第八十九話 レースの車作りと総輪駆動のエンジンスワップ
ステップアップできそうでほっとしている雅子たちは家業に取り組んで
人手不足の小笠原精肉に転職してきたのは?
主な登場人物
佐野 雅子 ヒロイン 25歳 4月生まれ
峠のバトラー⇒TSカップレーサー⇒GTレースへ挑戦計画中
家業の佐野自動車販売の中古車販売店副店長兼整備工場副工場長、整備の受注、部品調達担当の副社長
前職はスーパーの経理兼販売促進課 係長
所有免許、資格;大型2種、牽引運転免許、2級整備士免許、危険物乙4、玉掛、ガス溶接、救急救命士、巻き上げ機、簿記2級、税理士
レース以外の趣味:
オフロード走行:大型の2軸総輪駆動のエンジン、サスペンションをいじって自分好みした。
パソコン:プログラム組むのも好きでシステムを自力で組める
僕;佐野 悟瑠 雅子の兄 28歳、3月生まれ 妹の雅子より4学年上
家業の佐野自動車販売に就職して6年目、整備工場の工場長兼副社長。
所有資格 2級整備士、MIG溶接機、レーザー溶接機、ガス溶接、玉掛、大型2種、けん引免許 巻き上げ機、危険物乙4
カーキチ、スペックオタク、エンジンスワップ大好き
佐野 康晴 僕の父親 56歳
佐野自動車販売の社長、総括責任者。趣味人 マニ割、エギマニ作りの達人 元整備工で板金も得意。
佐野 康子 僕の母親 54歳
佐野自動車販売 副社長 佐野自動車販売店店長、営業、仕入れ担当
加藤 隆弘 28歳
悟瑠の同級生で親友。佐野自動車の副工場長、専務取締役
専学卒業後家業の内燃機整備工場に就職、佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。悟瑠の幼馴染。2月生まれ。エンジン加工の名手、エンジンスワップ大好き 実は弟の隆文が一目置く運転センスの持ち主
大型免許、牽引免許、玉掛、ガス溶接、アーク溶接、危険物乙4、巻き上げ機、電検2種、テルミット
加藤 隆文 25歳 整備部長
隆弘の弟。雅子より一学年上だが、3月生まれで実はほとんど同い年。工業高校から家業へ就職。佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。板金と排気系を作るのが得意
大型免許、牽引免許、玉掛、ガス溶接、アーク溶接、危険物乙4、テルミット溶接、巻き上げ機
趣味:TSカーレース、GTカーレース 今シーズン5戦目で1勝あげたが年間は4位、オフロード走行 生エンジン好き
加藤隆義 56歳
加藤運輸社長 佐野 康晴の同級生の親友
現在は運輸業、リース業に忙しく趣味の旧車はいじれていない
かつて運営していたエンジン整備部門は、同じ敷地内にある佐野自動車販売に従業員ごと譲渡して運輸専門にした
松尾 百合 25歳
雅子の親友、丸松建設のお嬢さん。雅子と同じ高校卒業して同じスーパーに入って家業に転職。
松尾建設運輸担当副社長。普段はおっとりだがスイッチが入ると途端にせっかちとブチ切れになる 5月生まれ
TSカーレーサー、GTカーレーサー TSカーカップではトータルで2勝あげ、シーズン3位 旧車好きで父親譲りの速い車好き。オフローダー
大型免許、牽引免許、玉掛、クレーンオペレーター、巻き上げ機、ガス溶接、テルミット、アーク溶接、危険物乙4、電検2種、火薬類取扱保安責任者(甲種)
松尾 譲 27歳
百合ちゃんの兄 丸松建設の建設系担当副社長。マニ割マニア 実はオリジナル主義、生エンジン好きで速さにはこだわらない ドリフト競技に参戦中、TSカーカップにも挑戦する
大型免許、クレーンオペレーター、玉掛、巻き上げ機、ガス溶接、アーク溶接、テルミット、危険物乙4、電検2種、火薬類取扱保安責任者(甲種)
松尾 隆 56歳
丸松建設の社長 百合ちゃんの父親 速い車大好き 古いものを大事にする 悟瑠の父親の同級生
松尾 友香 54歳
百合ちゃんの母親、丸松建設資材調達兼外注先調整担当副社長 旧車大好き、かつオリジナル主義
小笠原 愛理沙 24歳
かつて雅子がいたスーパーマーケットの移動販売課係長 実は創業者の孫でもある(第三十七話参照)
雅子の同じ高校の一つ後輩。スーパーマーケットの主要取引先の小笠原食肉のお嬢さん。
元レディスの7代目総長 2児のシングルマザー(第三十六話参照)抜群の運転センス
大型免許、牽引。危険物乙4、ガス溶接、巻き上げ機、玉掛、アーク溶接、火薬類取扱保安責任者(乙種)
TSカーレーサー⇒GTカーレーサー 雅子と組んでクラス優勝を狙う
小笠原 哲史 27歳
愛理沙の兄。別の会社に勤めていたが家業に転職、製油担当副社長 大型免許所持 旧車好きで母親譲りのオリジナル主義 大型免許 危険物乙4 ドリフト競技参戦中、TSカーカップ挑戦する
愛理沙の元旦那とは親友で同級生(第三十六話参照)
長野 暁さん 30歳。
スーパーマーケットの販売部移動販売課 課長代理。
かつては首都圏のバス会社に居たが欲しいバスが排ガスの関係で住んでいた地域で登録できなくて雅子がいたスーパーに転職。今は愛理沙ちゃんの上司 短尺バス好き 大型2種免許、危険物乙4
狩野と一緒に走り屋チームの運営していた
狩野 守さん 30歳
丸松建設の業務課長
運送会社にいたが首都圏の事業縮小で地方に転勤になった。偶然募集していた松尾建設に転職
大型免許、牽引免許、玉掛、ガス溶接、アーク溶接、危険物乙4、電検2種、テルミット
長野と一緒に走り屋チームの運営していた
河野 優花 22歳
スーパーマーケットの業務課から移動販売課に異動。大型免許取得して移動販売車で販売する
綿貫 洋平
スーパーの販売部 移動販売課 課長 37歳
大型免許取ったらバスに嵌って自分でも買ってしまった。
