65/102
その341〜その345
10日ばかり前に会った友人に電話で「おまえ、10年間もどこ行ってたんだよ⁉」と言われたので部屋の時計を見てみると、ものすごい勢いで針が回り続けている。
校庭の限られた場所だけにミルク色の豪雨が降り止んだ後、そこにいたはずの者達が一人残らずいなくなっていた。
家の外から悲鳴や叫び声が聞こえて来るが、ドアは鍵をかけてもいないのに開かず、カーテンを開けても真っ暗な闇しか見えない。
去年飛び降り自殺したクラスメイトが今日もまた窓の外を落ちて行くが、毎日のことなのでもう誰も目もくれやしない。
万華鏡の中の鏡に、こちらを見ている眼が無数に写っている。




