第九十四話 GTカーの対策と総輪駆動の再生に奔走する悟瑠達
次のレースに向けて車づくりをする悟瑠達、脚を見直してどうなる?
しかしながらまた一人ボンネットトラックにはまった人が
主な登場人物紹介
ヒロイン 佐野 雅子 26歳
4月生まれ 峠のバトラー⇒TSカップレーサー⇒GTレースへ挑戦中
家業の佐野自動車販売の中古車販売店副店長兼整備工場の副工場長、整備の受注、部品調達担当の副社長 販売部部長 前職はスーパーの経理兼販売促進課
所有免許、資格;大型2種、牽引運転免許、2級整備士、危険物乙4、玉掛、ガス溶接、救急救命士、巻き上げ機、簿記2級、税理士、会計士、テルミット溶接、クレーンオペレーター
レース以外の趣味:
オフロード走行:大型の2軸、3軸総輪駆動のエンジン、サスペンションをいじって自分好みした。
パソコン:プログラム組むのも好きでシステムを自力で組める
僕 佐野 悟瑠 29歳
雅子の兄 3月生まれ 妹の雅子より4学年上 家業の佐野自動車販売に就職して6年目、整備工場の工場長 整備工場総括の副社長。
所有免許、資格 2級整備士、MIG溶接機、レーザー溶接機、ガス溶接、玉掛、大型2種、けん引免許、巻き上げ機、危険物乙4、テルミット溶接、クレーンオペレーター
カーキチ、スペックオタク、エンジンスワップ大好き。エンジン加工名手 オフローダー
佐野 康晴 57歳
僕の父親 佐野自動車販売の社長、総括責任者。
趣味人 マニ割、エギマニ作りの達人 元整備工で板金も得意。
佐野 康子 55歳
僕の母親 佐野自動車販売 副社長 佐野自動車販売店店長、営業、仕入れ担当
加藤 隆弘 29歳
僕(悟瑠)の同級生で親友。佐野自動車の副工場長、整備工場の専務取締役
専学卒業後家業の内燃機整備工場に就職、佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。悟瑠の幼馴染。2月生まれ。
エンジン加工名手、エンジンスワップ大好き 実は弟の隆文が一目置く運転センスの持ち主
所有免許、資格 大型免許、牽引免許、玉掛、ガス溶接、アーク溶接、レーザー溶接、危険物乙4、巻き上げ機、電検2種、テルミット クレーンオペレーター
趣味:レースカーづくり オフローダー 生エンジン好き
加藤 隆文 26歳
整備部長 隆弘の弟。雅子より一学年上だが、3月生まれで実はほとんど同い年。工業高校から家業へ就職。佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。板金と排気系を作るのが得意
所有免許、資格 大型免許、牽引免許、玉掛、ガス溶接、アーク溶接、レーザー溶接、危険物乙4、テルミット溶接、巻き上げ機
趣味:TSカーレース、GTカーレース、オフロード走行 生エンジン好き
加藤隆義 57歳
加藤運輸社長 佐野 康晴の同級生の親友
現在は運輸業、リース業に忙しく趣味の旧車はいじりが復活
かつて運営していたエンジン整備部門は、同じ敷地内にある佐野自動車販売に従業員ごと譲渡して運輸専門にした
松尾 百合 26歳
雅子の親友、丸松建設のお嬢さん。雅子と同じ高校卒業して同じスーパーに入って家業に転職。
松尾建設運輸担当副社長。普段はおっとりだがスイッチが入ると途端にせっかちとブチ切れになる
5月生まれ TSカーレーサー、GTカーレーサー TSカーカップではトータルで2勝あげ、シーズン3位
旧車好きで父親譲りの速い車好き。オフローダー
所有免許、資格 大型免許、牽引免許、玉掛、クレーンオペレーター、巻き上げ機、ガス溶接、テルミット、アーク溶接、危険物乙4、電検2種、火薬類取扱保安責任者(甲種)
松尾 譲 28歳
百合ちゃんの兄 、丸松建設の建設系担当副社長。マニ割マニア 実はオリジナル主義、生エンジン好きで速さにはこだわらない ドリフト競技に参戦中、TSカーカップにも挑戦中
所有免許、資格 大型免許、クレーンオペレーター、玉掛、巻き上げ機、ガス溶接、アーク溶接、テルミット、危険物乙4、電検2種、火薬類取扱保安責任者(甲種)
松尾 隆 57歳
丸松建設の社長 百合ちゃんの父親 速い車大好き 古いものを大事にする
悟瑠の父親の同級生
松尾 友香 55歳
百合ちゃんの母親、丸松建設資材調達兼外注先調整担当副社長
旧車大好き、かつオリジナル主義
小笠原 愛理沙 25歳
かつて雅子がいたスーパーマーケットの販売部移動販売課係長
実は創業者の孫でもある(第三十七話参照) 雅子の同じ高校の一つ後輩。スーパーマーケットの主要取引先の小笠原食肉のお嬢さん。 元レディスの7代目総長 2児のシングルマザー(第三十六話参照)抜群の運転センス
所有免許、資格 簿記2級 大型2種免許、牽引。危険物乙4、ガス溶接、巻き上げ機、玉掛、アーク溶接、火薬類取扱保安責任者(乙種)
TSカーレーサー⇒GTカーレーサー 雅子と組んでクラス優勝を狙う
実は空手で中学の時に全国大会に行った猛者
子供は上の子が哲也、下の子が愛美
小笠原 哲史 28歳
愛理沙の兄。別の会社に勤めていたが家業に転職、製油担当副社長
旧車好きで母親譲りのオリジナル主義だが必要に応じて改造する
所有免許、資格 大型免許 危険物乙4
ドリフト競技参戦中、TSカーカップ挑戦する 愛理沙の元旦那とは親友で同級生(第三十六話参照)
長野 暁 31歳。
スーパーマーケットの販売部移動販売課 課長代理。
かつては首都圏のバス会社に居たが欲しいバスが排ガスの関係で住んでいた地域で登録できなくて雅子がいたスーパーに転職。今は愛理沙ちゃんの上司短尺バス好き
所有免許、資格 大型2種免許、牽引免許、危険物乙4 簿記3級
狩野と一緒に走り屋チームの運営していた
狩野 守 31歳
丸松建設の業務課課長 運送会社にいたが首都圏の事業縮小で地方に転勤になった。偶然募集していた松尾建設に転職
所有免許、資格 大型2種免許、牽引免許、玉掛、巻き上げ機、ガス溶接、アーク溶接、危険物乙4、電検2種、テルミット、クレーンオペレーター
長野と一緒に走り屋チームの運営していた
河野 優花 23歳
スーパーマーケットの業務課から移動販売課に異動。大型免許取得して移動販売車で販売する
所有免許、資格 大型2種免許 簿記3級
綿貫 洋平 38歳
スーパーの販売部 移動販売課 課長
大型免許取ったらバスに嵌って自分でも買ってしまった。大型2種も持っていて見学者用のバスを運転する
所有免許、資格 大型2種 商業簿記2級
橋爪 正治 62歳
かつて雅子が務めていたスーパーの社長
雅子や百合、愛理沙に刺激されバス好き、旧車好きが復活
