表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/28

20話 ゴブゴブ

主人公のステータスを、防御力と同じになるように、修正しました。(4/21)

修正の漏れ、矛盾点などありましたら、教えていただけると嬉しいです。


これで何度目だろう。

棍棒が、鈍い音を立ててワイルドウルフの頭蓋を打ち抜いた。


黒い獣の体がぐらりと揺れ、そのまま石床へ崩れ落ちる。


立ちのぼった残滓が霊山へ吸い込まれた直後、青白い板が視界いっぱいに弾けた。


【レベルが上がりました】


【ステータス】


名前:霊山 新 Lv04/20 → Lv05/20

種族:ゴースト


HP:16/16 → 18/18

MP:25/25 → 30/30

攻撃力:3 → 4

防御力:3 → 4

俊敏:24 → 29

魔力:20 → 24

熱い。


削れていた感覚が一気に引き戻される。

器そのものがまた少し広がったような感覚。

レベルアップのたびに訪れる、あの全回復だ。


霊山は、憑りついていたゴブリンの手に握らせた棍棒をゆっくり下ろした。


霊山は通路の奥を見た。

2階層のさらに先。

あの重い足音を思い出す。


オークを倒す。

そのために、霊山はレベルアップを目標にして、多くのコボルト、ワイルドウルフ、ゴブリンを倒し続けていた。


魔物の倒し方も板についてきて、

このゴブリンの体で、コボルトは、闇魔法で攻撃をして弱らせてから倒す。

ゴブリンやワイルドウルフは肉弾戦で倒して霊子吸収でMPを戻す。

という方法を生み出していた。


そして、たまに寂しいので、ゴブリンから憑りつきを解除して、ジェスチャーで交流を図ってみたりもした。


最初はゴブリンも混乱していたが、今では結構仲良しで、ゴブリンもジェスチャーで色々伝えようとしてくれる。

どうやら、このゴブリンも強くなって、進化したいらしい。


俺はこのゴブリンを勝手にゴブゴブと名付けて可愛がっている。

仲良くなったからか、憑りついた際の干渉率も魔法を使わなくても高となっていた。



そして、これは大発見なのだが、憑りついていたゴブリンがレベルアップしたのだ。

そしてこん棒術もLv2に上がっている。

つまりは、憑りついた対象も経験値を受け取っているし、スキルの熟練度も上がっているということだ。



そして、ついに俺のレベルが上がった。これでまた、憑りつける魔物の幅が増える。


今の自分なら、ワイルドウルフも高干渉まで持っていける。

相棒のようなゴブリンから憑りつきを解除する。

ワクワクしながら、ワイルドウルフに憑りつき、闇魔法を使う。


【スキル『憑りつくLv2』】

【対象:ワイルドウルフ】

【干渉率:高】


速い。

強い。

単純な身体能力なら、ゴブリンよりずっと上だ。


けれど、少し拍子抜けだ。

スキルは、牙と爪と嗅覚強化しかないし、しっくりくるのは結局ゴブリンの方だった。


手がある。

棍棒が持てる。

棍棒術と投擲がある。

しかも、ずっと憑りついていて愛着もある。


ワイルドウルフはステータスは強い。

でも、憑りつきでスキルが使えるようになった今では、ステータスもいいが、有用なスキルの方が大切に感じた。

しかし、圧倒的なステータス差の前にはスキルも無力だ。

霊山はゴブゴブのもとへ戻り憑りつき直した。


オークを倒すのはあきらめた方がいいのか、と悩んでいる、その時だった。


【スキル熟練度が一定に達しました】

【憑りつくLv2 → Lv3】


霊山の意識が止まる。


上がった。


一瞬、何が起きたのか分からなかった。

けれど、すぐに理解する。


ずっとずっと憑りつきを発動し続けていたのだ。

その積み重ねが、ここへ届いたのだ。


霊山はすぐに表示へ意識を向けた。


【スキル『憑りつくLv3』】

【相手の精神に入り込み行動に干渉する】

【MP消費は対象の強さに依存する】


【新効果】

【高干渉状態の憑依対象の戦闘系ステータスを、使用者自身のステータス分だけ強化します】



霊山は息を呑んだ。


今まさに悩んでいたところだ。


どのぐらい強化されるのか、まずは確かめる必要がある。


霊山は、今まさに憑りついているゴブゴブへ意識を向けた。


次の瞬間、青白い板が切り替わる。


【対象ステータス】


種族:ゴブリン(ゴブゴブ)

Lv:3


HP:13/13

MP:0/0

攻撃力:12(+4)

防御力:10(+4)

俊敏:37(+29)

魔力:24(+24)


スキル:棍棒術Lv1/投擲Lv1


霊山は目を見開いた。


HPとMPは増えていない。

だが、戦闘に必要な数値だけが跳ね上がっている。


攻撃力と防御力は4ずつ上昇。

それだけでも十分大きい。


だが、何よりも大きいのは俊敏だ。

魔力はゴブゴブは魔法が使えないので意味はない。


ふっふっふと笑いが込みあがてくる。モンスターではない神だと言いたくなる気持ちが分かってしまった。


握らせた棍棒の重みが違う。

足の踏み込みが違う。

立っているだけで、体の芯に通る力が違う。


ここまで揃えば。


霊山の脳裏に、オークと会った時の光景が蘇る。



あの時は、ステータスを見て「無理だ」としか思えなかった。

今は違う。

勝てるかもしれない、と思える。


いや。


勝つ。


いつの間にか武者震いしていた。

この武者震いが自分のものなのか、ゴブゴブのものなのか分からなかった。

霊山は、震えるゴブゴブの体で棍棒を握り直した。


……ゴブリンで、オークに下剋上だ


心の中で、霊山はそう呟いた。


青白い板の光が消える。



オークを探しに、霊山は静かに、けれど力強く歩き出す。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

すこしでも面白いと思っていただけたら、ブックマークや評価をしていただけるととても励みになります。


感想なんでも大歓迎です。誤字脱字、矛盾などでも、どしどし送ってください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