第百八話 GTカー初戦開幕とまたまたレストア依頼が来て
GTカーが始まってでも本業に忙しさが増す僕ら
主な登場人物紹介
ヒロイン 佐野 雅子 26歳 166cm
4月生まれ 峠のバトラー⇒TSカップレーサー⇒GTレースへ挑戦中
家業の佐野自動車販売の中古車販売店副店長兼整備工場の副工場長、整備の受注、部品調達担当の副社長 販売部部長 前職はスーパーの経理兼販売促進課
所有免許、資格;大型2種、牽引運転免許、2級整備士、危険物乙4、玉掛、ガス溶接、救急救命士、巻き上げ機、簿記2級、税理士、会計士、テルミット溶接、クレーンオペレーター、X線技師
レース以外の趣味:
オフロード走行:大型の2軸、3軸総輪駆動のエンジン、サスペンションをいじって自分好みした。
パソコン:プログラム組むのも好きでシステムを自力で組める
僕 佐野 悟瑠 29歳
雅子の兄 3月生まれ 妹の雅子より4学年上 家業の佐野自動車販売に就職して6年目、整備工場の工場長 整備工場総括の副社長。
所有免許、資格 2級整備士、MIG溶接機、レーザー溶接機、ガス溶接、玉掛、大型2種、けん引免許、巻き上げ機、危険物乙4、テルミット溶接、クレーンオペレーター、X線技師
カーキチ、スペックオタク、エンジンスワップ大好き。エンジン加工名手 オフローダー
佐野 愛理沙 25歳 旧姓:小笠原 悟瑠の妻になった (第百話参照) 168cm
かつて雅子がいたスーパーマーケットの販売部移動販売課係長
実は創業者の孫でもある(第三十七話参照) 雅子と同じ高校の一つ後輩。スーパーマーケットの主要取引先の小笠原食肉のお嬢さん。 元レディスの7代目総長 2児のシングルマザーだった(第三十六話参照)抜群の運転センス
所有免許、資格 簿記2級 大型2種免許、牽引。危険物乙4、ガス溶接、巻き上げ機、玉掛、アーク溶接、火薬類取扱保安責任者(乙種)、レーザー溶接
TSカーレーサー⇒GTカーレーサー 雅子と組んでクラス優勝を狙う
実は空手で中学の時に全国大会に行った猛者。子供は上の子が哲也、下の子が愛美
佐野 康晴 57歳
僕の父親 佐野自動車販売の社長、総括責任者。
趣味人 マニ割、エギマニ作りの達人 元整備工で板金も得意。
佐野 康子 55歳
僕の母親 佐野自動車販売 副社長 佐野自動車販売店店長、営業、仕入れ担当
加藤 隆弘 29歳
僕(悟瑠)の同級生で親友。佐野自動車の副工場長、整備工場の専務取締役
専学卒業後家業の内燃機整備工場に就職、佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。悟瑠の幼馴染。2月生まれ。
エンジン加工名手、エンジンスワップ大好き 実は弟の隆文が一目置く運転センスの持ち主
所有免許、資格 大型免許、牽引免許、玉掛、ガス溶接、アーク溶接、レーザー溶接、危険物乙4、巻き上げ機、電検2種、テルミット クレーンオペレーター X線技師
趣味:レースカーづくり オフローダー 生エンジン好き
加藤 百合 26歳 旧姓 松尾 隆弘の妻になった (第百話参照) 162cm
雅子の親友、丸松建設のお嬢さん。雅子と同じ高校卒業して同じスーパーに入って家業に転職。
松尾建設運輸担当副社長。普段はおっとりだがスイッチが入ると途端にせっかちとブチ切れになる
5月生まれ TSカーレーサー、GTカーレーサー TSカーカップではトータルで2勝あげ、シーズン3位
旧車好きで父親譲りの速い車好き。オフローダー
所有免許、資格 大型免許、牽引免許、玉掛、クレーンオペレーター、巻き上げ機、ガス溶接、テルミット、アーク溶接、レーザー溶接、危険物乙4、電検2種、火薬類取扱保安責任者(甲種)
加藤 隆文 26歳
整備部長 隆弘の弟。雅子より一学年上だが、3月生まれで実はほとんど同い年。工業高校から家業へ就職。佐野自動車販売に事業譲渡でそのまま異動。板金と排気系を作るのが得意
所有免許、資格 大型免許、牽引免許、玉掛、ガス溶接、アーク溶接、レーザー溶接、危険物乙4、テルミット溶接、巻き上げ機、電検技師
趣味:TSカーレース、GTカーレース、オフロード走行 生エンジン好き
加藤 舞由良 26歳 旧姓:馬橋 隆文の妻になった (第百話参照)165cm
雅子と同じ高校の同級生、レディスの6代目総長。運転大好き
加藤運輸に個人の事務所から転職して車両回送ドライバー
所有免許、資格 大型免許 牽引免許 商業簿記2級 危険物乙4
子供はみゆき
加藤 隆義 57歳 配偶者 鈴江 55歳
加藤運輸社長 佐野 康晴の同級生の親友
かつては運輸業、リース業に忙しく趣味の旧車はやめていたが、今は余裕がでて旧車趣味が復活
かつて運営していたエンジン整備部門は、同じ敷地内にある佐野自動車販売に従業員ごと譲渡して運輸専門にした
松尾 譲 28歳
百合ちゃんの兄 、丸松建設の建設系担当副社長。マニ割マニア 実はオリジナル主義、生エンジン好きで速さにはこだわらない ドリフト競技に参戦中、TSカーカップにも挑戦中
所有免許、資格 大型免許、クレーンオペレーター、玉掛、巻き上げ機、ガス溶接、アーク溶接、テルミット、レーザー溶接、危険物乙4、電検2種、火薬類取扱保安責任者(甲種)
松尾 隆 57歳
丸松建設の社長 百合ちゃんの父親 速い車大好き 古いものを大事にする
悟瑠の父親の同級生
松尾 友香 55歳
百合ちゃんの母親、丸松建設資材調達兼外注先調整担当副社長
旧車大好き、かつオリジナル主義
小笠原 哲史 28歳
愛理沙の兄。別の会社に勤めていたが家業に転職、製油担当副社長
旧車好きで母親譲りのオリジナル主義だが必要に応じて改造する
所有免許、資格 大型免許、危険物乙4
ドリフト競技参戦中、TSカーカップ挑戦する 愛理沙の元旦那とは親友で同級生(第三十六話参照)
長野 暁 31歳。
スーパーマーケットの販売部移動販売課 課長代理。
かつては首都圏のバス会社に居たが欲しいバスが排ガスの関係で住んでいた地域で登録できなくて雅子がいたスーパーに転職。今は愛理沙ちゃんの上司短尺バス好き
所有免許、資格 大型2種免許、牽引免許、危険物乙4 簿記3級
狩野と一緒に走り屋チームの運営していた
狩野 守 31歳
丸松建設の業務課課長 運送会社にいたが首都圏の事業縮小で地方に転勤になった。偶然募集していた松尾建設に転職
所有免許、資格 大型2種免許、牽引免許、玉掛、巻き上げ機、ガス溶接、アーク溶接、危険物乙4、電検2種、テルミット、レーザー溶接、クレーンオペレーター、火薬類取扱保安責任者(乙種)
長野と一緒に走り屋チームの運営していた
河野 優花 23歳 160cm
スーパーマーケットの業務課から移動販売課に異動。大型免許取得して移動販売車で販売する
所有免許、資格 大型2種免許 簿記3級
綿貫 洋平 38歳
スーパーの販売部 移動販売課 課長
大型免許取ったらバスに嵌って自分でも買ってしまった。大型2種も持っていて見学者用のバスを運転する
