第九十一話 GTのデビュー戦で奮闘する雅子たち
デビュー戦に参戦してしかし、ワークスの壁は?
雅子達はGTカーレースの息抜きに 入手したばかりの3軸総輪駆動でオフロードコースを走る。
エンジンの出来に満足する雅子たち、しかしあろうことか?
主な登場人物
佐野 雅子 25歳
ヒロイン 4月生まれ 峠のバトラー⇒TSカップレーサー⇒GTレースへ挑戦計画中
家業の佐野自動車販売の中古車販売店副店長兼整備工場副工場長、整備の受注、部品調達担当の副社長 前職はスーパーの経理兼販売促進課 係長
所有免許、資格;大型2種、牽引運転免許、2級整備士免許、危険物乙4、玉掛、ガス溶接、救急救命士、巻き上げ機、簿記2級、税理士
レース以外の趣味: オフロード走行:大型の2軸総輪駆動のエンジン、サスペンションをいじって自分好みした。 パソコン:プログラム組むのも好きでシステムを自力で組める
僕;佐野 悟瑠28歳
雅子の兄 3月生まれ 妹の雅子より4学年上 家業の佐野自動車販売に就職して6年目、整備工場の工場長兼副社長。
所有資格 2級整備士、MIG溶接機、レーザー溶接機、ガス溶接、玉掛、大型2種、けん引免許 巻き上げ機、危険物乙4
カーキチ、スペックオタク、エンジンスワップ大好き
佐野 康晴 56歳
僕の父親 佐野自動車販売の社長、総括責任者。
趣味人 マニ割、エギマニ作りの達人 元整備工で板金も得意。
佐野 康子 54歳
僕の母親 佐野自動車販売 副社長 佐野自動車販売店店長、営業、仕入れ担当
加藤 隆弘 28歳
僕(悟瑠)の同級生で親友。佐野自動車の副工場長、専務取締役
専学卒業後家業の内燃機整備工場に就職、佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。悟瑠の幼馴染。2月生まれ。
エンジン加工の名手、エンジンスワップ大好き 実は弟の隆文が一目置く運転センスの持ち主
所有免許、資格 大型免許、牽引免許、玉掛、ガス溶接、アーク溶接、危険物乙4、巻き上げ機、電検2種、テルミット
加藤 隆文 25歳
整備部長 隆弘の弟。雅子より一学年上だが、3月生まれで実はほとんど同い年。工業高校から家業へ就職。佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。板金と排気系を作るのが得意
所有免許、資格大型免許、牽引免許、玉掛、ガス溶接、アーク溶接、危険物乙4、テルミット溶接、巻き上げ機
趣味:TSカーレース、GTカーレース 今シーズン5戦目で1勝あげたが年間は4位、オフロード走行 生エンジン好き
加藤隆義 56歳
加藤運輸社長 佐野 康晴の同級生の親友
現在は運輸業、リース業に忙しく趣味の旧車はいじれていない
かつて運営していたエンジン整備部門は、同じ敷地内にある佐野自動車販売に従業員ごと譲渡して運輸専門にした
松尾 百合 25歳
雅子の親友、丸松建設のお嬢さん。雅子と同じ高校卒業して同じスーパーに入って家業に転職。
松尾建設運輸担当副社長。普段はおっとりだがスイッチが入ると途端にせっかちとブチ切れになる
5月生まれ TSカーレーサー、GTカーレーサー TSカーカップではトータルで2勝あげ、シーズン3位
旧車好きで父親譲りの速い車好き。オフローダー
所有免許、資格 大型免許、牽引免許、玉掛、クレーンオペレーター、巻き上げ機、ガス溶接、テルミット、アーク溶接、危険物乙4、電検2種、火薬類取扱保安責任者(甲種)
松尾 譲 27歳
百合ちゃんの兄 、丸松建設の建設系担当副社長。マニ割マニア 実はオリジナル主義、生エンジン好きで速さにはこだわらない ドリフト競技に参戦中、TSカーカップにも挑戦する
所有免許、資格 大型免許、クレーンオペレーター、玉掛、巻き上げ機、ガス溶接、アーク溶接、テルミット、危険物乙4、電検2種、火薬類取扱保安責任者(甲種)
松尾 隆 56歳
丸松建設の社長 百合ちゃんの父親 速い車大好き 古いものを大事にする
悟瑠の父親の同級生
松尾 友香 54歳
百合ちゃんの母親、丸松建設資材調達兼外注先調整担当副社長
旧車大好き、かつオリジナル主義
小笠原 愛理沙 24歳
かつて雅子がいたスーパーマーケットの移動販売課係長
実は創業者の孫でもある(第三十七話参照) 雅子の同じ高校の一つ後輩。スーパーマーケットの主要取引先の小笠原食肉のお嬢さん。 元レディスの7代目総長 2児のシングルマザー(第三十六話参照)抜群の運転センス
所有免許、資格 大型免許、牽引。危険物乙4、ガス溶接、巻き上げ機、玉掛、アーク溶接、火薬類取扱保安責任者(乙種)
TSカーレーサー⇒GTカーレーサー 雅子と組んでクラス優勝を狙う
実は空手で中学の時に全国大会に行った猛者
小笠原 哲史 27歳
愛理沙の兄。別の会社に勤めていたが家業に転職、製油担当副社長
旧車好きで母親譲りのオリジナル主義
所有免許、資格 大型免許 危険物乙4
ドリフト競技参戦中、TSカーカップ挑戦する 愛理沙の元旦那とは親友で同級生(第三十六話参照)
長野 暁30歳。
スーパーマーケットの販売部移動販売課 課長代理。
かつては首都圏のバス会社に居たが欲しいバスが排ガスの関係で住んでいた地域で登録できなくて雅子がいたスーパーに転職。今は愛理沙ちゃんの上司
短尺バス好き 所有免許、資格 大型2種免許、危険物乙4
狩野と一緒に走り屋チームの運営していた
狩野 守30歳
丸松建設の業務課長 運送会社にいたが首都圏の事業縮小で地方に転勤になった。偶然募集していた松尾建設に転職
所有免許、資格 大型免許、牽引免許、玉掛、ガス溶接、アーク溶接、危険物乙4、電検2種、テルミット、クレーンオペレーター
長野と一緒に走り屋チームの運営していた
河野 優花 22歳
スーパーマーケットの業務課から移動販売課に異動。大型免許取得して移動販売車で販売する
綿貫 洋平 37歳
スーパーの販売部 移動販売課 課長
大型免許取ったらバスに嵌って自分でも買ってしまった。
橋爪 正治 61歳
かつて雅子が務めていたスーパーの社長
雅子や百合、愛理沙に刺激されバス好き、旧車好きが復活
見学者の送迎の為のバスとしてボンネットバスそろえてしまった スーパーマーケットの広告も兼ねている
笠木 徹治 30歳
ウッディパラソルの経営者:悟瑠の父親の先輩(笠木 達也)が経営していたが代替わり
大型車主体の中古車屋 お店が暇なときは敷地内の笠木工房で作業
