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17話 圧力

養子成立から三日。


港の検査が突然強化された。


税務官が商会へ立ち入る。


荷が止められる。


理由は「形式確認」。


だが実質は牽制だ。




「殿下の意向でしょう」


古参が低く言う。


私は頷く。


予想通りだ。



王城からの使者が再び現れる。


今度は笑っていない。



「殿下は、失望されております」


柔らかな言葉。


だが目は冷たい。




「平民を貴族に取り込むとは」


侍従の視線が私に向く。


「随分と大胆な策を」




ビアンカが一歩前へ出る。


「合法です」


冷たい声。


揺れはない。




「殿下は、正式な回答を求めております」


「すでに回答は出しております」


当主が言う。


「ルチアは我が家の養女だ」




侍従の目がわずかに細まる。


「それでも、婚姻は可能です」


静かな一撃。


室内の空気が張り詰める。




私は息を整える。


まだだ。


まだ法は出さない。



「殿下は諦めません」


侍従は告げる。


「王家の意志は、家格を超えます」



圧。


明確な圧。




だが当主は微動だにしない。


「十日と言ったな」


静かに。


「回答はその期限内に行う」



侍従は去る。



空気が重い。


港は締め上げられている。


商会は揺れている。


王子は引かない。




ビアンカが私を見る。


不安ではない。


共闘の視線。




私は小さく笑う。


「証拠は揃う」


低く。


確信を持って。


だが。


王子の最後の一手は、まだ来ていない。


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