所有免許、資格 大型2種 商業簿記2級
橋爪 正治 62歳
かつて雅子が務めていたスーパーの社長
雅子や百合、愛理沙に刺激されバス好き、旧車好きが復活
見学者の送迎の為のバスとしてボンネットバスそろえてしまった スーパーマーケットの広告も兼ねている
笠木 徹治 31歳
ウッディパラソルの経営者:悟瑠の父親の先輩(笠木 達也)が経営していたが代替わりした2代目
大型車主体の中古車屋 お店が暇なときは敷地内の笠木工房で作業
笠木 達也 61歳
笠木工房の共同運営者、ウッディパラソルの初代経営者 かつては悟瑠の父親、隆弘の父親と同じ大型車のディーラーにいたが、結婚を機に独立してウッディパラソルと笠木工房立ち上げ、奥さんの地元に移動
お店が暇なら奥さんの実家の農業をやる
植木 桂 61歳
笠木 達也の奥さんの兄
同じく笠木工房の共同運営者 40歳で大型車のディーラー勤めを辞めたのち実家の農業をしながら笠木工房に合流して共同で運営する
矢代 圭一、伸一親子
松尾建設のビル内装工事委託先の経営者
大型ボンネットバスが好きという親子で趣味人
五式 紫陽花 19歳 168cm
愛理沙のいたレディスの13代目総長 小5から一つ上の兄とともにカートで走っている。
空手部だったが顧問の意地悪で干されたが、顧問の弱みを見つけて追放。
段位はあえて取って無いが実力は3段以上と言われる猛者。
佐野自動車販売に就職した 五式不動産のお嬢さん
所有免許、資格 準中免許 商業簿記2級 危険物 自動車整備
石川 由香里 20歳 167cm
個人の販売店から丸松建設に転職
雅子と百合ちゃんと同じ高校でレディスの12代目総長
高校では古武道部の主将もやっていた猛者、愛理沙のアドバイスで段位を取っていないが実力は3段以上といわれている
所有免許、資格 大型免許 商業簿記2級 危険物乙4
高橋 六星 19歳 170cm
五式 紫陽花の同級生 新卒で入ってきた
販売が好調で人が不足して佐野自動車に新規採用
所有免許、資格 準中免許 商業簿記2級 危険物
高橋 愛実 24歳 170cm
高橋 六星の姉 加藤運輸に転職
加藤運輸ではドライバーが不足して舞由良のつてで小規模運送会社から転職
所有免許、資格 大型免許 牽引免許 商業簿記2級 危険物乙4
山口 奈津子 22歳
個人事務所から雅子がいたスーパーマーケットに転職
元レディース総長 11代目 身長176cmと大柄
高尾 元康
高尾製油所の5代目社長
細々と菜種油やオリーブオイル生産やっていたが小笠原精肉と提携してオーガニックオイル製造に転向して事業拡大
河野 優花の叔父さんでもある 優香の母親の弟
GTカーの準備を終えて月曜日にお店に出勤すると駐車場に古くあちこちさび付いた移動販売車がおいてあった、僕はこれも再生かと親父に聞いていた
「親父、これ何だよ?移動販売車?BXD30Eにちゃあ長いよなあ」
「ああ、そのとおり。実は丸松建設で解体と建て直しを請け負った元整備工場にあった。かつての社長が0から作ったらしい。移動販売していたお店が廃車にするというので引き上げたんだけど直せず引退。そのお孫さんが直してほしいってうちに頼んで来た、もう1台あるんだと。もうすぐ隆が運んでくる。そろそろ着くかな?」
「こんなの初めて見た。」
「あたしも初めて見た。レイ君《BXD30E改》とはボディメーカー違うよね」
「ああ、川崎らしい。もう1台あってBF40とか言っていたな。今来たのはコレはBXD40E改と車検証に有ったな。鈴木さんたちが元居た整備工場を再開したいとか言ってて、1階と2階が整備工場、3階から上はマンションにして整備工場は自体縮小するけど再開したいらしい。旧車専門らしいよ。このBXD40Eはどうやらゼロから作ったらしいから直すんだと。どうしても設備の関係でできないからうちに依頼が来た。工場再開するけど、家族だけで細々だから大型はやらない方針らしい」
「ふーん。カタログにはそんな型式にはなかったぞ、キャブオーバーはBXD30EまでとBF30はあったけど」
「カタログには無いだろ、特殊車両専用だからな、何かやってるのかもな。改造車ってことは確かだよ」
「マジかあ?」
そう言っている親父に僕は隆さんが一体どんな車を持ってくるか戦々恐々だった。
「親父、このBXD40Eってもしかして幻のBXD40のキャブオーバーってことか?」
「だろうね。メーカーの資料にはBXD40ってあってホイールベースが4.8ってのがあるらしい。輸出仕様に有ったとか。国内じゃあ売ってないから幻のバス、しかもキャブオーバーだよ」
「ふーん。そうかあ」
「道理で30の次はは50で4.3メートルから5.2で中間がないのかな?中間の40ってないのかって思っていたんだよ」
「そうだよなあ」
親父としゃべっていると鈴木さんたちが出勤してきて
「え?これ?社長これどうするんですか?」
「鈴木さんも知ってるだろ。丸松建設で工場をを建て直してマンションにするみたいで。それで工事の間にこのバスの修理を頼まれたんですよ。もう一台あるとか」
「ええ、なあ、渡辺、田口、これって前に居た工場の社長と佐藤先輩が修理していたよなあ」
「ああ、鈴木、これって特注のロングバージョンだろ」
「そうそう、輸出仕様の40仕様」
「まさかねえ、商売だから不吉でやめたか?」
「わからんけどな。もう一台有ったよなあ」
「有ったよ。BF40って呼んでたような気がするなあ。今はあちこちに店舗構えているよなあ。そうそうあの頃はちっちゃい店舗だけだったな」
「そうそう、悟瑠さん。もう一台のBF40はあの頃にしては珍しく冷蔵庫を積んでたんですよ。振動で冷蔵庫がよく壊れるんでやむなく冷蔵庫を辞めたみたいですよ。あの頃は僕の親がその整備工場に勤めててエアサスにしようとしたけどお金がかかりすぎてダメになったとか。それで小笠原精肉の肉を売りづらくなってやむなくお店をメインにしたんだよ」
「そうそう、俺の親も同じこと言ってたよ」
「え?もしかしてスーパーマーケットってあの?雅子が居た?」
「そう。もとは卸のお店と肉の小笠原っていう2つとも別々の店だった。卸店はあちこちに肉をおろしていたし、肉屋に来るお客さんからは野菜もって言われて両方で融通しあって肉屋で肉と野菜扱う様になった。両方とも店を広くして食品販売店を開いて、魚もと欲しいか車を止める場所がいるっていうことに対応したんだよ。会社の名前を変えて移転してくっついて本角的なスーパーマーケットチェーンになってって感じかな?一号店が開店したころは車が少ないから移動販売車は結構有ったんだよ。今は高齢化と核家族化で車が使えなくなってるのにバス路線が廃止になって買い物難民が増えて移動販売増えてるみたいだな。俺の親父の受け売りだ」
「ああ、そうですね。先代だったかな?社長が言ってましたね」
「移動販売車って、雅子が企画して引き継いだ百合ちゃんが企画書を通してやってるんだよな」
