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かなり少ないです。
前回言った卒試が自信あったのに壊滅的で自暴自棄になりそうです。
朝から晩まで学園側に管理されるようになるので本当に当分は作業出来なくなると思います。
あ~もうやめたいわ………
捕まえたのは二人はどちらも使用人などではなかった。
ガスマの本当の職業は暗殺者で毒物を使うのが得意で通っている。
嘘ばかりの奴でこいつの言っていたお姉さんの名前も嘘、元々性の持たない平民なうえ本性は笑顔の似合うおじさんなどではなく子供の悲鳴の好きな変質者であった。
唯一性で名乗ったスクダ家という家は存在しているみたいだ。
身体検査でシルバが簡単に隠している毒物を見つけ出したら簡単に吐いてくれたよ。
見つかったのは殺害用ではなく睡眠効果の物ばかりで夢の中でお姉さんを眠らしたのはやっぱりこいつで間違いなかった。
それと必要ない事だがどうもこの男、変装にも自信があるらしくキレたのはそのプライド故であった。
その時点で一流ではないと言ってやったらまたキレていたよ。
それともう一人の御者は運び屋という職業らしい。
らしいというのは僕がそんな職業を知らないのと確証となる物を何も持っていなかったからの二つの意味で言っている。
どうも何か隠しているように思えるのだ。
雇い主の名は未だに吐かない事からそれがこいつの雇い主に繋がるからだと思うが吐くまで時間がかかるだろう。
「そういう訳でシルバに二人は任せてきたから」
これ以上は時間が掛かりそうなところでウィレムは席を外して自室に戻り、先に部屋へ呼んでおいたリア達に事の顛末を伝えていた。
「それじゃあやっぱりお姉さんを殺そうとしてたんですか!」
「持っていたのが睡眠の類の毒だったけど連れていかれた場所で十中八九殺されてたんじゃないかな」
「良かったです。……本当に良かったです」
話を聞いてリアが純粋にお姉さんの無事を喜んだ。
自分の意見が発端だったから不安だったのだろう。
「けどこれでウィレム様の言っていた事が本当って事だよね?」
「ようやく信じてくれましたか」
「そうは言いますけど正直未来予知なんて言われても信じられないよ」
それと今回の件でリエラに信用してもらえたようだ。
今朝二人にはユリと同じ説明をした。
リアはすぐに信用したがリエラは僕が嘘を言うとは思えないけどそんなことが可能なのかという疑問から信用しきれないでいた。
ユリはなんで信じないのか分からないと懸命に説得していたのでようやくかとリエラの判断の遅さに呆れているがこちらの反応が普通なので僕としては今回の件だけで信じて貰えて嬉しく思う。
「それでこれからどうするんですか?」
「どうするって?」
リエラの質問にもう終わったと思っていたリアが疑問の声を上げながら首を傾げた。
「今回の件はあくまで知人を装って誘拐しようとしたのを阻止しただけです。このまま相手方が黙っているってことは考えにくいという事ですよ」
「じゃあまだお姉さん狙われてるの!?」
「その通りだ」
「大変じゃないですか!」
お姉さんは現在別室で使用人に護衛されている。
お姉さん本人には知人と名乗ったのが人違いであったという説明とリアとリエラが戻るまでの話し相手という事でいさせてもらっている。
腕が立つとは言えないまでも時間稼ぎと知らせることは出来る。
「ここは王子の住まいよ。正面きって攻めてきたりは出来ないからひとまずは安全落ち着いて」
「う、うん」
「ですがこのままという訳にもいきません」
「そうだな。このままじゃあお姉さんの身元も分からないまま引きこもってもらわなくちゃならなくなる。こっちは何も進展しないのに対して相手は何をしてくるか分からないからな……最悪この家に攻めてくることも考えなくちゃいけない」
攻めて来るは言い過ぎでもずっと後手に回ることには変わりがない。
お姉さんの安全を考慮しつつ動いていく事になる。
最も安全で確実なのは今すぐにでもお姉さんの記憶が戻ってくれる事だが運頼みになるからなぁ。
「でも安易に行動したらその瞬間を狙ってきますよ」
「ならマユキ様は?」
「そうですね。公爵家に頼めば……」
「厳しいですね。公爵家と言ってもここは領地ではないですからそこまでの力はないですよ。それに二人とも、ウィレム様は王家なんですから相手次第では寧ろここにいた方が安全の可能性がありますよ」
「……ウィレム様何かいい案はないんですか」
この中で唯一当てのありそうな僕に皆の視線が集まる。
相手が物理だけならばここに留まっている方が実際安全だ。
ユリの言う通り第七ではあっても王族であるのには変わりがなく王家に弓引くことを想像できるものではない。
しかしこのままここで保護したら間違いなく捕まる。
物理以外では脆いからだ。
僕ならまず各貴族に頼んでお姉さんの受け取りを正当なものにしたのちに引き渡さなければ違法に当たると脅すぐらいはするな。
そうなれば僕はお姉さんを引き渡ざる終えない。
しかし物理的にも法律的にも守ってやれるところは……。
正直な所当てがない訳ではない。
ただ気が引けなかった。
それはイコール自分の非力さを認めることになるからだ。
しかしそうも言ってはいられない……。
プライドと悪夢なら僕は断然悪夢回避を優先する。
覚悟さえ決まれば後の問題は誰に頼むかだが、
「……クー姉様に頼むか」
僕は悩んだ末に最も無難だと思える人物を選択した。
「クー姉様……クーデリア様の事ですね。いいと思います」
「ウィレム様のお姉様ですか。……悪くないですね」
「私は大賛成です」
僕の意見に三人とも賛同してくれた。
ただかなりの温度差はあるな。
因みに前からリア、ユリ、リエラだ。
リアは面識が少ないから咄嗟に出てこないレベルで、ユリはクー姉をすぐに思い出し地位や立場、権力を考慮して賛成してくれた現実視でのレベル、そしてリエラは舞踏会や冬王祭でクー姉の事を憧れていたから完全にクー姉の事を信じ切っている。
クー姉は昔から綺麗や美しいの前にかっこいいがつく人で女性にモテた。
婚約して女性らしい所が増えたがその前は女子高のお姉さまポジションだったそうだからな。
リエラはすっかりやられてしまっているのだ。
「ただ今は明日からのイベントでクー姉様は修羅場になるから構ってられる余裕が無い可能性が高いんだよなぁ……」
それを差し引いても他の兄妹に頼むよりはマシに思える。
「連絡は送っておいてそれまではここで匿うでいいかな?」
「「「はい」」」
今後の方針が決まった。




