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その161〜その165

 空き家に足を踏み入れると、集まっていた人型の小さい何かがさっとそこら中の物陰に隠れる気配がした。






 大晦日の夜、真っ黒い僧侶が玄関先で読経している間だけは、何の物音も立ててはいけません。






 ここが人生の舞台裏だよと言われて覗いて見ると、選ばなかった人生を生きていた自分が大量に殺されている。






 人の指の第二関節の骨だけを集めて作ったネックレスが、姉の棺の奥底にこっそりしまわれている。






 生まれなかった筈の息子が、時々「ただいま」と言って帰って来る。


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