「あはは、ソーラーつけて通信邪魔しちゃったやつね。(第二十話参照)この販売車ならスーパーマーケットの社長が売ってくれって言いそうね。それに元の通り直してくれとも」
「雅子の言うとおりだな」
と言っているとドリュドリュドリュドリュドリュヒューオーン、プッシューという音が聞こえ、年式のわりにはきれいになっている件の移動販売車を積んだ重機用船底を引っ張って船底2軸トラクターに乗った隆さんと百合ちゃんがやってきた
「雅子、おはー。この販売車もよろしくね。オーナーは買う人いたら売るからって言ってた。書類事渡せるから公道復帰は出来るからって言ってた」
「百合リン、このBF40ってあたしたちがいたスーパーマーケットの発祥の車だって」
「ええええ?そうなの?全部消されててわかんなかった」
「そうよ、あたしも聞いてびっくりよ。こっちのBXD40Eは別のお店の移動販売車らしいけど。百合リンのところで整備工場をマンションにする工事請け負ったんでしょ。元々車の整備を依頼していたところの」
「そう、いいことに土地は商業地になってるから5階建もいけるの。下の2階を整備工場と1Fの一部を貸店舗にして3階から上を賃貸にマンションにするの。貸店舗の上にその整備工場の家族が住むんだって」
「すごいじゃん」
「もともと大型車を扱っていたから工場の敷地が広いのと駐車場も広いから。工場のところの駐車場には全面に屋根つけてソーラーパネル作るんだって。工場の電源とマンションの共有部分の電気を賄うとか」
「なるほどな、屋根があれば塗ったばかりのお客さんの車をおいておけるなあ」
「なるほど考えたもんだ」
「でしょ。単に屋根だと税金高いからソーラーつけるんだって。補助金出るみたいね」
「屋根というよりもシステムを乗せる台ってことね」
「そう、屋根じゃないっていいきっちゃうんだって。隙間ふさぐのは下が通路になってるからメンテの時に工具を落下させても通路の人に怪我しないようにって言うの。通路の上だけって言われたら工具が飛ぶこともあるから全面ふさぐって」
「そうだな。物は言いようだな。けが防止ってことな」
「あ、ヤバ。またしゃべっちゃった。降ろすのでこの車委託販売お願いしますだって。依頼書飛ばしたって」
「はいよ」
僕らは運ばれてきた移動販売車をおろしていた。
「うーん、古いけどいい状態じゃん」
「うん、直して販売してくれればいいって」
「百合、まずはスーパーマーケットの社長に声かけるよ。だめなら愛理沙の実家」
「そうね」
「百合リン、売れたら連絡するよ。スーパーマーケットが買ったら冷蔵庫は耐震にしてエアクッション入れて、サスも総輪エアにしてくれでしょ。エンジンは6QA1かな?」
「そういってくるんじゃない?このエンジン旧いから直して止まらないようにしてくれって」
「直した販売車に愛理沙が乗ってたら、笑っちゃうけどね」
「そうだよね。」
「多分使い道はイベント用でしょ。クラッシックな外観の移動販売車。メキシカン販売車は毎週日曜日のイベントで出ずっぱりだって聞いてるからね」
「そうね。愛理沙も言ってるよね」
「でしょ、日曜に各店舗でイベントやるなら本社から走らせるってことでしょ」
「そうよね。あ、ヤバ帰らなきゃ。じゃあ、雅子、よろしくね。注文書うちに来ちゃったよ。雅子に送るよう言っておくね」
「あーあ。よろしく」
百合ちゃんが重機用船底を船底2軸トラクターで引っ張って帰って行った
「お兄ちゃん、早速スーパーマーケットの社長に連絡するね。もしかすると直ぐに見に来るかもね」
「そうだね。書類確認しよう」
雅子がスーパーマーケットの社長に連絡すると予想通り"直ぐいく"と連絡があった。
僕と雅子は書類に間違いないか確認すると、この販売車の形式はTD70E改と書いてあって、BF40と呼んでいたのはこの販売車にするべくバスをメーカーに頼んだ時にBD系のキャブオーバーバスが発売されていなくてもう一台のBXD40Eに倣ってBF40と呼んでいたらしい。
小1時間もしないうちにグロウグロウグロウというDAエンジン独特の音が聞こえてきてみるとかなさんが長野さんの運転で入ってきていた。
降りてきたのは社長の橋爪さんと綿貫さん、長野さん、奈津子ちゃんだった。
「佐野さん、連絡ありがとうございます。これこれ、間違いない。小さいころ見てた。実はこの販売車探してたんですよ。僕が小学校低学年の時にもう売ってしまったんですよ。当時の資料みても売却としか書いて無くてどこに売ったのやらわからずでした。そんなこと知ってる人は社内にいませんからね。型式はわかっていたんですけどね」
スーパーマーケットの社長は持ってきた古い社内報の画像と目の前のバスを見比べ、車検証を見て言っている
「橋爪さん。あたしも今日知ったんですよ。すぐに連絡しました。現状販売でこの通り書類はあるということでフレームの打刻と比べて確認した結果、間違いなくこの車でした」
「公道復帰可能ってことですね」
「はい、そうなります」
「綿貫さん、長野さん。これってイベント用にどうですか?私個人で買ってもいいけど」
「社長は何を言ってるんですか?いいと思いますよ。これもリースですか」
「これはうちの所有にする、いいやリースだな。この車がなくなるのは非常に困る。うちの発祥の車だ。親も要らなくなったから売ったとか言うだけでどこって聞いてなかったみたいで」
「仕方ないですよね。メンテを頼んでいた工場でずっと保管してたんですよ。直そうというか改造しようと思っていたんでしょうけど他の仕事が忙しくてそのままになったらしいです」
親父が橋爪さんに言うと
「そうか、その工場ももうやめたと聞いて、工場の家族にも聞いたんだけどわかんなかったからあきらめていたんだ」
「仕方ないですね。橋爪さんが聞いた時は工場の先代社長が引退を記念して海外に旅行行ってたみたいですから。しかもスーパーマーケットから買った方は色を全部塗りかえしたんですよ。それじゃあ残った家族ではわからなかったんでしょうね。」
「それは仕方ない。佐野さん、やって欲しいことは今の移動販売車と同じです。注文書送ります。山口さん、注文者作成お願いします。この車の購入のことはもう稟議は通っている。発注書は綿貫さんの承認で送ってください、長野さん注文書のフォローお願いします。」
「はい、社長」
スーパーマーケットの社長たちが帰って行った
「スーパーマーケットの社長たちの聞き方も悪かったのかもしれませんね。先々代の社長は買ったときに約束で移動販売車ということは秘密だったんですよ。冷蔵庫とか車内装備をライバルに知られないようにしていたんです。それなんで家族にもこのTD70E改は移動販売車って言ってないんでしょうね。僕らも特殊用途の車両って言ってましたし、冷蔵庫や陳列棚は降ろしてあってがらんどうになってましたよ。そうそう。外部にいうときはBF40ですよ。TD70E改って言ったら分かるんで」
「それは仕方ないな。なるほどスーパーマーケットのことは知ってますもんね」
