第八十四話 河野さんのバス練習と雅子のTSカー練習とレアバスレストア受注
優香ちゃんの路線バスのエンジンスワップやって、SMR610を仕上げているうちにまた腕を見込んだお客さんからレアものバスのレストア依頼がきてドタバタしている悟瑠たち
来シーズンに向けてTSカーのメンテをする悟瑠と隆弘
当の雅子は泥んこコースを総輪駆動で走るのに嵌ってさて?
主な登場人物と所有車
佐野 雅子 ヒロイン 25歳 4月生まれ
峠のバトラー⇒TSカップレーサー、11勝目にトライ中。シーズンチャンピオン
家業の佐野自動車販売の中古車販売店副店長兼整備工場副工場長、整備の段取り担当の副社長
前職はスーパーの経理兼販売促進
所有免許;大型2種、牽引運転免許、2級整備士免許、危険物乙4、玉掛、ガス溶接、救急救命士、巻き上げ機
レース以外の趣味:
オフロード走行:大型の2軸総輪駆動のエンジン、サスペンションをいじって自分好みした。
パソコン:プログラム組むのも好きでシステムを自力で組める
所有車
大型バス:
観光シャシ+観光ボディ
なごみちゃん
ルーシーちゃん
路線シャシ+路線ボディ
獅子丸くん
フーセンちゃん
短尺シャシ+路線ボディ
ニジュちゃん
エムエム君
大型キャブオーバーダンプ(元除雪車)
4×4 藤子ちゃん
大型ボンネットダンプ(8トン積み)
4×2 カービーちゃん
小型車
クーペ イチゴちゃん
僕;佐野 悟瑠 雅子の兄 28歳、3月生まれ 妹の雅子より4学年上
家業の佐野自動車販売に就職して6年目、整備工場の工場長兼副社長。
所有資格 2級整備士、MIG溶接機、レーザー溶接機、ガス溶接、玉掛、大型2種、けん引免許 巻き上げ機、危険物乙4
カーキチ、スペックオタク、エンジンスワップ大好き
所有車
大型バス:
観光シャシ+観光ボディ
ゴーゴーくん
ロザン君
路線シャシ+観光ボディ;エンジンスワップ済
パン君;V8に換装
陽菜ちゃん;V8に換装
路線シャシ+路線ボディ
キューピーちゃん
ブイエムちゃん;V8に換装
大型キャブオーバーダンプ 元除雪車
4×4 サイバー君
小型車
セダン サンゴちゃん
三四郎君
佐野 康晴 僕の父親 56歳 佐野自動車販売の社長、総括責任者。趣味人 マニ割、エギマニ作りの達人 元整備工で板金も得意
所有車
バス:路線シャシ+路線ボディ
大型 ニイナちゃん
中型 アサイー君
ケーテン君
小型 いい子ちゃん
大型ボンネットダンブカー 8トン積み
4×4 タフさん
大型ボンネットバス(元移動診療所)
4✕2 コニタン
セダン Q-LS131H改
佐野 康子 僕の母親 54歳 佐野自動車販売 副社長 佐野自動車販売店店長、営業、仕入れ担当
所有車
大型リアエンジン 路線シャシ+路線ボディ
錦くん
大型ボンネット
元8トン積みダンブカー クレーン車改造済
4×2 デコちゃん
バス 移動事務所へ改造済
4×4 サナちゃん
小型車 ハードトップ E-KE70
セダン E-AE70
加藤 隆弘 28歳
悟瑠の同級生で親友。専学卒業後家業の内燃機整備工場に就職、佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。悟瑠の幼馴染。2月生まれ。エンジン加工の名手、エンジンスワップ大好き
所有車両
大型キャブオーバーダンプ (元除雪車)
4×4 ラッシー君
大型自家用バス 路線シャシ+路線ボディ
兎ちゃん
小型車:セダン
エスティーくん
加藤 隆文 25歳
隆弘の弟。雅子より一学年上だが、3月生まれで実はほとんど同い年。工業高校から家業へ就職。佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。板金と排気系を作るのが得意
所有車
大型キャブオーバーダンプ(元除雪車)
4×4 まゆかちゃん
大型ボンネットダンプ 6トン積み
4×2 きみこ
バス 大型短尺路線シャシ+路線ボディ
恋路ちゃん
クロカン4×4
ロックン
趣味:TSカーレース 今シーズン5戦目で1勝あげたが年間は4位
松尾 百合 25歳
雅子の親友、丸松建設のお嬢さん。雅子と同じ高校卒業して同じスーパーに入って家業に転職。松尾運輸の副社長。普段はおっとりだがスイッチが入ると途端にせっかちとブチ切れになる 5月生まれ
TSカーレーサー 2勝あげ、シーズン3位
所有車
バス:観光シャシ+観光ボディ
武蔵君
ラムちゃん
大型ボンネットダンプ 8トン積み
4×4 パイ君
4×2 徳次郎君
小型車:クーペ
エスワン
松尾 譲 27歳 百合ちゃんの兄 丸松建設の副社長。マニ割マニア
所有車
バス
キャブオーバー トラックシャシ+路線ボディ
4×2 ビーフさん
4×2 レイ君
大型ボンネットダンプ
4×2 旦那さん 6トン積み
4×4 ゼットワン 7トン積み
小型車 クーペ
イーサン
松尾 隆 丸松建設の社長 百合ちゃんの父親 56歳 速い車大好き 悟瑠の父親の同級生
所有車
大型キャブオーバーダンブカー(元除雪車)
4×4 サンデー君
大型ボンネットバス トラックシャシ+路線ボディ(元レントゲン車)
4×2 なみちゃん;V8に換装
大型短尺バス 観光シャシ+観光ボディ
リングちゃん
小型車 セダン
