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ドサ回り系女性バンドを乗せたバンは走る―
「本当に、そうならいいけどねえ」
それまで、壊れたラジオのように何かを呟き続けていたギターさんが、ふいに明確な言葉を紡いだ。
視線は雨の粒を追いかけたまま、表情は暗がりに溶けて見えない。
「どういうことよ?」
助手席から、ドラムさんが鋭く返してくる。
「喧嘩するほど仲がいい… か…」
「違うの?」
「本当に、そうならいいけど…」
その一言は、呪いのように、あるいは、あまりにも純粋な祈りのように、車内のすべてを静止させた。
誰も否定できない、肯定もできない。
ただ、エンジンの音だけが、夜の底へと沈んでいく。
喧嘩するほど仲がいい
その言葉が、雨音を切り裂く。
一瞬、四人のあいだに、奇妙な連帯感が芽生えたか。
ここから、また新しい音がはじまるのか。
再生の予感に、四人全員が、毒気を抜かれたようでもあった―