笠木 達也 60歳
笠木工房の共同運営者、ウッディパラソルの初代経営者 かつては悟瑠の父親、隆弘の父親と同じ大型車のディーラーにいたが、結婚を機に独立してウッディパラソルと笠木工房立ち上げ、奥さんの地元に移動
お店が暇なら奥さんの実家の農業をやる
植木 桂 60歳
笠木達也の奥さんの兄
同じく笠木工房の共同運営者 40歳で大型車のディーラー勤めを辞めたのち実家の農業をしながら笠木工房に合流して共同で運営する
矢代 圭一、伸一親子
松尾建設のビル内装工事委託先の経営者
大型ボンネットバスが好きという親子で趣味人
五式 紫陽花 18歳
愛理沙のいたレディスの13代目総長 小5から一つ上の兄とともにカートで走っている。
空手部だったが顧問の意地悪で干されたが弱みを見つけて追放、段位は取れて無いが実力は3段と言われる猛者。
佐野自動車販売に就職予定でバイト中
五式不動産のお嬢さん
馬橋 舞由良 25歳
雅子と同じ高校の同級生、レディスの6代目総長。事情あって旦那と離婚して元の姓に戻った
石川 由香里 19歳
個人の販売店から小笠原精肉に転職
雅子と百合ちゃんと同じ高校でレディスの12代目総長
高校では古武道部の主将もやっていた猛者
愛理沙のアドバイスで段位を取っていないが実力は3段以上といわれている
「悟瑠、悪いけど隆からサンデー君のエンジン換装頼まれちまった。どうやら隆義がタフさんを乗せちまったらしい、そしたら俺のサンデー君も同じエンジンにしてパワーアップしてくれと頼んで来たよ。ボンネットとキャブオーバーの違いはあっても同じだからなあ」
「仕方ないなあ。やるか。サンデー君とタフさんじゃあパワーが全然違うだろ。直6の12.5リッターとV8で17リッターの差は低速からでかいだろ」
「そうね、確かに。百合リンのパイ君のパワー上げておいたのは良かったのかなっておもうよ。多分乗ってるからね」
「隆はパイ君のパワー知ってて、前々から何とかなんないか言ってたらしいよ。隆義のタフさんを乗ってしまってもう我慢ならんということだ」
「はああ、仕方ない。タフさんと同じ仕様にする。在庫もあるしそれなら問題ないはずだよね。パワーは430psだけどね」
「そうだな。俺もぬかったな。隆義にやるなら。タフさんからターボ取っ払ってからにすればよかった。そうすれば隆のサンデー君と同じくらいの出力だから。文句出なかったかな?」
「隆弘さんのお父さんが百合リンのお父さんに乗せるとはねえ。どっかで会ったのかしらね」
「隆義が昔の血が騒いだらしくって、雅子のオフロードコースに行ったんだよ。たまたま隆も来てて俺が乗ってたのしっててしかもキャビン変えたもんだから何かやったと思って乗せろと言ったんだよ。まあタフさんがV8エンジン積んでるのがバレちまったのは仕方ない。サンデー君のエンジンをV8に乗せかえ頼むよ」
「はいよ。親父のタフさんのキャビン載せ替えた時点でターボつけたのはバレバレでしょ。鉄子ちゃんとかパイ君も載せ替えてターボにしたんだからさ」
「そうだな。確かにハットくんと鉄子ちゃん、パイ君もそうか。ターボ付けてパワー上げてくれって言ったのは隆と百合ちゃんだもんな」
「百合ちゃんのお父さんに見つかったのは仕方あるまい。キャンビン載せ替えならパワーアップでしょ」
「それはそうだな」
速い車好きの百合ちゃんのお父さんにタフさんの速さがばれてはサンデー君のエンジン換装頼まれても仕方ないとRF8の430ps仕様エンジンと対応するミッションに乗せ換えるを覚悟決め準備していたのだ。
「今週は5台の載せ替えの大仕事が上手く終わって少し余裕出来たと思ったらエンジンとミッション乗せ換えの大仕事が来ちまったかあ」
「ねえパパ、サンデー君っていつここに来るの?」
「今日、っていうか。あ、来たな。この重そうな音はサンデー君のPFだ」
「え?ちょっと待ってっていうか、今日から百合リンのワンコのエンジン乗せ換えやるから持ってきてって言ってあるんだよ。事故車の修理も明日来るんだよ」
「いや、そうか?隆はせっかちだからなあ。え?あれ?ちょっとまで、この音は3台来てる?」
「もしかして百合リンも来た?これってV10の音じゃない?ってことはワンコもう1台は旧いバスのエンジン音。丸井ちゃんかな?」
「うん、確かにこのグログロいう音は丸井ちゃん?なんかそんな感じ」
ゴンゴンゴンというPF系独特の重めの直6のエンジン音、ドリュドリュドリュドリュドリュドリュというV10のエンジン音、グロウグロウグロウグロウグロウグロウというDA640のエンジン音、3台の大型車のエンジン音が聞こえてきた。
ボン、ジョン、プッシュウウウというドアの閉まる音と百合ちゃんとお父さんが言い合う声が聞こえると
「んもう、あんたたち喧嘩しないの。こんばんは、遅くなっちゃった。どっちが先とかで親子喧嘩始めるんだもんなあ。あたしが康子に言うから待ちなさいってば」
と、いいながら百合ちゃんのおかあさんが入ってきた
「だってええ、ママ聞いてよ。あたしが先にワンコにターボ組んでって悟瑠さんと雅子に頼んでたの、パパは後からでしょ。あたしが先なんだから割り込まないでよ」
「俺が康晴に頼んだんだ。社長に頼んだんだ。社長が偉いだろ。偉いほうが優先だ」
「あたしが先。先に予約したほうが優先」
「はああああ、ほんと似たもの親子でせっかちスイッチ入ったら二人とも全く止まんないんだから」
「えええええ、あたしは似てない。お兄ちゃんのほうでしょ。せっかちになって後先考えずに暴走するの」
「まあまあ、百合。ちょっと待ってよ。2台パワーアップすればいいんだろ。部品はあるからなんとかするよ」
「あ、隆弘、聞いてよー。ひどいんだよ。パパってサンデー君がタフさんよりも遅いって言っててそれだからパワーのあるV8に載せ替えるのを昨日すぐに頼んだから今日持ち込むって。それって昨日ここに頼んだばっかりじゃん。あたしが10日も先に予約して今日持ってきてって言われてたのに。雅子たちがポールトラクターのパワーアップするからっていうのとトランスファーが来るまで待ってっていうことだったよね」
「俺は康晴に」
「おいおい、隆、ちょっと待てよ。娘に譲れ。昔から変わらんなあ。還暦近いんだからさ。俺も雅子たちから先に百合ちゃんのワンコのエンジン乗せ換えの話は聞いてるよ。それにサンデー君のエンジン交換やるとは言ったけど、今日持って来いなんて言ってないだろが」
「うーん。仕方ない。康晴が言うなら。このまま帰るか」
