第八十三話 修理に奔走する僕らとドリフト教室の講師になる女性3人
やっとサナちゃんが公道デビュー出来たと思ったらケーテン君がエンジンブロー。コニタンのレストアがちっとも進まないのにいろんな仕事がくる悟瑠たち
優花ちゃん迄バスを買ってしかもエンジンスワップと修理の仕事がバンバン入って?
しかもドリフトの講師迄?
主な登場人物と所有車
佐野 雅子 ヒロイン 25歳 4月生まれ
峠のバトラー⇒TSカップレーサー、11勝目にトライ中。シーズンチャンピオン
家業の佐野自動車販売の中古車販売店副店長兼整備工場副工場長、整備の段取り担当の副社長
前職はスーパーの経理兼販売促進
所有免許;大型2種、牽引運転免許、2級整備士免許、危険物乙4、玉掛、ガス溶接、救急救命士、巻き上げ機
レース以外の趣味:
オフロード走行:大型の2軸総輪駆動のエンジン、サスペンションをいじって自分好みした。
パソコン:プログラム組むのも好きでシステムを自力で組める
所有車
大型バス:
観光シャシ+観光ボディ
なごみちゃん
ルーシーちゃん
路線シャシ+路線ボディ
獅子丸くん
フーセンちゃん
短尺シャシ+路線ボディ
ニジュちゃん
エムエム君
大型キャブオーバーダンプ(元除雪車)
4×4 藤子ちゃん
大型ボンネットダンプ(8トン積み)
4×2 カービーちゃん
小型車
クーペ イチゴちゃん
僕;佐野 悟瑠 雅子の兄 28歳、3月生まれ 妹の雅子より4学年上
家業の佐野自動車販売に就職して6年目、整備工場の工場長兼副社長。
所有資格 2級整備士、MIG溶接機、レーザー溶接機、ガス溶接、玉掛、大型2種、けん引免許 巻き上げ機、危険物乙4
カーキチ、スペックオタク、エンジンスワップ大好き
所有車
大型バス:
観光シャシ+観光ボディ
ゴーゴーくん
ロザン君
路線シャシ+観光ボディ
パン君
陽菜ちゃん
路線シャシ+路線ボディ
キューピーちゃん
ブイエムちゃん
大型キャブオーバーダンプ 元除雪車
4×4 サイバー君
小型車
セダン サンゴちゃん
三四郎君
佐野 康晴 僕の父親 56歳 佐野自動車販売の社長、総括責任者。趣味人 マニ割、エギマニ作りの達人 元整備工で板金も得意
所有車
バス:路線シャシ+路線ボディ
大型 ニイナちゃん
中型 アサイー君
ケーテン君
小型 いい子ちゃん
大型ボンネットダンブカー 8トン積み
4×4 タフさん
大型ボンネットバス(元移動診療所)
4✕2 コニタン
セダン Q-LS131H改
佐野 康子 僕の母親 54歳 佐野自動車販売 副社長 佐野自動車販売店店長、営業、仕入れ担当
所有車
大型リアエンジン 路線シャシ+路線ボディ
錦くん
大型ボンネット
元8トン積みダンブカー クレーン車改造済
4×2 デコちゃん
バス 移動事務所へ改造済
4×4 サナちゃん
小型車 ハードトップ E-KE70
セダン E-AE70
加藤 隆弘 28歳
悟瑠の同級生で親友。専学卒業後家業の内燃機整備工場に就職、佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。悟瑠の幼馴染。2月生まれ。エンジン加工の名手、エンジンスワップ大好き
所有車両
大型キャブオーバーダンプ (元除雪車)
4×4 ラッシー君
大型自家用バス 路線シャシ+路線ボディ
兎ちゃん
小型車:セダン
エスティーくん
加藤 隆文 25歳
隆弘の弟。雅子より一学年上だが、3月生まれで実はほとんど同い年。工業高校から家業へ就職。佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。板金と排気系を作るのが得意
所有車
大型キャブオーバーダンプ(元除雪車)
4×4 まゆかちゃん
大型ボンネットダンプ 6トン積み
4×2 きみこ
バス 大型短尺路線シャシ+路線ボディ
恋路ちゃん
クロカン4×4
ロックン
趣味:TSカーレース 今シーズン5戦目で1勝あげたが年間は4位
松尾 百合 25歳
雅子の親友、丸松建設のお嬢さん。雅子と同じ高校卒業して同じスーパーに入って家業に転職。松尾運輸の副社長。普段はおっとりだがスイッチが入ると途端にせっかちとブチ切れになる 5月生まれ
TSカーレーサー 2勝あげ、シーズン3位
所有車
バス:観光シャシ+観光ボディ
武蔵君
ラムちゃん
大型ボンネットダンプ 8トン積み
4×4 パイ君
4×2 徳次郎君
小型車:クーペ
エスワン
松尾 譲 27歳 百合ちゃんの兄 丸松建設の副社長。マニ割マニア
所有車
バス
キャブオーバー トラックシャシ+路線ボディ
4×2 ビーフさん
4×2 レイ君
大型ボンネットダンプ
4×2 旦那さん 6トン積み
4×4 ゼットワン 7トン積み
小型車 クーペ
イーサン
松尾 隆 丸松建設の社長 百合ちゃんの父親 56歳 速い車大好き 悟瑠の父親の同級生
所有車
大型キャブオーバーダンブカー(元除雪車)
4×4 サンデー君
大型ボンネットバス トラックシャシ+路線ボディ(元レントゲン車)
4×2 なみちゃん