見学者の送迎の為のバスとしてボンネットバスそろえてしまった スーパーマーケットの広告も兼ねている
笠木 徹治 31歳
ウッディパラソルの経営者:悟瑠の父親の先輩(笠木 達也)が経営していたが代替わりした2代目
大型車主体の中古車屋 お店が暇なときは敷地内の笠木工房で作業
笠木 達也 61歳
笠木工房の共同運営者、ウッディパラソルの初代経営者 かつては悟瑠の父親、隆弘の父親と同じ大型車のディーラーにいたが、結婚を機に独立してウッディパラソルと笠木工房立ち上げ、奥さんの地元に移動
お店が暇なら奥さんの実家の農業をやる
植木 桂 61歳
笠木達也の奥さんの兄
同じく笠木工房の共同運営者 40歳で大型車のディーラー勤めを辞めたのち実家の農業をしながら笠木工房に合流して共同で運営する
矢代 圭一、伸一親子
松尾建設のビル内装工事委託先の経営者
大型ボンネットバスが好きという親子で趣味人
五式 紫陽花 19歳
愛理沙のいたレディスの13代目総長 小5から一つ上の兄とともにカートで走っている。
空手部だったが顧問の意地悪で干されたが弱みを見つけて追放、段位は取れて無いが実力は3段と言われる猛者。
佐野自動車販売に就職した 五式不動産のお嬢さん
所有免許、資格 準中免許 商業簿記2級 危険物
馬橋 舞由良 26歳
雅子と同じ高校の同級生、レディスの6代目総長。事情あって旦那と離婚して元の姓に戻った
加藤運輸に個人の事務所から転職 かつては福田 舞由良 六十三話参照
所有免許、資格 大型免許 商業簿記2級 危険物乙4
シングルマザーで子供はみゆき
石川 由香里 20歳
個人の販売店から小笠原精肉に転職
雅子と百合ちゃんと同じ高校でレディスの12代目総長
高校では古武道部の主将もやっていた猛者、愛理沙のアドバイスで段位を取っていないが実力は3段以上といわれている
所有免許、資格 大型免許 商業簿記2級 危険物乙4
壊れたトラクターは3軸外販用レッカーで引っ張って帰ってきた。
お店に着いたとき、すでに夜の帳が下りていて、暗がりのなか工場に3軸外販用レッカーを入れて壊れたトラクターをおろしていたところ、ドリュドリュというV8の音が聞こえてきた。
ふと見ると百合ちゃんが船底に乗せたあちこち錆びているこれまたボンネットの3軸ダンプカーを船底2軸トラクターで引っ張ってきていた
雅子も気が付いてお店から出てきて
「百合リン、このダンプってもしかして今朝修理予約いれたダンプ?」
「そうよ、建屋の解体現場でお兄ちゃんが見つけたの。これを復帰させて乗るからすぐに持って行ってくれって。もうせっかちなんだからあ。車は6W100Dだって、あたしがワンコと徳次郎をパパと交換したもんだからお兄ちゃんも3軸の総輪駆動もいいなあとか言い出したのよ。悪いことに抹消した時の書類が解体現場の事務所の金庫に保管してあったのよ。しっかりしててナンバー取れそうって分かってお兄ちゃんがうるさくって」
「6W100Dって総輪駆動じゃん。そういうことか。それに書類もありか」
「え?百合。ってことはナンバーもつくってこと?と言うか、ナンバーつけろって?」
「うん、隆弘、オリジナルのエンジンが固着してて全然ダメなんでこの6W100Dはほぼロハでもらってきたの。船底が入れたから乗っけて引っ張ってきたの。これのエンジンは6D24ターボとフライヤーちゃんと同じDD5速に載せ替えしてほしいのとファイナルドライブの入れ替えもよろしくね。お兄ちゃんは100km/h出て、パワステとエアコン、クラッチ、ブレーキのアシストあればいいって。あとはできればフィンガーシフトにしてほしいんでよろしくね。サスはゼットワンと同じく総輪エアサスにしてほしいって。エンジンとミッションはそこの解体現場の人が壊す倉庫に保管してたから一緒に積んできた。エンジンは途中までバラしてあるの。フロントにはラテリンもつけてね」
「ええええ?譲さんも?3軸?」
「まじかああ。6W100Dとはねえ。やりがいのある車だよ」
しかし、一人だけ錆錆の6W100Dを見てにっこりしている人がいた、それが佐藤さんとはいうまでもないだろう
「百合リン、と言うことは見積りしろってことね」
アジトから足りなくなった車検の部品と油脂類を取りにミック君で来ていた雅子が聞いていた。
車検が終わった車を納車の為に乗ってきた隆弘も口をあんぐりさせてキャビンが錆びた6W100Dをみていた
「いらないよ。ネットで注文書を送ってあるから確認して。出来高っていうか、既に何台も再生をやってもらってるるんで大体いくらかは読めるから」
「そういったらそうね。今回はミッション付きね」
「うん、ミッションもあったから、よろしくね。ファイナルドライブはなかったから新品でも中古でも合うやつよろしく」
「もしかして、今日おいていくの?」
「ダメかな?。うちも今は置き場無くて。本社の敷地は昨日の解体で出た廃材で満杯なのよ。」
「百合ちゃん。わかったよ、確認だけどこの船底って16.5メートルだよね」
「そのとおり、このままおいていけばいいってこと?」
「うん、そうか、アジトの倉庫に置けばいいんだよね。それなんで悪いけど代車で帰って。明日この船底2軸トラクターと船底つかう?」
「ええと、明日は午後からね。午前中は空いてる」
「わかった、ママ、ママのタフさん借りるね」
「はいよ。エンジンかけておくわよ。百合ちゃんへの代車ね」
「ありがとうございます。あたしはタフさんで帰ればいいのね」
「うん、この6W100Dはいったんアジトに置いて加藤運輸のトラクターの修理と予約が入っている板金と優花のZC44の仕事終わったら手が付くからそれまで建屋に入れておくの。ここに雨ざらしで置いておくわけにはいかないからアジトの屋根付きのところに格納するなら良いでしょ。加藤運輸で始めたリースが好評で車が増えちゃって車検がどんどん来るんだよ。それに加藤運輸ではレンタカーも始めちゃったからそのレンタカーのメンテのお仕事もあるのよね」
「あ、そうね。このエリアだけをターゲットにした加藤レンタカーってことね。その車両も加藤運輸のリースでしょ。新幹線の駅近くの駐車場を経営してたんだけど、商売替えしてやってるところね。うちが事務所に直したんだよね」
「うん、そうね。時々舞由良が行ってるよ、車を引き取りと納車に。加藤運輸の社長の弟さんがレンタカー屋の社長をやってるの。そこの車両のメンテと車検もうちの仕事であるから小型の車検はアジトのほうでやってるの。このところ預かってる車を運ぶのが多くなって汎用2軸トラクターとオープン積載とか高速3軸トラクターと特車の車載トレーラーが活躍中よ。2両の定期走行申請をこことのアジトの間に出してあるのよ。百合リン。持ってきたのは預かるから船底ごとおいていって、そうしたらあたしかお兄ちゃんが運んで行って明日の朝に船底とタフさんを交換するから。船底は本社だよね。それとも現場のほう?」