「百合ちゃん、隆さん、今日のところは両方預かるから。3人で友香の丸井ちゃんで帰れるよね。2台がうちに置いてあれば、いつでも作業できるから問題ないでしょ。車は後で工場に入れるからキーよろしくね」
「康子、ホントにありがと。ごめんねえ。ほら、二人とも何ボケっとしてるの。みんなにお礼いいなさいよ。それからキーは康子に渡して。キー置いたら丸井ちゃんに直ぐ乗りなさい。んもう、あんた達は車が遅いと切れ切れモードになるの何とかしなさい。佐野さんっていつもいい車作ってくれるじゃないの。TW53LDも速くしてもらったでしょ。わかったわね」
「お、おう。康子さんどうもありがとう」
「はい、ママ。どうもありがとうございます」
「じゃあ、康子。悪いけど、2台のエンジン載せ替え頼んだね。万が一、他の仕事で忙しくって一台ずつしかできないときは、百合の車優先ね。あんたは百合のあと。わかったわね」
「うん。仕方ねーな」
百合ちゃんのお母さんが一喝するとお父さんは素直に引き下がっていた。
グログログログロロロローという丸井ちゃんのエンジンの音を響かせて百合ちゃん達が帰っていった
「やれやれ、ってことは明日からこのワンコから先にエンジン載せ替えやってそのあとに隆のサンデー君の乗せ換えだな。事故車の修理もやってだな」
「どっちも部品はあるってというか、ワンコ用のエンジンは日曜日に仕上げたばっかりだからすぐに載せ替えがいけるってことだよ。事故車は見積もってだからちょっと時間かかりそうだな」
「悟瑠、そうなら、明日3人でやれば1日でワンコのエンジン載せ替えは行けそうじゃねーか?」
「親父、ターボ用のマフラーがいるよ。生とは排圧が違うからもう2人いるって。煙突の作り直しだよ」
「そうだな。ダブル煙突か。わかった。それなら明日は俺もマフラーづくりをやるよ。若手の3人をエンジン交換に投入してさっさと仕上げてやるか、鈴木さんたちは事故車の修理、隆文君は俺とマフラーづくり頼む。いいことに今週の土曜、日曜日は寄合もない。俺が週末に隆の車のエンジンと排気系準備して来週の月曜によってたかって載せ替えてもってけば全く問題ないだろ」
「そういったらそうだな。ミッションも頼むよ。今のミッションじゃあ持たない。タフさんと同じのに交換する」
「そうか、トランスファーもいるってことか。ドッキングしておくよ」
「うん、百合ちゃんはトランスファーがなかったから待ってもらってたんだ、幸いにもメーカーに在庫あって水曜に来たからミッションに組んである。いつでもワンコはターボエンジンに載せ替えが大丈夫になったんだよ」
「そうか。明日はワンコのエンジンとミッションの載せ替えしよう。土日にサンデー君に積むエンジン組めばいいんだよな」
「百合のを先にってことだな。まあ、いいだろ」
「隆弘、その通り。じゃあ、親父、僕らは帰るよ。明日は早くからワンコのエンジン交換やって全開テストは百合ちゃんに任せよう。壊れたら直せばいいから。百合ちゃんは早く乗りたいだろ」
「そうだな。早く乗りたいのは隆も一緒だな。じゃあ、明日だな。今日はいろいろありすぎだ」
アジトについて
「来週末はとうとうGTカーのデビュー戦ね」
「そうだな」
「百合リンとお父さんって性格そっくりね。いきなりせっかちモードになって。争うように車持ち込んできて」
「うん、仕方ないって言ったら仕方ないよね。二人とも遅い車って嫌だっていうんだもんね」
「仕方ないけどね。車に乗ると百合リンって性格変わるよ。せっかちモード全開」
「そうかあ、それじゃあねえ」
「明日はワンコのエンジン+ミッションの交換ね」
「明日のポイントは排気系だよ。目標の530ps出ることを祈ろう」
「そうだよね」
次の日は突貫でワンコのエンジン+ミッションを載せ替えて530ps出ていることを確認、アイドル時の漏れ確認のみで全開テストはすっ飛ばして納車してテストは百合ちゃんにお願いしていた。
速くなったワンコに満足げな百合ちゃんは嬉々として乗っていた。
次の土曜日はGTカーの練習の日で雅子たちが運営するコースでめいっぱい走っていた、日曜日もチーム佐野のドライバー4人がめいっぱい練習して次週の本番に向けて準備していたのだ
「悟瑠、今週は小型の車検が15件も来ちまった。それに困ったことに中型トラックの事故修理が2件ある」
「昨日受付したのかあ」
月曜日会社に行くと親父が困ったような顔していた。
「そうなんだよ。まずいことにスーパーマーケットでリースになってる車の車検が一気に来たんだよ。隆義のところに車検の情報が抜けててというか、リース会社を満了時に変えたんだけど、車達の車検をどっちの会社の負担でやるか明記されてないのをいいことに、前のリース会社が逃げたって形になったんだよ」
「そうか、今はスーパーマーケットの車のリースは加藤運輸がやってるもんね」
「そうそう、加藤のところでもまだ全部把握しきれなくてなあ。それでリストみたら今週の金曜日で切れるのが15台もあったってことで隆義から泣きつかれたよ」
「とにかく5台ずつアジトでやるか、一日5台なら3人いればできるよ。親父。こっちの仕切りを頼めるか?僕と隆弘と雅子の3人でやる。アルバイト君を募集する。タイヤ交換が必要なら持ってきてというかもしれないけど」
「いいよ。こっちには板金名手と若手を残すだろ」
「隆文もこっちに残すよ。隆文、中型トラックの板金頼むぜ。リース車両の車検はアジトでの作業は隆弘と雅子とアルバイト君にお願いするよ。隆弘アジト行こう」
「おう任せろ。悟瑠、それじゃあアジトに行こう」
「うん。親父。じゃあ、今から移動して車検をやるよ、雅子。悪いけど車たちのフィルター類頼むよ。全部同じメーカーだから楽は楽でしょ。油脂類は在庫あるからOK」
「はいよ。あたしはピッピにフィルター類とかタイヤとか部品を積んでアジトに行くよ。パパ、車検する車をアジトに運んでね。手配してあるよね」
「任せろ。こっちの輸送手配は紫陽花ちゃんに頼んである。悟瑠、突貫だけど15台の車検を頼んだぜ」
僕は隆弘と先にアジトに戻って工場を開けて機器を暖機して車検整備の準備していた
「15台ってなんだよって思うよ。うちの親は何をやってたんだか」
「仕方ない。わかんないけど。最後の契約で車を引き取ったら引き取った日で車検の責任わかれるだろ。結局車は加藤運輸に払い下げた形でしょ。それなら加藤運輸で車検だったかもな」
「そうかあ。それをちゃんと握っていないうちの親も親だな。契約書に書いておくべきだったね」