橋爪 正治
かつて雅子が務めていたスーパーの社長 61歳
雅子や百合、愛理沙に刺激されバス好き、旧車好きが復活
見学者の送迎の為のバスとしてボンネットバスそろえてしまった
スーパーマーケットの広告も兼ねている
笠木 徹治 30歳
ウッディパラソルの経営者:悟瑠の父親の先輩(笠木 達也)が経営していたが代替わり 大型車主体の中古車屋 お店が暇なときは敷地内の笠木工房で作業
笠木 達也 60歳
笠木工房の共同運営者、ウッディパラソルの初代経営者
かつては悟瑠の父親、隆弘の父親と同じ大型車のディーラーにいたが、結婚を機に独立してウッディパラソルと笠木工房立ち上げ、奥さんの地元に移動 お店が暇なら奥さんの実家の農業をやる
植木 桂 60歳 笠木達也の奥さんの兄
同じく笠木工房の共同運営者 40歳で大型車のディーラー勤めを辞めたのち実家の農業をしながら笠木工房に合流して共同で運営する
矢代 圭一、伸一親子
松尾建設のビル内装工事委託先の経営者
大型ボンネットバスが好きという親子で趣味人
五式 紫陽花 18歳
愛理沙のいたレディスの13代目総長 小5から一つ上の兄とともにカートで走っている猛者 空手部だったが顧問の意地悪で干されたが弱みを見つけて追放。佐野自動車販売に就職予定でバイト中 五式不動産のお嬢さん
馬橋 舞由良 25歳
雅子と同じ高校の同級生、レディスの6代目総長。事情あって旦那と離婚して元の姓に戻った
石川 由香里 19歳
雅子と同じ高校でレディスの12代目総長 古武道部の主将もやっていた猛者
愛理沙のアドバイスで段位を取っていない 実力は3段以上といわれれいる
しゃべっていると、ピンポーンと僕のスマートフォンが鳴った。
「雅子、話代えて悪いけど、何かうちの親父も3軸の総輪駆動買ったぞ。趣味車だって」
「車何よ?」
「TZ50MD改とか書いてるよ」
「え?嘘でしょ?あの錆錆?確かに展示してるところにForSaleってあったもんね」
と言ってると親父が工場に来て
「悟瑠、イベントでいい車見つけたから買っちまったTZ50MD改。これは元除雪車、悪いがエンジンをV10に換装頼んだぞ。タフさんは隆義が買うって言うから売っちまったと言うより元々は隆義の奴をほぼただでもらったようなもんだ。価格はレストア代だな。これは生エンジンで、420psあればいいよ。キャビンとフレームの錆は載せ替えする。キャビンとフレームは見つけてあるんだ。いいところをうまくつなげて作ってくれ。90年代の除雪車のフレームがデッドストックで見つかったんで買っちまった。フロントセクションだけオリジナルのTZ50MD改に載せ替えて公認取ってくれ」
「まじかあ」
そこに居たみんなが脱力していた
「親父またボンネットかよ」
「いいだろ、除雪車にした試作車みたいだけどな。2軸だと豪雪地帯で推進力がたりないんだろ。どうしてもトラクション不足で」
「試作車でナンバー取れるのか?」
「取れるみたいだな。どうやらトラクターの改造型式なんだが、フレームを延長して重量配分の適正化をやってトラクション稼いだみたいで社内呼称がそのまま届け出になってる。こんなのって面白いだろ。それなんでフレームのフロントセクションは量産の防錆でまともなんだが、つなぎ部分から後ろの防錆が試作のフレームのようで防錆が甘くなったんだろうなあ。ボロボロに腐っちまった。見つけたフレームは量産正規の除雪車の重防錆仕様なんで何とかなるだろ」
「フレーム交換とエンジン載せ替えとミッション交換か、ミッションはタフさんと同じでエンジンはRF10だろ。オリジナルのままで行くと435psだな。それ以上にあげたらデフがもたないか。元々せいぜい400ps位だからなあ」
「それならボア138でいくしかないなあ。435psだろ。かと言ってターボは乗らないだろうし」
「そうだよ。ターボは無理だな。かといってRHはヘッドがでかくて幅の関係でフレームに乗らないからなあ。V8でもターボは苦しいなあ」
「だよなあ。生ならRH10の520psもいいかもしれんがフレーム間が狭いから無理だな。それならRF10改で仕方ない。実力で435psにしてくれ。そのくらい出ればいいか」
「わかったよ。やってみる。RF10改用のエギゾーストマニフォールドよろしく。サージタンクと左右煙突だろ。吸気はボンネットの前から取り入れる方式にする。サイクロンフィルターがいいだろ」
「それがいいだろ。いずれにしても、実測で435ps出ればOK。ダブル煙突は俺のポリシーだな」
「ってことは、親父のTZ50MD改はスーパーマーケットのお弁当&惣菜販売車の仕上げ、狩野総輪駆動カーゴのエンジン載せ替えと丸松総輪駆動カーゴのエンジン載せ替えの後にするよ、お客様優先にする。うちの地場3軸トラクターと大型3軸低床積載車も先にやるから、エンジンジはとミッション、トランスファーは在庫にあるから」
「お客様優先はもちろんだ。俺もエギゾーストマニフォールド作り上げておくよ。サージタンクの計算しておけば俺が作るよ。データはあるから。それにフレームの交換も時間見てやるさ。ほとんど手が付かないってことなんだよな」
「うん。仕方ないけどな。段取り考える。隆弘、雅子、うちの車のカスタムも溜まってるから部品の入手も調べて整理しよ」
「そうだな」
「お兄ちゃん。ボンネットの黒煙対策で残ってるのは?てつしくんくらいかな?」
「うん。軽快君が終わってるからそのものを応用してやれば簡単にできるよ。うちの車で残ってるのは大型3軸低床積載車と地場3軸トラクターだろ。これはもう部品そろってるから組めばいいんだよな」
「そうだよ。GT積載車トラクターはエンジンオーバーホールしたし、ミッションもOK。エキゾースト系がまだか。ダブル煙突。隆文出番だぞ」
