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世界の淡路島ですけど、何か?  作者: 双鶴


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第29話 風と坂と、友情の重さ(アワイチ後半)

正午。

淡路島南部の坂道が、

3人の体力を容赦なく削っていった。


「無理……死ぬ……」

陽斗がハンドルに突っ伏す。


「まだ半分やぞ」

湊が苦笑する。


悠真は汗だくになりながらも、

「……登る」と短く言った。


坂は続く。

風は強い。

太陽は容赦ない。


でも、

景色は驚くほど美しかった。


断崖絶壁の向こうに広がる海。

白い波。

遠くに見える大鳴門橋。


「うわ……これ……すご……」

陽斗が息を切らしながら呟く。


湊も立ち止まり、

「こんな景色、歩きや車じゃ見られへんよな」と言う。


悠真はカメラを構え、

「……撮れてよかった」と呟いた。




午後3時。

疲労はピークに達していた。


陽斗が言う。

「なあ……なんで俺ら、こんなことしてんのやろ……」


湊が笑う。

「知らん。

でも、やりたかったんやろ?」


陽斗はしばらく黙ってから、

「……せやな」と笑った。


悠真がぽつりと言う。

「……3人で走りたかった」


その言葉に、

湊と陽斗は一瞬だけ目を合わせた。


「……せやな」

湊が静かに言う。


「3人で走るから意味あるんや」

陽斗が続ける。


疲れは限界に近い。

でも、

3人の心は不思議と軽かった。




夕方。

最後の海沿いの道に差し掛かった。


夕日が海を赤く染め、

風が優しく吹き抜ける。


「あと少しや……」

湊が言う。


「帰ったら女子がご褒美夕食作ってくれてるんやろ?」

陽斗が笑う。


悠真は静かに言った。

「……絶対うまい」


3人は最後の力を振り絞り、

ペダルを踏み続けた。


美しい夕景の中、

3つの影が長く伸びていく。


そして──

夜19時。

3人はついにゴールへ向かった。


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