「そうだね。雅子、隆弘。やりたい事はわかったから部品の在庫確認しておくか」
「そうだね」
「それにしてもニレちゃんの再生がなかなか進まないなあ」
「TD70E改の再生が急ぎなら仕方ないと言ってもね、お兄ちゃんこのBXD40Eって丸ちゃんのデータつかえるんでしょ」
「そう、フロントはデータ取り直しだよ、レイ君とはメーカー違うから」
「データ取りやるしかないよね」
「ええとTD70E改は?」
「寸法ざっくり測るとレン君と同じだよ、このボディはレン君のデータつかえる、フレームは見ないとわかんない」
「フレームも同じだといいなあ。いってなきゃ一緒か」
「そうだな、後はBXD40Eのフレームがいってないこと祈るだな」
「そうだな。とはいってもフレームも調べた限りBXD30系のデータがつかえるよ。先にやるのはTD70E改か、発注来てからだけどな」
「そういえば価格聞かずに帰ったよね」
「たぶん、橋爪さんは金に糸目つけないってことでしょ」
「そうか、創業の車だもんな」
その週は先に直して欲しいと発注が来たTD70E改の錆の確認をやって、合間にニレちゃんの再生とエアサス化、ステアリングとクラッチ、ブレーキにエアアシスト追加、フィンガーシフト化をやっていた
週末、雅子達にとっては待ちに待ったGTカーの開幕だった、初戦はFサーキットで予選の土曜日から乗り込むべく僕らは水曜日から金曜日までは朝早くから仕事して夕方は早めに引き上げて雅子たちのコースで練習とアジトでの車の仕上げとメンテナンスに追われていた
迎えた土曜日、開幕戦の予選が始まった、今回エントリーに来ているのはレーサーの4人とスタッフとして僕、隆弘、譲さん、哲史さん、舞由良ちゃん、由香里ちゃん、六実ちゃん、村上君、小林君、石橋君、アルバイト君5人だった
エントリーに使っている車はルーシーちゃんと部品運びのミック君、GT積載車トラクターと低床エアサスウイングの3台だ
うちのGTカーたちは去年は参戦数が少なくてデータがなかったせいか?今年の性能調整ウエイトが無くトップを取るにはチャンスと言えばチャンスなのだ。
予選の結果はポールポジションとセカンドはやはり常連のセミワークスのベテラン勢が取って雅子は3番手、隆文が4番手だった
「さすがベテラン勢というかセミワークスは資金があるからかなあ?速いよね」
「そうだけどねえ。うちは隆弘の隆治おじさんの手削りポートだろ」
「そうそう、職人の勘にまだ勝ててないよね」
「そうかもね、お兄ちゃんの言う通り、パワーなら負けない。今回は悔しいけどインフィールドのギヤ比が思ったよりショートだった。曲がる方ばっかり見ててギヤ比を見てなかった」
「雅子、やっぱりそうか。僕もそう思っていたんだよ。ターマックコースで走ったときもちょっと短いって思ったけどここまで効くとはおもわなかったんだよなあ」
「やっぱり?あたしもそう思ったの。もうちょっと伸びが欲しいって」
「そうかあ、すまん。去年よりスピード乗るからもうちょっと高めに振ってもよかったよなあ」
「そうね」
「隆弘、あたしも気が付かなかったからごめんだわ」
「それは仕方ない、ライバルがいないし、しかもタイムをとってみると去年より早くなってるんだから問題なしって思うさ」
「あたしもです。自分の中で満足してました」
「愛理沙、仕方ないさ。相手もそんなに手の内を明かさないって。TSカーカップの時はこっちはアッパーデッキとライナーで他よりも出力高くてパワーで勝てたから。今はイコールパワーだから」
「そうだよね。お兄ちゃんの言う通り」
「俺も見逃してた。もっとタイムつまらないかっていうよりも曲がる方ばっかり見ちまった」
「仕方あるまい。安定度はうちの車の勝ちだ。それに最終コーナーからストレートエンドの伸びはうちの方がはるかにいいしブレーキの安定度もいい。チャンスがあるとすれば終盤のタイヤが垂れてきたところで相手の車の挙動がシビアになってブレーキングでスピンとかだな」
「そうね」
「燃料が減ったときに対策はしてるだろうけど、うちの車ストレートの速さに合わせて空力弄るとドツボに嵌るよ。インフィールドでもコーナリング速度はうちが勝ってる、負けているのはつなぎの区間だよ。ギヤ比が合わなくてシフトする分遅れる、あっちはそのまま行くからその分速い。高速コーナーからストレートはどっちもどっちだけど、4速と5速が300Rとストレートに合わせたのか?高めの分向こうが遅い、うちのは6速ふけ切ってブレーキまで50メートルくらい走るけどあっちは6速ふけ切ってないんじゃ?ちょっと遅いんだよ」
「なるほどね。それで伸びを重視してダウンフォース減らしたら高速と第一コーナーの突っ込みでスピンするかもしれないってことね」
「まさにその通り」
「悟瑠、さすが。セッティングはこのままでいくのね」
「もちろん」
「お兄ちゃんを信じるよ」
「俺も悟瑠の意見に賛成だ。ダウンフォース増やすとストレートで遅れる、ギヤ比の問題はあるけど他は今のままがいいだろう」
「雅子、愛理沙、百合ちゃん、隆文。データ取るから今日のを無駄にしないよ」
「わかった」
「よし、今日は撤収」
僕らは車を低床エアサスウイングにしまうと宿舎に行って休んでいた
次の日はややどんよりした天気で気温が思ったよりも上がらず予選の時よりも5度くらい低くてタイヤには優しい気温なのだ、その代わりパワーが出る方向なのでタイヤ選びもキーになりそうだった
"今年もまいりましたGT開幕戦です。本日の実況は松島、解説には槌谷さんにお越しいただきました。槌谷さん、今日は初戦で全員ノーハンデのレースですもんね。ほとんどイコールコンディションのレースのなりますね、見どころは後程伺うとして本日の車とドライバーの紹介を行ってまいります、500クラスは・・・・・"と車の紹介が始まり300クラスになってうちの車のところになっていた。
"ゼッケン485号車、チーム佐野ZN8です、ドライバーは佐野 雅子選手と佐野 愛理沙選手です。愛理沙選手は本年結婚して姓が変わりました。続いてゼッケン583号車は同じくチーム佐野のZN8、ドライバーは加藤 隆文選手と加藤 百合選手です。この百合選手も本年に結婚して姓が変わっています。ちなみに百合選手の旦那さんは隆文選手ではないことをお断りしておきます"
観客席からは"えええええ?"という声と最後の下りでどっと笑う声が聞こえてきた、愛理沙と百合ちゃんのファンには悪いなあと僕と隆弘は言っていたのだった。
「始まるぞ」
「無線の最終確認だ。No1感度いいか?」
『感度良好』
「No2感度OK?」
『はい、感度良好』
「No3は?」
『感度良好』
「隆文は?」
『OK、ばっちり』
無線の最終チェックが終わってエンジンを始動して各ドライバーのコンセントレーションを高める時間が過ぎてシグナルが黄色に変わってフォーメーションラップのスタートだった
"初戦の火ぶたがもう間もなく着られようとしております、今回の見どころは?"