「うん、今日作っちまう」
「順番はてつしくんの黒煙対策と狩野さんの狩野総輪駆動カーゴと丸松建設の丸松総輪駆動カーゴのエンジンスワップが先でその後に簡単なGT積載車トラクターをやって大型3軸低床積載車と地場3軸トラクターの順番だな。大型3軸低床積載車は加藤運輸への貸し出しもあるから早くしようぜ。ラスは親父のTZ50MD改のフレームとエンジン+ミッションのスワップ。親父、総輪エアにするのか?」
「そうだな、タフさんと同じメニューで」
「わかったよ。エアサスの部品そろえてだな」
と言っていると、紫陽花ちゃんが工場に駆け込んできた、なぜ朝からここでバイトしているかというと、学校で日曜日に運動会があったので代休なのだ、しかも月曜日が旗日なので代休が火曜日になっていたからだ
「悟瑠さん、雅子さん、お客さんの大型トラックが事故にあったとか。たった今連絡来て引取お願いしたいらしいです」
「場所は?」
「マップの画像もらってます。○夜野インター降りたところらしいです。そこまではおろしてもらったそうです」
「OK、隆弘。僕は仕事の段取りで動けない。隆文と一緒に行ってほしい」
「はいよ。大きさは?」
「今は情報がない。紫陽花ちゃん相手の連絡先とか詳しく。隆弘。どうやら事故らしい。それなら管理は警察だな。そこは○川署管内だな。紫陽花ちゃん。相手の連絡先を隆弘によろしく。」
「ええと依頼主は警察です。ドライバーは病院に運ばれてドライバーからここが取引先ということで連絡来ました。会社にも言ってあるとか」
「OK。隆弘に電話番号も教えておいて。雅子、警察に聞いてドライバーの名前と輸送会社の名前、車種聞いて。僕は部品の在庫とデータがあるか見るし。どれで行けばいいか決める」
「「はい」」
「鈴木さん、事故車が入ってくるみたいですので、入ってきたら見積もりお願いします。パネル作る必要あるならデータ見て作るので」
「はい」
「お兄ちゃん、パソコンにデータ来てた。車の画像も来てたよ。引っ張る時の参考って」
「おお、助かるぜ」
雅子がタブレットにデータを飛ばして持ってきてくれた、どうやら3軸車で右前輪がバーストしてそれも運悪く車線変更しようとしていた時らしく、ドライバーが慌てて止めようとブレーキを踏んだもんだから左のガードレールに衝突していたのだった
「コレは結構派手に行ったなあ。これじゃあサスペンションは交換だよなあ。それにフレームも直さないとやばいよね、うーん。画像はかなり詳しいぞ。まずい荷物積みっぱじゃん。降ろせないのか。総重量で20トンはありそうだなあ」
「悟瑠、それならレッカーは4軸総輪駆動レッカーだよね。下りがメインの道だよね」
「そうだな。隆弘。隆文、2人で救援頼んだぜ。ここにトラック僕は丸松建設の丸松総輪駆動カーゴのエンジンスワップ、鈴木さんたちは狩野総輪駆動カーゴのエンジンスワップをやってるよ。帰ったら隆文にはマフラー作り頼むよ」
「下りなら念のため軸数の多い方がいいな。悟瑠、じゃあ行って来る、4軸総輪駆動レッカー《KC-CB55EW改》使うぞ」
「お兄ちゃん、ぶつけた車のバンパーは在庫ないからさっき発注した、キャビンのデータは以前板金したことあるから、作れる。キャビンのインナー部品もデータあるからなんとかなるよ。フレームは修正機かければ大丈夫そう、どうしても狂いが戻らないならデータあるから作ってもいいかも。ドアは在庫にあったよ。そのまま入れ替えOK。今回修理しなくてもバンパーは回転いいから仲間うちでも融通できるんで持ってるよ。ラップ類、ガラスは発注したけど在庫補充ね。うちに在庫はあったよ」
「雅子、ありがと。鈴木さん、詳細見積もりは来てからお手数ですがお願いします」
「はい、今は隆弘さんたち待ちですね。それまでは私たちは狩野さんの狩野総輪駆動カーゴのエンジンおろしですね」
「うん、雅子、運輸会社に言って荷物の引き取りお願いしよう」
「運輸会社の人とトラックがこっちに向かうって。フォークあるか聞いてきたからあるって言っといた。同じ大きさのトラックが来るって」
「OK、僕は村上くん達と丸松総輪駆動カーゴのエンジンスワップの準備だ。」
「悟瑠さん、丸松総輪駆動カーゴと狩野総輪駆動カーゴはいい個体ですね。手入れが良いせいか錆がないですよ」
「この頃の日○と○そうは防錆しっかりですよ、特に除雪車は。でも○すゞにしては錆がないですね」
「そうですね。ん?この2台は僕が元いた工場で見てた車両ですよ。ここに銘板が貼ってあります。社長が趣味のトラックには、特に希少車は商売そっちのけで先輩の佐藤さんと修理や防錆やってましたからね」
「そうですね、鈴木さん、奥さんにしょっちゅう怒られるというかもう諦められてましもんね」
「そうなんですね」
「念のためキャビンの錆も見ますよ。会社が解散する3年くらい前から僕らにも商売ならないでやってた仕事を見せてくれるようになってました。社長は会社解散を覚悟してたんでしょうね」
「そうなんですね」
「あ、すみません。私たちが見た限りこの2台の総輪駆動の防錆はしっかりなのでエンジンの交換に取り掛かっていいと思います」
「どうもありがとうございます。それではエンジン交換進めます」
僕らは隆弘たちが戻るまで丸松総輪駆動カーゴと狩野総輪駆動カーゴのエンジンスワップをやっていた。
「よし、なんとか丸松総輪駆動カーゴはエンジン降りたな。後はオーバーホール済の10DC11改に乗せ換えだな」
「工場長、どうして排気量落としてるんですか?」
「まあ、個人的なこだわりっていうか、このエンジンってV10の味噌擂り運動がデカくて悪く言うと振動がデカく快適性を損なってるんだ。それで少しでもピストンの重量減らして置きたい。多分マウント位置の関係とダンパーが悪くてどうしても追いついて無いかなと思ってね」