大型短尺バス 観光シャシ+観光ボディ
リングちゃん
小型車 セダン
E-GNY33改
松尾 友香 百合ちゃんの母親、丸松運輸の社長 54歳 旧車大好きながらもオリジナル主義
大型ボンネットバス トラックシャシ+路線ボディ
4×2 デビちゃん
4×4 てつしくん
大型短尺キャブオーバーバス トラックシャシ+路線ボディ
4×2 丸井ちゃん
大型ボンネットダンブ 6トン積み
4×2 でん六くん
小型車 HB
けいこ
小笠原 愛理沙 24歳 係長
TSカーレーサー 総合優勝を狙う 最終戦で3着に入ってぎりぎり総合2位になった
雅子の同じ学校の一つ後輩。小笠原食肉のお嬢さん。元レディス総長(7代目)2児のママ かつて雅子がいたスーパーに勤務 大型免許所持 抜群の運転センス
所有車
小型セダン
TA-GXE10
大型リアエンジンバス 路線シャシ+観光ボディ
ババロアちゃん
大型キャブオーバーダンプ(元除雪車)
4×4 フライヤーちゃん
小笠原 哲史 27歳 愛理沙の兄。別の会社に勤めていたが家業に転職、副社長 大型免許所持 旧車好きでオリジナル主義
所有車
小型車
クーペ:ましこ
大型リアエンジンバス 路線シャシ+路線ボディ
マーシーちゃん
中型総輪駆動トラック(3.5トン積み)
美浜ちゃん
長野さん 30歳。 移動販売課 課長代理
バス会社に居たが欲しいバスが排ガスの関係で住んでいる地域で登録できなくて雅子がいたスーパーに転職。今は愛理沙ちゃんの上司 短尺バス好き
所有車
大型短尺系バス
路線シャシ+路線ボディ
伊那路 自家用1ドア
鬼丸君 路線用前中2ドア
観光シャシ+観光ボディ
五平君
小型車
クーペ:NE
狩野さん 30歳 業務課長
運送会社にいたが首都圏の事業縮小で地方に転勤になった。偶然募集していた松尾建設に転職
所有車
大型キャブオーバーダンプ6×4
V10:古武道君
V8 :福田屋君
小型車
EHT;ND
河野 優花 22歳
大型リアエンジン 路線シャシ+観光バスボディ
P-LV214L改 伊予ちゃん
小型車 L700S改
綿貫 洋平 スーパーの販売部 課長 37歳
バスに嵌って自分でも買ってしまった。
中型リアエンジンバス 路線シャシ+路線バスボディ 自家用
ロニー
橋爪 正治 スーパーの社長 61歳
ボンネットバス トラックシャシ+路線バスボディ
中型
ポニーちゃん
大型
丸ちゃん
平くん
矢代さん親子
ボンネットバス トラックシャシ+路線バスボディ
4×4 K-ZC121改 移動事務所仕様
4×2 BH15改 29人乗り仕様
DA90改 移動事務所仕様
「悟瑠よ。6D11とか6D15までは要らんだろ。それってMMにも使ってただろ。それなら6D10にしよう。」
「そうだね、6D10ならオリジナルの6DS7よりも10psアップだけど結構いいかも」
「ねえ、お兄ちゃん。パパ、壊した途端にいじる計画ってもう呆れるわよ」
「雅子、いいじゃないの。旧車はそれが楽しいのよ。壊れたらここ弄ってって考えるのが楽しいのよ。わくわくするでしょ」
「はあああ、ママも根っからの旧車マニアだったのね」
雅子の呆れた顔と母親のにっこりした顔が対照的だった。
すると、ドリュドリュドリュドリュドリュと聞き慣れたV8生エンジン独特のエンジン音が近づいてきて、うちの駐車場にスーパーマーケットの大型引き摺りローリーと見たことがない路線バス:P-LV214Lと丸ちゃんが入って来た。
大型引き摺りローリーを運転してきたのは愛理沙ちゃん、路線バスを運転してきたのは河野さん、丸ちゃんを運転してきたのは長野さんだった。
「愛理沙、いらっしゃい。長野さん、河野さんいらっしゃい。河野さん?この路線バスはどうしたの?」
「はい、あたしが買っちゃいました。バスの運転の練習するんです」
「えええ?河野さんが?」
「はい、それでエンジンスワップお願いしたくて、この路線バスをV8にできるか見て欲しくって乗ってきちゃいました」
「エンジンスワップ??」
「はい、笠木さんのところにあったV8エンジンとミッション買ってあります。スワップする準備できたらおくってもらえるようにしてます。8PC1ターボとそれに合う6速ミッション買いました。」
「はああ、わかったわよ。それにしても優香は良くこの路線バスを見つけたよね」
「はい、実はお爺ちゃんが見つけてくれてて、笠木さんに確保してもらってたんです。なんか雅子先輩とか百合先輩がトレーラー軽々操っているのを見たのと、あたしがスーパーマーケットで移動販売車に乗ってるの聞いてるんで、練習するのにいいバスないか探してくれていたみたいです。トラックだとバスとは全然感覚が違うって言ってました」
「そう言うことね。良いおじいいちゃんね。とにかく、優香はこの路線バスに乗りたくて、それにパワーもあげたくってそれにピッタリなV8エンジンも見つけたってことね。ちょっと見せてね」
僕らは河野さんが買ったという路線バスを工場に入れて状態を見ていた。
年式が古いにも関わらず、ボディと下回り、サスペンション周りに全く錆びのないコンクールコンディションと言っていいほど状態が素晴らしい個体だった。