「明日は、本社よ。午後に解体現場に本社にある重機を持って行って、現場の重機回収するの。じゃあ帰るね。アポなしで来ちゃって悪いわね、この6W110Dの再生よろしくね。明日アジト出たら連絡頂戴。本社までの時間読んでおくから。そうだ、このダンプはワオ君。6W100D改でワオ君」
「はあああ、OK。もうニックネームつけちゃったの?」
「うん。お兄ちゃんが構造がシンプルで壊れるところがあってもメカがほとんどだから修理できて良いよって、気に入ったみたい。雅子、再生よろしくね。また明日」
「うん、明日」
ドドドドドドリュドリュドリュドリュというエギゾーストノートを上げてタフさんに乗った百合ちゃんが帰っていった。
「雅子、僕らはアジトに帰ろう。親父。エンジンがブローしたトラクターは明日ゆっくり見るよ」
「おう、よろしくな。履歴見たら4年10ヶ月でギリギリ5年保証が効いてるみたいだから、もしかするとディーラーに持ち込み修理だな」
「それなら、明日僕が3軸内販用レッカーで持ち込んで置いて来る。いつ直るかわかればそれでOKかな?」
「そうだけどな。休業補償どうするか交渉があるからなあ。買うときにメーカー保証効いている期間に車に起因する休業で、代車がない場合は金銭での休業補償、またはこのトラクターを中古車買取店の相場上限でバイバックにすると一文いれたから。それに部品がなくて、代車もなくて修理の日程が一月以上の場合も中古車相場の上限でバイバックすることにもしてある。明日、俺が引っ張ってディーラー行くよ。どうするか決めてくる」
「親父、トラクターよろしく。今日は帰るよ」
僕は百合ちゃんの家の船底2軸トラクターと船底でアジトに帰ってワオ君を車庫に格納して、今の仕事が片付いて手が着くときまでの予定で保管庫にいれておいた。
次の日、僕が丸松建設に空の船底を返してうちのタフさんを引き取って会社に着いた頃には、親父が3軸内販用レッカーで壊れたトラクターを持ってディーラーにいったらしい。
午後になって戻ってきた親父に聞いたところトラクターはエンジンが完全にお釈迦でアッシー交換する必要あることがわかったが交換用のベアエンジンが部販にもセンターにも全部捌けてて在庫に無く、リビルトも在庫になく、保証修理なので新品をドイツからの取り寄せになったらしい。
しかも新規エンジンは工場で新たに生産した後に空輸せずに船便で輸送ということで流石の親父もあまりの顧客無視の態度に切れてその場で弁護士を呼んでトラクターは契約書に従ってディーラーがバイバックすることになったらしい
昼頃にトラクターをディーラーに持っていった親父が帰って来て話を詳しく聞いていた。
その日は5台の大型車のDPFの修理が完了していて、顧客先への納車も多いので大型、牽引に乗れる僕と雅子が納車の仕事をするためにお店に出勤していた日だった。
「悟瑠、雅子、急いで笠木さんとか他の中古車の業者をあたって国産のエンジン積んだトラクター探して欲しい、できればE13C、6WG1、6M70、GE13がいいか。いいの見つかったらあちこちオーバーホールしてリースに使おう。壊れたトラクターは契約通りバイバックだ。エンジンを生産してから空輸じゃなくて船便とかいいやがるから契約に則って中古車買取の5社の見積もりの上限で引き取ってもらったよ。条件はエンジン修理すんで普段遣いできるという条件の値段ということだ」
「それが良いよ]
「ところがさあ、思いのほか中古車価格が安くてなあ。11リッターエンジンのトラクターは海外で全然引っ張れないって評判悪くて、それで人気がなくって海外には売れないって、悪いことにAMTが故障多くてこれも評判悪いから全然ダメ」
「そうかあ、仕方ないね。」
「幸いっていうか5年保証の契約あったんでバイバックになって、ロハで廃車にならなかっただけいいかと思ったよ。もう隆義にはあのメーカーのエンジンとミッション積んでる車は全部手放せと言っとくか」
「親父、仕方ないだろ。取引先の都合もあるだろうし」
「その時はレンタカーか古い車だな。旧いやつを直して使うのがいいよ。30年前の車よりも今の車の方が故障するってひどすぎだろ」
「そうだね。ってことはトラクターの修理の仕事がなくなったんだね。ええと、ということはワオ君の修理ができるってことか。逗子ちゃんの仕上げをやればもう優花ちゃんに納車できる」
「そうだなあ。トラクターの修理の仕事がないなら手が付くだろ。悟瑠、あの状態だと錆び取りが最優先だろ」
「ということは明日から隆文にはお店に来てもらって、僕はアジトで小型車の車検やりながら6D24の組み立てだな、ファイナルの検討やってか」
「そうだな。明日は悟瑠がアジトで隆文君がこっちで小林君もアジトかな?」
「うん、雅子もお店にいてもらって車検の車の納車とか引き取り頼んじゃう。僕と隆弘は終わったらGTカーの脚の見直しやるから」
「明日の勤務は悟瑠と隆弘君と小林君がアジトで車検、残りはこっちで大型の納車とか小型輸送や納車とかやるのかな?」
「そのとおり。雅子には1軸オープン積載車と汎用2軸トラクターでアジトへ輸送頼むよ」
「そうだな。うちで牽引乗れて大型の納車もできるとなると雅子しかいないもんな」
「でしょ。それなんで雅子に頼むんだよ」
「じゃあ明日はその段取りか。ってことはワオ君は船底で取りにいかないとダメか?」
「そうだね、空いてなかったら3軸内販用レッカーで運ぶって手もあるな」
「お兄ちゃん、船底は加藤運輸に貸し出しだから3軸内販用レッカーで運ぶのがいいかもね」
「そうかあ、それなら今日の帰りにアジトに乗って行けばいいのか?明日雅子はお店だろ」
「そうね。明日の朝はあたしがワオ君を3軸内販用レッカーで引っ張ってお店ね」
「それでいこう。悟瑠、逗子ちゃんは明日納車か?」
「うん、雅子、明日会社に納車してとかいわれてたなあ。請求書は高尾製油所宛にとか言ってるなあ」
「パパ、あたしが優花に納車に行ってくるけど大幅値引きはだめだかんね」
「やらんよ。まったくもう。俺を何だと?」
「パパって赤字ぎりでやるときあるから危なくって」
親父のどこか嬉しそうだけどちょっとは配慮しろよというような雰囲気が面白かった
仕事を終えてアジトに帰ると雅子が優花ちゃんに
「優花、明日には逗子ちゃん納車できる、会社に納車って聞いてるから愛理沙に乗せてもらって会社に行ってね」
