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世界の淡路島ですけど、何か?  作者: 双鶴


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第67話 最高の仲間たち

冬の午後の光は、どこか丸くて優しかった。

学校の帰り道、海沿いのベンチに座ると、

風が少し冷たくて、でも心地よかった。


「なんかさ……最近、いろいろあったよな」


陽斗が空を見上げながら言った。


「アワイチもしたし、バズったし、

初詣も行ったし……

なんか濃かったわ」


紗季が笑う。

「ほんまやな。

高校生活の後半って、こんなに詰まってたっけ?」


凛はマフラーを整えながら言った。

「でも、全部“六人で”だったよね。

それが一番嬉しい」


湊は海を見つめたまま、

「せやな……

六人でおらんかったら、

どれも全然違うもんになってたと思うわ」

と静かに言った。


美咲は手袋の中で指を組み、

「うん……

六人やから、全部が特別になった気がする」

と呟いた。


悠真は少しだけ顔を上げ、

「……六人で、よかった」

と短く言った。


その言葉は、

冬の空気に溶けるように柔らかかった。



海は淡い銀色で、

波が静かに寄せては返していた。

遠くの空には薄い雲が流れ、

夕方の気配が少しずつ近づいてくる。


「なあ」

陽斗が言った。

「俺、最近思うんやけど……

うちらって、なんか変やんな」


紗季が笑う。

「変って何よ」


「いや、普通さ、

六人でずっと一緒ってあんまないやん。

男女混ざってて、

部活もバラバラで、

性格も全然違うのに」


凛は微笑んだ。

「でも、それがいいんだよ。

違うから、面白いんだよ」


湊が頷く。

「せやな。

同じやったら、こんなに続いてへんわ」


美咲は少し照れながら言った。

「私……

みんなとおると、安心する。

なんか、素のままでいられるっていうか」


悠真は静かに言った。

「……六人やから、落ち着く」


その言葉に、

美咲は小さく笑った。



風が少し強く吹き、

ベンチの横の木がさらさらと揺れた。


紗季が言う。

「なあ……

もしさ、進路バラバラになっても、

うちらって変わらんよな?」


陽斗が即答した。

「変わるわけないやろ!」


凛は優しく言った。

「距離が離れても、

心の距離は変わらないよ」


湊は少しだけ笑った。

「せやな。

なんかあったら、すぐ集まるやろ、うちら」


美咲は胸の奥がじんわり温かくなるのを感じた。

「うん……

“六人で”って言葉、

ずっと大事にしたい」


悠真は短く言った。


「……六人は、六人」


その言葉は、

まるで“答え”みたいに静かだった。



夕陽が海に沈み始め、

光が金色に変わっていく。


紗季が言う。

「なんかさ……

今日、めっちゃ好きやわ。

何もしてへんのに、

なんか心が満たされるっていうか」


陽斗が笑う。

「分かるわ。

こういう日が一番ええんかもしれん」


凛は夕陽を見つめながら言った。

「うん……

“最高の仲間”って、

こういう時間のことだよね」


湊は深く息を吸い込み、

「せやな。

六人でおるだけで、十分や」

と静かに言った。


美咲は夕陽に照らされながら、

「……ありがとう」

と小さく呟いた。


悠真が横で言った。


「……こっちこそ」


六人の影が並んで伸び、

夕陽の中でゆっくりと重なっていく。


六人でいることが、

何よりの奇跡だった。


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