"500クラスは昨年度辛いレースになってしまったN勢がどこまで盛り返すかと好調に進めてきたH勢が性能調整が入ってどうなるかですね"
"そうですね、昨年度あまりにも早かった車種には性能調整用のウエイトが入りますからね"
"その調整がどこまで効くかですね。次戦からは上位に入るとハンディウエイトが乗りますのでまた戦い方が変わりますからね"
"各車の性能をイコールにして特定のチームが勝ち続けることが起こりにくいようにしてますもんね"
"そう、500クラスはパワーがあるのでいいんですけど。300クラスはハンデあると結構きついですよ"
"それはありますね。シグナルが青に変わっていま、スタートです。500クラス、300クラスとも元気に飛び出していきます"
"第一コーナーの混乱は起きませんね"
"全車無事にクリア、第二コーナーで早くもバトルが開始しております。500クラス既に3番手が2番手に襲い掛かってます。並んだままコーナーに飛び込んでいく。今度は有利なインを取ったのは3番手、踏み合いですね"
"いきましたね、まさか一周目から行くとは思いませんでした。様子見かと思いましたが"
"あ、300クラスも5番手が4番手の加藤選手に襲い掛かって、逃げ切った。逃げ切った"
"チーム佐野の車はどうも各ギヤが低めでシフト回数が多いですがこれがどう出るかですね。その代わり第一コーナーのようなタイトの立ち上がりは速いですが3コーナーまでシフトする回数が多いので狙われましたね"
"そうなんですね。100Rはチーム佐野速い"
"どうやら高速寄りのセッティングのようですね。加速重視で"
"そうなんですね。それならわかります。500クラスは2番手が変わったくらいで変動はありません。順調に進んで全車ストレートですね"
"第一コーナーの突っ込みが見所ですね。2番手はトップを躱しに行くはずですから"
「上のクラスは激しいなあ」
「と言ってもだ、タイヤをどこで交換するかで決まるからね」
「そう、やっぱりトップは逃げ切りというかベストタイムラインで走ってタイヤ交換のマージンを稼ぐ作戦だろ」
「だろう、おおおおお、3番手が2番手のインに飛び込んで並走だ」
「2番手は油断したな。トップを狙ってて前しか見ていなかったな」
"3番手がまた2番手を躱してポジション奪還です。この争いでトップは楽になりましたね"
"そうですね。うまく差を広げたので逃げ切りに入りそうです"
"3番手はどこで仕掛けるかですね"
「雅子たちはダンゴだなあ。トップから6番手まで」
「雅子はもしかしてタイヤ無交換で行くつもりか?」
「そうかも。それなら3番手をがっちりキープして走って行けば交換する連中よりも速い、しかもこのエンジン燃費いいからなあ、ギリ燃料は持つだろう」
「ああ、もしかすると片側だけ交換作戦だ。片側だけ交換して燃料補給していくんだよ」
「なるほど」
「悟瑠さすがね。先輩はあたしとそう握ったの」
「雅子らしい作戦ね。」
「おいおいおい、でたよ。隆文のメトロノームのような正確に時を刻む走り、テレメからくるけど100R抜けてシケインに入るまで前の周と同じ」
「出たな。あれ?雅子もそうだよねえ」
「先輩ってホントあっという間に吸収しちゃう」
「雅子のそこが凄いところよね」
「ん?5番手も何か気が付いたか?いきなりタイヤいたわった走りになったぞ」
「だろうね」
"300クラスは500クラスと比べると展開がおとなしいですよね"
"そうですね、トップ2が激しくやりあってますが、3番手から6番手が異様に大人しく展開を見守ってるって感じですね。スピンしたら躱すとか"
"そうかも知れないですねえ。500は2番手から5番手、300クラスはトップ2は意外にタイム伸びないですね"
"そうですよ、4台と2台で牽制し合って走りますから、その分ロスが出ますね"
"レースは5周を終え、各車のペースが決まってきたようですね。500クラスは6番手まで集団になりました"
"そうですね、徐々に差が開き始めますね、トップの集団、次の集団とかが出来はじめましたね"
"トップ集団の方はそろそろ何か動きあるかですが、500クラスは3番手以下虎視眈々と仕掛けるタイミングをうかがってますね"
"そうですね。苦しいというか痛しかゆしなのは牽制し合ってるとトップが逃げ切っちゃう、なんとしても阻止したい、でもポジションはキープしたいというジレンマですね"
"とにかく、トップはタイヤ交換する時間を稼ぎたい。2番手以下はトップを追いかけたい、ポジションはキープしたいというきつい戦いですね"
"そうですね。300クラスはある意味楽ですね。7番手以降は中断でも無い限り追いつきませんね。500クラスもそうですね。どうやら上位集団が形成されているので優勝は両クラスともこの6台中からかなと思われますね"
"そうですね、それにしても500クラスは2番手がうまく3番手の追撃をかわし続けていますね"
"はい、3番手も4番手に抜かれないようにしながら2番手を狙うという展開ですから、なかなか大変ですよ。その4番手も5番手がストレートエンドでインを取られないようにしながらなので必死ですね"
"そうですね、同じことは5番手にも言えますね"
"そうです。6番手がある意味楽ですね。7番手との差がすでに10秒近くありますから。思ったより7番手以下は車の仕上がりというかセッティングがマッチしていなかったのか苦戦してますね"
"それではこの辺でピットレポート呼んでみましょう。ピットレポートの松本さん?今どこにいらっしゃいますか?"
