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ドサ回り系女性バンドを乗せたバンは走る―
ハンドルを、リーダーであるベースさんが握る。
しかし、バンのコントロールはできても、このバンドは、そううまくはいかない。
ワイパーが刻む単調なリズムだけが、
何もかもをひとりで背負い込むベースさんの正気を繋ぎ止めている。
重すぎる機材と、それ以上に重い四人の沈黙を乗せて、夜の国道をひた走る。
自分がハンドルを手放せば、この砂上の城のような関係は、一瞬で瓦解する。
そんなことは、十分に理解している。
もともとの責任感がそうさせているのか、リーダーという肩書がそうさせているのか。
ベースさんにも、それはわからない。
もはやベースさんには、誰の声も背景のノイズにしか聞こえていない。
指先に力を込め、濁った水飛沫の向こう側にある出口のない明日だけを睨みつける。
それだって、このバンドの姿だ―




