嫌悪
読んで下さると嬉しいです。
隆一朗は焦っていた。
時間は既に、その日のライヴのリハーサルが始まっていたからだ。
それでも瑞基からは何の連絡も無く、一向に帰って来る気配が無かった。
『彼がまた、瑞基に何かを仕掛けて来たのだろうか』
だが、瑞基は昼を過ぎた頃に、ひょっこり帰って来た。
隆一朗は安堵して出掛けようとした。
「夕べ、どうしたか訊かないの? 」
「今夜、ゆっくり聞くよ」
「森さんとセックスしてたんだ」
隆一朗のドアを開けようとした手が止まった。
隆一朗は何も言わず出て行こうとした。
「どうして、何も言わないんだよ」
「それはキミの判断でした事だよ
ボクがとやかく言う事じゃ無い」
隆一朗は瑞基を見ずに言った。
そして、部屋を出て行った。
「どうしたんだろうね、隆一朗
いつもと全然気迫が違うから、なんだか怖かったよ」
ライヴが終わってバックステージに降りて来た魁威に麗畏が振った。
「あれは、瑞基と何かあったんじゃないか?
何かをぶつけてる感じだった」
帰りの車の中でも、隆一朗は黙々と運転し、メンバーたちの雑談にも一切加わらなかった。
隆一朗が帰っても、瑞基は帰っていたが自分の部屋から出ては来なかった。
隆一朗はキッチンからグラスに氷を入れ、ウィスキーを取ると自分の部屋に入って行った。
暫くしてドアがノックされた。
「どうぞ」
瑞基が遠慮がちにドアを開け、部屋を覗き込んだ。
「なに遠慮してるの? 」
「怒ってない? 」
「何を怒るの? 」
「森さんとエッチしちゃったこと」
「キミはこれから、どうするつもりでいるの? 」
「これからどうするって…………………」
「まさか、このままボクと暮らし続けるつもりじゃ無いよね」
「どう言う意味? 」
「キミがボクと離れて辛かった時、傍で支えてくれたのは森さんだったよね
キミが森さんを受け入れたのなら、森さんに誠実であるべきだろ?
森さんの気持ちを考えたら、ボクはもう、キミとは居られない」
「どうして!
やっと隆一朗と落ち着いて暮らせるようになったのに! 」
「キミは何がしたいの
とにかくボクは出て行くよ」
隆一朗は次の日の朝、出て行った。
読んで下さって有り難うございます。
瑞基の浮気に隆一朗がとった行動は私にも解りません。
あれは隆一朗流の嫉妬なんでしょうかねえ❔
嫌悪とサブタイトル付いてますが、どうなんでしょう❔
おとといから、「壊れた緋色」と「I want your kiss」を読んで下さった方が居て嬉しいです。
有り難うございます。
私のサイレント マジョリティーの皆様、お身体大切に、コロナに気を付けて下さいませ。