「そうなんですね」
「それに今回の丸松総輪駆動カーゴは生だから回すだろうと読んでいるのもある。ターボにするにはライナー強度の関係で、もう少しボアの小さいのにした方がいいんだよね。狩野総輪駆動カーゴは有名なエンジン設計屋がやったエンジンで振動が少ないんだよ」
「さすが、わかってますねえ。なんて言うか経験の差ですね」
「半分は親父の経験だな。僕は親父の作業記録と学校で習った振動工学の教科書読んで勉強したんだ」
「そうなんですね。工場長はすごい」
「村上さん、雅子さんもすごいぞ。さて、やるか。僕らは狩野総輪駆動カーゴのエンジンとミッションの載せ替えですね」
「はい、僕らは丸松総輪駆動カーゴのエンジンとミッションの載せ替えです」
僕らは事故修理と言う長くかかる案件が来るのがわかっていたので総輪駆動トラック2台のカスタムと会社用の大型3軸低床積載車のカスタムを進めていた
昼過ぎになって、隆弘たちが事故を起こしたトラックを引っ張って帰って来た、見るとフロントの左側からガードレールに突っ込んだらしくかなり損傷がひどかったのだ。
「隆弘、工場の作業エリアに入れて見積もり取ろう」
「おう」
「悟瑠。どう見ても200万コースだろ」
「だよなあ。でもさあ、これって貴重なって言えばそうだけど6M70エンジン+7MTじゃん。FU54JTZ3。故障少ないからなあ」
「そう。直すって言いそうだよなあ。この車ってDPFさえOKならまだまだ使えるもんな。それこそ高圧コモンレールとSCRにするとDPFは予備だな」
「やってみるか。ちょっと制御いじってだ。EGRを減らしてSCRの噴射量の多いGE13用のインジェクターにして」
「SCRタンクも大きいのに交換要るけどな。ってSCRタンクも破損してんじゃん。ポンプもか」
「そういう言うことだよ。交換するならってことだ。BDGなら高圧噴射とSCRで排ガスはOKだ。NOxセンサーでEGRコントロールしてるから、その分をSCRに任せる。うちのトラックみたいに液化アンモニア使えるとすっごく楽だけどなあ」
「そうだな」
「エンジンに損傷ないかも見ようぜ。フレームがどこまでいってるかで決まるし」
「悟瑠さん、隆弘さんの見立て通り200万コースですよ。なるべく安くあげるって言っても。これってキャビンを中古に載せ替えた方が早くていいかもしれませんね」
「ですよね。それなら。廃車工場に聞きますよ。在庫あれば」
「この車はKC-のころからキャビンの基本骨格は変わってないんで、骨格だけならKC-以降の奴で何とかなりますよ」
「その条件で探します。フレームは?」
「左のリーフの前側のシャックルブラケットまでもいってますねえ。切り取ってと言うかフロントセクション作り直した方が早いですね。後のマウントもサスに押されて変形してますね。右も左に引っ張られていってるようです。それならこのボルトから先の部分を全部作り直した方がいいですね」
「それなら。切り取って直しますよ。あ、ボルト部分から前側ですね。作って交換しましょう。奇跡的に荷台から後ろは無事の様ですね」
「そうしましょう。荷台より後ろというかボルト部分より後ろが無事で何よりです。エンジン関係は僕らも見ますよ。見かけは重症でもこれは直せますよ。エンジンの在庫はありますか?」
「それでは、エンジンの損傷具合も見ていただいて見積もり作ってオーナーの意向聞きましょう。エンジンも在庫はあります。オーバーホール済なのでそのまま載りますよ」
「はい。それならリビルトエンジンに載せ替えにして見積もった方がいいですね。コアエンジンは買い上げで」
「それがいいですね」
中古キャビンとリビルトエンジンの価格を入れた見積もりを作って提示したところ、オーナーの了承、保険会社の了承も得られて早速修理することになった。
バーストの原因は調べてもらうとどうやらタイヤの不良のようで、傷もなく、メンテ記録もしっかりしていて使い方におかしいところがないので顧問弁護士経由でメーカーにクレームを入れていた。
「直そうぜ」
「急いで仕事に復帰させたいとか言ってたなあ」
「悟瑠さん、ここの機器って効率いいですよね。微修正こそ要りますけど、簡単に出来てしまって」
「そうですね。これは僕の祖父が作ったんですよ。昔のトラックはフレームがよく錆て困ってて修理してたみたいですよ。デフも道が悪くてよく割れるので力がかかる下側に鉄板を貼って補強していたみたいです」
「へええ」
「なんか、それを見たメーカーの人が純正で型変更したとか言ってましたよ。それからは2倍積んでも割れなくなったとか」
「そうなんですね」
「祖父の時代は大変だったみたいです」
「それでもしかして整備工場作ったんですか?」
「そうと言うか、父が祖父の敷地を使って修理工場始めたのが最初で、まだ何もない野原の頃、ここの土地を買っていて移転してきたんです。祖父は60過ぎまで製材所やってて歳には勝てずに医者に通うのが大変になって僕らと場所を入れ替えたんです。僕らも車をいじるのに祖父の機械使ってたんで」
「そうですか」
「ここにも便利なんでコピーを作って入れてって言うか、父がここで大型も見る整備工場兼中古車販売のお店にして、お隣の加藤運輸からエンジン修理部門を買い取ってここで一貫整備にしたんですよ。加藤運輸も新たに土地を買ってリース業もやって今の形になってます。加藤リースの車のメンテは全部ここでやります」
「すごい」
「ここにあるフレーム製造機を改造して車のデータを入れるとその通りに作るようにしたんです。そうしないと時間かかって仕事がたまっちゃいますから」
「それとダイレス加工機と」