「それじゃあ仕方ないかもね。今更文句言ってる暇はない。アジトにも少しタイヤの在庫はあるから準備しておこう。」
「アルバイト君で午後から来れるの居るかなあ?募集かけたんだよな」
「メンバーは何とかなりそうだけど、他は厳しいかなあ?あ、3人来れるとか言ってるぞ。学生ならこれるかな?」
「それはそうだよね。午後から講義ないならこれるだろうし、バイトでお金が手に入るんだから、普段金がないっていう連中なら稼ぎに来るでしょ」
「あ、そうだな。もう車検する車が来ちゃったよ」
ふとみると、5台のリース車両を積んだ加藤運輸のトレーラーが入ってきた。
「雅子より早いのか?とにかくおろして点検だな」
5台積みの積載車に乗ってきた車を降ろしてアジトの駐車場に並べると車の周り、油脂類の点検していた
「おうおう、この車ってエンジン結構酷使されてるな。オイルが真っ黒じゃん」
「この車はフロントタイヤを縁石にこすった跡あるから。オイル交換してアライメント見てかな?サイドスリップ通ること祈ろう」
午前中、僕らは5台の駐車場にならんだ車の中から簡単に済みそうな車から車検をやっていた。
午後には来てくれたアルバイト君と雅子にも整備をやってもらって、夜には5台の車検を終わらせた。
次の日の朝、次の車検を受ける車5台を加藤運輸のトレーラーが搬入しに来るので、帰り便に昨日整備した、車5台を乗せて送り返せばいいようにしていた。
今回の車検で楽なのは自賠責や重量税の処理がリースもとで行うことになってるので、僕らは手続き作業が不要で車の適合証さえ発行すれば終わるのだった
火曜日以降も傷みの酷かった車から車検をやりながら修理をやっていた、休憩時間にはGTカーのメンテもやって土曜日から始まるデビュー戦に備えていた
金曜日、午前中で仕事を終えた僕と隆弘は、走り屋チームのメンバー二人と午後からエントリーの為の準備して前泊で現地に行って車関係の準備していた
雅子達ドライバーは土曜の早朝に家を出てお袋の運転するサナちゃんに乗って来ることになっていた
土曜日の予選の日、やってきた雅子たちに
「雅子、あいにくどんよりだが暑くなくていいかもね」
「うん、それにサナちゃんからうまくするとリアルタイムで配信できるかも」
「それはいいじゃん。ってことは2台のGTカーのカメラから直接だな」
「うん。準備はバッチリよ。サナちゃんもソーラーパネル付いてるし、不足したらエンジンで発電しちゃう。PTOにつないでる大容量発電機回せばOK」
「よし、それで行こう。練習時間はカメラのチェックもしながらだな」
僕たちはカメラのチェックも兼ねながら予選に備えた走行チェックと周りへの挨拶をやっていた
先にGTカーの確認に行ったのは、雅子と百合ちゃんで雅子がゼッケン485、百合ちゃんが583だ。
雅子たちがタイヤを一皮むいて本格的に攻め始めて第5コーナーを立ち上がり、130RからS字に差し掛かろうとした時だった
「おいおい、なんだ?あの車。悪質だろ」
「おう、うわあ。アブな。さすが雅子、うまく避けたな」
「新規参入への挨拶ってやつか?」
「あ、そうかもな。全く時代にそぐわないこといつまでやってるのか?え?これやべえだろ」
1台のGTカーがわざとだろう、S字で走路を妨害するように雅子の前に来てふさいだ。
「おいおい、やべえやべえ、百合ちゃんがブチ切れモードに入ったぞ」
「あ、雅子もだ」
「雅子はめったに怒らないけど、理不尽なことが大嫌い、あのひどい教師の時はすごかったでしょ。完膚なきまでやるからね」
「ってことは、相手はやべえのを怒らせたってことか。雅子はさすがだ。よけて立ち上がりで躱して前に出たぞ」
「隆文の言う通り。百合ちゃんがダウンヒルストレートでアウトに誘って90度コーナーでいったああ。どうやら同じチームの車が前にいたようであっちを狙って空いているインからいったあ」
「不意に飛び込まれたんじゃあ、びっくりしてアウトに逃げちまう。おおお。雅子の目の前に前の車が百合ちゃんの車を避けて寄った。うまい、雅子は相手交わすように見せかけてインによって後ろの車の進路をふさいでブレーキだ」
「あ。ふさがれた一台は接触避けてアウトに逃げて、あああああ。コントロール失って真っすぐダートにああああ。止まんない、ありゃ無理だ。うわああ、スポンジバリアに行ったあ。正面からがっつり行ってるよ。あれって今日は走れないだろ」
「確かに、百合ちゃんは一台の幅ギリ空いていたインに飛び込んだって感じだな。本番なら半分空いてたら突っ込まれるもんな」
「前はびっくりしてアウトによけたまでは良かったけど、後ろから雅子が来てた、雅子は百合ちゃんをよけた車との接触を避けようとして空いているインに逃げたってことだな」
「そうだな。インから雅子の車を躱そうとしていた車は接触避けるためにアウトによけた。でも、あ、同じチームの車に当てるわけにはいかないからダートに逃げたけど止まらずスポンジバリアか」
「あ、もう一台もスローダウン?救援だな」
「いいや、バーストだ。そうか。もとからおかしかったんだよ」
「あーあ、タイヤ取れちゃってるじゃん」
「なんだ?」
「わかんない、とにかく様子見だな」
「悟瑠。裁定には影響ないと思うけどなあ」
「まあ、そうだな。それならいいだろ」
と言っていると、僕のスマートフォンがなった、みるとオフィシャルからだった
「隆弘、オフィシャルから呼び出しだ。まあ百合ちゃんのイン飛込の件かもな」
「動画を持っていけばいいじゃん。雅子たちの車からばっちり転送されているよね。ダウンロードするぞ」
「うん、雅子の車のもあるからどっちかと言えば確認と思うからね。2台分ここだな。130Rからビクトリーまでの動画持っていけばいいだろ」
「まあ、それだけあれば裁定下せるだろ」
僕は念のため雅子の撮った動画と百合ちゃんの車の動画を持ってオフィシャルにむかう
「よろしく、悟瑠頼んだぜ」
「任せろ」
オフィシャルのところに行って130RからS字付近の雅子と百合ちゃんの車から飛んできた動画を見せていたところ、あろうことか百合ちゃんは直角コーナー手前のストレートで相手に3回パッシングしていた。
それでもどかずにいた前の車が百合ちゃんにインに並ばれて慌てたのでこのアクシデントが起きたと判断された。
相手の動画も見せてもらっていたところ、どうやら編集されているらしいことが分かって原本を出すよう言われて出したところ、ピットから"雅子の車の前を横切れ"という指示を出していた声が入っていてこれが証拠となって相手が悪いことになってしまっていた