「これってもしかして、1回かなあ?2回かなあ?笠木工房で直してる?もしかして新車から笠木工房で面倒見てたのかな?」
「はい、そうなんです。笠木工房で新車のころから今までずっと面倒見ていたバスみたいです。"佐野自動車で面倒見てもらいます"って言ったら二つ返事で売ってもらいました。あたしは大型ロング販売車を乗りたくってそのための練習用で買ったんです。29人乗りにするとバス1台は個人で持てるって聞いたんです」
「そうだね。それは管理者が居ない場合だよ。うちが管理者になっていれば何台でもOKだよ。長野さんは3台の9メートル持ってるよ。うちが管理者になってるから」
「そうですよね、長野駅課長補佐は3台も持ってますよね」
「そうなんだよ。悟瑠さんに管理者になってもらったから短尺を3台買っちゃった」
「なるほどね。愛理沙先輩もですか?」
「あたしは違うよ。お兄ちゃんと1台ずつ持ってるけど、オーナーが違うから問題なし」
「そうなんですね。会社のボンネットバスはここが管理者ですね。もしかして百合先輩のところもですか?」
「そうよ。丸松建設も同じだよ。百合リンのバスも丸松建設のバスも全部うちが管理者よ」
「そうなんですね。ところでこの路線バスに積む予定の8PC1エンジンをパワーアップできますか?」
「オリジナルのクランクのままならば難しいよ。どうしても両端のウェブの強度が持たないから280psがいいところ。両端のウェブを厚くした強化クランクにして両端のブロックをちょっと削ってベアリングの幅を減らして。曲げ振動ダンパーつければいいかな?」
「お願いします。あたしは大型ロング販売車のパワーにも慣れたいんです。350ps位出ますか?」
「350ps位でやめておくよ。ブローしたら大変だから」
「はい、それでは350ps目標でお願いいたします。」
「ありがとうございます。350psよろしくお願いいたします。笠木さんにはすぐにエンジンとミッション送ってもらうように言っておきます」
「はい、よろしくお願いいたします」
「エンジンばらして特注のクランクを発注する。クランクが出来たら、連絡するのでその時にこの路線バス持ってきて。長野さん。今日は大型引き摺りローリーと丸ちゃんの定期点検だよね。」
「はい、悟瑠さん、2台はおいていくので帰りは河野さんの路線バスです。ついでに河野さんの運転の練習です」
「じゃあ、愛理沙。明日には2台とも点検は終わってるから引き取り頼んでいいかな?」
「はい、というかあたしたち全員明日は移動販売車で居ないので、届けてもらって課長に渡してもらえると助かります」
「はいよ、夕方には終わるから2台を届けるね。定期点検でいつものメニューでいいよね。エンジンオイル交換してフィルターは車検の時交換だからええと今回はオイルフィルターも交換。次の交換は半年後の車検の時ね」
「はい、社長からは丸ちゃんのミッションオイルを見て欲しいって伝言あります。社長が言うように入りにくいんで」
「はい、承知いたしました。」
「大型引き摺りローリーと丸ちゃんの定期点検よろしくお願いいたします」
3人は河野さんが運転する路線バスに乗って帰って行った。
「雅子、仕事は今のところはコニタンの再生とケーテン君の修理だな。先にケーテン君直してだな。その合間にスーパーマーケットび丸ちゃんと大型引き摺りローリー定期点検やってかな?」
「うん、ちょっと面倒なのはケーテン君には排ガス規制があるんだよね。6D10エンジンに載せかえると検査いるよね」
「そうだね。その辺は何とかなるよ。検査は面倒じゃない。僕らはエンジンスワップして車検なんていつものことじゃん」
「そうだけどね」
「何事も経験だな。ケーテン君の6DS7エンジンなかなかないよ。ないならないなりに何とかする」
「そうね」
「良いことに、どうしようもないなら6D10エンジンなら直噴だから超高圧噴射+SCRという手がある」
「それやったら、KL規制も通っちゃうでしょ」
「うん、それだけになってれば充分でしょ」
「そう言ったらそうね。車検は超高圧噴射+SCRないと通らないんでしょ」
「そうだよ。それは最終手段だよ。うちの車なら、SCRでも問題無し」
「そうだよね。お兄ちゃんに任せるよ。ケーテン君はK-だからそんなに厳しくないよね」
「そう、やってみるよ。NOxの規制だから電制ポンプ使うよ、上手くすると電制ならKCーも通るよ。」
「ってことは、ケーテン君はいいとして、次にコニタンと優香の路線バスね。優香の路線バスの段取りとしては優香が笠木さんに頼んだエンジンが届いたら、一旦ばらしてクランクを測って強化品を作るんだよね」
「そう、鍛造鋼を削り出しで作って、両端のウェブとピンのところには焼き入れ処理してかな。あのエンジンは両端のウェブの強度が足りないからできるだけ厚くして高周波焼き入れやって、全体にタフト加工して強化するよ」
「はああああ、お兄ちゃんにエンジンいじらせたら商売そっちのけ。まったくもう」
