↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
My Family  作者: 玉響
PR
2/3

決意

「あぁ、どこだここ?見覚えがない部屋だ」

 家にまで連れてきた男が起きたのであろう声を聞いて、寝室の方へ向かう。


「やあ、起きたのか。それにしても何もないようでよかったよ」

「・・・君は僕の知り合いかい?すまないけど、俺の記憶では君のことを全く知らないんだ。」

「いやいや、君の記憶は正しいよ。倒れていたところを偶然見つけてね。要約して言えば、そこら辺にいる学生が倒れている人を見つけ、勝手に正義面で助けようとしたって事かな」

「見た目によらず、かなりいい人なんだね」

 いや見た目によらずって何だよ、という愚痴が出そうになったが、髪は茶髪に染め、両耳にピアスをつけている人が、真面目で堅実的に見えるはずもないので口を紡ぐ。

(だけど、初対面なのに失礼なやつだ。)


「そういや、お礼がまだだったね。ありがとう。僕は、河佐遙人(かわさはると)。君の名を聞いても良いかい」

「大城雄馬っていいます。雄の馬で雄馬です」

「・・・そうか」といって遙人は、ベットから立ち上がり、全身を覆うほどでかいコートを着る。別にだじゃれを言ったわけではないが、滑り倒した後のような静けさだ。


 しかしそんなこと、今の雄馬には気にもとめることはなかった。

 雄馬は遙人が起きて数回の会話で、不思議な異様な感覚に包まれる。別に強さがわかるとか、そんなことはないのだが、超有名なプロの選手に会ったみたいに、どっかの大企業の社長に会ったみたいに、何か特別なものを感じる。

 それはまるで、この出会いが最後のチャンスであるかのように。


「では、退出するとしよう。長居するのも迷惑だろうしね。今日は世話になった、ありがとう」

「ちょっと待ってください」

 気づけば遙人を止めていた。まだ聞くべき事がある。これを逃せば必ず後悔する、と直感がいっている。


「うん?なんだい」

「最後に質問させてほしいことがあります」

「応えられる範囲のことであれば、答えよう」

 遙人は、こちらに振り向く。正面から見ると、気圧されてしまうと錯覚するほどのなにかがある。


「今この世界の状況をどう感じますか。ハルトさん」

 一瞬考えるようなそぶりをする。

「・・・そうだね、このままでは人類は終わるだろうね。外的要因、内的要因含めてね。そう遠くない未来、人類は最悪な状況になるだろうね」

「・・・・・」自分が思っていたとおり、いや自分なんかより何かを持つ遙人にいわれることで、ことの重大さがわかる。


「では君は、僕の回答を聞いてどう思う。なにをすれば、人類が、我々が平和に暮らせる世界になると思う」

 わからない。これまでどうすべきなのか、考えてきたからこそ解決策が見当たらない。いや、元々答えなんてないのだろう。悪魔の証明だ。

 あらゆる天才たちがたどり着けない答えに、凡人の俺がたどり着けることなどできないのだ。

 だからこそ、これまで考えすらしなかった回答に導けた。

 あまりにも馬鹿馬鹿しく、幼稚で素敵な回答に。


「・・・それは、この世界を支配する事だと思います」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。