「隆弘、分かったよ。百合ちゃんにインに飛び込まれた車は左前輪のスローパンクチャーらしくってインにつけなかったんだよ」
「そうか、それなら仕方ないじゃん」
「その通りでしかも何とかしようと必死になっていたから。後を見る余裕は全くなかったんだよ」
「ってことは、単なるアクシデントか」
「そう、相手は切り取って持ってきたようなんだがどこか不自然でうちの動画と比べて時間が短いってことで都合悪いところは消したんじゃないかと勘繰られて無修正ベースの動画を出せってことになったんだよ」
「そうか」
「そしたら、ピットからの指示で雅子の前を横切ったのが分かったんで厳重注意と今回のことはあっちが悪いってことになってうちはお咎め無し」
「よかったなあ。あ、百合たちが戻ってきたよ」
「愛理沙ちゃんと隆文に乗り換えて、雅子、百合ちゃんお疲れ」
「ありがと」
「悟瑠さん、行ってきます」
「兄貴、行ってくる」
2台はいきなりエンジン全開でコースを攻めていた
「隆文も全開じゃん」
「雅子、百合ちゃん無事でよかったな。よくやったって言っていいのか?」
「任せて、百合リンがブチ切れモードになったから」
「そうでしょ、相手は雅子を女と思って仕掛けたんでしょ。舐めてんじゃないわよって」
「半分はそうだと思うけどな。それに新参への挨拶ってやつかな?TSカーカップの時には予選でトップとって4人が参戦する頃にはぶっちぎりになってて相手も手が付けれらないってわかったから放置だったじゃん」
「そうだよね。あたしたちを舐めたらどうなるかってことね」
「百合リンが切れたらどうなるかだよね」
「そうだな、とにかく予選ガンバだ」
「もちろん」
予選の結果ははさすがにワークスの壁は厚く、雅子が奇跡的に3位に入ったものの隆文が6番手だった。
愛理沙ちゃんと百合ちゃんは警戒されたのか微妙にクリアラップを取らせてもらえずに7着、8着になっていた
「お疲れ、雅子やるなあ。3着か。速いよね」
「うん、エンジンはうちもいいけど、やっぱり脚とボディ剛性が違ってるかもね。コーナーの車の挙動が違うよ。それがタイム差に出ちゃってるよ。挙動の安定度が違いすぎよ」
「そうか、もっと剛性上げないとダメか?コース行ってひずみゲージ貼って応力調べてだな」
「まあ、初戦だからおいおい直していけばいいの。今日は仕方ないけど、決勝でどうなるかよ」
「まあ、雅子の言うとおりだな」
「今日は宿でゆっくり休もうよ。観光バスが停まれるところ取ったから」
「そうだな。温泉もあったよね」
僕らはお泊りするところに行って休んでいた
宿では
「愛理沙、今日はお子さんはおばあちゃん?」
「うん、というかパパがもう可愛がっちゃって。今日は、一日中、車の博物館にお遊びに連れて行ってくれてるの。明日はここに来てコレクションホールを見せるとか言ってるよ」
「それはいいかもね」
「うん、もしかすると子供たちはサナちゃんで帰るっていうかも。上の子は男の子に多いんだけど車大好き、バスが大好き。下の子は女の子だけどこっちも車大好き」
「そうなんだ。それじゃあねえ」
「それでコレクションホールに来たら動かないんじゃないかな?前座のレースってTSカーカップでしょ。お兄ちゃんが出てるよ」
「あ、そうか。あたしのお兄ちゃんも出てる」
「車は?」
「二人ともKP61見つけてきてそれで走るって」
「すげえなあ。悟瑠さん。エンジンやってとか言われた?」
「ああ、いじってはあるよ。隆文の仕様ー30psかな?予算なくてカーボンプッシュロッド、軽量ロッカーアームが使えなくて高回転がちょっと苦手、しかもクラス1だから。ソジュームバルブは入れてある」
「そうなんだ」
「うん、ショートストロークにしてもバルブ系が追い付かないからね」
「雅子と愛理沙のエンジンってガンガン回ったよね」
「うん、ロングストロークだけど回ったねえ。フルカウンターとオフセットボアでボアピッチを1mm広げたのはでかかったね。ブロック剛性が取れてめっちゃ楽だった。ロングコンロッドが効いたよ」
「そうなんだ」
「K型もクラス1ならロンスト+ロングコンロッドのほうが速いんだよ。ピストン軽くって今の潤滑油の性能いいからね。下から回るし何と言っても高回転のフリクション減るからパワーバンドが広いのがいいんだよ」
「そうなんだね」
「とはいっても予算がって言うから僕は注文されたとおりに作ったよ。加工のノウハウは全部入れた。ボディ周りは自分たちでやるって言うから場所を貸しただけ」
「そうなんだ。それなら明日が楽しみね。お兄ちゃんのデビュー戦」
「あたしのお兄ちゃんもそうですよ。あたしたちと一緒かあ」
「おいおい、明日は自分のレースのことだけ考えてよ」
「はい」
次の日は晴れてはいたものの、時折曇るというあまりレースには向いているとは言えない天気だった
前座のレースとなったTSカーでもタイや選択で苦労するチームが多かった
譲さんと哲史さんの結果はクラスの3着と4着でベテランの一色選手と今シーズンからクラス1に変更した能條選手が1着と2着だった
GTの時間になって路面清掃を終えてグリッドに車を並べ終わって
「雅子、愛理沙ちゃん、今日はタイや選択が鍵になるかもしれない」
「そうね、お兄ちゃん。結構難しいよ」
「ですね。今日はお勉強です」
「愛理沙の言う通り、最初からうまくいくなんて無いって。Gr−Aのときみたいに全車を周回遅れにするなんて圧倒的にパワー違うとか無い限り無理でしょ。不具合は勉強不足ってこと」
「そうだね」
「うん、あたしも先輩の言うとおりと思います。いっぱいお勉強して悟瑠さんに伝えていい車にするのがあたしの仕事です」
「そうだな。最初から100点にできたら天才だ」
「最初はあたしから行くね。愛理沙、次戦は愛理沙が先ね」
「お願いします」
雅子と愛理沙ちゃんが選手紹介の為にグリッドに行った、サーキットでは場内アナウンスで
"今回も来ましたGT選手権、それでは出場選手の紹介です"
「来てるなあ、こんなに盛り上がってる中走るのって雅子達にとっちゃ初めてだろ」
「そうだよ」
「今日はやれることはやった、不具合は僕らの勉強不足ってやつだな」
「雅子が言ったんだろ。流石だな」
「その通りだろ」
と言っていた時だ、
"次はチーム佐野です、ゼッケン485号車、ドライバーは佐野 雅子選手。小笠原 愛理沙選手です。この二人はTSカーカップからのステップアップです。ちなみに小笠原選手はママレーサー、2児のママさんです"