「まあ、調べたらp系エンジンはPD以降クランクジャーナル径、ピン径を太くしてるんだよ。多分、V12ねじりの強度もたなかったんだろうな。ウェブの厚さも変えてる」
「そうね。それでジャーナル径とピン径を太くしてウェブの厚さも増やしたってことね。」
「その通り。それで弱点の両端のウェブもしっかり補強してあって、先端のプーリーにダンパーもついてるんだよ。もっというとフロント側のクランクのオーバーハングの長さも短くなっているようだよ」
「もしかして、優香のクランクもPD以降をまねて作ってみるの?」
「うん。エンジンバラしてクランクの現物見てからだな。プーリーはPD以降のダンパー付にしようと思ってるよ、それなら何とか350psいけそう」
「クランク迄作ったら結構な金額になりそうだよね。優香に払えるかしら」
「河野さんは実家に住んでるならいいんじゃない?」
「まあね、あ、紫陽花。今日もありがと。なんか早くない?」
来年度からうちに就職することが決まっていて、毎日バイトで来ている紫陽花ちゃんが学校の六時間目の時間にやって来た。
「はい、今日は5時間で終わりなんです。6時間目はなくなったんです。あたしは就職はここにに付くから活動しなくてもいいんですよ。最悪、高校は卒業できなくてもいいんです。既に簿記二級取れましたから。卒業までにレディースの次を見つけます。学校卒業よりも重要です」
「あはは、そうね。任せるわよ、愛理沙も結構苦労してたみたいでね。伝統的に一学年下を指名だもんね」
「はい、愛理沙先輩はもう伝説と言うか?歴代の総長で一番有名ですよ。喧嘩は百戦錬磨で人望もあって今はTSカーレーサー活躍中ですもんね」
「そうね、愛理沙の人を纏める力すごいよ。あたしも感心しちゃう」
「そうなんですね。そうそう、あの纏める力はすごいですよ。もう係長になったって聞きました」
「さすがだよね。その辺はさすが総長なっただけあるわね。紫陽花。悪いけど今日は優香の路線バスのエンジンスワップの見積もり書の作成頼むわね。お兄ちゃんは商売そっちのけでやっちゃうから気をつけてね。お兄ちゃんもパパも自分が興味ある仕事だと商売関係なしの値段でやっちゃうんだから」
「まあまあ、エンジンとミッションは河野さんが買ったんだからその分はロハで。その他のボディー周りも全部笠木工房でしっかり直してあったからなんとか大丈夫でしょ。ルーフもばっちり直ってたよ」
「悟瑠さん、クランクが結構なお値段するでしょ。以前の2Dエンジンの時は50万位でしたよ」
「まあ、そうかな?作成業者が持ってないエンジンのデータを提供するとものに寄っては半額以下に負けてくれるんだよ。うちのデータが精度高いから図面にしやすいっていうから欲しがってて」
「全くもう。お兄ちゃんは持ちつ持たれつってやつね。任せた。あ、それから、2軸の大型トラックのレストア来たよ。メールを見る限りだけどニュー○ワーみたいで、V8積んでるやつ。SMR610だってお客さんがうちの都合に合わせて乗ってくるって。イベントでうちの腕気に入ったって」
「流石ですね。ここのバスとかトラック見たら頼みたくなりますよ」
「それなら明後日だなあ、今日はもう時間がない。明日は親父が居ないって答えておいてくれ」
「OK、明後日ね。それに明後日はパパいるけど、明日はいないもんね、それじゃあ、SMR610の見積もりは難しいかも」
雅子がネット注文のところを開いてみた情報を言って来たので、記入してきたクライアントとの日程の調整は雅子に任せていた。
次の日の朝早く、朝に河野さんが注文した8PCエンジンが到着したのでばらしと他にはコニタンの外板張替とエンジンスワップを進められるところまでやっていた。
その次の日の午後1時、ブハッブハッブハッブハッブハッブハッドリュドリュドリュドリュドリュドリュドリュというマニ割の排気音を左右の煙突マフラーから響かせながら、SMR610にウイングが仮装されたトラックがやって来た。
見るとレアなセミロングシャシーで、予想通りキャブが相当錆びにやられていて再生待ったなしのような状態だった。
「こんにちは、初めまして小野田と申します。この前のイベントで御社、丸松建設、矢代さんのバスが素晴らしいのでこのウイングも修理をお願いしたくて予約しました」
「初めまして。佐野自動車の佐野です、これは息子の悟瑠です。実際の作業は息子がやります。」
「悟瑠です。本日はご足労いただきどうもありがとうございます。見たところキャビンが相当錆ているので修理が必要そうですが他には何かありますか?」
「はい、キャビンの他は駆動系全部オーバーホールしてほしいんです。エンジンからミッションもデフもプロペラシャフトも結構傷んでて、特にプロペラシャフトはベアリングとジョイントがガタガタなんです」
「承知いたしました。見積もり作るので車を工場に入れますね」
僕らは工場内のリフトのあるところに、SMR610を入れてあちらこちらチェックしていた。
オーナーの言う通り、駆動系ではジョイントの部分がガタガタになっていて、すぐにも修理しないと破壊しそうなくらいだった。
