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世界の淡路島ですけど、何か?  作者: 双鶴


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第43話 影が語るもの(洲本の路地)

「……影、撮りたい」


放課後、悠真がぽつりと言った。


陽斗が振り返る。

「影?なんでまた急に?」


「……光が強い日は、影が綺麗になる」


凛が微笑む。

「分かるよ。

洲本の路地って、夕方になると影が長く伸びて綺麗だよね」


紗季が手を叩く。

「ええやん!路地歩こ!

淡路島の“影”って、なんかロマンあるし!」


湊が頷く。

「影って、光があるから生まれるもんやしな。

撮りがいあるで」


美咲はそっと言った。

「影って……言葉にすると、静かで綺麗だよね。

“寄り添う光”って感じがする」


悠真はその言葉に、

ほんの少しだけ目を上げた。




洲本の路地に着くと、

夕方の光が建物の間から差し込み、

細長い影が石畳に落ちていた。


「うわ……めっちゃ綺麗……」

紗季が息を呑む。


陽斗も驚く。

「影って、こんなに形あるんやな……」


凛は壁に映る影を見つめながら言う。

「光の角度で、全部変わるんだよね」


湊が頷く。

「影って、淡路島の“時間”が見える気がするわ」


悠真は黙々とカメラを構え、

影の揺れを追っていた。


美咲はその横で、

影の形をノートに描きながら言った。


「……影って、

“光がそこにあった証拠”なんだよね」


悠真は一瞬だけ手を止め、

小さく呟いた。


「……分かる」




六人は路地をゆっくり歩いた。


紗季が言う。

「この影、なんか猫みたいやなぁ」


陽斗が笑う。

「ほんまや!影で遊べるやん!」


凛は古い壁を指差す。

「ここ、昔の建物なんだよ。

影の落ち方も、どこか懐かしいよね」


湊は影の重なりを見つめながら言った。

「影って、光よりも“物語”ある気がするわ」


美咲はノートに短い言葉を書き込んだ。


「“夕暮れの影は、

 今日という日の余韻を連れて歩く”」


紗季が覗き込んで言う。

「美咲、ほんまに文章上手いなぁ……

影が急にオシャレに見えるわ」


陽斗も感心したように頷く。

「なんか……六人になってから、

写真も文章もレベル上がったよな」


悠真は影を撮りながら、

小さく呟いた。


「……言葉があると、光が変わる」


美咲はその言葉に、

静かに微笑んだ。




帰り道、

夕日が路地の奥に沈んでいく。


紗季が言う。

「今日の影、めっちゃ好きやわ」


凛が頷く。

「淡路島って、光だけじゃなくて影も綺麗なんだね」


陽斗が笑う。

「影の写真、SNSで映えそうやな!」


湊が言う。

「文章も添えて、ええ感じに仕上げよ」


美咲はそっと言った。

「影って……

誰かと一緒に歩くと、重なって綺麗だよね」


悠真はその言葉に、

少しだけ照れたように視線をそらした。


六人の影が、

夕暮れの路地に静かに重なっていく。


淡路島の“影の物語”が、

今日もそっと刻まれていた。


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