「はい、少しでも人の手をかけないようにして、加工機を入れました」
「すごい」
「今更ながらですけどね。そう言った背景あったんですね。修理しましょう。キャビン来るまでにフレーム作り上げてしまえば早い」
「鈴木リーダー、そうするとリーフの狂いも見て?」
「おう、その通り。車軸も狂いを見て基準値はずれていたら交換」
「鈴木さん、車軸も在庫あるので念のため合うか確認してくださいね」
「はい。ナックルもですか?」
「はい、キャスター角があるんで同じものと思っても違う時があるんですよ」
「そうですね」
バーストしたトラックの修理を開始していた、データを使ってフレームをつくり直して交換、リーフのマウントも作り直してレーザーで溶接するとドブ漬けして防錆処理してフレーム系をもとの形に戻して行ったのだ。
その間、僕と隆弘、隆文は丸松総輪駆動カーゴと狩野総輪駆動カーゴのエンジン+ミッションの換装して公認を取っていた
金曜日に2台納車していたので、工場が空いてうちの大型3軸低床積載車と地場3軸トラクターのカスタムに取り掛かれてホッとしていた。
残るはスーパーマーケットのお弁当&惣菜販売車へ販売機器の取り付けだった。
その週には小型車の車検や整備も入ってきてて、小型車はアジトでやった方がいいので、その時には合間にGTカーの制作をやっていた。
何とか2台のGTカーはテスト走行できるところまで作り上げたので、週末の土曜日には雅子たちのターマックコースでテストして問題なければTサーキットが取れたのでそこで走らせて状態を確認する計画だった、もし日曜にGTカーが走れなくてもドリ車のテストしたいのでコースを取ったのだった
土曜日、僕と雅子、隆弘、隆文は雅子たちの経営するコースに行くと既に百合ちゃんが来ていて、路面清掃車でコースの清掃をやっていたのだ。
GTカーを大型2軸積載車から降ろしているとガーガーとブラシを回しながら走る路面清掃車に乗った百合ちゃんが来て
「雅子、路面は今朝から全部綺麗にしてあるよ。タイヤカスも無いから思い切りいけるよ。昨日までダンプの運転練習してたんだよ。排気の使い方から全部」
「百合リン、ありがと。大変なのね。そうだ百合リンのマシンもあるからね」
「うん、あそうか。あたしも乗れるんだよね。そうそう、今日はお兄ちゃんが狩野さんとワンコとくわちゃんの全開テスト行くとか言ってて、パパと一緒に雅子たちが試験している道路に行っちゃったよ。フルに鋼材積んでたからスピード違反はしそうもないよね」
「そうかも」
「うん、そうよね。全開テスト無しで納車してくれとか言ってたもんね」
「全開で走っても問題ないでしょ、どっちもターボ用の冷却システム入れてあるんだから。総輪駆動よりも悪い条件で試験して問題ないエンジンとミッションの組み合わせだからそのまま納車したんだよ」
「その通りなんだけどね。お兄ちゃんも狩野さんも早く乗りたいのよ。納車されてから毎日嬉々として乗ってるんだよ」
「やれやれね。好きだもんね」
「うん、そうそうお兄ちゃんはK-FW125M改をワンコって呼ぶって。狩野さんはK-SKW520改をくわちゃんって呼ぶんだって」
「みんなニックネーム好きねえ」
「そうだね」
「雅子、百合ちゃん、隆文。今日はGTカーになれてくれ。愛理沙ちゃんは明日は来れるけど今日は子供たちの検診があってこれないからって言ってた。明日はお母さんが来るから頼んでだって」
「そうね。愛理沙は今アジトに住んでいるのね」
「うん、それに優花もいるの。愛理沙は子供たちがいるから棟梁のお部屋、優花はワンルーム。お風呂が共用だからそこは良しとして」
「ええ?そうなの?」
「うん、百合リン、実は優花が今住んでるところはバスがネックになったみたいで、車庫証明出せる駐車場がないの。それで仕方なくアパート出てうちに来るのよ。長野ナンバーのままなんだもん」
「それまずいわ。車庫飛ばしになっちゃう」
「雅子、百合ちゃん。お話ちゅう悪いけど乗ってくれ、車は重量はTSカーより200キロくらい重いかな?パワーは300psで切られているから後はパワーバンドになれてくれればいいよ。6000rpm位までだから慣れてよ」
「はい」
ブロロロローンというV8独特の咆哮を上げて2台のGTカーがコースに出て行った。最初の一周は流すのかなと思っていたらいきりぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃというスキール音。クゥォーンというエギゾーストノート、フォンフォンフォンフォンフォンとトーヒールでシフトダウン。またぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃとコーナーを攻める音、キャアアーッと高速コーナーでのスキール音、雅子たちはいきなり乗っていきなりせめてしまったのだ
「すげえなあ」
「隆文、その辺が雅子と百合ちゃんだろ」
「隆文、いつも言ってるだろ。脳筋はだめだって」
「雅子の学習能力、記憶力、洞察力、反射神経、学習意欲は半端ないよ。それに運動神経もいいし。同じことが愛理沙ちゃんだよね。空手の猛者でしかも総長やるほどの人間性。それに学習能力も高くって学校なんか留年ギリの出席日数でトップで卒業だよ。それに雅子がいたから2番手だったけど百合ちゃんだって他をぶっちぎりの成績で卒業でしょ。それにダウンヒルのレコードホルダーでしょ。半端ないよ」
「うおおお、そんなすごい連中と俺はやってたのか?」
「隆文、気合と度胸の脳筋はだめだってわかったか?」
「うん、はああああ」
「あ、雅子と百合ちゃんが戻って来た」
雅子がメットを脱いで
「お兄ちゃん、このGTカーってFに合わせた?」