ミッションはオーナー曰くはこれまた異音が激しくやばいと聞いていた。
「悟瑠、このペラのガタツキってやばくねえか?」
一緒に見ていた隆弘もあちこちひどく傷んでいるのを見て言う。
「ユニバーサルジョイントのころ軸受がガタガタじゃん。いつ壊れてもおかしくないよ。あ、ジョイントのベアリングのシールが破れてるよ。泥水入って減ってて結構ヤバいじゃん」
「それはまずいよ。走行中に壊れてペラが吹っ飛んで行ったなんて洒落にならない。ミッションも遊びがでかすぎだ。どうやらミッションのベアリングがやべえ。ステアリングもギヤがおかしな音出てる。ドラッグリングもガタガタ。ここまで自走できたのが奇跡だ。プロペラシャフトのセンターベアリングもグリスほとんど流れててないじゃん」
「そうだな。帰りは代車だな。これ以上走らせるのは整備工場として許せないよ」
僕と親父と隆弘は事務所に戻って小野田さんと話ししていた
「お車を見ました。プロペラシャフトのユニバーサルジョイントがもう限界超えていて、ここまで自走できたのが奇跡です。正直いっていつプロペラシャフトがバラバラになってもおかしくありません。センターベアリングもグリスが切れてて限界です、ステアリングギヤも異音がやばいです。これ以上走らせるのは整備工場として見過ごせません。代車を出すのでお使いください。バスですがよろしいですか?」
「はい、お借りできれば」
「では、うちでは錦くんと呼んでるバスはいかがですか?長さはSMR600よりも1mくらい短いです。それに同じメーカーですので」
「ありがとうございます」
これ以上の走行はプロペラシャフトの駆動系やステアリング系を傷めるだけなので、SMR610はそのまま預かって、代わりに錦くんを貸し出していた。
「悟瑠。ケーテン君のエンジンスワップは大丈夫か?」
「もちろん、いいことにミッションは6D14用がある、それに載せ替えれば強度計算は要らない。ペラは6DS7と部品が同じなんで問題ない」
「そうだな。ってことは何とかいけるか?」
「いけると思うよ」
「排ガスもか?」
「もちろんだこの当時、直噴はちょっと規制が緩い。NOxだけなんでまだ楽だ。どうしようもないなら燃料を触媒に吹いてNOx対策できる」
「それなら積みかえて試験やって公道復帰だな」
「うん、エンジンも乗るのがわかってるから目処ありだ。積替えたら全開試験に行くよ。念のため漏れが無いか?確認する」
方針を決めて、ケーテン君のエンジン載せ替え作業に入ろうとしたときに隆弘の親父さんがフォークで荷物を持って来た
「康晴、悟瑠、隆弘、隆文。なんか笠木さんからうちにエンジンが送られて来たぞ。佐野自動車の悟瑠様宛とか言って」
「隆義、ありがと。」
「あれ?え?これ?笠木さんからエンジン?」
「うん、何だろ。悟瑠。開けてみろ」
「ええと、発注書?6D10エンジンおくってくれ?ええとこれって6DS7エンジンじゃん。手紙?このパレットに6D10エンジン乗せておくってくれ、代金の一部で6DS7受け取ってだって?オーバーホールはしてないって」
「そう言うことか?何だって。どうして笠木さんが知ってるんだ?ケーテン君がエンジンブローしたの」
「ん?なんだって?えーと、野上さんが持ってたのを売りに来た、あー。はいはい、そう言うことか。野上さんがMK103H改の元移動事務所買ったのか。それで6D10エンジンが欲しいってことね」
「この6DS7エンジンは?なんか異様に新しいぞ」
「野上さんが前に持っていたトラックの予備エンジンだって。トラックを手放したんで使い道無いのとMK103H改の置き場作るからエンジンの置き場がなくなってトラックごとウッディパラソルに売り出したんだって」
「なるほど。それを笠木さんに頼んだんだね。でもなんで知ってるか気になる」
「もしかして、河野さんか?」
「あ、あり得る。そうか。僕がブローさせたのは知ってるかも。愛理沙ちゃんにケーテン君がエンジンブローさせたとか聞かれたんだっけ。この前来た時にエンジンを降ろしていたから」
「あ、それ、あたしかも。ケーテン君のエンジンブローしちゃったっておしゃべりしてた時にポロって言ったかも」
「それか。それじゃあなあ」
「さすがだよ。笠木さんは河野さんから聞いたんだろうけど、さりげなく送ってくれるとはにくいねえ。この6DS7はオーバーホールしてケーテン君に乗せよう。そのほうが楽だ。6D10エンジンはオーバーホールしてあるからそのまま送っちゃおう」
「そうね」
僕らは6D10エンジンを送り出すと送られてきた6DS7エンジンを分解して、8PCエンジンと同じように、クランクとコンロッドの強化品を作ってもらうべく3D計測してデータを作っていた。
この6DS7エンジンはいいことに産業機械、発電、揚水ポンプ等で結構遅くまで使われていたようで、補修用の部品がたんまりある、消耗品のゴム類、バルブ周り、メタル類の純正新品が出るので発注して組み立てる準備していた。
次の日、僕と隆弘、隆文でコニタンからエンジンを降ろしていると鈴木さんが来て