E-GNY33改
松尾 友香 百合ちゃんの母親、丸松運輸の社長 54歳 旧車大好きながらもオリジナル主義
大型ボンネットバス トラックシャシ+路線ボディ
4×2 デビちゃん
4×4 てつしくん
大型短尺キャブオーバーバス トラックシャシ+路線ボディ
4×2 丸井ちゃん
大型ボンネットダンブ 6トン積み
4×2 でん六くん
小型車 HB
けいこ
小笠原 愛理沙 24歳 係長
TSカーレーサー 総合優勝を狙う 最終戦で3着に入ってぎりぎり総合2位になった
雅子の同じ学校の一つ後輩。小笠原食肉のお嬢さん。元レディス総長(7代目)2児のママ かつて雅子がいたスーパーに勤務 大型免許所持 抜群の運転センス
所有車
小型セダン
TA-GXE10
大型リアエンジンバス 路線シャシ+観光ボディ
ババロアちゃん
大型キャブオーバーダンプ(元除雪車)
4×4 フライヤーちゃん
小笠原 哲史 27歳 愛理沙の兄。別の会社に勤めていたが家業に転職、副社長 大型免許所持 旧車好きでオリジナル主義
所有車
小型車
クーペ:ましこ
大型リアエンジンバス 路線シャシ+路線ボディ
マーシーちゃん
中型総輪駆動トラック(3.5トン積み)
美浜ちゃん
長野さん 30歳。 移動販売課 課長代理
バス会社に居たが欲しいバスが排ガスの関係で住んでいる地域で登録できなくて雅子がいたスーパーに転職。今は愛理沙ちゃんの上司 短尺バス好き
所有車
大型短尺系バス
路線シャシ+路線ボディ
伊那路 自家用1ドア
鬼丸君 路線用前中2ドア
観光シャシ+観光ボディ
五平君
小型車
クーペ:NE
狩野さん 30歳 業務課長
運送会社にいたが首都圏の事業縮小で地方に転勤になった。偶然募集していた松尾建設に転職
所有車
大型キャブオーバーダンプ6×4
V10:古武道君
V8 :福田屋君
小型車
EHT;ND
河野 優花 22歳
大型リアエンジン 路線シャシ+観光バスボディ
伊予ちゃん;V8に換装
小型車 L700S改
綿貫 洋平 スーパーの販売部 課長 37歳
バスに嵌って自分でも買ってしまった。
中型リアエンジンバス 路線シャシ+路線バスボディ 自家用
ロニー
橋爪 正治 スーパーの社長 61歳
ボンネットバス トラックシャシ+路線バスボディ
中型
かなさん
大型
丸ちゃん
平くん
矢代さん親子
ボンネットバス トラックシャシ+路線バスボディ
4×4 K-ZC121改 移動事務所仕様
4×2 BH15改 29人乗り仕様
DA90改 移動事務所仕様
「悟瑠。全開試験は明日行くんだろ、ウッディパラソルには連絡しておくから」
「わかったよ。親父はコニタンの運転頼む、それなら僕は2軸総輪駆動レッカーでいくから、いつものコンビニで待ち合わせ」
「はいよ。NAとは言えど、サナちゃんよりは軽いから楽しみだな。タフさんより遅いのは愛嬌だな。」
親父の顔が新しいおもちゃを買ってもらった子どもの様になっていた。
「親父、ってことは買ってくる2台の大型の修理というか改造と言うかメンテナンスするのか?」
「まあな、うちの増トン積載車は加藤運輸へのリース専用にするから。大型積載車はその補充だな、ウイング積載車はこのところポツリポツリとマイクロバス、しかも古いタイプの再生の仕事が来ててなあ。それが悪いことにひどい痛みの車が多くてオーナーはもってくときに見せたくないって言うんでな。マイクロバス迄なら乗るだろ」
「ふうう、仕事が増えたかあ」
「レッカー車含めた3台は必要応じて加藤運輸への貸し出しもするからな」
「はいよ」
アジトに帰ると先に帰っていた雅子が
「お兄ちゃん、明日はあたしも行っていいかな?なんかさあ、優香の車に使えるミッションとトラック用の7速ミッションがあるんだって」
「うん、いいよ。ミッションをみてよかったら引き取りかな?」
「うん、V10エンジン用の6速ミッションとV12用の7速だって聞いた。笠木さんなら間違えないでしょ」
「そうだね。それならいいかも。380psと450psだったような」
「トルクも150kgあるから充分に使えるはずなのよ。生用だからターボなら耐久性も十分に行けるはずよ」
「そうだね。キューピーちゃんに使うのもいいかもなあ」
「お兄ちゃんはもう?すぐいじること考えるんだから」
次の日、僕と雅子は救助用の2軸総輪駆動レッカーと買うミッションを積むミック君で親父のコニタンをいつものコンビニで待っていた。
カラカラカラと軽いエンジン音を立ててコニタンがやってきて
「悟瑠、いくぞ。全開試験だ」
「親父頼むぜ」
2軸総輪駆動レッカーを僕が運転、雅子はミック君を運転して笠木さんのお店に向かっていた。
「雅子、狙った通りだ。高回転になっても前よりもはるかに煙吐かない。吸排気系で空気過剰にしておいたのは正解だった」
『お兄ちゃんって、エンジン作らせると目の色が違うんだもんね。ミック君のパワーだと、コニタンに着いていくのは楽勝ね』
「コニタンは260psでミック君の255psと同等、でもコニタンは2トン以上ミック君よりも重いからそんなものだ。これがデーブ君だったら着いて行くの無理だったね」
『そうね。ターボ欲しいとか言ってるかも』