"はい、ピットの松本です。今は2番手を走っているT社のピットに来ました。3番手のN車をうまく抑える必要あって苦しいと言っておりました。それにタイヤがやばいので交換のタイミングと300クラスに追いついた時がカギだとも"
"どうもありがとうございます。また何かありましたら呼んでくださいね。レースは10週を過ぎて中盤に差し掛かってきましたね"
"500クラスと300クラスはもう上位6台の争いですね。"
"それにしても300クラスは3番手から6番手が異様におとなしい。後半に勝負を仕掛けるのかな?"
"それはありますね。そのために燃料とタイヤを温存していると思います"
"無交換で行くってことですか?"
"はい、その可能性があります。300クラスは2番手から6番手までどのチームが無交換でいくかはわかりませんが"
「悟瑠、このペースならタイヤ無交換の無補給で行けそうだな」
「愛理沙、多分だけど雅子は無交換でいくと思うけどドラチェンだけまたは負担がかかる左前だけ交換かも」
『お兄ちゃん、左前交換だけ、他は燃料補給。入るだけ。後半に入ってピットの状態見て。入るタイミング言ってね』
「OK、空き状況言うよ」
『兄貴、こっちも同じ。ドラチェンと左前交換と燃料補給よろしく。百合ちゃん準備よろしく』
「はいよ」
「はい」
レースは異様なほど大人しく進行して後半に入っていた。
お互い牽制し合っているようでまったく順位変動無いまま周回だけが過ぎていく、しかし決して遅いわけでもなく、タイムはむしろ昨年度を上回るくらいだった
「雅子、入れ」
『お兄ちゃん、すぐに入るよ』
「わかった。雅子のタイヤと燃料準備いいな」
「「はい」」
アルバイトくんが答える、すると隆文からも無線が来て
『雅子の次に入る、どうやら後2台は無交換らしい、1周ちょっとペース乱しておくから』
「やるなあ」
隆文は雅子がピットに入ったのを見ていきなりペースをあげて行った。
どうやら隆文をペースメーカーにしていたようで追従しようとしていたのか?雅子がピットに入って4番手に上がっていた隆文の直ぐ後続が最終のコーナー立ち上がりでスピン
「まずい、クラッシュ?」
「おおおお、上手い躱したけどグラベルだ。上手い。なんとか片側で済ませて脱出だ」
「残った方はなんとか立て直したな、レース復帰だ」
「多分2台ともタイヤ交換するだろう」
「うん、なんとか飛び出した方も復帰はしたけどスローダウンしてタイヤについた砂を落としてるのか」
「それにしてもトップ2は逃げ切ってるなあ」
「隆文が追ってるよ。追いついた。今はもうほとんど差がない。トップを焦らせる作戦だな」
僕らは雅子と愛理沙の車のタイヤを左前だけ交換、燃料を補給して送り出した。順位は5番手6番手のスピンのどだくさもあって2台の後ろの6番手でレースに復帰していた
"500クラスは続々と交換に入ってます。300はトップの3台もドライバー交代に入りました、あ、先程スピンしていた車と巻き込まれてしまった車もピットに入ってます"
"500クラスは予定通りの行動ですね。流石500はパワーがあるのでタイヤと燃料が持ちませんね。交換を追えてコースに復帰、順位はわからなくなってますね"
"そうですね、トップはまだタイヤ交換していない車が入ればトップに復帰なので逃げ切りといいたいところですが300クラスのラップ遅れを躱す必要があってなかなかタイムを伸ばすのは無理ですね"
"あああああ、300の車がスピン"
"バーストです。左のリアのバーストですね、あ、危ない。500のトップが。よけた"
"躱しましたが無念サンドトラップです。変わってトップになったのは先ほどまで2番手につけていたゼッケン98です"
"これはまたトップ争いが分からなくなりましたよ。団子状態でトップから5番手まで2秒差です。これは誰が勝ってもって状態です"
「雅子。お疲れ。うまく走ったな。愛理沙は?」
「暫定かな?トップ。さっきまでのトップ71と29は遅れてる」
「雅子。2台は争ったせいで前後交換していたからその分遅れた」
「隆文、いい仕事したぜ。2番手。百合もいいペースだ」
「百合ちゃん、ガンバだ」
『隆弘。隆文さん。任せて』
"300クラスはトップはチーム佐野です。2番手も同じですね"
"トップ2台はどうやらタイヤと燃料を使いすぎたようですね"
"そうですね"
「500クラスがいまいちコーナーで遅いなあ」
「そうだねえ。どうした?」
「もしかすると、タイヤの選択ミスかも。ソフト履かせているんだけど減りが早いから抑えているんじゃないかな」
「そうかも、抜くとしたら300Rとストレートか」
「そうだな、愛理沙うまい。ストレートで抜かせたな」
「300Rで抜かなかったのはなんだろ?」
「燃費か?」
「お兄ちゃん、タイムを見たら愛理沙は100Rからストレートまでは500クラスとほとんど同等のタイムだよ。それなら300Rで抜くと次のシケインがきついから」
「そうか、確かに。無理して抜いてクラッシュよりも安全に抜けるストレートでだな」
「それに一気に気温上がったよなあ。日も一気にカンカン照り」
「路面温度もいっきに上がってるよ。見てみて。百合リンの温度計情報」
"レースも残り5周になりました。リアタイヤする車も出ててコース上には半分くらいですか?"
