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かつてのドサ回り系女性バンドも、いまでは―
ひとりは、バーの雇われ女店主。
ひとりは、子どもたちにまじって草野球。
ひとりは、主婦兼スーパーのレジ係。
そして、ひとりは…
十数年後の場末の酒場。月日は、彼女たちをたくましい大人へと変えていた。
「ちょっとリーダー、このお店、暇そっすねー」
「そういうとこ相変わらずよね。これでも食べて口ふさぎなさい」
「へへ、ポテチポテチ。いまでも毎日、食べてまーす」
どこか懐かしい響きをさせながらドラムさんがポテチを頬張り、ベースさんがその姿に微笑む。
「そっちは、また野球?」
とベースさん。
「そだよ。ダメなの?」
とボーカルさん。
「いいけどさ」
そのときだった。
扉のベルを響かせ、入ってきたのはギターさんだった。
ギターさんは、カウンターの上を叩くようにギターケースを置くと、
「お揃いですね。ちょうどよかった」
「どうしたの?」
ベースさんがそれに応じた。
「皆さんそろそろ、いまの生活にも飽きてきたころなんじゃないかと」
ギターさんを除く三人が、顔を見合わせる。
それを見つつ、ギターさんが続ける。
「もう一度、やっちゃいませんか。私たち」
その言葉にベースさんとボーカルさんは顔を見合わせ、ふふっと噴出した。
まるで今夜、その話をしようと思ってた、とでも言わんばかりに。
そのふたりを見て、ドラムさんも察しがついたよう。
「あーあ、まったく、しかたないっすねー」
喧嘩するほど仲がいい
それはやはり、彼女たちの音だ―