"えええええ?"というどこか落胆したようなギャラリーの声、まあ、愛理沙ちゃんくらいの美女ならそうなるよな、それにビジョンに愛理沙ちゃんがアップになってるし。
「おうおう、愛理沙ちゃんが一番人気か?」
「独身って言わないのは遠慮したのかな?」
「雅子も結構、"おおおおっ"って言われてたけど、ママレーサーってのがポイント高いか?」
「そうだよ。ポイント高いよな。ええと今日のクルーは村上くん達3人とチームのメンバー5人か、8人いれば2ならまあなんとか行けるな」
「うん、とにかく給油とタイヤ、それにドライバーの水補給だね。僕らも作業はやる」
「そうだね」
と言っていると、愛理沙ちゃんと隆文がピットに戻ってきて
「紹介終わりました。ビジョンにあたしの顔がアップで出るのって恥ずかしいですね」
「そうだよね。隆文の時は"いいなあ"だったな。百合ちゃんも美人系だからさ」
「それに、百合とのペアだから百合のファンになったのもいたみたいで"なんだあの野郎"とかも言われてたなあ」
「おーこわ。百合ちゃんは兄貴のカノジョなのになあ。俺には舞由良がいるから」
「「「あはははは」」」
と言っていると、シグナルが青に変わってスタートしていった
「よし、フォーメーションラップスタートだ」
「今日は初戦。完走が目標だな」
「そうだな。無理せずに」
フォーメーションラップから各車一斉にスタート、一気に混戦になる300クラス、雅子はその中でもスタート直後の混乱で事故らないように巻き込まれないようにしながらラップを重ねていた
「先輩。いけええ」
「百合ちゃん、ゴーゴー」
応援にも熱が入る、順調に周回を重ねて、ドライバー交代のピットインだ、そこでタイヤを交換するのだが、雅子の車が左前輪が外れずちょっと時間食ってしまい、その間に6位まで落ちていた。
愛理沙ちゃんと隆文はプッシュしつつも着順アップを狙ったが、さすがに上位の壁は厚くて順位を上げることができなかった。
とはいっても初戦を雅子たちが6着、百合ちゃん達が7着で完走できて僕らとしては満足だった。
配信でのコメントを見ると初戦は両方がリタイヤしても不思議じゃないとか言われていて、まさか2台とも走りきるとは思ってなかったと配信をやっていたところにコメントが入っていたのだった
それに僕らはうまくライブで雅子たちのレースの姿を配信してたのと、のちにサマリーとハイライトを編集した動画をアップしたところ、有料チャンネル登録してくれる人たちが増えて資金が増えて助かっていた
「愛理沙、完走おめでとう。ハプニングはつきものね。ダンゴ状態ならちょっとしたところで差がつくもんね」
やってきた愛理沙ちゃんのママが僕らに声をかけてきた
「あ、ママ。子供たちをありがとう」
「二人ともパパが1日中見てて、コレクションホールに行ったらも全然飽きなくて、みてよ。これじゃあねえ」
百合ちゃんの家のマキちゃんの中でぐっすり寝ている愛理沙ちゃんの子供たちだった
「あーあ、よく寝てるのね」
「うん、今日は友香もここに来てて、マキちゃんと呼んでるバスで来たの。子供たちはバスに乗れるっていうんで朝からテンション高くて」
「そうなのね」
「なんか、前座のレースで譲さんが出るとか?そうそううちはパパが運転して哲史のバスで有志集めて、TSカーレースのピット作業してたの。愛理沙が走るってわかったら応援席にみんな行っちゃって終わりまでいるんだって言ってるよ。愛理沙たちのレースも見てから帰るって」
「子供たちをありがとう。助かったわ」
「二人とも車大好きね。あ、ごめんね。友香のバスが出る時間だわ。子供たちは今日はうちに泊めるから、明日の朝に保育園に送るまで預かるから明日の帰りはお迎えよろしくね。今日はゆっくり休んでね」
「ほんとにありがとう」
僕らはレースの後のピットの撤収やなんだかんだで、TMサーキットを出発した時はすでに夜の帳が完全に降りていた。
途中でご飯を食べて家路に着いているとドライバーをやった雅子たちはくたびれたらしく、母親の運転するサナちゃんのなかで爆睡だったとか
次の月曜からはいつものように事故車の修理、故障車の修理、リース車の点検、車検の仕事して迎えた週末、僕らは雅子たちが運営するコースにいた
今日は雅子のピッピ、僕のジゴちゃん、百合ちゃんのワンコ、親父のジュゴンの足回りをどういった方向にしていくか?うちの3軸外販用レッカーを参考に走らせながらスペック検討していた
「うーん、まだ脚いじってないから感じるのはエンジンはいいけど、オフロードは3軸外販用レッカーに全くかなわないなあ」
「うん、この車はカウンターウエイトの関係で25トン近いからなあ。その分は差し引きいるけど、やっぱり伸び重視にして車高はこのままでいいかなあ?上げても5インチだろ」
「そうだね、エアサス組んで後ろが2軸だからそこが難しいよね」
「そうなんだよ。ハットくんも後ろ2軸3軸総輪駆動なのは同じだから。基本はハットくんの考えで脚をいじるのいいと思うよ」
「じゃあ、それで決まりだな。キャブオーバーは全部リンクでやれるけど、ボンネットのフロントはリーフ+エアアシストだな」
「そうだね。まずそれで行ってみよう。K-までのキャブオーバーもフロントはリーフ+エアアシストだよ」
「悟瑠、俺のはやっぱり延長リーフとエアか?」
「そうだね」
「悟瑠、俺はターマックも走ってサスの性能決めるよ、そうだ。隆義がやっぱりタフさんは速すぎてというのと脚が動きすぎてオフロード走行が下手になるからいらないとか言って返してきたんだよ。それで康子の車にしたよ、幸いっていうか名義変更終わってなかったからよかったけど」
「わかった」
僕らは雅子たちのコースで新しく作った車の素のポテンシャルを確認できて満足して帰ってきて途中のお店でご飯を食べてアジトに帰っていった
僕らが雅子たちが運営しているオフロードコースを満喫してアジトに着くと、アジトの駐車場に見慣れない3軸の元除雪車と思しき車とつくしが止まっていた。
愛理沙ちゃんと子供たちが興味深そうに車をみていたのだ
「悟瑠。わりいがこの車の足をいじるんでアジトの場所を貸してほしい。エンジンもV10に載せ替えるんだよ。型式はK-FU633AA改。見ての通りの元除雪車」
「え?これって?買ったのか?」
「俺が親父から買った形というか?レイコと等価交換って形だな。レイコのレストア費用含めた値段とこの車の値段が同じってことにして」