「はい」
「愛理沙。悪いけど明日は優花を会社まで乗せていってもらっていいかな?」
「いいですよ。ってことは明日もババロアちゃんにしようっと。それなら子供たちのシートも付くし、優香も乗れる。TA-GXE10でもいいけど、そうか、二人とも後ろに乗せればいいのか。それならいいかも」
「そうなの?」
「TA-GXE10に乗せると喧嘩するんですよ、どっちが前に乗るかで。二人とも前が大好きで」
「どっちもカーキチになりそうね。優秀なドライバーかもね」
「そうですね。愛美って本当に前が好きで困ってますよ。それなんで普段はババロアちゃんで並べて乗せてます」
次の日、どうやら愛理沙ちゃんはTA-GXE10に乗って会社に行った、僕はアジトで昨日からたまっている車検の仕事、雅子は3軸内販用レッカーでワオ君を引っ張って会社に行った
アジトで車検の整備をやって検査して書類かいてその合間に譲さんのワオ君に積む6D24エンジンを整備していた
会社の時間が終わったらGTカーのサスペンションを見直してアームを延長してサスペンションのストロークを取れるようにしていた
雅子達は週末には走りに行きたいようなので金曜日の夜までに仕上がるように突貫でやっていた
土曜日の朝にねていると雅子が来て
「お兄ちゃん、百合リンがきてGTカーどれとか言ってるよ」
「わかった。ボルトの締結確認残ってるからコースに行く前に点検しないとな。行ってくる」
「御飯作っておくわよ」
「ありがと。ん?あーあ、隆弘も引っ張り出されているよ」
僕は急いで作業着を着るとアジトの整備場に行ってボルトの締結を隆弘と一緒にトルクレンチで確認して問題無いのでGTカーのトレーラーに積み込んでいた
「悟瑠、先に行ってるぜ」
「はいよ、僕も準備したら追いかける」
「わりいな、百合、GTカーのトラクターにのれ」
「うん。あ、雅子。どうもありがと。先に行って調子見てるね」
「悟瑠、スプリングとダンパーは?」
「シミュレーターの結果をいれてある。新しいアームとフレームとの相性は見てないから相性も見ておいてくれ」
「そう言ったらそうだな。百合、コースに着いたら先に俺が走って見てからにしてくれ、脚とフレームの相性見て問題ないことわかってからな」
「うん。悟瑠さん、隆弘、どうもありがとう」
「準備できたら僕もコースに行くよ。雅子も行くってさ」
「うん、隆文もくるって」
「了解、先にいっててくれ。愛理沙ちゃんにも聞いてどうするか聞いていくと言ったら連れて行く」
部屋に戻ると雅子がご飯を準備してくれていた、急いで食べてGTカーの部品を積んであるジゴちゃんを暖機、その間に雅子はエムエム君を暖機していた
「あ、おはようございます。今日はママと現地で合流して子供たち見てもらいます」
「愛理沙、準備よろ。」
「はい、いいですよ。哲也、愛美。お着換えしてね。競争よ」
『『ハーイ。ママ」」
「雅子さん、あたしも行っていいですか?愛理沙さんがどのくらい凄いか見たくって。ドリフトを見に行ってないから」
「あ、そうか、そうよね。TSカーカップの時は来たけど今度はパワーが全然違うからね」
「愛理沙さんはここじゃあ言ってないと思いますけど、移動販売車でも見学のバスでも案内でも一番評判がいいんですよ。スーパーマーケットに必要なって感じです」
「やっぱりね。愛理沙ってあたしが作ったアプリを理解して改修したんでしょ。あたしがびっくりよ。半年かけてアルゴリズム組んで作ったんだから」
「ですよね。」
「優花、くすぐったいじゃん。哲也、愛美。おかたししていくよ」
「ふふふ、愛理沙が照れてるよ」
「そうだね。よし、いこう」
僕がジゴちゃんに乗って雅子はエムエム君に乗って愛理沙ちゃと子供たちもエムエム君、優花ちゃんは自分の逗子ちゃんに乗ってコースに行った。
駐車場に停めてピットに行くと百合ちゃんが座っていた
「百合リン、乗ったの?」
「まだ。なんか隆弘が調べるって言って乗ってないの。後ろの剛性が不足してるとか」
「え?どこだろ。高速?」
「なんか、高速コーナーで後ろがとか」
「あ、もしかしてフロントの伸びのストロークが不足かも、多分だけどフロントが先に浮いたんだよ。そうなるとフロントは荷重移動できなくなってリアに荷重が集中したんだよ、するとリアのタイヤが耐えきれずに外に行っちゃうから」
「そうなの?TSカーは何ともないよね」
「そう。TSカーは後ろがリジッドだから多少というか?ちょっとなら前が浮いてもリアタイヤは地面に垂直でがっちり食いついているから踏ん張れるのと、フロントとリアがほぼ同時に浮くようにセッティングしてある。GTカーはセッティングがまだ煮詰まっていなからちょっと苦しい。ステア特性が急に変化するからそれを隆弘は後ろの剛性不足って言ったのかも」
「そうなんだあ」
「お兄ちゃんは、昨日もパソコンでずっとシミュレーション回していたからね。でも実際走らないとシミュレーションとのずれが分からないでしょ」
「なるほどね。そうよね。隆弘なら対処できてもあたしじゃあスピンとか?」
「どうかはわかんないけど、隆弘さんって、ドリフトさせないというかグリップの限界ギリギリで走らせるのうまいよ。カウンターが速いのよ。でもね運転が丁寧でゆっくりしてる。それもばかっぱや」
「そう、隆弘のドライビングのベースはマッドからスタートしたからね。マッドだと先読みして操作しないと追いつかない。それにどこまでグリップしているかを感じていないとマッドのモーグル下りは走れないでしょ。GTカーのシミュレーション結果ではフロントとリアが同時に浮くはずなんだけど、やっぱりどっかにずれがあったみたい。それにサスペンションは縦方向の突起には強いけど横方向からは弱い。隆弘はドリフトさせないで走るんだよ」
「悟瑠さん、凄すぎです。隆弘さんも。あたしたちは出来上がった車のほんの細かいところを言っていたんですね。尊敬しちゃう」
「まあ、それは仕方ないって。お兄ちゃんと隆弘さんは開発ドライバーとして優秀だからね」
「隆弘には感謝よね。隆弘が危ないっていうなんて相当なのね」
「あ。隆弘が戻ってきた」
「悟瑠。ちょっと限界付近がトリッキーで、補剛入れても直らなくて」
「そうか。原因はフロント先浮きじゃないかと思ってね。そしたらフロントのスプリングを2ランク落としてスタビライザー1ランク上げてみるか?それでもだめならダンパーの伸びのストロークをもっと伸ばしてみようぜ」
「それは気が付かなかったよ。やってみよ。隆文も来たな。隆文、悪いがジゴちゃんからフロントの2ランク低い緑線2本の+10のスプリングを持ってきて。スタビライザーは紫と黄色。ブッシュも」
