↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/49

31.発見者

視点はリア→ウィレムです。

 私の名前はユリ。


 出生は孤児。

 耳や尻尾がある獣人と呼ばれる種族です。


 生まれてすぐに捨てられたらしく親の顔は覚えていません。


 獣人は人からは差別の対象になっている種族で親のいない私は生活レベルが最底辺だったと自負しています。

 多分他人に言えば生きていることが不思議なレベルの生活だと言われるでしょう。


 ここ半年になってようやく傭兵稼業で稼げるようになって少しはマシになりましたがそれも裏稼業、日に出る事はないと正直諦めていました。



 それが現在はこの国の第7王子のウィレム様の護衛として仕えています。


 由緒正しい生まれの、それも貴族を飛び越えて王族の方の護衛を任せられたのです。

 つまり王子様の側近職です!!!(嬉)



 嘘ではありません。

 本当の事です。

 もう何度夢だと疑って頬をつねったか分からない程確認したか分かりませんが覚めることはありませんでした。


 ウィレム様に仕えているのは私以外にまず私達のまとめ役で執事のシルバ様。

 ウィレム様が生まれてすぐの頃から仕えているお方で他の使用人とは貫禄から違います。


 次に同僚の従者で二つ年上のリアとリエラ。

 リアは穏和、リエラは器用な人で二人とも獣人の私にも対等に話をしてくれます。


 あまり協調性のない私がこんなに早く馴染めたのも二人の御蔭だと感謝しています。


 以上がウィレム様に仕えている人達です。


 王族としては少ないそうですが私にはよく分かりません。


 マルカさんなどのシルバ様の親族の方も寮《いえ》で働いていますがこの人達はウィレム様の専属という訳ではなく手伝いなのでウィレム様の専属の使用人は私達だけなので間違えないでください。