「それにしても隆弘まで3軸の総輪駆動のオーナーになるとは思わなかったぜ」
「俺もまさか親父が昔の乗り味がいいから俺のきみこと隆文のレイコを乗るからくれというとは思わなかったしなあ。きみこの代わりに隆文はつくしを渡してもらった。俺のレイコの代わりは見つけていたこの総輪駆動と交換ってことになったんだよ。交換してくれといわれた時には、このみさえはまだ納車になってないのと現状渡しで好きなように改造するのは俺ってことになった。なるべくオリジナルがいいっていう親父には排気系とエアコン以外はほとんどオリジナルのレイコを渡したんだよ。みさえは今日俺と隆文で取りに行ってきた。納車の時にみたらボディ周りの錆が全くないいい個体だ。これはどうやら北のほうで笠木工房のライバル工場が面倒見てた個体らしい。塩カル撒きまくる高速の除雪に使っててそのあとその県内の市に払い下げられて毎年の除雪に使っていたんだ。それも引退するってことで面倒を見ていた整備工場がかったんだって」
「そこでメンテしてた個体か。それならなあ。錆がないのもよくわかるな」
「その通り、ところがだ。そこの整備工場を閉めることになって持ってた車を引き取れないかって笠木工房というかウッディパラソルに連絡行った、それを親父が聞いて買ったってことだ。笠木さんには頼んでおいたってさ。親父が笠木工房でこのみさえを見てこの年式でこんなに防錆がしっかりしてて錆がないっていうのは素晴らしいとびっくりしてたってよ。なんか親父が聞いた話だとこの車はシーズン前には防錆パスターを下回りにたっぷり吹いて出動ごとに整備工場に入れて手入れと点検、シーズンの終わりには全洗浄して電気つないで防錆してたってよ」
「ってことは、防錆関係は完璧ってことか、車体関係は整備不要で脚とエンジン回りをやって俺たちの車に近くするってことか。うちの3軸外販用レッカーと同じように前はリーディングアームとエアバッグで後ろは現代の後ろ2軸駆動の4エアバッグ+Aアームのエアサスにしてってことか」
「そう言うこと。そうだこの3軸総輪駆動はみさえにした。K-FU633AAでみさんえいを短くして"みさえ"」
「へええ、隆弘さん、いいじゃない。女子の名前なのね。それなら隆文の車になったSKW440は今更だけどSKW440つかって女子の名前にすればよかったね。しすくわ、"しずか"にしようよ」
「雅子、いいじゃん。隆文、今更だけどニックネーム変えよう」
「兄貴、俺のは無理に女子の名前にしなくても」
「いいじゃないの、隆文。あ、そうだ、隆文の短尺バスってMR510だけど、型式のMR510使ってむあるこ、読みやすくして"まる子"がいいわね。どうよ?変更しようよ」
「隆文さん、そういえば長野さんのMR520は"鬼丸君"っていうんだけど、社長が"真弓"はどうだとか言ってるんですよ。」
「愛理沙ちゃん、俺にはつながりがわかんないんだけど」
「なんか、社長が知ってるアーティストに真弓って名前の人がいて、MR520ってだって。これが名字に近いってことで、名前に変換して"真弓"」
「はああ、車は恋人ってことじゃないのに。女子の名前にするのかなあ」
「隆文、英語で車を受けるときはsheだからね。それにドイツ語だと女性名詞だよ。それならいいんじゃないか?しずかとまる子がいいよ。3人の女子に囲まれていいだろ」
「俺は舞由良がいればいいの」
「まあ、まあ。隆文、それもそうなのはわかるけどさ。そういえば、前に隆文は"車が恋人"って言ってたよなあ。"俺には車があればいいんだ"って」
「なーんだ。隆文。それなら決まりじゃん。SKW440は今度から"しずか"、MR510は"まる子"ね。ニックネーム変更ね。いいわね」
「はああああ、俺の車って。きみこの代わりにSKW440になったと思ったのに」
「「「あはははは」」」
さすが、ワークスと準ワークスは強い
雅子は新に手に入れた趣味車、3軸総輪駆動の速さに満足
それにしても隆弘と隆文までも3軸総輪駆動のオーナーになるとは
登場人物の所有車紹介
佐野 雅子
・大型リアエンジンバス
①観光シャシ+観光ボディ
KC-RA531MBN改
U-RU2FNAB改
②路線シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
U-UA440HAN改
KC-HU3KMCA改
③短尺路線用シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
U-RP210GAN改
U-MM618J改
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 U-FZ2FJCA改
②カーゴ フレーム交換車
6×6 KC-FU4FPDA改 V10に換装済
・小型車
①クーペ
GF-S15改
②セダン
GFーENR34改
佐野 悟瑠
・大型リアエンジンバス
①観光シャシ+観光ボディ
KL-RA552RBM改
KC-RU3FPCB改
②路線シャシ+観光ボディ V8に換装済
KL-UA452PAN改
KC-UA460NAN改
③路線シャシ+路線ボディ 路線用前中2ドア
KC-LV280N改
U-LV218M改 V8に換装済
・大型キャブオーバー トラック 元除雪車 フレーム交換車
①ダンプ
4×4 KC-CF53XGH改
②カーゴ
6×6 KL-CZ55YNH改 V10に換装済
・小型車
①セダン
GF-GC35改
佐野 康晴
・大型バス
①リアエンジン 路線シャシ+路線ボディ
自家用1ドア
KC-UA521NAN改
②ボンネット トラックシャシ+路線ボディ 路線用1ドア 元移動診療所
4×2 TK20L改
・中型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ 路線用前中2ドア
P-LR312J改
K-102H改
・小型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ 路線用中1ドア
P-RB115AA改
・大型ボンネットトラック
①カーゴ
6×6 TZ50MD改 V10に換装済
②ダンプ
4×2 KB112D改
・小型車
①セダン
Q-LS131H改
佐野 康子
・大型バス
①リアエンジン 路線シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
