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世界の淡路島ですけど、何か?  作者: 双鶴


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第42話 色の島を歩く(花さじき)

「なあ、次は“色”で撮ってみん?」


放課後の教室で、紗季が突然言った。


陽斗が振り返る。

「色?どういうことや?」


「淡路島って、季節ごとに色が変わるやん。

花さじきとか行ったら、絶対綺麗やと思うねん」


凛が微笑む。

「いいね。

色をテーマにすると、写真も文章も広がりそう」


湊が頷く。

「確かに……“色の淡路島”って、まだ撮ってへんかったな」


美咲はそっと言った。

「色の名前って、言葉にすると綺麗だよね。

“若草色”とか“空色”とか……

文章にするの、楽しそう」


悠真は静かに言った。

「……光も、色で変わる」


こうして六人は、

淡路島の花さじきへ向かった。



花さじきに着くと、

一面に広がる花の海が風に揺れていた。


黄色。

紫。

白。

淡いピンク。


「うわ……めっちゃ綺麗……!」

紗季が思わず声を上げる。


陽斗も目を丸くする。

「写真で見るよりすごいやん……!」


凛は花の名前を調べながら言う。

「この黄色は“菜の花”。

春の淡路島の代表だよ」


湊はカメラを構えながら呟いた。

「色って……光の当たり方で全然違うんやな」


悠真は花の影を撮りながら、

「……風で揺れる色、撮りたい」と言った。


美咲はノートを開き、

花を見つめながら言葉を探していた。



六人は花畑の中をゆっくり歩いた。


紗季が言う。

「このピンク、なんか“春の匂い”するなぁ」


凛が笑う。

「色に匂いを感じるって、紗季ちゃんらしいね」


陽斗は青空を見上げる。

「空の青も、今日は濃い気がするわ」


湊が頷く。

「花の色が強いから、空も映えるんやろな」


悠真は美咲の横で、

花の揺れをじっと撮っていた。


美咲がそっと言う。

「色って、心の中にも残るよね。

“今日の青は優しかった”とか……

そんなふうに感じる日がある」


悠真は少しだけ目を見開いた。

「……分かる」


美咲は微笑んだ。

「じゃあ、その“優しい青”を文章にしてみるね」



帰り道、

紗季がスマホを見ながら言った。


「今日の写真、どれもめっちゃ綺麗やん!

SNSに上げるやつ、どうする?」


湊が言う。

「色をテーマにしたいな。

“淡路島の春の色”とか」


凛が頷く。

「じゃあ、私が文章の下書きするね」


美咲がそっと言った。

「色の名前、いくつか添えてもいい?」


紗季が笑う。

「もちろんやん!美咲の言葉、めっちゃ好きやで」


陽斗が感心したように言う。

「なんか……六人になってから、

SNSが急にオシャレになったよな」


悠真は写真を見つめながら、

小さく呟いた。


「……色が、増えた」


美咲はその言葉に、

静かに微笑んだ。


夕方の光が、

六人の影を柔らかく染めていた。


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