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世界の淡路島ですけど、何か?  作者: 双鶴


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第48話 映像に言葉を重ねて

「そろそろ、一本まとめてみん?」


湊がそう言ったのは、

放課後の教室で動画を見返していたときだった。


陽斗が椅子を回しながら言う。

「まとめるって、総集編みたいなやつ?」


「いや、そういうんじゃなくて……

淡路島の“今まで撮ったやつ”を、短く一本にしてみたいねん」


凛が頷く。

「いいと思う。

六人になってから、雰囲気も変わったしね」


紗季が手を挙げる。

「賛成!なんかワクワクするやつ作ろ!」


美咲は少し考えてから言った。

「じゃあ……文章、少しだけつけてみる?

長いのじゃなくて、短い言葉で」


悠真はその言葉に、

静かに顔を上げた。


「……やりたい」


湊が笑う。

「決まりやな。ほな、編集部屋行こか」



六人は図書室横の空き教室に集まり、

机を囲んで作業を始めた。


「このシーン、最初に入れたらどう?」

凛がタブレットを指差す。


「ええやん。流れが柔らかくなる」

湊が編集の順番を調整する。


紗季はスマホで音を探しながら言う。

「この曲、雰囲気合いそうちゃう?」


陽斗が笑う。

「紗季、センスええな。

俺、こういうの全然分からんわ」


美咲はノートを開き、

短い言葉をいくつか書き出していた。


「こんなんどうかな……

“歩いた道の先に、知らん景色があった”

とか……ちょっとクサい?」


紗季が即座に首を振る。

「全然クサくない!むしろ好き!」


凛も微笑む。

「美咲ちゃんの言葉、自然でいいよ」


悠真は画面を見つめながら、

ぽつりと言った。


「……その言葉、映像に合う」


美咲は少し照れたように笑った。

「じゃあ、もうちょい考えてみるね」



編集が進むにつれ、

空き教室の空気はどんどん“作品づくり”の雰囲気になっていった。


湊が言う。

「この場面、少し間を置いたほうがええな」


陽斗が頷く。

「確かに。急に切り替わると落ち着かんし」


凛は画面の色味を調整しながら言う。

「淡路島って、こういう柔らかい色が似合うよね」


紗季が笑う。

「なんかさ、うちら本格的になってきてない?」


美咲はノートを閉じて言った。

「文章、三つくらいに絞ったほうがいいかも。

あんまり多いと邪魔になるし」


悠真が静かに頷く。

「……少ないほうが、映える」


湊がまとめる。

「よし、じゃあ“短い言葉で、淡路島をつなぐ”って感じでいこ」



作業が終わる頃には、

外はすっかり夕方になっていた。


紗季が伸びをしながら言う。

「はぁー、疲れたけど楽しかった!」


陽斗が笑う。

「完成したら、めっちゃええ感じになりそうやな」


凛が言う。

「六人で作ると、やっぱり違うね」


美咲は少し照れながら言った。

「文章、変じゃなかったらいいけど……」


悠真はその横で、

小さく、でもはっきりと言った。


「……美咲の言葉、好きや」


美咲は一瞬固まり、

耳まで赤くなった。


「え、あ……ありがと……」


湊が笑って場を和ませる。

「ほな、次は仕上げやな。

六人で作った一本、楽しみにしとこ」


六人の影が、

夕方の廊下に静かに並んで伸びていった。


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