 それからウィレム様と深く関わりがあるのがフランク家のご令嬢のマユキ様。


 現在ウィレム様を支援してくれているただ一つの貴族で爵位は公爵家と私からしたらウィレム様と変わらないぐらいの由緒正しい家柄。

 私も通っている学園生活では成績優秀、運動神経も良く生活は真面目で1年生の派閥も作っています。


 ただし私は余り関わりを持とうとは思いません。

 住んでいる世界が違っていて近寄りがたい雰囲気が苦手というのもありますが関わり合うとロクな事にならなそうというのが大部分。

 まぁ、それは他の人もあまり変わらない。


 他には王都に商人の方々と仲が良いようで特にレオナさんとシオンさん親子のお店によく通っていました。

 私もあそこのパイが大好きだったのでしばらく食べられないのが残念に思います。




 そんな私の今の一日ですが、


 私の朝は日の出前から始まります。


 ウィレム様の隣の部屋の天井が私の寝床。

 ベッドは用意されていますが私には不適切な代物で肌に合わないのでこうして寝てます。


 起きるとまずウィレム様の部屋の天井に移動して主の無事を視認で確認。

 深夜の間に曲者もウィレム様自身の移動もないのは分かっていてもしっかりと姿を確認するのが最も安心するので起き掛け一番にこれをするのを欠かしません。


「今日もウィレム様は良く寝ていますね」


 それが終わったら今度は侵入者迎撃用の罠の調査です。


 アツェールは治安が良く一般人が家を襲うといった事はないと聞くが逆に暗殺者が来ないとも限らない。

 これはその迎撃のための罠です。


 この家は一見普通ですが至る所にそういった罠が仕掛けられている。

 その大半は私ではなくシルバ様とマルカさんが管理している物で私のはその隙間に罠を張っている感じである。


 罠の点検をしたら今度は武器の点検。


 実は朝の早い理由の大半がこの武器の点検だったりする。

 私は自室に戻ると音を発てない様に全身に仕込んでおいた武器を落とした。

 音を殺しても少なからずガチャガチャと音が鳴ってしまいますがこのぐらいなら隣で寝ているウィレム様の耳に入る事はないので大丈夫です。


 まずは小物の短剣から始まり太刀、大剣、鈍器、携帯槍に投げナイフと慣れた手つきで獲物を持っては離し持っては離しを繰り返していく。

 小山になっている武器が右から左へと移動していき、それが全部終わるとまた私の身体に仕込んでいく。

 鎌とか弓矢を仕込むのが大変だ。


 そしてすべてを仕込み終えると大体ウィレム様の起床時間を迎えます。


 今度は天井ではなく廊下の扉を叩いて正面から入室。

 今日はまだウィレム様はお休みのようで寝息を立てていました。


「ウィ、……ご主人様、朝で御座います。起きて下さい」


 ウィレム様の表情が少し歪んだ。

 意識が覚醒しようとしている。


 しかし起きたくないのか布団に包まって寝込もうとする。

 仕方なく身体を揺さぶると直ぐに諦めて上半身を起こして起きてくれた。


 まだ眠たさが残る目を擦って欠伸をするウィレム様。

 意識は半覚醒のようで少しボーとしている。


 無防備な表情からはただの子供で盗賊と対峙した人と同じ人だとは思えませんが私はこういう顔も嫌いではありません。


 もう少し寝かしてあげたいけどそんなことをしたらシルバ様にこの起床の任を取られてしまうので私は心を鬼にして声を掛けながらウィレム様の完全覚醒を促します。


「うう、」


 暫くするとウィレム様は声を上げながら背筋を伸ばし視線が私の視線と重なりました。

 もう大丈夫そうですね。


「あっ、ユリ、おはよう」

「はい、おはようございます。ウィレム様」


 ウィレム様はベッドから降りると洗面所に向かう。


 暫くするとリアとリエラも来て二人の時間は終了。


 これで起床の任は終わりだ。


 それから朝食を取り学園へと登校する。



 もう一度言うが私は獣人だ。

 ウィレム様やリア、リエラはまったく気にしないが人によっては忌み嫌われ差別されることもある。


 ウィレム様というご主人様に私のような獣人が部下にいると広まればよく思わない連中がウィレム様に迷惑をかけるかもしれない。


 だから周りに私がウィレム様の部下だと分からない様に影から守る様に進言した。

 進言した当初ウィレム様は非常に嫌なお顔をされたが意見を受け入れてもらえた。

 なので私の登校はウィレム様の後方を一定距離キープしてついて行っている。


 隣にはリアとリエラが控えているのでこの距離なら何かしらあっても間に合うだろう。


 学園に着くとそれからは退屈だ。


 勉強はしている。

 寧ろ編入してきたリアとリエラのが頭がいいので負けないように努力する様になっている。


 ただウィレム様とクラスが違う為、傍にいるのが数分の休み時間と昼休みしかなくそれも怪しまれないレベルに抑える必要があるし、クラスの移動や授業の延長になってしまうと会えない場合もある。


 私もリア達みたいに同じクラスに……。

 ぶんぶんッ

 今でも恵まれているというのにそれ以上を望む物ではない。


 元々凄く退屈だったのが退屈になったので良しにしないと。


 それより今日はマユキ様の機嫌が良かった。

 先週は派閥の子にも不機嫌なのが分かるくらいにイライラしていたのに今日は言動が少し優しいみたいだ。


 多分休みの日にウィレム様からの贈り物をもらえたのが効いているんだと思う。

 ご主人様からの恩賞を貰えるのは羨ましい。

 私はまだ結果を出していないから仕方がないがいつかは貰いたい。


 ウィレム様からの伝言でナタ……何とかっていう貴族がウィレム様と接触したのを伝えたら困りながらも嬉しそうな表情をしていた。

 いつもキリッとしている彼女がこんな表情を見せるのが珍しく少し驚いた。


 そして私に伝言の返事を伝えた。


 次の時間マユキ様は派閥のメンバーを教室に呼ぶと私の説明を更に分かりやすく説明していた。


 なぜか私が伝えた事の筈なのに私の分からない言葉が飛び交っている。

 聞き終えた派閥の子達は青い顔をしていましたが、マユキ様は余裕そうなので問題はないと判断した。


 こうして学園の授業過程が終わると下校もまたウィレム様の後ろを一定距離取って護衛。


 ここでポイントなのはウィレム様の後ろの右30度の位置をキープする事。

 護衛をしやすいという訳ではなくウィレム様は振り返る時右回りで振り返る癖があるので右30度の位置にいると顔を見れるタイミングが多いのだ。


 そんなウィレム様は何やらお考えの最中なようで時々おひとりの世界に入っていた。

 リアとリエラがそんなウィレム様をちょっと困ったように見ている。


 二人は何をウィレム様が考えている事を理解しているようなので私がいない間に何かあったのでしょう。


 一体何に悩んでおられるのか……。

 ご主人様の護衛としてご主人様のお考えをくみ取るスキルを身に付けなくて!


