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三度目の正直を必ずこの手で  作者: 池春 藤斗


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昨日は急用で投稿できませんでした。

楽しみにしてくださっていた方申し訳ございません。

どこかで複数話投稿しようと考えています。

町中は試験会場に向かっていた朝とは違い、さらに人が増えていた。

様々な人が行き交い、誰かと話していたり、買い物をしていたり、食事をしていたりと大変賑わっていた。

これこそ町中の風景。

村にいては見れない光景。

俺はそう思った。

どこからともなく良いにおいが鼻腔をくすぐり、空腹を刺激する。もう待ちきれない。


「カスミ、どこか行きたいところはあるか?」

「こっち! ついてきて!」


カスミが俺とミラの手を掴み引っ張っていく。

わき目を振らずに進んでいくカスミに俺とミラは顔を見合わせ微笑む。

本当に可愛らしい妹だ。

そうして辿り着いた場所はサンドイッチを販売している出店だった。

タイミングが良かったのか並んでいる人はいなかった。

カスミはそれを確認するや否や俺たちの手を放し出店のおばちゃんに駆け寄っていく。

俺たちはそんなカスミを見ながら急ぐことなくゆっくりと歩いた。

俺らが着いた時にはすでに注文が終わりお金を払うだけとなっていた。

どれだけ食べたかったんだよと声に出さずツッコミを入れ、代金を支払う。

カスミは早く食べたそうにしていた。


「見ない顔だけど最近来たのかい?」


出店のおばちゃんに質問される。


「そうなんです。これからこの町に引っ越してきたのでまた来させていただきます」

「そうかい、そうかい。引っ越し祝いにサービスしてあげるよ」


そう言って頼んでいない種類のサンドイッチを用意してくれた。

どれもこれも皆美味そうだ。


「ありがとう、おばちゃん! 美味しく食べるね」


カスミが両手でサンドイッチの入った箱を抱えお礼し、近くのベンチに腰掛ける。

お礼を言われたおばちゃんも表情が緩んでいた。


「いい子だねー」

「はい、とてもいい子です」

「名はなんていうんだい?」

「カスミって言います」

「カスミちゃんねー。カスミちゃんはあんたの奥さんと似て綺麗な女性になりそうだねー」

「そうですね……うん? 今なんて言いました?」


俺の聞き間違いか?

奥さんと似てと聞こえたような。

そう思い俺は聞き直した。


「だからあんたの奥さんと似て綺麗な女性になりそうだのと言っているんだよ」


やはり聞き間違いではなかった。

俺は隣にいるミラを見る。

ミラはこのことに何も言わずただ顔を赤らめもじもじしながら俺をちらちら見ていた。

はっきり言って超絶可愛い。

これを俺以外の男が見ることなんて許せない。

独占欲が急速に高まる。

それにリップサービスかもしれないが出店のおばちゃんが夫婦と間違えたのだ。

傍から見たら俺たちはそのようにみられるだけの雰囲気があるということだ。

なら俺から動いてこのあいまいな関係を終わらせるしかない。


「カスミは俺の妹です。それに隣にいるのは奥さんではなく、婚約者です。今すぐにでも結婚したいですが、今度大学校に入学予定の身分なので結婚はまだ先ですね」

「大学校の試験に受かったのかい。それはおめでとう! なら早く卒業しないとね。……ってあんたどうしたんだい?」


おばちゃんがにこにこしながら答えてくれていたと思ったら、俺の後ろの方を見て戸惑っていた。

後ろに振り向くとミラが顔を両手で抑え泣いていた。


「ど、どうしたミラ!?」

「ごめんなさい」


ミラがそういうとどこかへ駆け出した。

追いかけたいが、カスミを置いていくわけにはいかない。

どうしたらいいか迷っていると、


「あんた、早くあの子を追いかけなさい。この子は私が見ておくから」

「すみません。お願いします」


おばちゃんから助け船が出たことにより、ミラを追いかけ始める。

何度か人とぶつかり怒鳴り声をあげられるが、1秒でも早く捕まえるために無視する。

そしてようやくミラを捕まえることができた。


「やっと捕まえたぞ、ミラ。なんで逃げたんだ? それになんで泣いていた?」


俺に背を向けっぱなしだったため両肩を持ち俺の方へと向かせる。

彼女の眼からはまだ涙が溢れていた。

どこか話すのに良い場所はないかと探していると泊っている宿屋の近くにいることが分かり、宿屋の部屋に戻る。

そして俺は素直な気持ちを伝えることにした。


「さっきはごめん。本当にいきなりなんだが俺の話を聞いてほしい。俺はミラのことが好きなんだ。いつからかはわからない。いや、たぶん初めて会った時から好きだったんだと思う。父さんが結婚の話を持ち出した時はチャンスだと思った。けどミラが俺のことを好きなのかどうかわからなかった。だからさっきちょっと試すようなことをした。まあミラからしたら嫌だったよね。また聞きみたいな感じになって。だから今度はちゃんとミラだけに伝えるよ」


一気に話しかけていたのを止め、一度深呼吸してからミラの目を見た。

ミラも俺を見てくれていた。

あとは根性と勇気のみ。


「俺はミラが好きです。年の差があろうと関係ない。ミラだから好きになりました。ミラのすべての人生を俺に下さい。お願いします」


言い切った。

めちゃくちゃ緊張したが言い切った。

あとはミラの返事だけ。

拒まれるかもしれないという恐怖を持ちつつ、彼女を待った。

そして、


「レイ、さっきはごめんね。嬉しくて泣いちゃったのを見られたくなくて逃げたの。いつからかな。どんどん大きくなって、私なんかより遥かに強くなって、カッコよくなるレイを見てたら、好きになっちゃったの。だから私はそんなレイと離れたくなくてついてきたの。カスミちゃんをおざなりにするつもりはないわ。けどそうしてしまってもいいと思えるほどにレイのことが大好きなの。だから私の人生をレイにあげるわ。その代わりレイの人生も私に頂戴」

「何当たり前のこと言ってるんだ。もとからそのつもりだよ」


言い終わるとミラがキスをしてくる。

彼女が求めてきてくれたことがとてもうれしかった。

だから彼女を離さないと言わんばかりにきつく抱きしめ、キスに答えた。

こうして俺とミラは正式に結ばれたのであった。


最後まで読んでくださりありがとうございました。

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