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妖精は揚げても仕方がない。食べ物ではない。

そう、ここの閉店が一番ショックだったかもしれない。そばが美味しくて丼物も美味しいという素晴らしい店だったのに。駐車場は店の横の細路地に4台分くらいあって、喫茶店と共用だった。

 この食をめぐる話のそもそもの起因となったのが、前回の「ラーメン厨房 大」の閉店と、今回のとんかつ屋さんの閉店がまだ尾を引いていることだ。やはり普段からの楽しみは安く、良質の食事の存在であろう。うちの妖精は人様の食事の記憶をエサ(言っちまったよ)にしているので、現在進行形では食べる必要が無い。

ニーナ「そんな事ないわよ!人間に気力が必要なら、これだけ可愛らしい妖精の存在が。良い影響を与えない訳が無いわ。」

何言ってるんだ、コイツ。否定語を重ねてきているあたり、ろくなもんじゃ無いな。知らんぷりしておくか

ニーナ「それ!その塩対応よ。食べる気力が無くなれば、生きる気力も無くなるものヨ。感謝されこそすれ、無視決められるとかそんな対応、あんまりじゃない?」

ああ、そうだな。ここで揚げてもらえ。丼物が一番さ。

ニーナ「あれ、ここ良いおだしの匂い。て言うか、生そばって書いてあるよ、メニューに。壁の張り紙には「鍋焼きうどん」の文字があるね。」

よく気がついた。ここは横の喫茶店(カ〇テラ)とはドア一枚で中で繋がっているんだが、そもそもこっちがとんかつ店で、およそ40年前からおそばの修業の成果と言って、メニューに生そばも置くようになったのさ。年末にはパック入りの手打ちの年越しそばも店で売っていたし、同じく出したうどんも美味しいというお店、だったのさ。そんなわけで、今回は宮城県柴田郡大河原町で、今年営業を終了された「とんかつくさか」にご案内。いやあ、6月ごろ昼めし食おうと思って、定休日を改めて確認しようと思ってググってみたら「閉店しました」だったから、ショックのデカいことデカい事。地元には「とんかつ〇き」と言うトラックの運ちゃん御用達だったお店もあるんだけど、ここのカツどん(並)に勝る昼食は無い。+200円以下でかけそば(うどん)もつけてもらえたし。

ニーナ「おっさん、あなた自身が揚がってみたら?美味しいかもよ。脂多そうだけど。」


ともかく、揚げられては仕方ない。店内はまだお店としての機能は維持している。それというのも隣の喫茶店(カンテ〇)でヒレカツ定食のオーダーがあると、揚げ物の厨房があるこっちで用意してくれるから、まだ機能を残してあるとの事だ。ご主人の腕は衰えてないから、昨今の豚肉の値上がりとかが閉店の引き金になったと思われる。ただ、いつも料理を運んでくれていた奥様のお姿が見えないから、もしかするとそういう理由もあるのかなと、あまりに申し訳なくて聞けなかったけど。

ニーナ「だとしたら、大変なことね。おっさん、美味しいカツを食ってる場合じゃないんじゃ?」

まあな。でもいいかげんここも長いし、あんまり気を使いすぎるのもな。ともかくほぼ40年来通っていた。隣の喫茶店にお邪魔したのはまだ3回目なんだが、ケーキセットがお勧めの落ち着いた雰囲気の喫茶店さ。ただ、以前からとんかつ屋の方に喫茶店の店主さんがドアを通って来ていたので、顔見知りではあったのだよ。親族だったはずだし。

ニーナ「へえ。つまり人様の好意に付け込んで飯を食っていたと。」

違うわい。例えばこの店には2階があるんだが、座敷としては共用なんだよ。それぞれのメニューをそれぞれの厨房で作って持っていくんだ。まあ、だから「〇ンテラ」のメニューにはかつサンドがあるし、「とんかつくさか」でも本格的なコーヒーが飲めた。かつメニューは言うに及ばず、そばうどんメニューもたくさんあったしな。どれも美味しいんだがコスパ的に、何と言ってもかつ丼(並)がお勧めだったのさ。上かつ丼も美味しいんだけど最近値上がり気味だったし。ミックスフライ定食に煮込みうどんも当然な。麺類との組み合わせが味、ボリューム共に素晴らしい、もっと続けばいいなと思っていたお店だったんだ。よく元気だった頃、家族そろって来たこともあったものさ。俺の家族だからほら、皆デカいだろう?

ニーナ「そりゃ、目立つか。」

そうなんだよ・・・って、何て失礼なヤツ。

ニーナ「半ば自分で言っておいて。」

でもなあ、だからこそショックがでかいのさ。安心して飯が食えるところって、実は貴重なんだぜ。何せ就職したころからの付き合いだったからな。

ニーナ「そうか・・・良いとこも悪いとこも知られていたって事ね。・・・ねえ、おっさん、良いとこってあったっけ?」

この不良妖精が。なんか変な属性つけたるぞ。

ニーナ「もう、攫われマニアなんてのがついてじゃない。イーナ姉さんなんかは筋肉ピーだし。」

いやそれは、お前さんらの存在意義そのものだし。まあそんなこと言わずに、もう少し付き合ってくれや。

ニーナ「まあいいか。もぐもぐ。うん、このカツどん、並だとちょい薄いのね。でもだしが効いてて、でもちょっと熱いわね。そうか、揚げたてだから。上もまた美味しいわ。かけそばも美味しい。うん、満足だわ。おっさん、この店ずい分来てるね。記憶の量が凄いわ。」

お前さんらは、人の記憶量で腹具合が変わるのな。まだヒレカツならお隣でオーダーすれば食えるけど、なんか気力も落ちている感じだったし、元気出してもらいたいものだよな。


大河原の駅からだと、白石川を渡って最初の信号を右折、しばらく走って右側に看板が出てたんだけど、喫茶店だけだとわかりづらいかも。それにしてもショックだ。

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