「工場長、SMR610はフレームには電子錆止めついてたので錆びはほとんどないようですけど、他は付いて無いのとキャビンと荷台は鉄板が防錆鋼板でないんで結構きてますね。外板は全とっかえですね。幸いにもキャビンと荷台の骨は大丈夫そうなんでいいんですが、駆動系とサスペンション系も限界です」
「予想通りですね。キャビン。荷台は全部骨を除いて作り直しですよね。駆動系のベアリング類とサスペンションのブッシュも全部打ち換えしないときついですよね」
「はい、ステアリングギヤも遊びを詰めまくってますが全然だめですよ。ギヤの内部のボールが減りまくっていてオーバーホールするかギヤ本体を交換するかです。良くここまでオリジナルがもっていたというべきでしょうね。ハブベアリングも全部交換がいいですよ。前輪はガタガタです」
「それならステアリングはギヤアッシーで交換しましょう、うちにオーバーホールしてあるギヤの在庫があるはずです。外したギヤはオーバーホールして次に備えましょう。ハブベアリングも交換ですね。フレームとかホーシングやリーフような鉄物は探査かけて亀裂ないか見ましょう。リーフ折れたらやばいですよね」
「はい、承知しました。フレームは検査した後に問題なければ一旦カチオン全部落として、その後に防錆メッキかけてそれからカチオン防錆乗り直しの方がいいですよね」
「はい、20年くらい錆が来ないようにお願い致します。SMR610のエンジンとミッション。デフは僕らがオーバーホールします」
鈴木さんたちにはキャビンの再生と足回りブッシュの打ち換え、センターベアリング、ハブベアリングの交換もお願いしていて、僕らはエンジン、ミッション、デフのオーバーホールしていた。
「悟瑠、SMR610はここまでオリジナルのままってすげえなあ。まさに未再生原形車ってこのことか」
「ああ、部品の寿命はほとんどが限界なんだな。デフもバックラッシュひどいし、ミッションもシンクロ効かないから入れるの大変じゃん。よく乗ってたなあって感じだよ」
「エンジンはどうする?」
「良いことなのか何ていうかなんだけど、河野さんのバス用にクランクとコンロッドを頼んであって、予備も兼ねて3台分作るからその残りの2台分から使う。ピストンとライナー、バルブ、メタル類、ガスケット類、ゴム部品はイミテーションでやるしかないだろ。減りまくってる」
「そうだな」
「必要部品はリストアップして発注しよう。8PCのオーバーホールした時の情報あるから8PBも同じ内容の部品は頼んでおくよ。河野さんのと同じシリーズのエンジンのボア違いなら楽だ。6DS7エンジンの強化クランクとコンロッドの発注も終わってるから」
「6DS7エンジンは3500rpm迄回してもOKにするんだろ」
「勿論だ。誤って回すのが一番エンジンを傷める。古いエンジンだからいつ逝ってもおかしくないと思うよ。それなら先読みして強化品入れたほうが後が楽だよ」
「そうだよなあ」
その日の仕事の8PBエンジンの分解と各部の洗浄、検査を終えて帰る準備しているとドリュドリュドリュドリュドリュドリュとV8のエンジンを聞こえ、それが止まると百合ちゃんと愛理沙ちゃんがパイ君とフライヤーちゃんでやって来た
「ねえ、雅子。なんかさあ、あたしたちにドリフトの初心者向けの講師やってくれて来てるけど、雅子にきてる?」
「うん、来てる。やるしかないんじゃない。講師でしょ。良くみたら、女子向けだって。来週の日曜でしょ」
「そう言うことね。女子でドリフトやりたいって娘はカートとかやってると思うけどね。それならド初心者ってことじゃないから意外と大丈夫かも」
「うん、あたしもそう思う。紫陽花はどう思うの?」
百合ちゃんが聞いていた
「うーん、そうかもしれません。男子よりもモチベーションは高いと思います。何が何でもやりたいって思う人じゃないとやらないですよ。邪魔が多いですから」
「だよね。それなら教えがいあるかも」
「受けようよ、これ、ボランティアだけどね」
「そうね。あたしたちの恩返しね」
「先輩達、場所はどこですか?」
「うん?あたしたちのコース。この前ドリフトの大会あったところよ」
「あ、あの。あたし見てみたいです。あたしも自分の練習車で行きます。できればあたしも講習受けれたらいいです。悔しいですけど。こんなのあるの知らなかったんです」
「そうね。あたしたちも講師のオファーが来るまで知らなかった。コースの貸し出し依頼も急だったし。紫陽花が走れるかはオフィシャルに聞かないとあたしたちの一存じゃ無理よ」
「はい、わかってますが。行くだけ行きます」
「あ、その日はお兄ちゃんに子供たち見てもらお」
「7代目、あたしがお子様たちを見ます。育児の練習もしたいんです」
「え?ってことはカレシいるの?」
「いないです。でも子供が大好きです。保育園もいいかなって思ってました。うちのビルにも保育園が入っててお泊り保育するときに結構騒ぐ声が聞こえてくるの。それが可愛いのよ」
「紫陽花はこれだよ。そうか、紫陽花のママって保育士だったよね」
「はい、ママも子供大好きです、ママはあたしを産んだの20歳です。早く自分の子供欲しいって言ってました」
