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100怪死  作者: ハクマ
9/29

9回目

 朝からなんもやる気が出ない、昨日の疲れがいまだに取れずにいる。今日は部屋から出ずに一日中ゆっくりしていよう。そう思いながら窓を開ける、空は晴れているのに雨が降っていた。


快「天気雨………」


 ぼーっと見ているとだんだんと空が暗くなっていく、まるで僕だけ別の場所に飛ばされた感覚になる。………今日は本当に勘弁してほしい。そう思い、窓を閉めると、どこからか視線を感じた。急いでカーテンを閉めて部屋に籠る。


ドンドンドン!!


 ………誰かがドアを叩いている。やめてくれ!今日は家にいるって決めたんだ!


そ「お願い!開けてください!」


 そらなの声が聞こえる。………騙そうとしてる?


そ「快さん………」


 どっちだ…………


そ「………」


 ………また巻き込まれるのは


そ「………そうですよね、ごめんなさい」


 ………………………



ガチャ


そ「!!!」


 そこには白に一部黒みがかった髪をしているそらながいた。


快「本物……うおっ!?」


ギュッ


そ「ごめんなさい……」


 いつのまにか雨は止んでいた、だが冷え切った体で抱きしめてくるそらなは震えていた。

 部屋に招き入れタオルを渡す。


そ「ありがとうございます………」

快「それでなにがあったの?」

そ「………実は私、追われてるんです、九尾の狐……そう呼ばれてる方に」

快「………そっか、じゃあここにいなよ」

そ「………また迷惑かけてしまいますよ」

快「前助けてもらったお礼だよ」


 そう言ってそらなの髪を拭く。そらなはされるがままになり、瞳に涙が溜まる。


快「痛かった?」

そ「いえ………やっぱり私、」


シュン………


 いつのまにか家がきえ、いつか見た暗闇に紛れ込んでいた。

 ここは僕がサタンに殺された……


そ「逃げましょう!」


ガシッ


 そらなは僕を掴み、ものすごい速さで走り出す。後ろからは人魂のような炎がいくつも並んでこちらに向かってくる。そして、僕らを囲んで周りを回りながら浮かんでいる。


?「ようやく見つけましたよ」

そ「………」

快「あなたは……」


 サタンが僕を殺した時、助けてくれた狐の化け物だ。


快「あの時は助かりました」

そ「えっ!?」

?「………いえいえ、あれにはどうか気をつけて」

そ「………快さんになにした!九尾の狐!」

?「いい加減名前で呼んでいただけないですか?ムソラ」

そ「その名で呼ぶな!私は………は!?」

快「どういうことですか?」

?「あぁそうでしたね、こんばんは、私はオウキ、彼女の婚約者です」


 ………は?婚約者?狐と人が?どうゆうことだ?そらなを見ると、耳と尻尾を生やし白きオーラをまとった。


そ「隠しててごめんなさい……私も狐なんです」

快「それで婚約者って………」

そ「それは違います!!あの化け物が勝手に言ってるだけで!」

オ「化け物とは酷いな2人して」

快「え!?僕そんなこと言ってないですよ!?」

そ「気をつけてください、あいつは他人の心が読めるんです」

オ「………まぁいいでしょう、快!私はあの時貴方を助けました、ムソラを渡してくれたらお礼は済んだことにしてあげます」

そ「そんな勝手な………」

快「………いや、この前、貸し借り無しって言ってたじゃん」

オ「………」

快「それにムソラって誰ですか?こいつはそらなだ!勝手に変な名前つけんじゃねぇ!」

オ「変………だと!!」


ボオッ


 周りの炎が強くなる


オ「嫁入りした狐は名を変える必要がある、そのためにどれだけ考えたか!貴様にはわかるまい!」


ボオッ!!!