「うん、その通り。多分タイトはアンダーきついはず。でも挙動が乱れないから高速はガンガン踏めるだろ」
「うん、その通り」
「隆文、この車はもしかしてTサーキット?」
「うん、高速はちょっと苦手かも。タイトは曲げやすいはず」
「そう。明日はTサーキットだよね。あたしはこのセッティングで走ってみるよ」
「OK、隆文に代わっていいかな?」
「うん、悟瑠さんの組むエンジンは乗りやすいよ」
「ありがと」
「お兄ちゃん、あたしのGTカーをTに合わせられる?」
「うん、でも百合ちゃんが乗ってるのとまったく同じ脚にする?簡易的なら後ろのスタビ上げれば大体はわかるようになるよ」
「スタビ交換できる?」
「うん、双葉ちゃんに積んであるから、緑のリアスタビ持ってきて。ばねが違うから100%じゃないけど」
「OK。持ってくるね。」
「僕らは車を持ち上げておく。交換は簡単にできるレイアウトだから」
僕と隆文、雅子の3人で後ろのスタビライザーを交換していた。終わって雅子が走りにいって戻ってくると、
「OK、こっちの方が走りやすいよ。明日が楽しみじゃん。明日はバネも持ってきて荷重移動がどのくらいあればいいか見て見ようね」
「OK、隆文どうよ。300psだからまあドリ車の600psから比べたらパワー無いだろうけど」
「うん、アクセル踏むタイミング間違えると一気にテールがいっちゃうから繊細な操作が必要ってわかってよかったよ。TSカーは非力だからドライじゃあアクセルなんて踏みっぱなしでも足りないって感じだもんな」
「OKなら今日はここで引き上げて、明日Tサーキットに行くよ。5時発だからね」
「雅子、急で悪いけど今日はアジトにお泊りいいかな?このまま行って泊まっちゃう。今日の夕飯はあたしのおごりでどうよ?食べに行こうよ」
「どうもありがとう。早く言わないと愛理沙が作ってるかも。1人分増えてもいいと思うけど。早く言わないとだめかも。愛理沙に家賃貰うと面倒だからうちの会社の仕事するってことで家賃取ってないの」
「そうね。面倒よね。うちもマンション持ってるけどいろいろあって面倒よ」
「アジトって構造上は、貸し家の基準満たしてないからね。火災報知、消火器はあるけど厳密に検査受けてないんだよね、それなんでお金取れないのよね」
「だよね。完全に木造でしょ」
「うん。難燃木材だよ。食べに行くよって愛理沙に言っておく、近くなったら連絡入れるからバスのエンジンかけてって」
「何でいくの?」
「ルーシーちゃんで行くよ。バスが入れるお店知ってるから」
「それならいいけど。」
「ところで百合リンは何で来たの?」
「マキちゃん分捕って来た。パパが結構乗りまくってるからあたしも使うって言って」
「そうか、マキちゃんでいこう。それなら短いから楽かも」
「うん、いいわよ。あたしは明日もみんなを乗せて行こうかと思ってたから」
「いいの?お願いするわ。マキちゃんと大型2軸積載車とキューピーちゃんでいくのよ」
「部品も運ぶもんね」
「うん」
僕らはコースから引き揚げてアジトに帰った、愛理沙ちゃんが出発の準備を整えて待っていた
その日の夕食を食べると、雅子と百合ちゃん、愛理沙ちゃんが駄弁っていたようだ。優花ちゃんも混じって結構盛り上がっていた。
次の日、僕らは枠を取っておいたサーキットにいって走っていた。ショップ主催なので混走だが十分に走る時間があるのでセッティングを見ていた。
「愛理沙、先に乗っていいよ。あたしは昨日ここのサーキットに合わせた仕様乗ってて、うちのコースで確認してあるから」
「いいの?先輩、先に行ってきます」
「隆文、先に行ってきな。隆文はなれるまで時間かかるから」
「はいよ」
2台のGTカーが、くぉぉーんとエンジンの快音を響かせて愛理沙ちゃんと隆文のドライブでコースインしていた。
「一周は様子見てだろうな」
「うん、まあまあ踏めてるじゃん。全開で走っているじゃん」
「5周くらい走ったら点検しよう」
「そうだな」
5周目に入るところで愛理沙ちゃんと隆文にピットインのサインを出して入れて点検していた。
「悟瑠さん、なんか後ろからごとごと音がするんです」
「兄貴、俺のもそう。直角から第二ヘアピンまでの大Rでパンピーなところがあって、そこで跳ねると」
「そうです。隆文さんと同じです」
「なんか、干渉してるか?乗ってくるよ」
「悟瑠、俺も乗ってくる。スーツとメットはあるからいけるだろ」
「おう、ちょっと着替えてくる、隆文。カウルの中を見て当たりそうと思うところにスーパーチェック吹いてくれ。当たっていれば白が落ちる」
「そうですね。やってみます」
「悟瑠さん。あたしもこのへんって思うところを見て吹いておきます」
「ありがと」
僕と隆文が着替えてメットをかぶってコースインして音が聞こえたあたりを同じような速度で走って行くとどうやらバネ同士がぶつかってしているらしく、バンピーなところを走るとフロントサスからゴトンゴトンと音がしている。
「バネの線間打音の音だ。ってことはバネを上げないとまずいってことか底突きしてる」
「悟瑠、どうやら線間打音のようだな。柔らかくしてねばらせるセッティングだとちょっとむずかしいか?」
「そうだな、スタビそのままで前後配分変えないようにバネ上げてみよう。」
「そうしよう。隆文。前後とも2ランクバネあげる。8番持ってきて。雅子たちはマキちゃんで休んでて」
「うん」
「隆文、狩野さん、すみませんがサスの交換お願いします。6番から8番に変更です」
「はい」
僕らは4人でサスを組みかえて走らせていた、ちょっと跳ねるようになったが音はなくなってガンガン進めるようになっていた
戻ってきて、雅子たちを呼びに行こうとしたところ
「おい、おめえら何なんだよ。一定のペースで走れ。こっちがセッティングできねーだろ」