親父はクロスしているコニタンのギヤをフルに駆使して上っていく。コニタンからテレメータ経由で飛んでくるデータを受け取りながら着いて行くとサミット付近では電制ポンプにして絞ったとは言え、吸入空気に対して燃料が濃いのか?後ろから見ていると車両後方のマフラー出口から目に見える位の黒煙を吐き上げる。
現代のトラックやバスでは見れない位の黒煙を吐いているが、年式が古いから車検は通るにしても減らしたいところだと思っていた。
「雅子、コニタンは駆動系がもつくらいに出力下げてターボ組みたいなあ。隆弘の兎ちゃんもそこそこは吐くけど、コニタンは黒煙量がおおいよ。この車って銀色になってるからあんまり煤がついても目立たないといってもねえ。」
『それなら300ps位にして最高出力の出る回転を下げるのがいいかも。その分ファイナルあげればいいでしょ』
「それで行こう。駆動系はトルク100kgまでは耐えれるから」
『決まりね』
僕は親父のコニタンの黒煙を減らすようにするためにターボをつけて燃料を絞って行けばいいかと思っていたのだ。
同じことを母親のサナちゃんにもやれば黒煙が減っていいだろうと思っていた
ウッディパラソルについて車を停めると
「親父、コニタンにターボつけて黒煙減らす。調べないとわかんないけど隆弘のバスよりも黒煙が高回転で多いんだよ」
「ああ、それは仕方ないさ。隆弘のバスは上から吸気してるから空気の密度は高いけど俺のはボンネットの中だろ。吸気ビルドって言ってだなあ、エンジンルームの熱い空気を吸わないようにしてるのがあるんだよ。キャブオーバートラックのシュノーケルみたいに」
「あ、そうか。そうだ。サンゴちゃんはそうなってる」
「その差だよ。隆弘のバスは屋根のところから吸ってるだろ」
「なるほどね」
「ターボで対策なら任せるぜ。300ps位行くか?」
「やってみるけど。駆動系の強度からするとエンジンのトルクは100kgがいいところだ。それなら290psかな?最高出力の回転は2200rpm迄下げるよ。その分FDを10%あげるから性能は変わらないよ。ターボは700rpm位から効かせるから1000rpmのトルクがばっちり太る、走りやすさは増すよ」
「駆動系が持たないなら仕方あるまい。1000rpmのトルクが太るならそれでいいよ。黒煙を吐きまくるよりもいいだろ。」
「親父、コニタンはそれで行くぞ。帰ったらターボにするぞ」
「お兄ちゃん、もしかしてあたしのイチゴちゃんも同じってこと?」
「うん、同じだね。ラジエターグリルのところから空気吸っているんだよ。それがいいんだって。コニタンは元の構造そのままでやっちまったから兎ちゃんと違ってどうしてもエンジンルーム内の熱い空気を吸うんだよ。それで空気密度下がって黒煙増えたみたいだ」
「そうか、ってことはママのサナちゃんも同じか。道理で結構黒煙多いと思ったんだよ」
「そうだけどね。同じこと考えていたよ。サナちゃんはエンジンのルームのスペース見てターボ組めるか考える。ミッションのトルクがどこまで耐えれるかわかんないから90kg位でやめておくよ。8DC2エンジンのミッションと同じだったから」
といいながらお店の事務所に行くと
「あ、佐野さん、いらっしゃい。ええと今日は例の3台の契約とミッション引き取りですね」
「そうなんだよ。このところ買い付けが増えてそれにサルベージも増えちまってな。先輩からうちのレッカー車とか言われてて。こっちはどうかなと思って乗ってきたんだよ」
「良いじゃないですか?廃棄物減って。見てみますよ。大型クレーンレッカーだとどうしても狭くてきついところがあって」
「まあな、キー渡すから見てくれ。クレーン付きレッカーは大型のリアエンジンバスは救えるけど前輪釣り限定。この2軸総輪駆動レッカーなら後ろからも釣れるんだよ。それでも。クレーン付きレッカーでいいかみてくれよ。ところで先輩は?」
「親父は今は野上さんのMK103H改で手一杯です。相当錆びていたみたいで、ボディー骨格も作り直しです。野上さんもここにきて自分のバスを直してますよ。そうそう高尾さんのところで通販も始めちゃってオーガニックで安いんで引っ張りだこですよ。そのトラックのメンテもやってるんです。6トンボンネットだけじゃ足りなくて3.5トン積みのU-FB2WEAAを買ったんでそのメンテもです」
「そうかあ、先輩も大変だ」
「あ、そうそう。6D10エンジンありがとうございました。調子がいいんで親父がさすがとか言ってますよ」
「こちらこそ、6DS7エンジンないと思ってあきらめていたんですよ。見つかってよかったです」
と言っていると、親父の先輩が工房から来て
「なんだよ、康晴、来てたのか。工房に顔出せよ」
「先輩、すみません。忙しいって聞いてたんで」
「おまえなあ、そうだ。6D10エンジン何やったんだ?パワーが元からMK103H改乗ってたエンジンと比べてダンチじゃねーか?実力で150ps位出てるだろ」
「はい、145psは出てますよ。単体で吸排気付けた状態です。慣らしがおわればもうちょっと出るかもしれません」
「そうだ、6D10エンジンは吸排気のロングブランチとマフラー付きだろ。エンジンの値段にマフラー関係の代金乗ってないだろ」
「先輩、それはいいんですよ。うちで使う予定で作ったんで不良在庫になるから捨てるにも惜しいんで、付けました。ケーテン君に合わせてるんでMK103H改に使う時はちょっと手直しいるかもしれません」