U-LV224K
②ボンネット トラックシャシ+路線ボディ
路線用1ドア 元移動診療所
4×4 T370改
・大型ボンネット トラック
①ダンブ
4×4 TF30GD改 V8に換装済
4×2 TD50AD改 クレーン車改造済
・小型車
①ハードトップ
E-KE70
②セダン
E-AE70
加藤 隆弘
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 U-FR415H改
②カーゴ
6×6 K-FU633AA改 V10に換装澄
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ
自家用 1ドア
U35H改
・小型車
①セダン
CBA-GVB
加藤 隆文
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 SKS390改
②カーゴ
6×6 SKW440改 V10に換装済
・大型リアエンジンバス
①短尺路線シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
MR510改
・小型車
①クロカン4×4
KG-VGY61
加藤 隆義
・大型 ボンネットトラック
①ダンプ
4×2 DU780HD改
4×2 DA100D改
・大型リアエンジンバス
①短尺路線シャシ+ナロー仕様路線ボディ
路線用中1ドア
BA05N改
松尾 百合
・大型リアエンジンバス
①観光シャシ+観光ボディ
P-RU636BB改
P-RA52M改
・大型キャブオーバートラック
①カーゴ
6×6 K-FW125M改 V10に換装済
・大型ボンネットトラック
①ダンプ
4×4 W81D改 V8に換装済
・小型車
①クーペ
EーS110改
松尾 譲
・大型キャブオーバーバス
①トラックシャシ+路線ボディ
路線用中1ドア
4×2 BF30改
4×2 BXD30E改
・大型ボンネットトラック
①ダンプ
4×2 T800FD改 V8に換装済
4×4 ZH110改
・小型車
①クーペ
E-GS130改
松尾 隆
・大型 キャブオーバートラック
①ダンブ
4×4 CF30DD改 V8に換装済
・大型 ボンネットトラック
①ダンプ
4×2 TK20GD改
・大型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線ボディ 元レントゲン車
路線用中1ドア
4×2 K-TDJ72改 V8に換装済
・大型リアエンジンバス
①短尺観光シャシ+観光ボディ
P-RU192AA改
・小型車
①セダン
E-GNY33改
松尾 友香
・大型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線ボディ
路線用中1ドア
4×2 DB100改
4×4 TSD43改
・大型キャブオーバーバス
①短尺トラックシャシ+ナロー仕様路線ボディ
路線用中1ドア
4×2 BXD20E改
・大型ボンネットトラック
①ダンブ
4×2 TXD60D改
・小型車
①HB
E-KP61
小笠原 愛理沙
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+観光ボディ
B806K改
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 KC-FR529改
・小型車
①セダン
TA-GXE10
小笠原 哲史
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ
自家用前1ドア
MAR480改
・大型キャブオーバートラック 元除雪車
①ダンプ
4×4 K-FR113H改
・小型車
①クーペ
E-MA45改
長野 暁
・大型リアエンジンバス
①短尺路線シャシ+路線ボディ
自家用1ドア
P-MM517J改
路線用前中2ドア
MR520改
②短尺観光シャシ+観光ボディ
MM515H改
・小型車
①クーペ
ZN6
狩野 守
・大型キャブオーバートラック
①ダンプ
6×4 U-FS1VKBD改 V10
6×4 KC-FS3FKCD改 V8
6×6 K-SKW520改 V10に換装済
・小型車
クーペ
ZN6
河野 優花
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+観光バスボディ
P-LV214L改 V8に換装済
・小型車
①HB
L700S改
綿貫 洋平
・中型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線バスボディ
自家用前1ドア
B622B改
橋爪 正治
・中型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線バスボディ
路線用中1ドア
BX521改
・大型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線バスボディ
路線用中1ドア
BXD30改 後面丸形状
BXD30改 後面平面形状
笠木 徹治
・中型増トントラック
①クレーン付き 増トン レッカー車
4×2 KC-PK262HFZ改
②ウイング積載車
4×2 KC-PK262UFZ改
③オープン積載車
4×2 KC-PK262VFZ改
笠木 達也
・4トントラック
①カーゴ
4×4 U-FL618F改
矢代 圭一、伸一親子
・大型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線バスボディ
路線用1ドア
4×4 K-ZC121改 車体メーカーでオンオフ V8に換装済
4×2 BH15改⇒P-FH229BA改 29人乗り仕様 フレーム交換車
4×2DA90改 トラックに佐野自動車でバスボディ架装
高尾製油所
・大型ボンネットトラック
①ダンプ
4×2 T412DD改
・中型リアエンジンバス
①路線系シャシ+観光系ボディ 自家用
K-MK116J改
・中型キャブオーバートラック
②カーゴ
4×2 U-FB2WEAA
いつも読んで頂き、どうもありがとうございます。
今回はここで更新します。
お気に召しましたらイイネや感想いただけると更新のモチベーションアゲアゲになります。