"そうですね。なんかちょっときついのかもしれません。あ、気温の上昇が速いです。エアコンが効いてて気が付かなかったけどこれはやばいですよ"
"吹き下ろしですね"
「おおお、コレはいっきに気温上昇が来たなあ。悟瑠、放送席はエアコン効いているから気が付かなかったらしなあ」
「そうかもなあ、500クラスのタイヤ無交換作戦の連中と気温上がらないと見てソフトを選んだ連中はインフィールドは攻めれないだろ」
「なるほど。気温先読みした連中はガンガン行くかな?」
「愛理沙が快調に逃げてるね、タイヤはミディアムハードだからいい具合いかも」
「うまくすれば行けるな、百合も追いすがってるけど300のラップ遅れを処理する分キツいか?」
「ちょっとアンラッキーな所があるよな。500クラスには道を譲ってだろ」
「しかたあるまい。それもレースだ」
"レースは終盤残り2周、500クラスのトップは依然98、300クラスは485。このまま逃げ切れるようですね。"
"そうですね。両クラスとも2番手が追いつくにはちょっと難しいですし、3番手とも離れているのでここまで来たら無理せずキープでしょうね"
「解説の言うとおりだな」
「雅子達は初戦でいきなりトップか。無事にゴールに入れれば」
「そうそう。開幕戦でトップ取っちまうとはなあ」
"ファイナルラップに入りました。以前、500クラスのトップは98番、最終コーナーを立ち上がって来ました、チェッカーフラグが振られて、今ゴールイン。ゼッケン98番、今季の初戦優勝で飾りました。あ、槌谷さん、まもなく300クラスのトップがゴールインですね。485番最終コーナー立ち上がって全開、チェッカーフラッグが振られて今ゴールイン。チーム佐野、快挙ですねえ"
"そうですね。レース運びがベテラン顔負けに上手いですね"
"そうですねえ。開幕戦でトップはイコールコンディションなのでうまさの証ですね"
「愛理沙、やったよ。優勝」
『はい、先輩。逃げ切りました』
「隆文のお陰だよ」
「ふっ、チームが優勝すればいいのさ」
「キャハハハ、隆文は何カッコつけてんのよ」
「いいじゃねーか」
『隆文さん、今日はヒーローね。そのお陰で雅子達が優勝したんだから』
「百合ちゃん、ありがとう。どうだ兄貴」
「「「「「あはははははは」」」」」
僕らは優勝の余韻たっぷりに帰ってきてGTカーをアジトに片付けていると、グロウグロウグロウグロウグロウとDA系エンジン音が聞こえ、愛理沙のいるスーパーマーケットの社長が丸ちゃんでオードブルを持ってきていた。
「ええ?社長自ら?」
「いいんだよ。優勝おめでとうを言いたくてね。これは私のポケマネだ、明日もあるからお酒は買ってこなかったけど。楽しんで。」
「社長、ありがとうございます。」
「橋爪さん、ありがとうございます。」
「チーム佐野の皆さん。私には優勝という最高のプレゼントありがとう。月曜日から一週間は優勝セールやるからね。優勝の横断幕準備したのが無駄にならなくてよかった。各店舗で横断幕を出すからね」
「えええええ?社長なんか恥ずかしいなあ」
「移動販売車には付けないから」
「ありがとうございます。」
「皆さんで楽しくやってくださいな。じゃあ。これで失礼するよ」
「ほんとにどうもありがとうございます。」
「私もおめでとう言いたい。それが目的だったからいいんだよ」
「ありがとうございます。」
フォーンとクラクションを鳴らすとグログロロロロローン、ヒュオーンとターボの音を響かせて丸ちゃんに乗ったスーパーマーケットの社長が帰って行った
ありがたくオードブルを食べた僕らは月曜日からの仕事に備えていた
「雅子、スポンサーになった会社からコースを貸してくれって来ちゃった」
「いいんじゃない。百合リンの会社で毎日使ってるから、無人にはなってないよね」
「うん、うちは訓練だからターマックコースを使わないから。貸して欲しいのは2時間だってさ」
「いいよ。使用料はロハにして壊したらそこは直してもらう覚書よね。スポンサー企業様なんだから」
「うん。それがいいよね」
百合ちゃんがお店に朝一で寄ってコース貸し出すことを告げるとお店近くの工事現場に行った
その週はTD70E改とニレちゃんの再生、雅子は愛実ちゃんに売った獅子丸くんと奈津子ちゃんに売ったなごみちゃんを清掃、各部のチェックすると油脂類の確認して納車していた
残る仕事を片付けて週末の土曜日、来週は雅子が買ったRA552RBN改とUA452KANの点検と整備しようかと思っていた矢先のこと、六星ちゃんが朝に乗って来た車を見て
「えええええ?六星これって矢代さんのDA90改じゃん。修理?」
「違いますよ、売るって話を13代目から聞いたんで、直ぐに予約してあたしが買いに行ったら目を丸くされましたけどここに勤めているってわかったら秒で売ってくれました」
「そうか。ここのお店の名刺持ってるもんね」
「はい、あたしが乗るって言ったらもっとびっくりしてました」
「そうだよねえ」
「お願いがあるんですが、この移動事務所を29人以下の定員のバスにしてほしくて」
「それはできる。デビちゃんの部品使えばいいよ。27人乗りかな?」
「よかった。そうそう。矢代さんから依頼があってこのころのトラックにハイロー切り替えデフ有ったんで探してほしいって」
「きゃはははは。矢代さん、みすかした?実は紫陽花の車を引き取りに行った時に一緒に引き取ってきたよ」
「あたしの車用も有りますか?」
「あるよ。2つ引き取ったんでどうしようかと思っていた」
「あたしが買ったDA90改にもつけて欲しいんです」
「矢代さんはどれに?」
「はい、DB100Kって言ってました。今日なら引き渡せるとも」
「はいはい、じゃあ引き取り行くか。雅子。行ってくるよ」
「そうだな。悟瑠。行こう」
僕と隆弘は矢代さんの会社に電話するとデフを交換すべくDB100Kを引き取りに行ったのだった
GTカーいきなりトップ?
登場人物の所有車紹介
佐野 雅子
・大型リアエンジンバス
①観光シャシ+観光ボディ
KC-RA552RBN改
U-RU2FNAB改
②路線シャシ+観光ボディ;V8に換装
KC-UA460NAN改
③路線シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
U-LV218M改;V8に換装
KL-UA452KAN改
④短尺路線用シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
U-RP210GAN改
・大型トラック
①キャブオーバー 元除雪車 V10に換装済
ダンプ
4×4 U-FZ2FJCA改
カーゴ フレーム交換車
6×6 KC-FU4FPDA改
①ボンネット
カーゴ
4×4 K-TSD45G改
・小型車
①クーペ
GF-S15改
佐野 悟瑠
・大型リアエンジンバス
①観光シャシ+観光ボディ
KL-RA552RBM改
KC-RU3FPCB改
②路線シャシ+観光ボディ;V8に換装
KL-UA452PAN改
③路線シャシ+路線ボディ 路線用前中2ドア
KC-LV280N改
KC-HU3KMCA改
④短尺路線シャシ+路線ボディ 路線用前中2ドア
U-MM618J改
・大型トラック
①キャブオーバー 元除雪車 フレーム交換車 V10に換装済
ダンプ
4×4 KC-CF53XGH改
カーゴ
6×6 KL-CZ55YNH改
②ボンネット
カーゴ
6×6 P-HTW22L改
・小型乗用車
①セダン
GFーENR34改
佐野 愛理沙:僕の妻。雅子の後輩 旧姓:小笠原
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+観光ボディ
U-MS716N
・大型トラック 元除雪車
①キャブオーバー
ダンプ
4×4 KC-FR529改
・小型乗用車