「もう、直したよ。ついてるからいいんだけど。等長の排気音がいいって野上さんも気にいっちまったようだよ」
「気に入ってもらって何よりです」
「そう言えばトラックって隆義のところにリースか、商売形態変わったもんだよ」
「先輩、そうでもしないとコスト下がんないですよ。隆義のところのトラックは整備付きでうちから借りる。うちはそうすることでうちは年間の収入が読みやすくなるから急な支出でも対応できるキャッシュフローが準備出来て資金の調達コスト下がっていいですよ。返済計画も楽です」
「そうだな。ってことはそうか、うちの車もリースにするか。メンテナンスリースじゃなくてファイナンスリースでいいか」
「先輩、もしかして?」
「康晴のところから車をもらうって言ってたけど、リースという手があると思ってな。クレーン付きレッカーリースにしてもらえるといいよ」
「先輩、それもいいかもです。全部経費ですから」
「そうしよう。経費にして直すのは俺が直す。そうか、お試しで高尾さんの3.5トンパネルをメンテナンスリースに切り替えてみるか?6トンボンネットは趣味車でもあるからなしだな。うまくいくようなら高尾製油所のバスもうちからのリースにすると整備計画も楽でいいのか?」
「そうですね。高尾さんのところからはメンテナンスリースにしてやるといいですよ」
「良いこと聞いたよ。整備の費用見積もってだな」
「そうですね。今まで通りここだけで整備してきて今後もそのままならいいんじゃないですか?」
「そうだね。高尾さんもトラック関係の支出がコンスタントになるから助かるでしょ」
「そうだね。高尾さんに提案してみよう」
「佐野さん、2台の車とミッション見れます。こちらへ」
「ありがとうございます」
僕らは展示場と部品倉庫に行って大型積載車とウイング積載車、バス用の6速ミッション、トラック用の7速ミッション見ていた。
「お兄ちゃん、バス用6速は程度がいいよ。買ってく。優香の持ってきたミッションはオーバーホールして今レストアしてるSMR610に組むって手があるよ。SMR610のミッションオーバーホールするにしても痛みが酷くって大変とか聞いてるよ」
「その通り、シンクロが痛みまくってダブルクラッチじゃないと入らないんだよ」
「優香のミッションと比べて良い方を使おうよ。V12用の7速は買って帰る?」
「うん、いいじゃん。キューピーちゃんに使っちゃう。ってことはクロスになって良いかも」
「全く。これだよ」
「ミッション2機お買い上げですね。毎度ありがとうございます。河野さんに売った方はいかが致します?」
「実はうちでSMR610の修理請け負ってるので、ギヤ比と痛み具合見て決めます」
「はい、そうですね」
「徹治、ミッションはフォークで積んでやりなよ。悟瑠くん。ミック君回してくれ」
「はい」
僕がミック君を回すとウッディパラソルの社長の笠木さんがフォークでパレットに固定されたミッションを2機積んで固縛してくれた。
その間に親父の先輩が2軸総輪駆動レッカーの確認していた
「康晴、悪いがこれはちょっと小回り効かないよ。牽引力は魅力なんだが、うちで扱うのはせいぜい9メートルクラスのバスとGVW16トンの2軸、長さは10メートル未満だよ。10メートル超すとうちの工房の作業場に入らないのと、床の作りで総重量の制限が軸重6.5トン、単車で12トンになってるからさ」
「そうかあ、それじゃあ。仕方ないですね。先輩が要るのは増トンの方のクレーン付きレッカーですね」
「牽引力は落ちるが仕方あるまい。16トン迄なら牽引できるんだろ。十分だ」
「はい、では、後程うちのクレーン付きレッカーに乗って3台引き取りにきます」
「おう、今日は3台の契約とミッション引き取りってところだな」
「はい、悟瑠。雅子。今日は引き上げよう。先輩、どうもありがとうございました」
僕らはウッディパラソルからお店に帰ってきてそのままコニタンはターボにすべく工場入りした。
サナちゃんにもターボをつけ、なかなか完成しない僕のブイエムちゃんをすすめようと思ってお客さんの車の仕事の段取りをみると、今うちで主に重整備をしてるのは小野田さんのSMR610と予定で河野さんの路線バスだ。他は軽い整備やトラブル修理で時間がかからないものばかりだった。
「雅子、買ってきたミッション調べて、いいなら買ってきた方を河野さんの路線バスにつかうよ。見る限り今回買ってきたV10の6速は予備部品として在庫してた様に思えるなあ」
「あたしも同じこと思ったの。ほとんど汚れてないの」
「それならバラして中身を見れば痛み具合わかるから、確認するよ」
「多分、ほとんど使われていないように見えたの。もしかするとベアリングからオイルが落ちきってるかも」
「バラして見るよ」
「優香の持ってきたミッションは強化してある6速でもしかしたらV10トラクター用かもね。どっち組むかは考えるとして」
「ギヤ比をみて、決めよう。街乗りなら2速から5速までがクロスしてるほうが楽だよ」
「そうね。もしかするとバス用の方が良いかもね」
「観光用だと高速重視の時もあるからね。6速だと6速目だけが高いってこともあるのか」
「そうね。じゃあ、優香に路線バス持ってきてっていうね」
「そうだね」