「はいよ」
「百合、リフトいいよな」
「うん。エアもOK」
「隆文、どうもありがとう。交換するぞ」
「隆文はスタビライザー。俺たちはスプリング」
俺たちはフロント周りを交換すると
「悟瑠、乗ってないんだろ。悟瑠がいいって言った仕様だから先に乗ってきな」
「おう、ありがと」
僕はメットをかぶって靴を履き替えるとGTカーに乗ってコースイン、最初は慣らしておおよそのステア特性を確認していた
「行けそうだ」
半周も回ったところで全開にする、クォンクォンとトーヒールでシフトダウン。
中速コーナーでは限界でも全く問題なく踏めばガンガン前に出ていく、ストレートで速度に乗せて高速コーナーに進入して限界まで攻めていくとどうやら予想が当たっていたらしくややアンダーが強めだが全開で踏んでも安定していて走りやすい
「これならいいか。隆弘に確認してもらったら4人に乗ってもらっていいか聞こう。隆弘の補剛の入れ方がうまいなあ。ばっちりじゃん」
僕はピットロードに入って戻って
「隆弘、ばっちりだ。隆弘の乗り方で見てくれ。ちょっとアンダーだけど全開でいけるよ」
「高速で?それなら悟瑠の読み通りってことか」
「隆弘の補剛も確かだよ。踏んでいけるセッティングがいいと思うぜ。タイトは左足ブレーキで姿勢ちょっと崩すとガンガン行けるよ」
「ちょっと確認するぜ」
「OK」
カチャッ、カチャッとシートベルトを締めてシートの位置を合わせるとフオオオーンとエギゾーストノートを上げてダッシュしていった
「お兄ちゃん、どうなの?」
「予想通り、フロントのスプリングが高くて、伸び側の荷重抜けがひどかったんだよ。内側が伸びの領域になると急に荷重移動してアンダーになる、さらに追い込んでいくとフロントが浮くから後ろの負荷が一気に増えて急にオーバーになる」
「そうなの?」
「TSカーは後ろがリジッドでばねでのロール剛性が取れないのとロールセンター高さが前よりも高いからからフロントが浮くと後ろのロールがでかくなってつんのめったようになって浮いちゃう。でも後ろの荷重変動が穏やかだからステア特性の変化が少ないんだよ」
「なるほどね。それでTSカーは挙動が穏やかだったのね」
「GTカーはロールセンター高を前後とも殆んど同じ高さに設定したもんだからどっちかの軸の内輪が浮くと、荷重移動が一気に来る。それじゃあステア特性が急変してしまう。シミュレーションでは先に後ろが先に浮いてアンダーになってドリフトアウトの予想だったんだけど今回はフロントが先に浮いちゃった。シミュレーションと実際の差の原因調べないと、次につながんない」
「まったく、お兄ちゃんは」
雅子があきれていると隆弘が戻ってきた
「悟瑠、直ってるけど何が起きたか検討しないとまずいな」
「うん、シミュレーションを詰めてみるよ。次は百合ちゃんかな?」
「ありがと、乗ってきます」
百合ちゃんが乗り込んで走りに行った。コーナー三つも回らないうちにぎゃぎゃぎゃぎゃというスキール音が木霊し、全開でカッとんでいる。コースのオーナーでもあるのでコーナのすべてを知り尽くしているのだろう
3周すると戻ってきて
「いいですよ。前の仕様もいいけど、こっちはゼブラに乗り上げても全然挙動が乱れないしバンピーな路面でもがっちり食いついて離さないからトラクションが大違いです。体感でタイムが5秒は速くなってるでしょ」
「そうだね。百合ちゃんさすが」
「へえええ、それなら次は?愛理沙、行ってきなよ」
「先輩たちを差し置いては。いいです。あたしはラスで」
「愛理沙、遠慮しないの」
「いえ、でも」
「雅子、順番決めておいて。タイヤ交換して燃料補給するし。フレームの点検もするから」
「ありがと」
僕と隆弘とコースに来ていた譲さん、哲史さんの4人でリフトで車を持ち上げてタイヤを交換、エンジンと足回りを点検して各ボルトの締結が緩んでいないか確認していた
「雅子、順番決まったか?」
「うん、あみだで決めた。次は愛理沙、その次があたしでラスは隆文」
「愛理沙ちゃん、行ってきな」
「はい。ではお先に」
愛理沙ちゃんがコースイン。半周くらいはタイヤを温めてきたのだろうスキール音は聞こえなかったが半周位した後にぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃと木霊すスキール音、高速コーナーだろう、ぎゃあああああっとタイヤが鳴く音、全力で愛理沙ちゃんがカッとんでいるようだ
「この音からすると愛理沙ちゃん腕を上げたねえ。」
「うん、めっちゃ上がってるよ。スキール音が連続しててしかも奇麗って言えばいいのかな?」
「そうそう」
「お兄ちゃん。あたしもそう思う。愛理沙って普段から移動販売車とか送迎用のバス乗ってるせいか?運転のすべてが一本でつながってるよね」
「やっぱりそうなんですね。愛理沙さんってたまに補充用トラックの運転講師もやりますよ。しかもここのコースで」
「だと思うよ。峠を全力走行しても愛理沙ちゃんは腕を上げたってわかるよ。とにかく寝ちゃうくらいなめらかで」
「はい、この前、乗せていってもらったんですが、あたしは会社までねないようにするので必死でした」
「うん、優花ちゃん。わかる。愛理沙ちゃんは路線バスの運転手と思うくらいスムーズに走らせるからね」
「そうだよ。いうとおり。あたしもレースのデータ見て分かったわよ。とにかくスムーズよ。加速も減速も変動が少なくって」
「あたしももっと練習しよ」
「そうだよね。百合リンってあたしよりは運転する時間が長いじゃん。その分練習できるよね」
「えええ?ってことは一番練習できなのは俺かあ」
「隆文、しずかのフロントにラテリン入れてないからそっちで練習するといいよ」
「それもそうか」
「何ならまゆかも取るよ、どうする?」
「まゆかには欲しいよ。ホイールベース短いからないと挙動が不安定で。あ、でも取っ払って挙動を安定させるように走ればいいのか」
「そのとおり、しずかには入れて、挙動のクイックなまゆかのを取るといい練習になるよ」
「それいいなあ。オフロードでも運転が難しくなるけどまあいいか。練習にはもってこいだな」
「隆文やる気ね、それならあたしも練習にいいのはあるかなあ?」
「雅子もやるなら一番は総輪駆動の藤子ちゃんかな?パワーあって脚が柔らかいから。フロントはリーフに戻さないとなあ」
「ニジュちゃんは?」
「ニジュちゃんは同型のエアサス仕様をそっくりそのまま移植したからラテリンないと横剛性取れなくなってタイヤとボディーがぶつかちゃう。元々入ってない藤子ちゃんがいいけど改修いるねえ」
「うーん。そうか、隆文のまゆかとしずかはフロントがリーフだからいけるのか」