①セダン
GF-GC35改
佐野 康晴;僕の父親
・大型バス
①リアエンジン 路線シャシ+路線ボディ
自家用1ドア
KC-UA521NAN改
②ボンネット トラックシャシ+路線ボディ 路線用1ドア 元移動診療所
4×2 TK20L改
・中型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ 路線用前中2ドア
P-LR312J改
K-102H改
・小型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ 路線用中1ドア
P-RB115AA改
・大型トラック
①ボンネット
カーゴ
6×6 TZ50MD改 V10に換装済
ダンプ
4×4 TF30GD改 V8に換装済
・小型乗用車
①セダン
Q-LS131H改
佐野 康子:僕の母親
・大型バス
①リアエンジン 路線シャシ+路線ボディ
路線用前中2ドア
U-LV224K
②ボンネット トラックシャシ+路線ボディ
路線用1ドア 元移動診療所
4×4 T370改
・大型トラック
①ボンネット
ダンブ
4×2 KB112D改
カーゴ
4×2 TD50AD改 クレーン付きカーゴに改造済
・小型乗用車
①ハードトップ
E-KE70
②セダン
E-AE70
加藤 隆弘
・大型トラック 元除雪車
①キャブオーバー
ダンプ
4×4 U-FR415H改
カーゴ
6×6 K-FU633AA改 V10に換装澄
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線ボディ 自家用 1ドア
U35H改
・小型乗用車
①セダン
CBA-GVB
加藤 百合:雅子の高校から親友 旧姓:松尾
・大型リアエンジンバス
①観光シャシ+観光ボディ
P-RU636BB改
P-RA52M改
・大型トラック
①キャブオーバー
カーゴ
6×6 K-FW125M改 V10に換装済
②ボンネット
ダンプ
4×4 W81D改 V8に換装
・小型乗用車
①クーペ
EーS110改
加藤 隆文
・大型トラック 元除雪車
①キャブオーバー
ダンプ
4×4 SKS390改
カーゴ
6×6 K-SKW520改 V10に換装済
・大型リアエンジンバス
①短尺路線シャシ+路線ボディ 路線用前中2ドア
MR510改
・小型車
①クロカン4×4
KG-VGY61
加藤 舞由良 雅子の同級生 旧姓馬橋
・大型バス
①キャブオーバー トラックシャシ+路線ボディ 路線用中+後側ドア
4×2 T810NU改
・小型車
①軽ミニバン
LA-L152S
加藤 隆義:隆弘たちの父親
大型トラック
①キャブオーバー
カーゴ
6×6 SKW440改 V10に換装済
②ボンネット
カーゴ
6×6 ZC120 V10に換装済
4×2 DU780HD改
ダンプ
4×2 DA100D改
・大型リアエンジンバス
①短尺路線シャシ+ナロー仕様路線ボディ 路線用中1ドア
BA05N改
松尾 譲:百合ちゃんの兄
・大型バス
①キャブオーバー トラックシャシ+路線ボディ 路線用中1ドア
4×2 BF30改
・大型トラック
①ボンネット
ダンプ
4×2 T800FD改 V8に換装済
4×4 ZH110改
6×6 6W100改
・小型乗用車
①クーペ
E-GS130改
松尾 隆:百合ちゃんの父親
・大型トラック
①キャブオーバー
ダンプ
4×4 CF30DD改 V8に換装済
カーゴ
6×6 CZ50M改 V10に換装済
②ボンネット
ダンプ
4×2 TK20GD改
・大型バス
①ボンネット
トラックシャシ+路線ボディ 元レントゲン車 路線用中1ドア
4×2 K-TDJ72改 V8に換装済
②リアエンジン 短尺観光シャシ+観光ボディ
P-RU192AA改
・小型乗用車
①セダン
E-GNY33改
松尾 友香:百合ちゃんの母親
・大型バス
①ボンネット
トラックシャシ+路線ボディ 路線用中1ドア
4×2 DB100改
4×4 TSD43改
②キャブオーバー
短尺トラックシャシ+ナロー仕様路線ボディ 路線用中1ドア
4×2 BXD20E改
・大型トラック
①ボンネット
ダンブ
4×2 TXD60D改
・小型乗用車
①HB
E-KP61
小笠原 哲史
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+観光ボディ
B806K改
・大型トラック 元除雪車
①キャブオーバー
ダンプ
4×4 K-FR113H改
・小型乗用車
①クーペ
E-MA45改
長野 暁:元走り屋
・大型リアエンジンバス
①短尺路線シャシ+路線ボディ
自家用1ドア
P-MM517J改
路線用前中2ドア
MR520改
②短尺観光シャシ+観光ボディ
MM515H改
・小型乗用車
①クーペ
ZN6
狩野 守
・大型トラック
①キャブオーバー
ダンプ 6×4
U-FS1VKBD改 V10
KC-FS3FKCD改 V8
KL-CW55YNHD改 V10に換装
・小型乗用車
クーペ
ZN6
河野 優花
・大型リアエンジンバス
①路線シャシ+観光バスボディ
P-LV214L改 V8に換装
・大型トラック
①ボンネット
カーゴ
6×6 ZC44改
・小型軽乗用車
①5HB
L700S改
五式 紫陽花
・中型ボンネットバス
①トラックシャシ+路線バスボディ
FC80改
山口 奈津子
・大型リアエンジンバス
①観光シャシ+観光ボディ
KC-RA531MBN改
高橋 愛実
③路線シャシ+路線ボディ
路線用前2ドア
U-UA440HAN改
高橋 六実
①ボンネット
トラックシャシ+路線バスボディ 路線用1ドア
4×2DA90改 トラックにバスボディ架装
綿貫 洋平
・中型リアエンジンバス
①路線シャシ+路線バスボディ
自家用前1ドア
B622B改
・大型トラック
①ボンネット
ダンプ
4×4 ZH12D改
小型乗用車
①セダン
TA-GXE10
橋爪 正治
・中型バス
①ボンネット
トラックシャシ+路線バスボディ 路線用中1ドア
BX521改
・大型バス
①ボンネット
トラックシャシ+路線バスボディ 路線用中1ドア
BXD30改 後面丸形状
BXD30改 後面平面形状
②リアエンジン
汎用シャシ+路線ボディ 1ドア
MAR480改
笠木 徹治
・中型増トントラック
①クレーン付き 増トン レッカー車
4×2 KC-PK262HFZ改
②ウイング積載車
4×2 KC-PK262UFZ改
③オープン積載車
4×2 KC-PK262VFZ改
笠木 達也:徹治の父親
・4トントラック
①カーゴ
4×4 U-FL618G改
矢代 圭一、伸一親子
・大型バス
①ボンネット
トラックシャシ+路線バスボディ 路線用1ドア
4×4 K-ZC121改 車体メーカーでワンオフ
4×2 BH15改⇒P-FH229BA改 29人乗り仕様 フレーム交換車
4×2DA90改 トラックにバスボディ架装
キャブオーバー
4×2DB100K改 ボロボロから再生 29人の仕様 元ボンネットバス
高尾製油所 高尾 元康
・大型トラック
①ボンネット
ダンプ
4×2 T410D改
・中型リアエンジンバス
①路線系シャシ+観光系ボディ 自家用
K-MK116J改
・中型トラック
②キャブオーバー
カーゴ
4×2 U-FB2WEAA
野上さん
大型リアエンジンバス
①短尺路線シャシ+路線バスボディ
DR11改
中型リアエンジンバス
②路線シャシ+路線バスボディ
MK103H改
中型キャブオーババス
③路線シャシ+路線バスボディ
FC80C改
いつも読んで頂き、どうもありがとうございます。
今回はここで更新します。
お気に召しましたらイイネや感想いただけると更新のモチベーションアゲアゲになります