雅子が河野さんに連絡して路線バスを乗ってくるように言っていた。
その後は河野さんが持ってきたミッションのギヤ比を確認してどっちを組むかと、SMR610のミッションをどうするか考えてながら8PBエンジンの組み立てをやっていた
「雅子、ミッションはどうみても今回買ってきたV10の方が河野さんの路線バスに合いそうだよ。持ってきたミッションは地場のトラクター用みたいだから、2速から4速までが低くて5速と6速目離れてること考えると雅子が買ってきた方が街乗りメインのターボ付きには合いそうだ。笠木さんはエンジンをターボにしないで生のまま乗ると思ったのかな?生ならトルクが細いから河野さんが持ってきたミッションの方が街乗りには合ってるよ」
「そうかも。優香は最初はクランク弱いって笠木さんに言われてターボ諦めていたみたい」
「OK、ミッションはV10のバス用に変更だね。持ってきた方は買い上げてSMR610に使っちゃおう。その方がギヤ比がマッチするよ」
と言っていると、カラカラカラとエンジンの響かせて河野さんが路線バスに乗ってやって来て
「雅子さん、ありがとうございます。ところであたしが今日の帰りに借りれる車ありますか?もっと運転の練習したいんです。それからこの路線バスを愛理沙先輩が"伊予ちゃん"って呼ぶって言ってました。214なんで」
「アハハハ、そうなのね。愛理沙もニックネームにハマってるわねえ。ところで優香。大型ロングノンステはこの伊予ちゃんよりもおよそ1メートル全長が長いからね。ホイールベースで0.8メートル。フロントの部分でおよそ0.2メートル。普段からバスのハンドリングに乗ってなれる為なら伊予ちゃんがいいのよ。でも細かいところは大型ロングノンステか大型セミロンノンステを乗って覚えるしかないのよ」
「はい。なかなか乗れなくて。たまに大型セミロンノンステ乗るくらいです」
「雅子、それなら僕のゴーゴーくん使うのもいいかも、あとはロザン君とか?今日はどっちも乗ってきてるでしょ」
「そうね、パン君だとフロントが約200mm短いから感覚の違いがわかんないもんね。ゴーゴーくんは長いかな?」
「フルに切るとコックピットがほとんど真横に動く動きは前輪位置が後退した観光バスやフロントの長いノンステの独特の動きだからね。」
「お兄ちゃん、まずはロザン君借りるね。優香。コレは大型セミロンノンステとホイールベースが大体同じなんだよ。全長は大型ロングノンステとほとんど一緒。伊予ちゃんが仕上がるまでロザン君で練習あるのみよ」
「はい。今日お時間有ったら練習にお付き合いお願いします。まずはここから家まで」
「いいわよ。お兄ちゃん、帰る時に迎えにきて、あたしは後10分もしたら優香の練習につく合うから。優香の家で拾って。場所は教える」
「OK、僕も明日の段取り終わったら追いかける。ゴーゴーくんとロザン君のエンジンかけて」
「はいよ」
その夜から、河野さんは自分の伊予ちゃんのエンジン換装が仕上がるまでの間、僕んちからロザン君を借りると毎日家から会社まで時には雅子の指導を受けながら運転の練習していた。
雅子を河野さんに実家で拾って帰る時
「雅子、河野さんは上手くなりそうかな?」
「うん、センスはいい方よ。後は練習あるのみ。伊予ちゃんにはバックモニターつけた方がいいかもね」
「そうか、それなら手配しよう」
「まだ、長さになれてないからね。ミラーだけはきついよね」
次の日会社で在庫のバックビューモニターをつけて、映ることを確認していた。モニターは使うことのない料金表示のコントローラーを置く場所に設置していた
3日かかって伊予ちゃんのエンジン換装を終えて後は全開試験を残すのみとなった木曜日、仕事が終わって帰る頃になって
「雅子、明日は河野さんの伊予ちゃんの全開試験行くよ。大型クレーンレッカーでついて来てくれ」
「はいよ。隆弘さん。SMR610は後どのくらい?コニタンとタフさんの黒煙対策でターボにするから」
「SMR610はエンジンかかったからもうすぐ。ミッションは中古に交換が正解だよ。オーバーホールするにしても中身全とっかえが必要なくらいの傷み度合いだった」
「雅子、プロペラシャフトのジョイントとセンターベアリングもOKだよ」
「うん、隆文の言う通り。ペラはジョイントのところがカシメナットだったから楽だったよ。溶接だったら大変だよ」
「そうなんだね。古いのが一概に悪いってことはないってことなのね」
「俺もそう思った。交換簡単で元からベアリングの寿命短いから交換するのが前提の設計だもんな。消耗部品は交換しやすい設計になってた」
「どっちにしても隆弘と隆文は交換作業が丁寧で早くていいぜ。キャビンの修復も順調だし、鈴木さん達の旧車を直す腕は凄いって。後は僕のブイエムちゃんのエンジンスワップと親父とお袋のボンネット車の黒煙対策だ」
「悟瑠のバスにもニックネームつけたんだっけか?そうだったな。ボンネットって言われてみれば思い出したけどエンジンルームの温度が高いと空気密度が下がって黒煙増えるのは親父さんの言うとおりだよな。俺の兎ちゃんはシュノーケルみたいに上から空気吸うから良いけど、コニタンとサナちゃんはエンジンルームの空気吸うんじゃあ空気密度下がるよなあ。ってことは百合の車でボンネットで生エンジンだったらターボ組んで出力絞れば黒煙は相当減るってことか」