 ……シルバ様はそのスキルが飛び抜けていますね。

 時々心を読まれているのではないかと怖くなるぐらいです。


 そうして下校を終えると影からの護衛は終了。

 ウィレム様の前に姿を現して隣に控える。


 しかしその時間も短く、頭の悪い私は家に着いたらすぐに勉強を始めなければなりません。


 一年の授業は問題ありませんが三人は頭がとてもいいです。

 今日は一人ですが四人で集まって勉強会を開くことがあり、さぼると何を話しているのかすら分からなくなってしまいます。

 なので追いつくためにはどんどん予習していかないといけないのです。


 一緒にやるのはウィレム様の考案で一人よりも効率が良くなると言っていました。

 効率云々は分かりませんがウィレム様と会話しながら勉強ができるは嬉しいような自分の勉強のできなさに恥ずかしいようなと板挟みになっています。

 三人に教えられることはあっても教えることは出来ません。


 いつか逆転できるよう頑張りましょう。


 それが終われば食事、入浴などを済ませれば一日の終了です。



 今夜もまた天井で寝ます。

 ベッドは使っていない綺麗なシーツに交換されていますがやっぱり落ち着かないから私はここで寝るのが性に合っている。


 ………………

 …………?

 ……



 また朝が来ました。

 今日もまたウィレム様の様子を確認しましょう。


 何気ないような朝。

 いつもふわふわな布団に包まって気持ち良さそうに眠っているウィレム様の寝顔を見て始まる一日。


 しかしこの日は違いました。

 平和の象徴であるウィレム様が、


「うぐぐア!」


 この日激しい呻き声を上げながらベッドの中でもがき苦しんでいたのです。


 まだ日の浅い関係ではありますがウィレム様の寝ている姿は何度も見ています。


 暑さで布団を退ける仕草をする事はありますがそれだけで寝つきは非常に良かった。

 仮眠中いつもよりウィレム様が動いているのは感じましたが、誰かが訪れたり侵入してくるなどはなかったので暗殺者に毒物を飲まされたということはありません。


「ゔゔあぁ」


 再び呻き声が耳に入ってくる。


 私は何が起きているのか分かりませんでしたが咄嗟にウィレム様の元に飛び降りた。


 この時点で不法侵入に適応して悪ければクビになってしまいますがそんなこと言ってられません。


 ベッドの横に降り立ち改めて近くで見ると顔からは尋常じゃないほどの汗が湧き出ていました。

 次に身体には外傷と思われる物は見当たりません。


 近くで見ても原因が分からず私は取り敢えずウィレム様の意識を起こすべきだと思いました。


「ウィレム様!ウィレム様!」


 耳元に顔を近づけて声を掛ける。


 最初は小声で、徐々に声を上げていく。


 しかしウィレム様に反応がありません。


 声では起きないと判断した私は今度は肩を掴んで身体を揺すり始めた。


 左右に揺れるウィレム様の身体。

 何時もなら眠りが深くてもこの時点で意識は戻ってきて半覚醒にはなります。


 しかし今日に限ってこれでも起きない。


「ゔ、ぐがぁ!」


 それどころかまだ呻き声を上げてしまっている。


 肩を掴んでいた手を逆に掴まれる。

 どのような夢を見られておられるのかわかりませんが掴まれた手は跡が出来てしまいそうなほど強く握られて苦しみの大きさを感じさせられます。


「仕方ありません」


 何時ものやり方では起きないと判断した私は「御免」と言ってウィレム様の上半身を起こすと背中に衝撃を与えた。


 傭兵時代に起きない者を起こす為に身についた技の一つである。


 ウィレム様相手なので手加減しているが結構な刺激が伝わっています。

 流石にこれなら起きるでしょう。


「………」


 ……全く反応が有りません。


