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ドサ回り系女性バンドを乗せたバンは、西へ向かっている―


雨がフロントガラスを執拗に叩く。

車内は、湿った重い空気が滞留していた。


リーダーのベースさんは強くハンドルを握り、前を見やる。

助手席では、ドラムさんがポテチを食べる。

その後ろでは、ボーカルさんが外を見ながら歌を口ずさみ、

となりでは、ギターさんが誰にも聞こえないような声で、何かつぶやいた。


バンは、国境をこえた。

もう誰も、彼女たちを甘やかしてはくれない。


エンジンの音だけが、夏の空気をゆらしていた―





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