 炎が僕を目掛けて飛んでくる、そらなはそれを楽々跳ね返す。 


快「ありがとう、そらな」

そ「いえいえ!これくらい余裕ですよ!」

オ「私の婚約者に色目を使って………無事で済むと思うなよ!!!」


スッ


 急に吐き気が………


そ「快さん!」


 そらなが背中をさすると吐き気が消えて楽になる。さっきのなんか経験したような………まさか!あいつが本当は………


オ「ようやく気づいたんですね」

快「あの時、僕を殺したのはお前だったんだな」

オ「えぇ、貴方は化かされたんですよ私にね」


 にやっと笑うオウキの顔はまるで悪魔のようだった。

 オウキは再び僕に向けて手をかざす。その瞬間そらなの拳がオウキに突き刺さり、遥か遠くまで吹っ飛ばされた。


快「すげぇ」

そ「いいから逃げますよ!」


ガシッ


 手を繋がれ、走り出す。暗闇の奥から怒号と共に炎が追いかけてくる。………このままじゃジリ貧だ………ん?もしかして?


快「そらな、ちょっと来い」

そ「へ?」


グイッ


 そう言って、そらなと物陰に隠れる。

 ………やっぱりだ。炎は僕らを探しているみたいに動きが遅くなってる。だがここが見つかるのも時間の問題だ。


快「そらな、服をよこせ」

そ「え!?な、なに考えてるんですか///」

快「ご、ごめん言い方が悪かったちゃんと説明するから手を握らないで!」


 作戦はこうだ、僕とそらなの格好を変え、僕を囮にする、その隙にそらながこの暗闇から脱出できる場所を探す作戦だ。


そ「………また死ぬんですか?」

快「僕にはこれしかできないから」

そ「やっぱりやめませんか?あいつは心が読めるんですよ!バレますって」

快「………そらなって普段あいつの前で何考えてるの?」

そ「そりゃあ死ぬほど憎いんで………消えろ!としか……」

快「なら大丈夫だ」

そ「………わかりました、でも絶対無茶しないでくださいね!」


 不服そうだがそらなは諦めて作戦に乗ってくれた。


そ「………クンクン///」

快「どうかした?」

そ「………いえ///」

快「じゃあ作戦開始だ」


 僕は炎の中に突っ込んだ。………消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、消えろ

 頭の中をそらなの声で埋め尽くす。永遠と繰り返される言葉以外なにも考えてはいけない。


オ「ようやく諦めがつきましたか……ムソラ」

快「………」


 消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、消えろ

 他は考えずにまた走り出す。


オ「あいかわらず酷い恨みだ、まぁ両親を殺したんですから当然ですけどね」

快「!?」


 なっ!?消えろ、消えろ、消えろ、消えろ、消えろ

 衝撃の告白に思わず驚いてしまう。


オ「ん?今更なにを驚いているんです?知ってるでしょう?君の両親を殺して今の長になったのは私だって」

快「………」


 怒りが湧いてくる、無意識に拳に力が入る。あいつの生活をおびやかして、それで婚約者になれ?どんな神経してんだこの化け物は………


オ「………ん?」

快「………やっぱり化け物だなお前」

オ「貴様!?………まさか!」

快「今度はお前が化かされたな!化け物」

オ「ぐっ!?おのれ!!!」


ガシッ


 僕の首根っこをつかみ空高く持ち上げる。


オ「貴様!ムソラはどこだ!」

快「ぐっ……お前みたいな………馬鹿に教えるかよ!」

オ「………そうか………死ね!」


グシャ


 首を握り潰され、死んだ。後はあいつがちゃんと逃げ切れたか祈るしかないな………

 目が覚めるとオウキの前にいた。


快「………」

オ「運が悪いね、君」

快「お前は弱い奴だな」

オ「私が弱い?」

快「弱えよ、僕1人殺せないんだから」

オ「……だったら永久に殺してやる!」


スッ


ズドン


オ「カハッ!?」

そ「ようやく見つけました!行きますよ!」

快「あぁ!!」


ガシッ


 そらながやって来て助かった〜……また死ぬのはごめんだ………

 そう思いながら走ってると暗闇の中から一筋の光が見えた。


そ「こっちです!」


 もう少しで出られる!しかし、光にはいつまで走っても届かない。


そ「なんで………」

オ「そりゃあそうでしょ……それは私の幻なんですから」


 嘲笑うオウキがその光をかき消す。どうやら騙されたようだ、さらに暗闇から無数の炎が立ち並ぶ。


オ「いい加減その手を離してもらおうか」

 