 まるで何事もなかったように眠ったままでした。


「そんな……これでも起きないなんて」


 衝撃に何も反応しないなんて少し自信がなくなりました。


 それからも呻き声を上げるウィレム様を起こそうとあらゆる手を使ってみましたがウィレム様の目を開けさせることは叶わずタイムリミットを迎えたのでした。


「っ!?」


 起きたのはなんの前触れもなく突然でした。


 ウィレム様は目を開けると自分がどこに居るのかを確かめるように周りを見渡しました。

 さっきまで何をやっても起きない程眠りが深かったのにもう覚醒しています。


 そして自分の部屋だと気づくと今度は息を整えるように深呼吸をします。


 その表情からは夢から覚めた安堵のような感情とは別に絶望や不安といった負の感情が見られました。


 自分の見た夢がそれほど酷い物だったのでしょうか?

 それにしては恐怖の感情がやたらに強く感じて何かを怖がっているかのよう……。


「っ、……ユリ?居たんだ。ごめん気づかなかったよ」


 私に気づいたウィレム様は無理していつもの表情になって接してくる。


 その行動にさっきまでの異常な出来事に触れられたくないのだと察しられた。


 ウィレム様は自分の異常を自覚している?


 このままウィレム様の意思に従ってスルーするべきか。

 それとも…………。


 ウィルム様が次の私の行動を待っている。

 このままいつもの生活の戻って有耶無耶にしてしまいたいのだと思う。


 その行動が逆に私の琴線に触れた。


 私はウィレム様の護衛で、ウィレム様のもので、ウィレム様の右腕なのだ。

 それなのにウィレム様は私を頼ってくれないのが無性に悔しかったのだ。


 その結果私はウィレム様の敷いている境界線の内側へと踏み込むことを選択した。


「ウィレム様は一体どんな夢を見たんですか?」


 そして何を隠しているんですか……。


 私が踏み込んでくると思わなかったウィレム様はさっきまで平静を整えていた表情が強張ってしまった。


 その反応はただ恥ずかしい夢を見たという事から現れる反応ではない。

 もっと深刻な隠していた物が見つかった時に見せる反応。


 やっぱりこれはウィレム様にとって知られたくない部類のものなのだと確信した。


「えっと、今日の夢?僕の今日見たのは……なんだったっけなぁ?」


 まだはぐらかそうとするウィレム様。

 少しですがここまで隠そうとすると何とか聞きたいと思ってしまいますね。


「そういうのはいいです。やっぱり私では話してくれませんか」


 ウィレム様はまた言葉が詰まります。


 最後の葛藤をしているのでしょう。

 私は黙って待ちます。


「なんでそんなことを?」


 しかし帰ってきたのは質問返しでした。

 まだ答えてくれない。


 しかし質問を返さない訳にもいかず私は話し終わった後ウィレム様から答えが返ってくると信じてさっきまでの事を話し始めた。






 ◆



 目が覚めると当たり前だが自分の部屋のベッドだった。


 ……また夢を見た。


 これで5回目。


 ユリの件からしばらく時間が空いていたので安心してしまっていた。


 気分はすこぶる悪い。

 頭は痛いし、吐き気が込み上がって来るし、何よりまるで長時間痛めつけられたかのように体の至る所が痛い!!


 前の疲労感とは全くの別物!

 夢の内容ではこんな全身痛くなるような事はなかったんだけどな。

 胸糞悪い気分は完全に夢の所為だと分かるが。


 身体を伸ばしても気分が晴れる事はない。


 そこでようやく僕はユリが近くにいる事に気がついた。


 なんでいるのかと思い、起こしに来たのだと直ぐに思い至る。


 いつからいたのか。

 今入って来た?それともユリは起こしていた?