「は?何言ってる?バックストレッチは左に寄って抜かせただろ」
「大Rのところが邪魔なんだよ」
「何言ってるこっちだって大Rのセッティングやってたんだ。お互い様だろ。そこまで言うなら3周の勝負するか?」
「望むところだ」
「隆文、僕が行って来る」
「悟瑠。あの言い方には俺もカチンときた。ひと泡ふかせよう」
「そっちが先行で走って3周のうちに抜かれないなら勝ち、3周走ったら前後入れ替えてまた走る。それでどうだ?」
「文句なし。俺から行くぞ」
相手はピットロードを出る準備していた、僕もメットをかぶって走る準備だ。
バトルは久しぶりだ、3周コンセントレーションを切らさないようにすればいいそう思って一周のフォーメーションラップの後全開で走らせた、
相手はどうやらインに早く着きすぎる癖があるようでコーナーの後半で苦しくなる、それならと速度が乗る最終コーナーで勝負すれば勝てそうと踏んでいた
相手について行って最終コーナー、予想通りインに入られるのを嫌ってかインをがっちり締めて走っているつもりだ。
しかし、後半になると予想通りアウトに徐々に膨らんでいく、クリップの間近で更に大きく膨らんでしまってラインがあいた。
僕は相手が明けたラインを悠々を走って抜き去った
次の第一コーナーでは、抜き返そうと必死にプッシュしてくる。
しっかりとインを締めつつも立ち上がりに配慮したラインを取って徐々に離していく
最終コーナーだった、後ろはかなりのレイトブレーキで僕に襲い掛かる、しかし、速度が乗りすぎていたのだろう、コーナーを曲がり切れずにコースアウト。
「お、やべえ。スポンジに行っちまった。隆弘。相手がコースアウトしてスポンジバリアに衝突しちまったぞ」
『みた。オフィシャルに行って救援出す。全車スローダウンのフラッグだろ』
「おう、全員ピットだな」
『悟瑠が無事で何よりだ』
「ありがと」
僕がピットに戻ってメットを脱ぐと真っ先に雅子がやってきて
「もう、お兄ちゃんは。と言ってもお兄ちゃんの腕を知らない輩なんだろうなあ」
「そう思います。悟瑠さんの腕をわかってたらバトルしないでしょ」
「まあ、全力で走る時の性能も問題なしだ。片付いたら雅子と百合ちゃんのって、もう一回愛理沙ちゃんが乗る段取りでどうかな?」
「うん、お兄ちゃん。交代ね。愛理沙。もし悪いところ有ったら対策して本番に備えるからね」
「はい、先輩の走りが見れていいですよ」
雅子はコースオープンしてすぐにコースインして全力で慣らししていた。
百合ちゃんもガンガン走って自分の慣らしをやっていた。
帰りのキューピーちゃんの中で雅子が僕に言って来た
「お兄ちゃん、変なのに絡まれたけど、無事でよかったね。それにテストも出来たじゃん。って言うか?お兄ちゃんがバトルで出したときのタイムの方があたしよりも速いってヤバいでしょ。お兄ちゃん出たらになっちゃう」
「あれ?そんなに出てた?」
「うん、びっくりよ」
「そうか、久しぶりだから、緊張しちまってわかってなかった」
「愛理沙なんか目がウルウル。かっこよかったよ」
「ありがと」
次の月曜日から仕事して、ガードレールにぶつかった車の修理を終えて納車して、てつしくんの黒煙対策も終わらせ、お弁当&惣菜販売車も搭載機器が来たので納車出来てホッとしていた時のこと
「悟瑠、何とか受注していた車を納車し終わっているから一安心だよなあ」
「うん、何とか仕事を掃ききったな。大型3軸低床積載車と地場3軸トラクターも掃けたのがでかいよ。通常運転に戻れてラッキーと言うか。来週からはたまっちまったエンジンのオーバーホールと油圧ポンプのリビルトとミッションのオーバーホールか。在庫相当使っちまったなあ。いつでも使えるようにストックしておこう」
「うん、お兄ちゃんの言う通り、うちは部品待ちでトラック止めないようにするのが売りなんだから棚卸の資産は増えるけど部品のストックは必要だよ、あ。そうだ由香里が小笠原精肉に転職したって」
「へえ。人手不足とか言ってたね」
「悟瑠、ほんとでも旧車ってシンプルだからいいよなあ。修理が効くって言うか」
「うん。壊れた部品だけ取り換えれるとか、部品をバラして直せばいいんだよな。でもさ、今のトラックは下手すると周辺機器も全部取り換えだよ。直すんじゃなくて交換だよな」
「うん、そうだよなあ、修理じゃなくて不良部品の交換だもんな」
「お兄ちゃん、あたしもわかるよ。部品手配して周辺部品も頼まないとやばいもんね。それに電子部品の耐久性がないっていうか」
と言っていると、親父が工場に来て
「悟瑠、やっぱりだなあ俺のジュゴンのキャビンをTW53のに換えるから、もう部品は作ってあって防錆処理と塗装も終わったんだ。最新の防錆鋼板はいいよなあ」
「それなら来週からだな?来週なら丸松建設の ワンコと狩野さんのくわちゃん納車してるから手が空いてるよ」
「その時を狙ったんだ」
「はいはい、隆弘。またキャビン載せ替えだよ。やるか」
「そうだな」
「それから隆義も買ったぞ。久しぶりに旧車乗りたいとか言って。SKW440だとか聞いたぞ。」
「それって隆文のまゆかちゃんくらいの年代だろ。排ガス記号のない奴だよ。」
「ねえねえ隆弘さん、ニックネーム考えたよ。SKW440はSKW440を使ってつくしってどう?」
「雅子はもうニックネームか?」
「ここまで来たらどうしようもないじゃん。」
「雅子、上手いなあ。つくしか、いい名前だ。隆義に言っておくよ」
「はああ、親父もとうとう旧車に目覚めたかあ。デニムちゃんとタフさん手放したからやめたのかとおもったら逆に増えちまったじゃん」
「隆文、俺たちの親も親だということだよ」
「違いないな」
僕らは呆れるしかなかったのだった。
しかし、僕らも実は?