「そうか、それなら。来週の日曜日は3人でOKの返事しようね」
「はい。ところで、悟瑠さん。ドリ車のメンテお願いします。脚回りに狂いがないか見て欲しいです」
「あ、そうそう。隆弘。あたしもドリ車メンテお願い。お兄ちゃんもあんまりメンテしてなかったとか言ってた」
「OK、当日は積載車に乗せればいいのか。雅子が乗るのはメンテ済だ」
「じゃあ、明日練習していいかな?百合リン。コースは明日は予定ないよね」
「うん、ターマックはないよ。でも、オフロードはダムの底攫いの準備で練習に使ってる。どろんこからの脱出方法。明日、あたしはどろんこコースの講師なのよ」
「百合先輩、あたしもいいですか?もっとドリフトを練習したいんです」
「うん、紫陽花。いいわよ。雅子もいるから大丈夫でしょ」
「うん、お兄ちゃん。クレーン付きレッカーで待機よろしくね。でもクレーン中型レッカーの方がいいか?ドリ車は車高低いし」
「そうだね。悪いけど雅子は明日は積載車の運転よろしく」
「はいよ」
次の日曜日、僕と雅子、百合ちゃん、愛理沙ちゃん、紫陽花ちゃん、隆弘は3人の女子が経営するコースに来ていた。
積載車を運転してきたのは雅子、隆弘はラッシー君、僕は|クレーン中型レッカーを乗って来ていた。
3台のドリ車を降ろし終わって準備していると、モーグルコースの練習の準備が終わった百合ちゃんが自分のパイ君で駐車場に来た
「百合リン、ドリフトの練習するんでしょ。そういえば今日はモーグルの講師もだよね」
「うん、今日はお兄ちゃんもモーグルコースの講師やるの。昨日もモーグルの練習してたんだよ、自分のゼットワンで。あたしのパイ君よりも非力でミッションのギヤ比が低いから逆にモーグルはやりやすいとか言ってるよ。隆弘にも来てもらって補助お願いしたの。救援とか。訓練車は鉄子ちゃんにしたの。軽いからスタックしても救援楽だし。午前中はお兄ちゃんが講師で午後はあたしが講師」
「譲さんもやるねえ。それにオフロードなら隆弘がいれば100人力だ」
「でしょでしょ。それなんで2時間はドリフト練習しても大丈夫。ママも来るって。新人君連れててつしくんで来るの。」
「もしかしててつしくんでモーグル走るの?」
「雅子。何言ってるのよ。無理よ。後ろが閊えちゃう。サナちゃんなら車高元から高いから大丈夫って聞いたよ」
「だよね。今日はママが来るってことは?あれ?てつしくんとタフさんじゃん」
コースの駐車場にてつしくんとタフさんが入ってきた。
「もしかして、ママもモーグルの練習するのかな?」
てつしくんはそのままモーグルの方に行ったが、タフさんはターマックに来て、車から降りてきたうちの母親が
「雅子、時間あったらあたしにもドリ車乗せてよ。オフロードの練習終わったら来るから」
「え?ママ。あ、そうかあ。ドリフトやってたんだよね」
「うん、久しぶりに走るのも良いかなって」
「んもう、ママまで走るって。ところでサナちゃんはどうしたの?」
「25年ぶりかしらね。雅子が生まれてからはドリ車売っちゃったからね。サナちゃんはパパが今、色塗りしてるの1960年代の京〇電鉄カラーにしてるの。サナちゃんが生まれた頃の色に塗ってって良いでしょ」
「はああああ、ママったら」
「そう言えはそうだよねえ、僕が幼稚園の頃真っ赤なS13乗ってたよなあ。雅子が生まれた直後に無くなってどうしたのかと思ってた」
「そうね、懐かしいなあ。あの車はCA18ターボをKA24に積みかえてターボにしたジャジャ馬も良いところ。SRにしたかったけどあのころまだVVLが出回ってないからロッカーアームが折れて困ったちゃんだったの。それでパパに言ったら横置きのKA24見つけてくれてそれを縦置きにして乗っけたのよね」
「はああ、お兄ちゃんと同じ?」
「悟瑠よりも改造マニアというかエンジンスワップ大好きだったわねえ。NAは非力なんでターボ組んで400psだったかなあ」
「はいはい、この車は600ps出てるからね。乗る時気をつけてよ」
「うん、楽しみね。また後で。今からタフさんでオフロード練習してくるから」
「はいはい」
「そうか、お袋はサナちゃんを買ったのってガレ場みたいなところにある車の査定に行く時の為だもんね。それならオフロードの練習しないとね」
「そうだよねえ。ママはオフロードはあんまり走ってないとか言ってたから練習ね」
その後は雅子と、愛理沙ちゃん、百合ちゃんの3人は3台並んでのドリフトや先頭の走りに合わせてたドリフトを練習しながら確認していた。
午後からは雅子がうちの母親の相手、愛理沙ちゃんは紫陽花ちゃんに教えていた。
紫陽花ちゃんがドリフトを習っている間は譲さんが愛理沙ちゃんの上の子どもの面倒を見たいたのだった。
アジトで3台のドリ車を積載車から降ろしながら雅子と喋っていた。
「さすがママね。25年位走って無いって言っても感覚が覚えてるのね」
「そうだったね。ブランクあるとは到底思えない走りだったね」
「お兄ちゃんのセッティング乗りやすいって。若い頃ショップでっていうかパパの工場でやっていたのよりも遥かに挙動がわかりやすいんだって」