「そういうこと」
「雅子、それならうちの鉄子ちゃん譲るよ。稼働率低いんだ。ママがてつしくん乗っていくことが多いから、このところ趣味車になってて訓練は非力なデニムちゃんばかりになってるの。でないと訓練にならないのよ、鉄子ちゃんはパワーあるからパワーで無理やり行けちゃうことがあって練習になんないの。デニムちゃんの稼働率高すぎだから非力な車探してるの。笠木さんにお願いしてる」
「脚をいじるの?」
「ううん。そのままよ。訓練用だから、わざと走破性とエンジンはオリジナルのままよ。そうだ。あとでデニムちゃんからクレーン装置おろしてね。今はクレーンを全然使わないからカーゴにしてね。クレーンの能力は5トンもいらないし、それよりも小回りきかなくって現場が大変なんで2.9トンの小型ラフターをリースにしたのよ。ポールで引っ張る超々低床の船底で運ぶからナンバーなしにしちゃった。」
「おいおい、おしゃべりはいいけど。愛理沙ちゃんが戻ってきたよ」
「次はあたしね」
「うん、雅子。行ってらっしゃい」
グオオオオーンと雅子がコースイン、百合ちゃんと同じくコーナー3つも回らないうちにキャリキャリキャリとスキール音が木霊しフオオオーン、フォンフォンフォンというトーヒールでシフトダウンする音が響く
「雅子が乗ってるなあ」
「雅子も訓練とか言ってるけどモニターのタイムは?この速さって何よって感じね」
「それが雅子だよね」
「あれ?でもさあ、隆弘と悟瑠さんの方が速いの?うそでしょ」
「あ、確かに。百合先輩の言う通り」
愛理沙ちゃんが言っている
「え?悟瑠さんと隆弘さんって雅子さんよりも速いんですか?」
「優花ちゃん、兄貴と悟瑠さんの速さはチームの1,2を争うくらい。俺も雅子もこの二人から教えてもらって、バトルの時は俺たちに任せてもらえるようになったけど、車が壊れた時に悟瑠さんに走ってもらったらたら、NAでターボに勝っちゃった。それもヒルクライムだよ」
「あ、あの聞いたことあります。〇葉ラインでしょ」
「うん、愛理沙ちゃんの言う通り」
「あたしの記録を破ったのも悟瑠さんたちでしょ。そのくらいの速さよ」
「そうなんですね」
「優花、分かった?この二人はあたしなんかよりもはるかに速いの。それを知ってるからあたしは言ってないの。上には上がいるってこと」
「はい、来てよかったです」
雅子が5周してもとってくると、ニコニコ顔で降りてきて
「お兄ちゃん、これいいよ。トラクションガンガンかかるし滑り出しも穏やかで乗りやすいよ。これならいけそう」
「よかったよ。隆文。乗ってきな」
「はい」
隆文が走りに行った
「お兄ちゃん、このスペックをコピーするんだよね。このままでまず走ってみるよ」
「うん、その予定。その前にシミュレーションとずれた原因調べて」
「そうだよね。ずれた理由わかんないと何か起きた時に直らないもんね」
「悟瑠さん、あたしもこのスペックのままでも行けそうです。完成度って言うんですか出来が良くって」
「悟瑠、俺もそう思った」
「何が起きたかだよ。基本はこれで行く。いいのは突起をいなすようになってるんで走りやすいはずだ」
「うん、変に突っ張らないっていうか」
といっていると隆文も戻ってきて
「悟瑠さん、前のスペックもいいと思ってましたけど全然違いますよ。前の仕様って今のに比べるとトラクションがいかにかかっていなかったかわかるよ」
「だよね。ガンガン前に行くし」
「そうよ。あたしも同じよ」
「あたしもです。悟瑠さん。どうもありがとう」
「いいなら今日は引き上げよう。隆文、今日はまゆかで来てるよね」
「はい」
「じゃあさ、ラテリン取ってみようか。そのまま一周ターマック走ってみな」
「そうか、そうだな。百合ちゃん。ダートも走っていいかな?」
「いいよ」
「隆弘、俺も後でダート走っていいか?」
「いいけど」
「ラテリン取るぞ」
「はいよ」
僕と隆弘、隆文の3人でラテリンを取っ払っていた、10分足らずで外れてラテリンなしになっていたまゆかに乗って隆文がターマックコースに行った
ドリュドリュドリュドリュとV8の重低音を響かせて走って行く。1周して戻ってくると
「いかにラテリンがいい仕事してたかよくわかる。加速でも減速でも修正舵が多いよ」
「そうなんだよ。それだけ余分なステアしてるってことだよ」
「隆文、俺も1周乗ってみる」
隆弘がドリュドリュドリュドリュというエギゾーストノートを上げて走って行った、1周して戻ってくると
「すげえ効果だなあ。リーフでもこんなに効いているんだな」
「練習用にはいいだろ。全部の車を取っ払うと疲れて仕方ないから練習用の一台だけで」
「そうだな。全部やったら大変だろ」
「隆文、あたしも持っていい?」
「うん、結構いくよ」
「百合リン、ダート貸してね」
「はいよ」
雅子はダートコースにまゆかで行った、これも1周で戻ってくると
「いい練習になるよ。スムーズに走らせようとすると先読みが必要だわ。これ練習にはもってこいじゃん。でもさあ、このスペックで売っていたんだよね。これはむずいよ」
「雅子、あたしもいいかな?隆文さん、まゆか貸してね。ダート行ってみる」
百合ちゃんもダートに行った、土埃の上がり方からするとちょっと苦労していそうな感じだった
1周で戻ってくると
「あたしもパイ君で練習しよう。悟瑠さんの脚がいかに近代的か分かったわよ」
「そうなんですね。会社の補充用ってラテリン付いて無いんですよ。」
「そうか、そうだよね。総輪駆動保冷車だけはついてる、車高下げたんでどうしてもつけないとだめだったから」
「そうなんですね。道理で。総輪駆動保冷車はふらつかないから乗りやすいって評判なんです」
「そうなんだ。」
「あのお。今日あたし逗子ちゃんで来てるんでここのダート走っていいですか?脚はオリジナルって聞いてますので」
「いいよ。優花は初めてだよね。それならあたしがわきに乗ろうか?」
「百合さんに乗ってもらえるなら最高です」
「じゃ、行くよ」
ヒュオオオオーンとターボの音を響かせて優花ちゃんの逗子ちゃんがターマックコースに行った
「お兄ちゃん、そういえば逗子ちゃんってラテリンは入れてないんだよね」
「うん、入ってないから結構大変かも。ここまで乗ってきたんだから大丈夫とは思うけどね」
「まあ、そうよね」
「あれ?なんか音が聞こえなくなった」
「なんだろ」
「俺が行ってくるよ。クラッシュ?」
「隆文、頼んだ。あ、百合ちゃんから何か連絡きた?」
「まだ来てない。無線持ってないからなあ」
「悟瑠さん、隆弘さん。俺もいきますよ。引っ張るんだったら2台で行った方がいいかも」