「そう言っちまったらそうだな。やるかどうかは本人次第。それにレイアウトが成り立てば。」
「そうか。てつしくんはエンジンルームにスペース無くてやめたんだったな」
「そう、サナちゃんはどうやら同じキャビンにV8積む計画あるから最初から対応してあって場所があるんだよ。それで横幅あるからターボが乗りそうだ。親父のコニタンは同じキャビンでV8あってターボは乗る場所がある。タフさんは厳しいかな?乗ったら儲けものだな」
「お兄ちゃん、百合リンのパイ君はターボ乗るのかな?」
「乗るかなあ?乗ったしても、出力とトルクはそのままだよ。冷却系が持たない。ラジエターは大きさがめいっぱいだから、載せ替えとなったら結構大変な改造だよ。」
「百合リンなら隆弘さんのラッシー君のミション乗らないか言ってきそうね」
「もう乗ってるよ。今使ってるのは隆弘のラッシー君のミッションだ。ラッシー君のはもっとパワーのある8M20用にしてある」
「え?悟瑠。いつの間に?」
「エンジンいじった時にだよ。そうしないともたないから」
「ってことは。百合リンならターボつけてパワーアップしてって言ってきかねない。ミッションは110kg迄耐えれるよね」
「そう。まあそれ言ってもできるのはターボが乗るスペースあればだよね。もしあっても有ってもでかいタービンとインタークーラーは多分無理だからちょっとパワーアップ狙っても厳しいかもね。いいところちょっぴりパワーあがるくらいでしょ。キャブ載せ替えれば別として」
「百合リンはパワーアップするなら何でもやってって言いそうよ、って言うかも。ってことはパパもキャブ載せ替えっていうよ」
「そうだよね。あとはラジエター、オイルクーラーの放熱量の限度と比べてだね。パワーの最大値計算するよ。いるなら交換だなあ」
「そうね。ってことは対策するか聞くのは、コニタンとサナちゃんの他にはママのデコちゃんとパパのタフさん、百合リンのパイ君、譲さんのゼットワン、百合リンのママのでん六くんとスーパーマーケットの平くんかしらね。かなさんとかデニムちゃん、てつしくんはボンネットの形から無理なんだよね。なみちゃん、矢代さんちのボンネットバスも無理?」
「そうなんだよ。なみちゃんと矢代さんの総輪駆動ボンネット《K-ZC121改》は結構ぎちぎち。でもBH15ボンネットならできるかも。雅子のカービーちゃんと同じだから」
「悟瑠、百合から言われる前にキャビン探しか?」
「だな。俺も親父に言われる前にタフさんのキャビン探しするよ」
「そうね。え?お兄ちゃん。また仕事来ちゃったよ。依頼はBA05Nだって。この車って何か知ってる?」
「え?大型ナローショートバスだねえ。まあ、簡単に言ったら百合ちゃんのお母さんの丸井ちゃんをリアエンジンにしたものかな?」
「はあ?そんなのあるの?」
「うん、あるんだよ。あの頃は中型のリアエンジン路線バスって少ないのとあってもエンジンが小さくって山間いの集落だと登り坂が大変だった。それでBXD30Eを小さくしたのがBXD20E」
「ってことはスーパーのかなさんと丸ちゃんと同じ考え方ね。そうだ、かなさんは対策しなくていいの?あ、そうそう前はこれを"ポニーちゃん"って言ってたけどロニーと紛らわしいから愛理沙がかなさんにしたんだってボディメーカーにちなんで」
「そうなんだ、かなさんちょっとフロント周りのボンネットとフェンダーとのつなぎの部分を総輪駆動みたいしてあるんて余裕が無いから吸気ビルドしてみる。そうそう狭いところのために|かなさんBX521改》とかあったんだけど。リアエンジンほど人数乗れない。それで丸井ちゃんにしたけどでも足りない。でも道路の幅が狭いから大型リアエンジンバスの幅を中型位に狭めたのがBA05N、これってショートホイールベースだよ。ほんとに狭いところ専用。大きさで言ったらうちのケーテン君と同じくらい。でも大型バスと同じタイヤ使ってるよ」
「なるほどね。それでこのBA05Nをレストアしてほしいんだって。結構放置されていたみたいで。画像も来たけどかなりあちこち錆が来てる」
「放置かあ。そうだこのバスは飛び込み?」
「ええと、これはスーパーマーケットの社長の紹介とこの前のイベントで隆弘さんの兎ちゃんとか丸松建設の総輪駆動バスの軽快君見て頼みたいって。この前のイベントにBA05Nで来たかったけどちょっと無理だったとか」
「ってことは、早くSMR610と伊予ちゃん仕上げてだな。ターボにできないのは吸気ビルドとダクトで黒煙対策するよ。てつしくんとかなみちゃんとか」
「そうよ。ってことは生エンジンはボンネットのほかも全部対策するってことね」
「いや、キャブオーバーは大丈夫。全部ダクトで車体の上から吸ってるから。車内にエアクリーナエレメン置いたんだよ。点検とかメンテしやすいように」
「そうなのね」
「メンテナンス考えるとね。オイルもメンテナンス用の小窓作ったからそこから注入できるようにしちゃったよ。うるさくなるけどやむなし。エンジンハッチを開けなくてもいいようにしてある」
「さすがね」
「隆弘、SMR610頼むぜ。元の状態に戻すんだから全開試験は要らないだろ。エンジンもオーバーホールだし」
「要らないと思うよ。昼には帰ってくるよな」
