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世界の淡路島ですけど、何か?  作者: 双鶴


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第4話 土曜日の図書館

「平日は無理やな」

金曜の放課後、湊の家で宿題を終えたあと、陽斗が言った。


「野球部、月曜から金曜まで全部練習やし。日曜は試合入るし」

「パソコン部も週5や」

悠真が短く付け加える。


「料理部も土曜の午前は活動あるけど、午後は空いてる」

紗季が言う。


凛は湊のスケジュール表を覗き込みながら、

「科学部も平日は忙しいんやろ?」

と確認する。


湊は頷いた。

「せやから……毎週土曜の午後、固定で集まるのが一番やと思う」


四人は自然と頷いた。


「よし、土曜な」

陽斗が言う。

「で、初回は何すんの?」


湊は少し考えてから言った。

「図書館行かへん?

淡路島のこと、ちゃんと“どう伝えるか”考えたいねん」


「地元のことやのに、意外と“説明する”って難しいよな」

紗季が言う。


「俺ら、淡路島のこと知ってるつもりで、

“どうアピールするか”は全然知らんしな」

陽斗が笑う。


「じゃあ、明日の午後な」

凛がスケジュール帳に書き込む。


こうして、五人の“淡路島を世界に知らしめる計画”の最初の土曜日が決まった。




土曜日の午後。

淡路島の図書館は、静かで涼しくて、学生や家族連れでほどよく賑わっていた。


「うわ、淡路島コーナーめっちゃあるやん」

紗季が棚を見て驚く。


「そらそうやろ。俺らの島やぞ」

陽斗が胸を張る。


湊はメモ帳を開き、

「まずは“どう伝えるか”の材料集めやな」

と呟いた。


五人は自然と一つのテーブルに集まり、それぞれ本を開いた。



「淡路島って、瀬戸内海で一番大きい島なんよな」

凛が読み上げる。


「それは知ってるけど……

“日本最大の離島”って言い方したらインパクトあるな」

湊が言う。


「小豆島より全然でかいしな」

陽斗が言う。


「でも知名度は小豆島のほうが上。

そこが悔しいんやろ?」

紗季が湊を見る。


湊は苦笑しながら頷いた。


「せやから……

“世界を目指す前に、まずは小豆島に追いつく”やな」


陽斗が笑う。

「ええやんそれ!第一目標、小豆島!」


凛も笑った。

「小豆島はリスペクトしつつ、淡路島の良さをちゃんと伝える……いいやん」



「国生み神話は絶対使えるよな」

湊がページを指す。


「日本で最初に生まれた島が淡路島、ってやつやろ」

悠真が言う。


「これ、海外向けにも強いと思う。

“日本の始まりの島”ってキャッチコピー、普通にかっこいい」

湊がメモを取る。



御食国みけつくにも外せへんよな」

凛が別の本を開く。


「昔から“食の島”ってことやろ?」

紗季が言う。


「玉ねぎだけやなくて、魚も肉も野菜も全部強い。

これ、アピールポイントやな」

湊が頷く。



「渦潮も絶対映えるやつ」

陽斗が写真集を広げる。


「世界最大級って書いてあるで」

凛が覗き込む。


「CGで強調したらめっちゃかっこよくなる」

悠真が珍しくテンションを上げた。


「モデルは私でええん?」

紗季が笑う。


「SNSは任せて」

凛が胸を張る。


湊は五人の顔を見渡した。


(ほんまに……始まったんやな)


淡路島の本が積み上がったテーブルの上で、

五人の未来が静かに動き出していた。


「よし」

湊はメモ帳を閉じた。

「まずは淡路島の“魅せ方”を考えるところからや」


五人は頷いた。


図書館の静けさの中で、

淡路島の物語が、また一歩進んだ。


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