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この妖精を山に放すと、迷う。

山形県は食材王国です。肉も旨いし果物も旨い。アユはあちこちで塩焼き売ってるし、普通はお蕎麦も美味しい。でも何故か新庄市周辺では上手いと思ったとこないんですよね。お寿司も山間部だけあって、どうかなと思ったけれど、その代わり海産物に対する熱意は凄かったですね。まあ、西に行けば酒田とか良い漁港もそんなに遠くないわけだから、冷蔵技術とか車の普及なんかで流通が悪いわけでは無い。後は店側のやる気なんですが、まあ前回の白石よりはずっとある。ラーメンも・・・おっと、長すぎだ。

 ニーナ「あれ、ここどこ?結構山深いね。」

山の中って言う意味では前回とどっこい、いや、こっちは金山杉の名産地だし、そもそも山形県だ。山深いのは当然ってものさ。

ニーナ「空気もいいね。風も爽やかだよ。」

風は結構強いから、飛ばされんなよ。そこの川の上流では、5月にこいのぼり祭りもやるんだぜ。川の端から端まで、何十、何百というこいのぼりをロープでぶら下げて泳がせる。いまでもやってるならまた見たいものだけど・・・

ニーナ「何?健忘症?」

失礼な。もう何十年もこの辺に来てないから、記憶が薄れているだけだ。健忘症じゃ、無いやい。

ニーナ「怪しいなあ。こんなとこまで来て、何?川魚?それともお蕎麦かな。どっちも好きだよ。」

うん、例によって健啖家でいらっしゃる。だがな、ご期待に沿えなくて心苦しいが、この辺なら国道47号線に出て最上川船下りのとこまで行ってアユの炭火焼きとか田楽食うのをお勧めする。旨いぞ、川魚とも思えぬたんぱくな中にも味がある脂ののったアユ。田楽にすればコクもあって。因みにそばはなあ、個人的な見解として、県内でも新庄市周辺では食わんほうがいい。最上川のどっちかと言うと下流だからか、そば処山形にもかかわらずお蕎麦は・・・まあ、村山市ぐらいが北限、というか新庄あたりで旨いと思った事ないな。次年子まで出れば、そばロードで旨いとこあるし、村山なら街中の「あ〇きそば」なんか有名だぞ。薄盛りとか昔盛りとかに、鰊煮とかゲソ天添えてな。

ニーナ「結構詳しいね。」

まあ、昔住んでたからな・・・夏場なら尾花沢までスイカ買い付けに行ったものだが。おっと、話が脱線したが、今回はお待ちかね、予告通りのステーキだ。

山形県最上郡真室川町の、役場近くにあったステーキの「珍竹林」にご案内だ。役場そばだけあって、前回よりは栄えてるぞ。


 さて、今回の真室川町は、仕事で役場を訪問した時に見つけて、プライベートで何回か訪問したところだが、住んでたのが新庄市だったもんだから、車でも20分くらいはかかるんだ。でも当時まだ道路整備が雑でな、間違って隣の金山町に行ったり、大蔵村に行ったりして、なかなか道は覚えられなかったな。

ニーナ「ナビとか無かったの?」

まあ、途中からパナのポータブルタイプのかって車に付けたんだけど、地図の精度が今とはダンチだし、まだスマホも無かったからスマホナビも使えなかったしな。基本的に道路標識と、後は勘、だな。新潟付近を通った時は、つい冒険心を起して変な道入っちゃって、往生したモノさ。ほんに現代の技術の進歩は凄い、というか、出来ない事までできてしまうのはさあ良いのかどうか。人の分を超えているんじゃないかと思うときがある。・・・まあそれはどうでも良くて、でももう10年以上は前か、その頃はまだ建物は残っていた・・・ああ、ここ、ここ。

ニーナ「割とこじんまりしているね。一軒家だけど。」

この、前の駐車場に止めて店に入るんだが、ああ、ここも記憶が曖昧だ、間取りが思い出せん。

ニーナ「ほんと、あやふやだね。おっと、危ない。あれ、入口のショーケースで何か売ってるよ。」

ここはステーキを出してるくらいだから、テールスープも自前で作って売ってるんだ。それとか後なんだっけな、牛肉も売ってた気がするんだが、思い出せん。テールスープは後で食わせてやる。旨いぞ、肉ほろほろで。一度買ったし。

ニーナ「入ってすぐに焼き場があるね。わあ、牛肉が何枚か焼かれている。あれ、メニューは?」

メニューはあったんだが、そういえば見た記憶がない。いつもステーキをシングルかダブルかで頼むだけだったし。そう言えばいつもお客さんはいたな。なかなかの人気店さ。山形牛を使ったステーキ定食を安価で皆さんに、がコンセプトのお店だったから、だいたいの人がステーキのシングルを頼んでたっけな。ブランド牛ってわけじゃないけど、良質な赤身メインのステーキで、シングルの定食なら当時で1,000円位で食えたんだよ。ダブルは肉2倍な。そこの焼き代で焼いたのをカットして持ってきてくれる。たれも旨いんだが、これまた記憶は曖昧だ。でもたぶん、自家製だったな。付け合わせの野菜も付いて、お汁もありでこの値段。肉大好きの若者も、脂身が苦手な年配者も満足できる美味しい肉さ。

ニーナ「ほんとこれ、美味しいよ。差しがいっぱい入っているのではないけど、肉自体のうまみが溢れる。」

さしが入っているようなのも扱っていた筈なんだが、基本の定食がリーズナブルすぎて、別のメニューにまで手が回せなかったんだ。でもそれでも記憶に残る味さ。たまたま現地を再訪した時、閉店の張り紙を見て膝が崩れたもんさ。まだ食べてない惣菜もあったのに。

ニーナ「あ、総菜が追加された!ねえ、これ食べていいの?」

いや、俺が食ってないから、多分味も無いぞ。

ニーナ「酷い。妖精侵害だわ。」

と、言われてもな・・・俺だって、当時わざわざ100㌔以上の道のりを来たのに膝崩れだぞ。そのショックたるや。って、おい、どこに行きやがる。人の記憶の中で外に出るんじゃない。あ、あらら。外行っちまったよ。戻ってこれんのかね、こんな山の中で?俺、もう帰るぜ。

さてさて、ナビゲーター?が逃げてしまいました。次回までに復帰出来るかな?次回は洋食屋のつもりなんだけど、予定変わるかも。またラーメン屋?それともとんかつか?最近閉店も多いからいくとこには困らないな。ちくしょう。

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