 分からない。


 取り敢えず気づいたのだから反応を示さないと、


「ユリ?居たんだ。ごめん気づかなかったよ」


 身体の痛みも頭痛も吐き気も抑え込んで僕はいつも通りの自分を装って言葉を出した。

 自分で言うのはなんだが結構よくできたと思う。


 ユリの方を伺うと何やら言いたそうだが僕の対応に戸惑っている。

 いつもと違うという違和感があるのかもしれない。

 でもこれなら何か言われても体調が優れないだけだと言えば誤魔化せるはずだ。


 次のユリの出方を待つ。

 早くいつも通りに洗面所に向かわせて欲しい。


 だけど次に視線を合わせたユリの顔はとても真剣な物になった。


「ウィレム様は一体どんな夢を見たんですか?」

「!?」


 自分の顔がこれでもかと強張ったのが見なくても分かった。

 水を飲んでれば間違いなく噴いて咳き込んでいたと思う。


「えっと、今日の夢?僕の今日見たのは……なんだったっけなぁ?」

「そういうのはいいです。やっぱり私では話してくれませんか」


 はぐらかそうとしたけどバッサリと切り捨てられた。


 ユリは僕の夢について知っている……?


 でも昨日までそんな素振りはなかった。

 最後に見たのがユリの夢だから雇ってから気づかれるようなことは一切ない。


 最初から気づいていたのはもっとないだろう。

 なら今、夢を見ている間に何かがあったか、または何かをやらかしただ。


 そうだとすると無意識化だからどうしようもない。


「なんでそんなことを……?」


 もし寝ている間に何かあったのだとすると何があったのか把握する必要がある。

 ……寝言とかだったら非常に間抜けで恥ずかしいな。


 質問の答えを返さずに質問をした僕にユリは少し不服そうだった。

 それでも文句を言う事はなかった。

 

「……それは、」


 それから話された内容に僕はいろんな意味で驚愕した。


 まさかこの体の痛みって半分以上はユリの所為!?

 そう意識すると背中とか腕とか痛みに強い個所が重点的に痛いっ!


 悪夢の疲労や痛みは時間が経つと治るから気にしていなかったがそうでないと分かると無性に気になってしまうのだ。


「ウィレム様への数々のご無礼誠に申し訳ありません」


 頭を下げようとするユリを手で制する。

 しっかりとこの事について謝ったのでユリにこれ以上何か言う気はない。


 寧ろ悪夢中にそこまでされて全く反応がなかったと分かった方が重要だった。


 気づいたのがユリだったから良かったものの、これがお父様やお母様、シルバ辺りだったらもっと大変な目に遭っていただろう事は想像に難くない。


 特にお母様は過剰に反応するからなぁ~。


「あの、この事はシルバ様たちには……」

「頼む。言わないでください」

「やっ、ウィレム様!?そんな私なんかにそんなことしないでいいです!?」


 僕は頭を下げて懇願するとユリは僕が頭を下げた事に対して取り乱した。

 ユリとしては珍しくワタワタと手を振ってやめてくれと焦った顔になっていた。


「いや言わないっていうまでは」

「言いません!言いませんから早く頭を上げて下さいっ!」


 頭を上げるとなぜかユリが疲れた顔になっていた。……解せぬ。


 取り敢えず口止めは出来たので良しとする。


 そしてユリが僕の能力に気づいたわけではないのだとも分かってホッとする。

 これなら他の人が知っているという可能性は低いだろう。


「それでウィレム様、私は話しました。次はウィレム様の話を聞かせてもらえませんか?」


 あとはユリに対してどうするべきか……。



 

設定

各女性陣のウィレムへの感情(描写に掛かれていないのに好印象のキャラもいます)

リア→可愛い弟、最初の印象が強い?

リエラ→年下だけど頼れるお兄さん、マユキを応援

ユリ→ご主人様、まだ獣人としての主従関係が強い

マユキ→面白い主、もう少し頼ってもらいたい

アリッサ→面白い人、義姉に絡まれて可哀想だと同情

ナタリア→王族、利用できないか


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


王都

シオン→お得意様。好印象。ただし少し怖くも思ってしまっている

レオナ→恩人。最初は余所余所しい関係だが店を通っているうちに息が合う、仲が良い

アルティア→大好きな兄様

キャフィア→主従関係、アルティア優先

ミューちゃん→優しい兄ちゃん

ラン→恩人、勉強中

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。