忘却したいこともある
製作時間:三十分くらい
ジャンル:学園コメディ
――忘れるにもほどがある。
「――ふっふっふ、完成した!」
そう言いながら、機械をバンと叩く音が教室に響く。
絶妙に暗いその空間、その真ん中で、『機械製作部』のたった二人の部員が、一つの機械をはさんでいた。
女部長は天才だった。あらゆる機械を一瞬で作りあげてしまう。問題は、思い付きとひらめきで作り上げるため、欠陥を無視してしまう点だ。
そう、真ん中にある機械も彼女が今作り上げたものだった。
「お、お~、今回の機械は?」
平凡な男部員は、いつも振り回されていた。大体部長の作った機械の被害を被るのは彼だった。つまり、最初の感嘆詞は、期待しているのではなく、不安なのだ。
「今回の機械は……なんだっけ?」
「……え?」
部員も部長もそれぞれ別の理由で困惑する。
「いや、本当にわからない」
部長は思い出せなくて。
「……絶対この機会のせいじゃないですかぁ!」
部員は、機械の機能がブラックボックスと化したことにたいして。
そう、この機械は使う時、最初に対象者たちの記憶を奪う機能があったのだ。ちなみにデフォルト機能である。
つまり、最初に勢いで叩いた部長が原因である。
「部長、今回はなんでこの機械をつくろうとしたんですか?」
このままではまずいと思った部員は何とか聞き出そうと、部長に尋問する。
「ふっふっふ、落ち着きたまえ、こういう時こそゆっくりと、茶を飲むのが重要なんだぞ」
「なんで、そんな余裕そう何ですかぁ」
この状況の元凶の方が落ち着いていた。いつも通りの光景である。そろそろ殴って頭のバグを治した方がいいのではないかという気持ちを抑えて、部員はこの状況をどうにかしようと機械を観察する。触れると何が起こるかわからないからだ。
「確か……今回の件は君が関わっている気がする」
「え? そうなんですか?」
部員は思い出す。確かに、今日は部員の方が先に教室についていた。その記憶は部員にもあったのだ。
しかし、そこから先が思い出せない。そう、部員の記憶も奪われているのだ。
「まぁ、もう一度触ったらわかるんじゃいか?」
「それで何度俺が痛い目見たかわかってるんですか?」
そう、大抵二度目触ったときの被害は大きい。しかし、二回目は大体、部長の方が被害を受けるので二次被害である。
「ま、落ち着き給えよ」
そう言いながら手を伸ばす部長。
「落ち着けるかぁ!」
そう言って、机を叩く。しかし、それが機械に触れた。
『ビー、部員は部長のことが好き。本当』
「……あ、これうそ発見器だぁ」
部長は赤面し、部員は倒れる。今日も被害を受けるのだった。
AIからのお題概要
お題:『世紀の発明:嘘つき矯正マシーン』
【設定】
研究部の部室。部長(変人)が、部員(常識人)の「ある悩み」を解決するために、一瞬で完成させた謎の機械。