「そうか、それは良かった」
次の月曜日からは工場に溜まっている車をすべて修理完了させるべく奔走していた。
工場内にはカンカンカンカンカン、ドン、ガッシャーンという鉄板を加工する音、ジジジジジッという溶接の音、ヒュオーン、ギギギギギという溶接後を鳴らす音、ブシュウウウと塗料を吹き付ける音が木霊し戦場のようになっていた。
怒涛の平日を過ごした僕らはなんとかケーテン君のエンジン換装を終えて漏れ確認と念の為のラジエター洗浄をやって代車復帰させた。
親父のコニタンも外反張替えが終わって後は色塗りを残すまでに仕上げ、河野さんの路線バスのエンジン換装に取り掛かっていた。
小野田さんのSMR610は重症で。キャビンの骨格の一部も錆にやられていたので新たに錆びてない反対側を参考に作り直していたし、荷台も痛みで骨格の一部迄錆にやられていたので骨格の一部の作成も必要だった分作業に遅れがでていたのだ。
週末の日曜日、僕は雅子たちに付き合って積載車で3台のドリ車を会場のコースに運んでいた。
雅子はクレーン中型レッカーを運転してきてコースアウトしてしまった車の対応ができるようにしていた。
「お兄ちゃんありがと。今日一日だけどよろしくね」
「はいよ」
ドリフト講師になっていた3人;雅子、愛理沙ちゃん、百合ちゃん達は依頼者の手順に従ってまず最初に自分のドリ車でお手本を見せてから各人の車で同じ様に走らせて教えていた。
集まった12台は紫陽花ちゃんを除いて他はまさに初心者で、旋回からドリフトに持ち込める娘がほとんどいなかったので、駐車場を使って円旋回からドリフトに持ち込んで右旋回、左旋回で一周ドリフトする練習からだった
「雅子、愛理沙ちゃん、百合ちゃんおつかれ」
「ふうう、みんなやる気は凄いよ、飛び込み参加とは言っても紫陽花が一番上手いね。センス良いよ。」
「うん、先輩の言う通りですよ。頭2つくらい紫陽花が上行ってます。慢心しないで練習したら競技でも良いところ行きますよ。とにかくスピンを怖がら無いです」
「そうね、愛理沙の言う通り、今日来た全員がスピン怖がら無くなっただけでも教え甲斐あったかも」
「良かったね」
僕らは車とコースを片付けていた。練習では2台がクラッシュしてしまって、クラッシュした車はうちの積載車に乗せてアジトで修理することにしてしていた
月曜日は路線バスのエンジン換装とコニタンの塗装を終え、ナンバーも付いてコニタンの公道復帰が出来た。
帰り際、
「親父、明日コニタンの全開試験に行く、来るか?それなら2軸総輪駆動レッカーで後ろから着いて来て黒煙見て欲しいんだよ。ついでに笠木さんのところから加藤運輸のトラクターに使うミッション引き取るから」
「おう、行くよ。おれも先輩のところに用がある。というか大型3軸の積載車があるのと、同じく大型の低床4軸ウイング、大型2軸のレッカー車ある。大型2軸のレッカーはこの前に悟瑠がエンジンいじった車だよ。全部V8らしいな」
「親父、どういうこと?積載車?ウイング?レッカー?買うのか?」
「そうだ。このところうちの積載車と積載トレーラーがフルに稼働してて、日曜日はTSカーのレースやドリフト大会のエントリーでも使ってるだろ。増車するよ」
「そうだな」
「それから、商品車の買付の輸送は加藤運輸に一部委託するから。知っての通り、このところ遠距離の買い付けや納車が増えてるだろ。そのための車の調達も兼ねてだな。全部委託だと小回り効かなくなるからうちでも修理の引取、納車に使えるし、レッカー車は今うちで持ってるのは笠木先輩のところに渡す。先輩は大型のレッカー車を持ってるんだが大きすぎて使いづらいってことで交換だな。この前に悟瑠が直した奴だよ。先輩の笠木工房は不動の車を直すのはいいところ中型までだ。大型の不動になったのはうちに頼むとか言ってるよ」
「そうか、加藤運輸へは積載車を専用としてリースにするってことか」
「そう言う事だ。トレーラータイプもな。ウイング積載買うのも同じことだ。旧車を輸送する時に必要だろ。露天禁止車両とかあるし、大体が部品も一緒に運ぶんだし。先輩のところでも重宝してるとか言ってるぞ」
「そうだな」
「悟瑠。全開試験は明日行くんだろ、ウッディパラソルには連絡しておくから」
「わかったよ。親父はコニタンの運転頼む、それなら僕は2軸総輪駆動レッカーでいくから、いつものコンビニで待ち合わせ」
「はいよ。NAとは言えど、サナちゃんよりは軽いから楽しみだな。タフさんより遅いのは愛嬌だな。」
親父の顔が新しいおもちゃを買ってもらった子どもの様になっていた。
「親父、ってことは2台の大型の修理というか改造するのか?」
「まあな、積載車は加藤運輸へのリース専用にするから3軸積載車はその補充だな」
「ふうう、仕事が増えたかあ」
「3台も必要応じて加藤運輸への貸し出しするからな」
「はいよ」
やっとコニタンが公道復帰?
家業の繁盛はいいことだけど
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