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世界の淡路島ですけど、何か?  作者: 双鶴


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第46話 雨の音を聞きながら

「今日、雨やけど……淡路島の雨って、綺麗なんよ」


放課後、凛が窓の外を見ながら言った。


紗季が傘をくるくる回す。

「え、雨の日に撮影?濡れるやん」


陽斗が笑う。

「紗季、そこは気合いやろ」


湊は外の景色を見て言う。

「でも、雨の光って独特やで。

濡れた道とか、海とか……ええ感じになる」


美咲がぽつりと付け加えた。

「雨の日の匂い、好き。

なんか落ち着くし」


悠真はその言葉に反応して、

小さく頷いた。

「……撮りたい」


紗季が笑う。

「よっしゃ、行こか!」



海沿いに着くと、

雨はしとしと降り続けていた。


波の音。

傘に当たる雨粒の音。

濡れたアスファルトの匂い。


「うわ……思ったより綺麗やな」

陽斗が驚いたように言う。


凛は海を見つめながら言った。

「雨の日の海って、静かに見えるよね」


紗季は水たまりを覗き込む。

「これ、写真撮ったら映えるやつやん!」


湊は濡れた石畳を撮りながら言う。

「光が反射して、普段より明るく見えるな」


悠真は傘も差さずに、

雨粒が落ちる瞬間をじっと撮っていた。


美咲が慌てて声をかける。

「ちょ、悠真くん濡れるよ!

風邪ひくって!」


「……大丈夫」


「大丈夫ちゃうやろ……ほら、これ使って」

美咲は自分の傘を少し差し出した。


悠真は一瞬だけ固まり、

小さく「……ありがとう」と言った。



少し歩くと、

古い石橋の下に雨水が流れ落ちていた。


紗季が言う。

「これ、めっちゃ綺麗やん!

動画撮ったら絶対ええで!」


陽斗がスマホを構える。

「おお、雨の音ええな……癒されるわ」


凛は橋の影を見つめながら言う。

「雨の日って、影が柔らかくなるよね」


湊が頷く。

「せやな。

晴れの日とは全然違う表情や」


美咲は橋の下の水面を見つめて、

少し照れながら言った。


「雨って……嫌いな人多いけど、

こうやって見ると、悪くないよね。

静かで、落ち着く感じ」


悠真はその言葉に、

ほんの少しだけ目を上げた。


「……分かる」



帰り道、

雨は少し弱くなっていた。


紗季が言う。

「今日の雨、なんか好きやわ」


陽斗が笑う。

「俺も。

雨の日って外出る気せんかったけど、

案外ええもんやな」


凛が微笑む。

「淡路島の雨、優しいよね」


湊が言う。

「SNS、今日は“雨の淡路島”でまとめよか」


美咲は軽く手を挙げた。

「じゃあ、文章ちょっと考えるね。

あんま難しいのじゃなくて、普通のやつで」


悠真はその言葉に、

静かに微笑んだ。


六人の影が、

濡れた道に柔らかく映っていた。


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