「ああ、壊れないと思うけどな」
「強化クランク、コンロッドとだろ。オーバーレブさせないなら大丈夫だろ。当たりは付いて無いだろうけど」
「まあ、念のため。全部ダミーヘッドで真円になるように直したよ」
「そうならいいかも」
「じゃあ、今日はこれで終わりだな。帰ろうぜ」
「おう」
僕らはアジトに帰って行った。
次の日、僕と雅子は全開試験していた、伊予ちゃんに積んだ8PC1+ターボでクランクを強化してダンパーつける前はせいぜい275psがいいところだったが、両端のクランクウエブを厚くして、ダンパーで対策したら350psまではいけそうだったので350ps実力で出るようにしておいた。
「雅子、伊予ちゃんの調子はどうだ?」
『うん、ばっちり。乗りやすくていいよ。レッド迄引っ張ると速いよ。ちゃんとリミットまで回る』
「だろうな、このレッカー500psあるけどついて行くの結構大変だよ」
『そうね。レッカーは14トンでしょ。それならちょっとかも』
「サミット着いたら、交代して下りは僕が脚含めてみるよ」
『OK』
無事に登り切ってデータを確認、問題ないことがわかったあと、エンジン回りミッション周りを点検、漏れがないことを確認、僕らは車を入れ替えて降りてきた。
「雅子。いい調子だ。排気もリターダーもばっちり。フルデュアルマフラーもサウンドがいい」
『うん、ばっちりね。これならどんな山坂でも安全に下れる。もしかしすると高尾製油所に見せに行くかもね』
「そうだね。この伊予ちゃんの仕上がりを見せるかも」
お店に帰ってきて、雅子は河野さんに納車できることを伝えていた。
引き取りに来るというので待っていると、ドリュドリュドリュドリュドリュとV8デュアルマフラーの音を響かせてロザン君がうちの駐車場に入ってきた
「雅子先輩、どうもありがとうございます。悟瑠さんどうもありがとうございます。ロザン君もありがとうございます。練習になりました」
「そう?良かったわね。優香。伊予ちゃん見てもらっていいかな?」
「はい」
雅子が伊予ちゃんの説明をしていた。
「じゃあ、優香は今度は伊予ちゃんの乗って慣れてね」
「はい、明日と明後日、パパたちのせて戸隠いくんです。おじいちゃんにこのバスを見せに行って来るんです」
「気をつけてね」
「はい」
ドリュドリュドリュドリュドリュとV8デュアルマフラーの音を響かせて河野さんが帰って行った。
自分でバスを買って練習したその成果は愛理沙ちゃんが内勤や送迎バス運転の時に大型ロングノンステを任され、マネージメント業務が忙しくなってきた長野さんに変わって大型セミロンノンステを普段から運転することになったと愛理沙ちゃんから聞いた。
「お兄ちゃん、来週からBA05Nのレストアと黒煙対策ね。あたしは今週末TSカー練習したいんだ」
「いいよ。大型積載車に積んでいけばいいんだよね。ブイエムちゃんの積み替え何とか終わったから来週全開試験行こ。雅子悪いけど大型クレーンレッカーでついてきて」
「うん。いいよ。今週のお礼ね」
「車を準備しておいて、調子悪いところ有ったら言えよ。車体の狂いとベアリングは交換した。ミッションとエンジンのオーバーホールも終わってるよ」
「お兄ちゃんありがと」
週末、僕と隆弘は大型積載車で雅子と隆文のTSカーを乗せていつものコースに来ていた。
そこで百合ちゃんが土曜日にもかかわらずマッドで新人ダンプドライバーの研修をやっていた
「百合リンおはよう。ここで今日も研修?」
「そうなの。底攫いの仕事するから、どろどろのところの走り方ね。AMTって不便ね。全然使えない」
「揉み出しができないんでしょ」
「そうなのよ。揉み出ししようにもどうやってもうまくいかないの」
「そうだよね」
「雅子、今日はTSカーの練習でしょ」
「調子を見るんだけどね。ターマックは占有いいかな?全力ですっ飛ぶから」
「いいよ。コースの出入り口閉鎖しておいてね」
「はいよ」
僕らはTSカーをターマックに入れると雅子と隆文は車の調子を見るのと同時に自分の腕の錆び落とししていた。
「相変わらず雅子は速いなあ」
「調子は良さそうだな」
『兄貴、エンジン調子いいぞ。10000rpm迄回るぞ』
「悟瑠、整備きちんとしたね」
「まあな」
『お兄ちゃん。これって何かした?11000rpm迄パワー着いてくるんだけど』
「良いでしょ。2つともポート形状見直しした。デプコンで埋めて削り直しした。燃焼室も鍛造アルミの板を貼り直してリメルトもやったからばっちり」
「スゲーなあ」
「雅子、僕もチェックするから」
『はーい。その間。百合リンと居るからね』
「はいよ」
雅子がピットに戻ってきて僕がドライバー席に乗って仕上がりを確認していた。
狙った通りでばっちりのステア特性でガンガン踏めることがわかったので雅子が上機嫌になっているのもわかったのだ。
僕が戻ってくると雅子はあろうことか自分が乗って来た藤子ちゃんでオフロードコースを走っていた。
「雅子、これクリアしちゃうの?」
「え?そうなの?」
「ダンプは無理なのに。さすが総輪駆動ね」
「藤子ちゃんの脚がいいのよ。お兄ちゃんが作ったんだから」
「そうなの?」
「そうよ、今どこにタイヤをかけると踏ん張れるか考えて走ればいけるよ。まだ総輪駆動にしてないし、デフはオープンのままだよ」
