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世界の淡路島ですけど、何か?  作者: 双鶴


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第38話 島の記憶をめくる

「淡路島のこと、もっと知りたいな」


凛がそう言ったのは、

夜の星空を撮った翌日のことだった。


陽斗が首をかしげる。

「知るって……何を?」


「歴史とか、昔の暮らしとか……

今の淡路島につながってる“記憶”みたいなもの」


紗季が手を叩く。

「ええやん!図書館行こ!

淡路島の資料、いっぱいあるで!」


湊が頷く。

「せやな。

“今見てる淡路島”の奥にあるもん、知りたいわ」


悠真は静かに言った。

「……古い写真、撮りたい」


こうして五人は、

島の図書館へ向かった。



図書館に入ると、

ひんやりとした空気と、

紙の匂いがふわりと漂った。


「落ち着くなぁ……」

紗季が小声で言う。


凛は受付で資料室の場所を聞き、

五人は静かに歩き出した。


陽斗が囁く。

「図書館って、なんか眠くなるよな……」


湊が笑う。

「静かすぎてな」



資料室には、

淡路島の古い写真や地図、

昔の生活記録が並んでいた。


凛が古地図を広げる。

「これ……江戸時代の淡路島だって」


陽斗が覗き込む。

「今と形ほとんど一緒やん!

すげぇ……」


紗季は古い写真を手に取る。

「見てこれ。

昔の漁村、めっちゃ雰囲気ある……」


湊は生活記録の冊子を読みながら言った。

「淡路島って、

昔から“海と風と土”で生きてきたんやな……」


悠真は古い写真の影を撮りながら呟いた。

「……時間の影、綺麗」



しばらくすると、

五人は自然と黙り込んでいた。


ページをめくる音だけが響く。

窓から差し込む光が、

紙の上に静かに落ちている。


紗季がぽつりと言う。

「なんか……

淡路島って、ずっと“生きてきた”んやな」


凛が頷く。

「うん。

今の景色も、昔の人たちが積み重ねてきたものなんだね」


陽斗は地図を見ながら言う。

「俺ら、めっちゃ浅いとこしか見てへんかったんやな……」


湊が静かに言った。

「せやけど……

こうやって知っていくのが大事なんやと思う」


悠真は古い写真をそっと閉じて、

「……また来たい」と呟いた。



図書館を出ると、

夕方の光が柔らかく街を照らしていた。


紗季が言う。

「今日、なんか心が静かになったわ」


凛が微笑む。

「“島の記憶”って、すごく優しいね」


陽斗が伸びをしながら言う。

「よっしゃ、次はどこ行く?

もっと淡路島の奥、見たいわ」


湊が空を見上げて言った。

「ゆっくりでええ。

淡路島は逃げへんしな」



五人の影が、

夕暮れの図書館前に静かに伸びていた。


淡路島の“記憶”は、

今日もそっと息づいていた。


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