「そうだね。哲史さん、お願いします。というか僕も行くよ。ジゴちゃんでいく。雅子、3軸内販用レッカーを持ってくるよう親父に言ってくれ」
「うん、あ、百合リンから?えええええ?逗子ちゃんフロントのデフが割れちゃったって。コースにオイル撒いちゃったとか」
雅子がスマートフォンを見ながら言う
「吸着材もって俺も行きます。みんなはここで待ってて。雅子さん場所はどこ?」
「ストレートの終わりのところ、無線持ってね」
「譲さん、俺も行くよ。人がいるだろ。無線持っていこう」
先にいった隆文を追いかけて、僕はジゴちゃん、哲史さんはフライヤーちゃん、後ろからはオイル吸着材を積んでいる譲さんのゼットワンがダートコースに入って救援に向かっていた
「あ、オイル。あ、あそこだな」
ジゴちゃんを止めると百合ちゃんと優香ちゃんがオイルが他に行かないようにコースわきの砂を使って流れ止めを作っていた
「百合、これ敷け」
「あ、お兄ちゃん、ありがと」
僕が逗子ちゃんのフロントを覗いて見ると、ホーシング真ん中から割れていてオイルが漏れていたのだ
「悟瑠、重症のようだな」
「もうこのホーシングは使わない方がいいだろ。どこかにデッドストックでもいいからホーシングないかなあ」
「うーん。もしかしたらZC120のでもいいか?」
「大丈夫だろ。何とかなるとしてホーシング探そう」
「うん、笠木さんのところに頼んでおこう」
「運ぶには吸着材を割れているところにがっちり固定してここからはどっちにしてもアップダウンあるから、前にジゴちゃんで後ろにフライヤーちゃんとまゆかちゃんで後ろからおさえてブレーキ頼む。無線でスタートの合図する。隆弘ギヤはニュートラルだ。譲さんは先に行ってレッカーする準備頼む。悪いけど優香ちゃんを乗せて戻ってほしいんだ」
「OK」
僕は先頭で無線を使って出発の合図してゆっくりとジゴちゃんで引っ張る、止まった場所は次のサミットの手前なのでいったん上ってそのあと下る、また上ってサミットを超えるとずっと下ればピットに着く位置で止まっていた
下るには後ろの2台の総輪駆動でブレーキが効かなくなって暴走しないように抑えて下ることにしていた、逗子ちゃんはフロントのホーシングに力をかけなくていいようにブレーキも駆動力も使わないようにするので後ろから2台の総輪駆動で抑えるのだ
「行くよ」
『『はい』』
返事を聞いて最初の登りを引っ張って行く、登りきると下るので
「隆文、補助ブレーキ目いっぱい使って、哲史さんも2速で排気とリターダーで下りましょう」
『はい『
「隆弘、非常のときはフットブレーキ踏めよ」
『はいよ。悟瑠、リターダー解除したほうがいいよロープがたるんでる』
「OK」
僕はリターダーを止めて排気のみで下っていく
「次登り」
『『はい』』
ジゴちゃんのミッションは2速のまま加速する、725psのパワーは軽々と逗子ちゃんとその後ろにつないであるフライヤーちゃんとまゆかを引っ張っていく
「よし、下りだ。ここからは後ろの2台のエンジンブレーキと補助ブレーキが頼りだ、頼むよ」
『はい』
『悟瑠さん、任せろ』
隆文と哲史さんはリターダーも使ってゆっくりと下っている。最終コーナーからピットに入るところは登りになっているので僕が前から引っ張る必要あって、僕のジゴちゃんの先頭は下っている間もそのままだった
慎重に移動させてピットに入ると親父が4軸総輪駆動レッカーで来ていた
「親父、ありがと」
「悟瑠、納車して1週間か、それなら納車保証の範囲だなあ。うちでホーシングの亀裂見落としか」
「そういうことだよ。はあああ」
「ってことは、部品代のみか、移動と交換工賃はサービスだな」
「はあああ、僕もしくったもんだ」
「仕方あるまい。X線で検査しないとわからないよ。お店にもっていくよ。ドーリー使った方がいいな。乗せて持っていくよ」
「親父すまない」
親父に逗子ちゃんの移動を頼んで僕らはコースのオイル処理して帰ってきた
月曜日、いいことに逗子ちゃんを売ってくれた元オーナーが逗子ちゃんに使えるホーシングを持っていることが分かって着払いで送ってもらう手配していた
月曜日の夜にアジトに帰ると愛理沙ちゃんと優花ちゃんがキャビンに錆があるダンプカーを見て思案顔になっていた
「愛理沙、もしかしてこのちょっと錆びちゃってるトラックを直してほしいってこと?」
「そうです。課長がボンネットの練習するとか言っちゃってウッディパラソルで見つけたのがお隣の県との境にあった個人の製油工場に眠ってたこの車です」
「お兄ちゃんこれ何よ?なんか優香の逗子ちゃんに似てるけど」
「たぶんZH12D改かな?ゼットワンの前のモデル。簡単に言うと逗子ちゃんの2軸版」
「そうなの?」
「そう、窓に三角窓が付く前のモデルで見てごらんよ。譲さんの総輪駆動とはドアの形状が違うでしょ。ゼットワンはカービーちゃんとか隆弘のお父さんのスワンと共通のドア」
スマートフォンでゼットワン、スワンのキャビンの画像を見せた
「そうなんだ。これがあったなんて」
「雅子さん、これもおじさんが昔の仲間の工場だった建屋で見つけて、笠木工房でサルベージしたんです。逗子ちゃんが売れたんでもしかしてってオーナーに伯父さんが売れるかもといって笠木さんのところに相談が行ったんです。キャビンに電気がうまく流れてなかったみたいでキャビンだけちょっと錆びちゃいました。オーナーは復活させる考えではいたみたいですけど、復活かなわずということで息子さんが処分に困っていたみたいですね」
「そうなんだね」
「それでキャビンがすこし錆びているんだね、電気で防錆してたのね。道理でこの年式にしては錆がないって思ったわよ」
「はい、そうなんです。」
「優花、綿貫さんはこれをレストアしてほしいって?」
「そうなんです。悟瑠さん、このZH12Dは課長が乗ると言って買ったんですよ。現状渡しで。ここに頼んでレストアと現代でも使えるように直してほしいって言ってます。向かってるとか」
「そうか、笠木さんはここの住所も知ってるからねえ。ここに送れって言われたらそうだよなあ」
「愛理沙、優花。その仕事受けたよ。あたしたちからも言うけど。綿貫さんに注文書よろしくねと言っておいてね、メニューは優花ちゃんの逗子ちゃんと同じね。お兄ちゃんエンジンは何があるかなあ?こっちで選ぶのは任せてほしいな」
「はい、それはいいみたいですよ。優花の逗子ちゃんみていいなあとか言ってましたから。それから課長はこの車はゼッツーと呼ぶとか。速さはいらないとか言ってます」
「えええ?優香、課長はもうニックネームつけたの?」
僕と雅子と愛理沙ちゃんは顔を見合わせてあきれていたのだった。
ボンネット好きがまた増えて?