「はああ、それって雅子のセンスだよ。一定速度で走って行くなんてうますぎ」
雅子と唯ちゃんの会話が聞こえる、するとTSカーを片付けた隆文もまゆかちゃんでどろんこコースにいって同じように走ろうとしていた。
「隆文さんも?」
「うん、雅子は上手いよ。総輪にしないで走ってみたくなって。ちょっといいよね」
「いいわよ。みんな。みてて。総輪駆動にして無い車でもここまで行けるんだよ」
百合ちゃんが練習に来ていたドライバーに声をかけていた。
隆文の腕もさすがで、総輪駆動にしないで後ろのデフロックだけでモーグル路を全く引っかからずに乗り切ってしまっていた。
「隆文も好きだもんなあ」
「ああ、隆文は別に車は速くなくてもいいって言ってるんだよね。それできみこはターボつけないで吸気ビルドでやるって」
「いいよ、そうか、生の良さに嵌ったか」
「そう」
ふと、雅子と隆文が何をやっているか探すと、TSカーの確認と練習に行ったはずの二人はオフロードコース、マッドコースでダンプドライバーたちに走り方を教えていたのだった。
雅子と隆文は自分の総輪駆動トラックに着いた走った後の泥を落として、帰ってきた。
次の日曜日、僕は自分のブイエムちゃんのエンジン積み替えの仕上げをやっていた。
ボディ廻りは笠木工房で面倒見ていたバスだけあって手入れの必要がないくらいにいいコンディションなのでエンジンとミッションの載せ替えのみで済んでほっとしていた
月曜日、何とか仕上がったブイエムちゃんで会社にいって漏れがないか確認していた。
その週からはBA05Nが入ってくるのでSMR610を早く納車すべく確認を急いでいた。するとグロウグロウというエンジンの音とフロフロフロというエンジンの音が聞こえ
「悟瑠さん。こんにちは」
「愛理沙ちゃん。河野さん。どうしたの?」
僕が声をかける
「はい、社長から平くんとかなさんの黒煙対策して欲しいってお願いされたんで乗ってきました。なんか予約してあるってことだったんですが」
「あ、ママが予約OKの返事してるわ。そうね。月曜日は見学が無いからね。平くんはターボでかなさんは吸気ダクトで対策ね」
雅子も事務所から出てきて対応する
「はい、それに今週の今日と明日は毎月の移動販売車とお弁当用キッチンカー、お惣菜用キッチンカー、メキシカン販売車の内部全面消毒の日なんで2日続けて運休なんです」
「そうだよね。それで今日は二人で平くんとかなさんを乗って来たのね」
「はい、あたしたちが乗って帰れる車ありますか?」
「ええと、あたしのニジュちゃん乗って帰って。さっき着いたばっかりだからエンジンは冷えてないはず」
「はい、お借りします」
愛理沙ちゃんたちは2台を置いてニジュちゃんに乗って帰って行った。
「お兄ちゃん、午後になったらBA05Nの人が来るって、自走はできそうだから乗ってくるとか」
「いいよ。それまでにこの2台を仕上げておくようにする。明日見学が入ってるみたいだから。部品は準備してある」
「間に合わなくても綿貫さんのロニーと長野さんの鬼丸君でしょ。でなきゃあ愛理沙のババロアちゃんかもね」
「それに小さい小学校なら丸ちゃんだけで対応できるかもね」
「そうね、一クラス28人以下なら先生が自分の車で行けばいいもんね」
僕は工場でSMR610の仕上がりの確認と今日の段取りを説明していた。
SMR610を仕上げて納車準備済ませると昼になって午後の仕事を始めようとしたところにグロウグロウというDA640エンジンの音が聞こえBA05Nが来た。
「はじめまして、佐伯と申します」
「ご足労いただきどうもありがとうございます。佐野 悟瑠と申します。工場長をやってます。よろしくお願いいたします。」
「初めまして佐野 雅子と申します、副工場です。よろしくお願いいたします。」
「初めまして、加藤 隆弘と申します。副工場長です」
「どうもありがとうございます。実は小野田のトラックを直していると聞きました。それに橋爪さんのバスもなおしてここで定期点検うけてると聞きお願いしようと思ったんです」
「どうもありがとうございます。はい、承知いたしました。まず、バスを見せてもらっていいですか?」
「はい」
隆弘が佐伯さんのBA05Nを工場のピットに入れて上下から確認していた
「ちょっとすみません。ハンマリングさせてください」
「はい」
僕らはあちこちに木づちを当てて車体の錆の進行を調べていた。幸いにも表面だけでシャシはそこそこしっかりしていたし、何よりもガラスが全部あって部品の入手が容易なのが幸いだ
事務所に戻って
「佐伯さん、お受けいたします。見積もり詳細は後程ですがざっくりで○○○万円です」
「はい、よろしくお願いいたします。ここの工場内で今見た橋爪さんのバスや小野田のトラック見てますます頼みたくなった。よろしくお願いいたします。」
「はい」
僕らは小野田さんにSMR610を納車して貸し出していた錦くんと交換していた。
同時に黒煙対策、ウッディパラソルから仕入れたウイング積載車と大型積載車の整備を進めていくのだった。
やっとコニタンが公道復帰?
家業の繁盛はいいことだけど
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次回は出来上がり次第投稿します




