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世界の淡路島ですけど、何か?  作者: 双鶴


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第50話 六人で見る淡路島

「そろそろ、完成させよか」


土曜の夕方、湊がそう言った。

編集途中の動画が、教室のモニターに映っている。


紗季が椅子を回しながら言う。

「なんかさ、ここまで来たら早く見たいよな。

六人で作ったやつ」


凛が画面を見つめて頷く。

「うん。

今までの淡路島が全部つながってる感じがする」


陽斗は腕を組んで言った。

「俺、こういうの初めてやけど……

なんか、ええな。

“チーム”って感じするわ」


美咲はノートを開きながら、

少し照れたように言った。


「文章、三つに絞ったよ。

あんまり多いと邪魔になるし……

短いほうが、映えると思って」


悠真はその言葉に静かに頷いた。

「……ちょうどいい」


湊が笑う。

「ほな、最後の調整いくで」



動画が再生される。


花さじきの色。

洲本の路地の影。

由良の漁港の朝。

雨の日の海。

福良の坂道。

森の静けさ。


六人が歩いた淡路島が、

短い映像の中でゆっくりとつながっていく。


紗季が思わず言う。

「なんか……うちら、めっちゃ頑張ったなぁ」


凛が微笑む。

「うん。

淡路島って、こんなに表情あったんだね」


陽斗は照れくさそうに頭をかく。

「俺、最初はただ遊んでるだけやと思ってたけど……

ちゃんと“作品”になってるやん」


美咲は画面を見つめながら言った。

「みんなで歩いたから、こうなったんだと思う。

一人じゃ絶対できへんし」


悠真は少しだけ視線を落とし、

小さく呟いた。


「……六人で、よかった」


その言葉に、

美咲はそっと笑った。



動画が終わると、

教室はしばらく静かだった。


湊がゆっくりと口を開く。

「SNSに上げよか。

“六人の淡路島”ってタイトルで」


紗季が嬉しそうに言う。

「ええやん!めっちゃ好き!」


凛が頷く。

「これからも、いろんな淡路島見たいね」


陽斗が笑う。

「次どこ行く?俺、まだ行きたいとこあるで」


美咲は少しだけ照れながら言った。

「私も……もっと知りたい。

淡路島のことも、みんなのことも」


悠真はその横で、

静かに言葉を落とした。


「……一緒に行こ」


美咲は小さく頷いた。



教室を出ると、

夕方の空がゆっくり色を変えていた。


六人の影が並んで伸びる。


紗季が言う。

「なんかさ……これからもっと楽しくなりそうやな」


陽斗が笑う。

「せやな。まだまだ行くで、淡路島!」


凛が微笑む。

「六人になって、景色が広がった気がする」


湊が言う。

「これからも、ゆっくり歩いてこ」


美咲は少しだけ照れながら言った。

「うん。

六人で見る淡路島、好きやわ」


悠真はその言葉に、

静かに微笑んだ。


六人の歩く音が、

夕暮れの校舎に優しく響いていた。


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