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三度目の正直を必ずこの手で  作者: 池春 藤斗


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クリックしていただきありがとうございます。

レイナルド・スミスディアとラグナ・インテンスの戦闘直後の闘技場。

両者はどこかに運び込まれ、下には誰もいなくなっていた。

だが観客席にはまだ人が残っており先程まで繰り広げられていた光景の話でざわついていた。

その中の一つに四人で座っている集団がいた。

一人は水が流れるように長く美しい金の髪。

首も胴も手足も細長く一つの芸術作品のような体格。

胸のふくらみもそこそこで燃え盛る紅葉のように紅い瞳を持つ少女。

その隣には空の様に何でも吸い込みそうで、森の様に落ち着きを与えてくれるそうな碧い瞳に首の付けほどまでで切りそろえられた白い髪。

少し寸胴なところがあるが豊満な胸はこの中の誰よりも魅力あふれるものだ。

またその隣には茶髪でツンツンと尖らせた髪型をした男。

細身ながらも体格は逞しく服の上からでもそれが分かるほどの持ち主。

その茶髪の男の腕を抱え込みながら座る、肩甲骨辺りまで伸びた毛先が少し内向きに巻いている紫髪の少女。

瞳も髪色と同様紫に染まっており蠱惑的な印象を与える。

慎ましやかな胸元だが曲線を描く体の線は美を司る女神をも嫉妬しそうなほどに美しい。

このような四人が先ほどの出来事について話し合っていた。


「驚きしか出ないね。魔法は切り裂くし、召喚獣は狐の九尾だし、おまけにどうやったかは分からないが召喚魔法を行使して普通のユニコーンではなく特殊なユニコーンを召喚するし……俺、ついていけそうにないわ」


茶髪の男、ネオティウス・イヴァンが弱音を漏らす。


「ネオ、あれはあなたが倒すべき相手よ。ネオなら勝てるよね? 負けたら……許さないから……」

「リア、そんな怖いこと言わないでくれ。あいつとマジで敵対することになったら俺生き残れる自信ないから」

「そんなの関係ない。ネオが負けるなんて神が許しても私が許さない」

「いやーそれよりも本当に魔法を斬ったのか? そうだったとしても暴走した魔力が消えるとは思えないんだけどな。むしろ別の何か……」

「ネオ、そんな疑問どうでもいいから。それに話を逸らすなんて……いったいどれだけ私がいないと生きていけない体にして欲しいのかしら」

「……」


紫髪の少女、リア・オルタンスが話す内容にネオティウスが冷や汗を垂れ流しビクビクしながら聞いている。


「それにしても今日は来てみて良かったんじゃないか? 予想以上の収穫だ。レティシアはどう思った?」


ネオがリアに氷点下の眼差しを向けられながら金髪の少女、レティシア・ホワイトロックに尋ねる。

彼女はすぐ答えることはなかったが、重々しく口を開いた。


「そうね。前回ではあまり使いものにならないと思っていたけど全くそんなことないわね。むしろ私が御しきれるか疑問が出るくらいだわ」

「レティシアって面白いこと言うね」

「どういう意味よ、ユリシア」


白髪の少女、ユリシア・ヘルンベルツの言葉にレティシアが反応する。

馬鹿にされたと感じ、怒気がにじみ出ていた。


「まだ言ってなかったけど、あの人は六歳って年齢でハイドラを倒してるんだから。そんな人を従えさせる人なんてこの世にいないわ」

「ハ、ハイドラってあのハイドラ!? 首の本数は? まあその年齢で本当に倒したのなら凄いでしょうが精々二本でしょう?」

「五本よ。どうやって倒したかは生死を彷徨っていたせいで分からないけど」


ユリシアが満面の笑みで答える。

レティシアは情けなくも口を開け唖然としている。

ネオティウスはちょうど飲んでいた飲み物を噴き出していた。


「その年齢で五本って化物を通り越してるじゃねえか」


誰しもこの反応になるだろう。

普通ありえないのだ。

魔獣はサイズにもよるが大型のものになると軍を使って討伐をされたりするものなのだ。

ハイドラなどその典型的な相手だ。

それを六歳で倒すなど化物とすら呼べない。


「ますます敵対できないじゃねえか」

「ネオ、そんなに弱気になってどうするの?」

「リアさんよ、そんなに俺に死んでほしいのですか?」


毎度二人はこのような会話をする。

ユリシアにとって好きな人と話せる二人の光景は羨ましいものでしかなかった。


「レティシアどうするの? 誘うの誘わないの? それとも……従わせるの?」

「誘うしかないわね。敵対などすればこちらが滅ぼされるだけだわ。それにユリシアは何でレイナルド・スミスディアが絡んだ時はそんなに人が変わるのかしら?」


思っていたことを口に出す。

いつもはこのように挑発的な言葉は使わない優しい性格を知っているために余計に疑問を持つ。

そのためユリシアの返答にため息を吐きたくなる。


「だって未来の愛しの旦那様を馬鹿にされるのはいくらレティシアたちでも許容できないから」

「そ、そう」


これ以上言葉が出なかった。

ユリシアは余程レイナルド・スミスディアに心酔しているようだ。

それに恋愛に疎い私でも何となく気づいたことがある。

ユリシアはもしかしてリアと同じタイプの人間ではないかということだった。


最後まで読んでくださりありがとうございました。

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