス
①短尺トラックシャシ+ナロー仕様路線ボディ
路線用中1ドア
4×2 BXD20E改
・大型ボンネットトラック
①ダンブ
4×2 TXD60D改
・小型車
①HB
E-KP61
小笠原 愛理沙
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+観光ボディ
B806K改
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 KC-FR529改
・小型車
①セダン
TA-GXE10
小笠原 哲史
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ 自家用前1ドア
MAR480改
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 K-FR113H改
・小型車
①クーペ
E-MA45改
長野 暁
・大型リアエンジンバス
①短尺路線シャシ+路線ボディ
自家用1ドア
P-MM517J改
路線用前中2ドア
MR520改
②短尺観光シャシ+観光ボディ
MM515H改
・小型車
①クーペ
ZN6
狩野 守
・大型キャブオーバートラック
①ダンプ
6×4 U-FS1VKBD改 V10
6×4 KC-FS3FKCD改 V8
6×6 KL-CW55YNHD改 V10に換装
・小型車
クーペ
ZN6
河野 優花
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+観光バスボディ
P-LV214L改 V8に換装
・大型 ボンネットトラック
①カーゴ
6×6 ZC44改
・小型車
①HB
L700S改
綿貫 洋平
・中型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線バスボディ
自家用前1ドア
B622B改
・大型ボンネットトラック
①ダンプ
4×4 ZH12D改
橋爪 正治
・中型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線バスボディ
路線用中1ドア
BX521改
・大型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線バスボディ
路線用中1ドア
BXD30改 後面丸形状
BXD30改 後面平面形状
笠木 徹治
・中型増トントラック
①クレーン付き 増トン レッカー車
4×2 KC-PK262HFZ改
②ウイング積載車
4×2 KC-PK262UFZ改
③オープン積載車
4×2 KC-PK262VFZ改
笠木 達也
・4トントラック
①カーゴ
4×4 U-FL618G改
矢代 圭一、伸一親子
・大型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線バスボディ
路線用1ドア
4×4 K-ZC121改 車体メーカーでオンオフ
4×2 BH15改⇒P-FH229BA改 29人乗り仕様 フレーム交換車
4×2DA90改 トラックにバスボディ架装
高尾製油所
・大型ボンネットトラック
①ダンプ
4×2 T412DD改
・中型リアエンジンバス
①路線系シャシ+観光系ボディ 自家用
K-MK116J改
・中型キャブオーバートラック
②カーゴ
4×2 U-FB2WEAA
いつも読んで頂き、どうもありがとうございます。
今回はここで更新します。
お気に召しましたらイイネや感想いただけると更新のモチベーションアゲアゲになります。




