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世界の淡路島ですけど、何か?  作者: 双鶴


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第23話 朝の港に、島の声が響く

「地元の小さな店とか、根付いた風習とか……

そういうの紹介したいよな」


香川うどん旅の翌週、

湊がそう言うと、紗季がすぐに手を挙げた。


「ほな、漁港の朝市行こ!

淡路島の“朝”って、めっちゃええで!」


陽斗は「朝早いのは無理や……」と嘆き、

凛は「でも行きたい」と微笑み、

悠真は「……魚、撮りたい」と静かに言った。


五人はまだ薄暗い時間に集合し、

海沿いの道を歩いて漁港へ向かった。




港に着くと、

空気が一気に変わった。


潮の匂い。

波の音。

漁師さんたちの豪快な声。


「おはようさん!今日はええの揚がっとるで!」

「兄ちゃんら学生か?食ってけ食ってけ!」


朝市はすでに活気に満ちていた。


紗季が目を輝かせる。

「うわぁ……この雰囲気、最高やん!」


凛は湯気の立つ味噌汁を見て、

「朝からこんなの食べられるなんて贅沢だね」と微笑む。


湊は漁師さんに話しかけた。

「この魚、今日獲れたんですか?」


「当たり前や!夜明け前に網上げたやつや!」


漁師さんは笑いながら、

魚の種類や獲れる季節、

昔の漁の話まで語ってくれた。


陽斗は魚を持たせてもらい、

「重っ!こんなん毎日やってんの!?」と驚く。


悠真は黙々とカメラを回し、

魚の鱗に反射する光をじっと追っていた。



朝市の端で、

湊と紗季は“漁師汁”を受け取った。


湯気がふわっと立ち上がり、

味噌と魚の香りが鼻をくすぐる。


「……うまっ」

湊が思わず声を漏らす。


「これ、家で作れへん味やなぁ」

紗季がしみじみ言う。


凛も隣で頷いた。

「こういう“暮らしの味”って、観光じゃ分からないよね」


陽斗は焼きたてのアジを頬張りながら叫ぶ。

「淡路島の朝、強すぎる!!」


悠真は魚の断面を撮りながら、

「……CGで再現したい」と呟いた。


「お前、魚までCGにすんのか!」

陽斗が笑う。




朝市を歩きながら、

湊がふと呟いた。


「こういう場所、もっと紹介したいよな。

観光地じゃなくて、島の“生活”が見える場所」


紗季が嬉しそうに言う。

「せやろ!

淡路島って、こういう“朝の顔”がめっちゃええねん」


凛も微笑む。

「動画にしたら、きっと伝わるよ」


陽斗は胸を張る。

「よっしゃ!今日は“淡路島の朝のリアル”撮るで!」


悠真は静かにカメラを構えた。

「……光、綺麗」


五人の視線の先で、

朝日が海からゆっくりと昇っていく。


波が金色に染まり、

漁船の影が長く伸びた。


その光景は、

観光パンフレットには載らない、

淡路島の“本当の姿”だった。




帰り道、

湊が言った。


「今日の動画、めっちゃ良くなる気がする」


紗季が笑う。

「うちもそう思う!」


凛は静かに言った。

「淡路島の“暮らし”を伝える第一歩だね」


陽斗が拳を突き上げる。

「次は畑や!農家さんのとこ行こ!」


悠真は小さく頷いた。

「……土の色、撮りたい」


五人の旅は、

観光から“島の物語”へと

ゆっくり深まっていく。


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