登場人物の所有車紹介
佐野 雅子
・大型リアエンジンバス
①観光シャシ+観光ボディ
KC-RA531MBN改
U-RU2FNAB改
②路線シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
U-UA440HAN改
KC-HU3KMCA改
③短尺路線用シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
U-RP210GAN改
U-MM618J改
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 U-FZ2FJCA改
②カーゴ フレーム交換車
6×6 KC-FU4FPDA改 V10に換装済
・小型車
①クーペ
GF-S15改
②セダン
GFーENR34改
佐野 悟瑠
・大型リアエンジンバス
①観光シャシ+観光ボディ
KL-RA552RBM改
KC-RU3FPCB改
②路線シャシ+観光ボディ;V8に換装
KL-UA452PAN改
KC-UA460NAN改
③路線シャシ+路線ボディ 路線用前中2ドア
KC-LV280N改
U-LV218M改;V8に換装
・大型キャブオーバー トラック 元除雪車 フレーム交換車
①ダンプ
4×4 KC-CF53XGH改
②カーゴ
6×6 KL-CZ55YNH改 V10に換装済
・小型車
①セダン
GF-GC35改
佐野 康晴
・大型バス
①リアエンジン 路線シャシ+路線ボディ
自家用1ドア
KC-UA521NAN改
②ボンネット トラックシャシ+路線ボディ 路線用1ドア 元移動診療所
4×2 TK20L改
・中型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ 路線用前中2ドア
P-LR312J改
K-102H改
・小型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ 路線用中1ドア
P-RB115AA改
・大型ボンネットトラック
①カーゴ
6×6 TZ50MD改 V10に換装済
②ダンプ
4×2 KB112D改
・小型車
①セダン
Q-LS131H改
佐野 康子
・大型バス
①リアエンジン 路線シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
U-LV224K
②ボンネット トラックシャシ+路線ボディ
路線用1ドア 元移動診療所
4×4 T370改
・大型ボンネット トラック
①ダンブ
4×4 TF30GD改 V8に換装済
4×2 TD50AD改 クレーン車改造済
・小型車
①ハードトップ
E-KE70
②セダン
E-AE70
加藤 隆弘
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 U-FR415H改
②カーゴ
6×6 K-FU633AA改 V10に換装澄
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ
自家用 1ドア
U35H改
・小型車
①セダン
CBA-GVB
加藤 隆文
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 SKS390改
②カーゴ
6×6 SKW440改 V10に換装済
・大型リアエンジンバス
①短尺路線シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
MR510改
・小型車
①クロカン4×4
KG-VGY61
加藤 隆義
・大型 ボンネットトラック
①カーゴ
6×6 ZC120 V10に換装済
4×2 DU780HD改
②ダンプ
4×2 DA100D改
・大型リアエンジンバス
①短尺路線シャシ+ナロー仕様路線ボディ
路線用中1ドア
BA05N改
松尾 百合
・大型リアエンジンバス
①観光シャシ+観光ボディ
P-RU636BB改
P-RA52M改
・大型キャブオーバートラック
①カーゴ
6×6 K-FW125M改 V10に換装済
・大型ボンネットトラック
①ダンプ
4×4 W81D改 V8に換装
・小型車
①クーペ
EーS110改
松尾 譲
・大型キャブオーバーバス
①トラックシャシ+路線ボディ
路線用中1ドア
4×2 BF30改
・大型ボンネットトラック
①ダンプ
4×2 T800FD改 V8に換装済
4×4 ZH110改
6×6 6W100改
・小型車
①クーペ
E-GS130改
松尾 隆
・大型 キャブオーバートラック
①ダンブ
4×4 CF30DD改 V8に換装済
・大型 ボンネットトラック
①ダンプ
4×2 TK20GD改
・大型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線ボディ 元レントゲン車
路線用中1ドア
4×2 K-TDJ72改 V8に換装済
・大型リアエンジンバス
①短尺観光シャシ+観光ボディ
P-RU192AA改
・小型車
①セダン
E-GNY33改
松尾 友香
・大型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線ボディ
路線用中1ドア
4×2 DB100改
4×4 TSD43改
・大型キャブオーバーバス
①短尺トラックシャシ+ナロー仕様路線ボディ
路線用中1ドア
4×2 BXD20E改
・大型ボンネットトラック
①ダンブ
4×2 TXD60D改
・小型車
①HB
E-KP61
小笠原 愛理沙
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+観光ボディ
B806K改
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 KC-FR529改
・小型車
①セダン
TA-GXE10
小笠原 哲史
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ
自家用前1ドア
MAR480改
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 K-FR113H改
・小型車
①クーペ
E-MA45改
長野 暁
・大型リアエンジンバス
①短尺路線シャシ+路線ボディ
自家用1ドア
P-MM517J改
路線用前中2ドア
MR520改
②短尺観光シャシ+観光ボディ
MM515H改
・小型車
①クーペ
ZN6
狩野 守
・大型キャブオーバートラック
①ダンプ
6×4 U-FS1VKBD改 V10
6×4 KC-FS3FKCD改 V8
6×6 K-SKW520改 V10に換装
・小型車
クーペ
ZN6
河野 優花
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+観光バスボディ
P-LV214L改 V8に換装
・大型 ボンネットトラック
①カーゴ
6×6 ZC44改
・小型車
①HB
L700S改
綿貫 洋平
・中型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線バスボディ
自家用前1ドア
B622B改
・大型ボンネットトラック
①ダンプ
4×4 ZH12D改
橋爪 正治
・中型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線バスボディ
路線用中1ドア
BX521改
・大型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線バスボディ
路線用中1ドア
BXD30改 後面丸形状
BXD30改 後面平面形状
笠木 徹治
・中型増トントラック
①クレーン付き 増トン レッカー車
4×2 KC-PK262HFZ改
②ウイング積載車
4×2 KC-PK262UFZ改
③オープン積載車
4×2 KC-PK262VFZ改
笠木 達也
・4トントラック
①カーゴ
4×4 U-FL618G改
矢代 圭一、伸一親子
・大型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線バスボディ
路線用1ドア
4×4 K-ZC121改 車体メーカーでオンオフ
4×2 BH15改⇒P-FH229BA改 29人乗り仕様 フレーム交換車
4×2DA90改 トラックにバスボディ架装
高尾製油所
・大型ボンネットトラック
①ダンプ
4×2 T412DD改
・中型リアエンジンバス
①路線系シャシ+観光系ボディ 自家用
K-MK116J改
・中型キャブオーバートラック
②カーゴ
4×2 U-FB2WEAA
いつも読んで頂き、どうもありがとうございます。
今回はここで更新します。
お気に召しましたらイイネや感想いただけると更新のモチベーションアゲアゲになります。




