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その181〜その190

 ここの証明写真機は必ずどこかにもう一人の顔が写るから、履歴書にも免許証にも使えないんだよね。






 学校の七不思議を全部知ったら悪いことが起こると言うが、この学校では七つどころかその十倍の不思議を体験したのに、特に悪いことは起こってない。





 海辺で拾ったガラス玉の一つ一つに、女の顔をした小さな魚が封じ込められている。






 営業の終わった銭湯の湯船の隅に、誰とも知れないしわくちゃの老婆が一人、うずくまっている。





 ピザを焼く釜の炎の中に顔がはっきり見えたので、今日のピザは出来がいいだろうな。






 祖母が生前集めていた御朱印が、いつの間にか全て呪符に書き変わっている。






 久しぶりに会った友人は、全身に無数の釘が刺さった姿でにこやかに挨拶して来た。






 コート姿の骸骨が、港でひっそりとたたずんでいる。






 スポーツの生中継の観客の中に、無表情でじっとこちらを見ている自分自身の姿が映り込んでいた。






 この場所で、百年前にあなたを殺した記憶と、二百年前にあなたに殺された記憶が一度によみがえって来た。


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