禁断症状
読んで戴けたら嬉しいです。
梅雨の季節だった。
隆一朗はニコルとバーのカウンターで飲んでいた。
「私、しばらくフランスに帰ろうって思うんだ」
突然、ニコルが言った。
「フランスに? 」
「ホームシック
丁度、レーベルとの契約も切れるし」
ニコルは笑った。
「そうなんだ
残念だね、淋しくなる」
「隆一朗も来ない?
瑞基連れて」
「それはちょっと、今の状態だと無理かな」
「その内来て、歓迎するから」
「有り難う」
「そう言えば、隆一朗はどうして音楽をするようになったの? 」
「んー、気が付いてたらしてた
父のDNAだと思う
父はクラシックが好きだから」
「わお、素敵
うちの父は大の演歌好き
どうして、フランス人のママンと結婚して私みたいな音楽する娘が生まれたのか謎よ」
隆一朗は肩を竦めた。
「風変わりな音楽よね」
「ニコの再来って呼ばれるの、気に入ってないの? 」
「いいえ、光栄だと思ってる
でも、彼女を越える音楽がしたい」
「キミならできるよ」
「有り難う
隆一朗、以前色んなジャンル聴くのねって訊いたら、ある女性の影響って言ってたね、誰? 」
隆一朗は少し間をおいて答えた。
「父の三人目の妻、そしてボクの恋人だった人だよ
そう思っていたのはボクだけだったけど」
「複雑そうね
ごめんなさい、いけない事訊いた」
「大丈夫、今のボクには瑞基が居てくれるから」
「あら、また惚気? 」
「ボク、そんなに惚気てる? 」
隆一朗は頬杖をついてニコルを見た。
「妬けるくらいには」
ニコルは悪戯っぽい笑みを向けた。
隆一朗は笑った。
急に隆一朗の笑顔が曇った。
「ごめん、急用思い出した」
「大丈夫?
顔色悪いよ」
「フランスへはいつ? 」
「来月」
「見送りに行けるといいな」
隆一朗はストゥールから降りて握手を求めた。
その手が微かに震えていた。
ニコルもストゥールから降り、深い藍の瞳で隆一朗を見詰めた。
「隆一朗、困った事があったら私がついてる」
ニコルは隆一朗の手を力強く握りバグをした。
「有り難う」
隆一朗は急いでバーを出た。
雨の中を、メインストリートまで出るとタクシーを拾った。
玄関のドアを開いた桐生は隆一朗を見て、満面の笑顔になった。
「あなたに薬をうって良かった
薬が切れる度に、こうして逢いに来てくれる」
読んで下さり有り難うございます。
隆一朗が彼女の事をこんなに冷静に話せる時が来て嬉しいです。
引き摺ってましたからねー。
引き摺り過ぎてすり減ったかな。
さて、これは誰のセリフでしょう❔
FFファンでアドベントチルドレン観たことある人は直ぐピーンと来ますよね。笑
今日は他の作品を読みに来て下さった方が結構いらしてて嬉しかったです。
有り難うございます。
季節の花が目まぐるしいくらい咲きだして、そとに出る度に驚いてます。
確実に季節は流れてるんですねー。
こぶしの花が誇らしげに花びら開いてて、綺麗でした。
地面に這いつくばる雑草とかも花咲かせていて、思わずにっこりしてしまう、端から見ると不気味な私です。笑