何とか車を作り上げてシェイクダウンする雅子たち。
新参チームには苦労がいっぱい
主な登場人物の所有車
佐野 雅子
大型バス:
観光シャシ+観光ボディ
なごみちゃん
ルーシーちゃん
路線シャシ+路線ボディ
獅子丸くん
フーセンちゃん
短尺シャシ+路線ボディ
ニジュちゃん
エムエム君
大型キャブオーバーダンプ(元除雪車)
4×4 藤子ちゃん
大型ボンネットダンプ(8トン積み)
4×2 カービーちゃん
小型車
クーペ イチゴちゃん
佐野 悟瑠
大型バス:
観光シャシ+観光ボディ
ゴーゴーくん
ロザン君
路線シャシ+観光ボディ;エンジンスワップ済;V8に換装
パン君
陽菜ちゃん
路線シャシ+路線ボディ
キューピーちゃん
ブイエムちゃん;V8に換装
大型キャブオーバーダンプ 元除雪車
4×4 サイバー君 フレーム交換車
小型車
セダン サンゴちゃん
三四郎君
佐野 康晴
バス:路線シャシ+路線ボディ
大型 ニイナちゃん
中型 アサイー君
ケーテン君
小型 いい子ちゃん
大型ボンネットダンブカー 8トン積み
4×4 タフさん V8に換装済
大型ボンネットバス(元移動診療所)
4✕2 コニタン
セダン Q-LS131H改
佐野 康子
大型リアエンジン 路線シャシ+路線ボディ
錦くん
大型ボンネット
元8トン積みダンブカー クレーン車改造済
4×2 デコちゃん
バス 移動事務所へ改造済
4×4 サナちゃん
小型車 ハードトップ E-KE70
セダン E-AE70
加藤 隆弘
大型キャブオーバーダンプ (元除雪車)
4×4 ラッシー君
大型路線バス 路線シャシ+路線ボディ
自家用
兎ちゃん
ナロー仕様
レイコ
小型車:セダン
エスティーくん
加藤 隆文
所有車
大型ダンプ
キャブオーバー(元除雪車)
4×4 まゆかちゃん
ボンネット 6トン積み
4×2 きみこ
大型バス 短尺路線シャシ+路線ボディ
恋路ちゃん
クロカン4×4
ロックン
松尾 百合
大型バス:観光シャシ+観光ボディ
武蔵君
ラムちゃん
大型ボンネットダンプ 8トン積み
4×4 パイ君 V8に換装
4×2 徳次郎君
小型車:クーペ
エスワン
松尾 譲 27歳
トラックシャシ+路線ボディ キャブオーバー
4×2 ビーフさん
4×2 レイ君
大型ボンネットダンプ
4×2 ティファ 7.5トン積み
4×4 ゼットワン 7トン積み
小型車 クーペ
イーサン
松尾 隆
大型キャブオーバーダンブカー(元除雪車)
4×4 サンデー君
大型バス トラックシャシ+路線ボディ
ボンネット(元レントゲン車)
4×2 なみちゃん;V8に換装
短尺観光シャシ+観光ボディ
リングちゃん
小型車 セダン
E-GNY33改
松尾 友香
大型バス トラックシャシ+路線ボディ
ボンネット
4×2 デビちゃん
4×4 てつしくん
キャブオーバーバス トラックシャシ+路線ボディ 短尺
4×2 丸井ちゃん
大型ボンネットダンブ 6トン積み
4×2 でん六くん
小型車 HB
けいこ
小笠原 愛理沙
大型リアエンジンバス 路線シャシ+観光ボディ
ババロアちゃん
大型キャブオーバーダンプ(元除雪車)
4×4 ニック
小型セダン
TA-GXE10
小笠原 哲史
大型リアエンジンバス 路線シャシ+路線ボディ
マーシーちゃん
大型キャブオーバーダンプ(元除雪車)
4×4 フライヤーちゃん
小型車
クーペ:ましこ
長野さん 30歳
大型短尺系バス
路線シャシ+路線ボディ
伊那路 自家用1ドア
鬼丸君 路線用前中2ドア
観光シャシ+観光ボディ
まこちゃん
小型車
クーペ:NE
狩野さん 30歳
大型キャブオーバーダンプ6×4
V10:イケボ君
V8 :セーフ君
大型ボンネットダンプ4×2
旦那さん 6トン積み
小型車
EHT;ND
河野 優花 22歳
大型リアエンジン 路線シャシ+観光バスボディ
伊予ちゃん;V8に換装
小型車 L700S改
綿貫 洋平
中型リアエンジンバス 路線シャシ+路線バスボディ 自家用
ロニー
橋爪 正治
ボンネットバス トラックシャシ+路線バスボディ
中型
かなさん
大型
丸ちゃん
平くん
笠木 徹治 30歳
クレーン付き 増トン レッカー車
KC-PK262HFZ改
ウイング積載積載車
KC-PK262UFZ改
オープン積載
KC-PK262VFZ改
笠木 達也
4トン総輪駆動トラック 野菜運搬車
U-FL618F改
矢代 圭一、伸一親子
ボンネットバス トラックシャシ+路線バスボディ
4×4 K-ZC121改 移動事務所仕様 車体メーカーでオンオフ
4×2 BH15改⇒P-FH229BA改 29人乗り仕様 フレーム交換車
DA90改 移動事務所仕様 トラックにバスボディ架装
高尾製油所
大型ボンネットトラック
T412DD改
中型リアエンジンバス 路線系シャシ+観光系ボディ 自家用
K-MK116J改
中型キャブオーバートラック
U-FB2WEAA
いつも読んで頂き、どうもありがとうございます。
今回はここで更新します。
お気に召しましたらイイネや感想いただけると更新のモチベーションアゲアゲになります
次回は出来上がり次第投稿します