ズンッ


快「うおっ!?」

そ「快さん!!!」


 体がオウキに吸い込まれる。そのまま首を掴まれ、再び締められる。


快「ぐっ……」

そ「………やめて!!!」

オ「いやだね、コイツはここでもう一度殺す」

快「………ふっお前じゃ………殺せねぇよ」

オ「まだ言うか!だったら試してやる!」


グググ


グシャ


快「えっ?」

そ「よかった!快さん」


 僕はそらなに抱き抱えられていた。上を見ると誰がオウキの手を握り潰していた。


オ「グハッ………サタン!なんの真似だ!」

サ「あ?テメーが不快だからだよ」

オ「この!」


グシャ


オ「グハッ!?」

サ「俺様を悪者扱いしといて無事で済むとおもってたのか?」

オ「何故………」

サ「………どっかの氷の姉さんが言ってたな俺様に成り代わってる不届者の狐がいるって」


 それって………雪女さんか?あの人には感謝しかないな………今度あったらお礼しないと……

 

オ「………快!いつか貴様を必ず殺す!」


シュン


 オウキはそう言って瞬く間に消えた。とりあえず助かったようだ


そ「ありがとうございます!助かりました!」

サ「フンッ俺様が気に入らなかっただけだ」

快「それでもありがとう………」

サ「………テメェは認めてやる………かっこよかったぜ」

そ「ならこれからは友達ですね!」

サ「あ?ダチだぁ!?」

そ「だって認めてくれるんですよね?これからよろしくね!」

快「いきなりタメ口!?」

サ「………考えといてやる」


シュン


 そう言ってサタンがいなくなると暗闇がはれいつもの世界に戻っていた。


そ「今日は本当にありがとうございます!」

快「いやこっちこそありがとう」

そ「………」

快「どうかしたの?」

そ「そ、その///私に新しい名前つけてもらえませんか!///」

快「なんで!?」

そ「私達は一生に一度しか名前を変えれないんです、今変えればもう二度と嫁入りできなくなるのでお願いします」

快「………そらなで」

そ「えっ?」

快「そらなって名前好きだから、それに真名じゃないんでしょ?」

そ「気づいてたんですね」


 寂しそうな顔で見つめてくるそらなはゆっくりと距離を詰めてきて魅了するように顔を近づけて……


そ「………〇〇〇」

快「えっ?」

そ「それが私の真名です///でもこれからはそらなですよろしくお願いしますね!」

快「いいの?そらなで」

そ「えぇ!だって私もそらなって名前好きですから///」

快「ならよろしくね!そらな」

そ「ちなみに真名を知らされた者に名前を変えられたら嫁入りしなきゃいけないので///」

快「え!?」

そ「まんまと嵌められましたね///それではまた!」

快「帰っちゃうの?」

そ「人間じゃないとここにはいれませんから………早く人間になりたいなぁ……///」

快「………そっか、じゃあまたね!」

そ「………」


グイッ

ギュッ


 消えゆくそらなは僕を引っ張り抱きしめてきた。


そ「ちゃんと責任取ってくださいね///」

快「………え!本気だったの!?」


 そこにはもうそらなはいなかった。手の甲を見て夢じゃないことを理解する


快「………そらな、またな」

 

 その手には9/100と書かれていた。



 


ハクマです!思ったよりかかってしまった。

とりあえず今日中にもう一個書けたらいいなぁ


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