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三度目の正直を必ずこの手で  作者: 池春 藤斗


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クリックしていただきありがとうございます。

レイナルドとラグナ・インテンスの試験の様子を一挙手一投足見ていた者がいた。

その者は報告を行うため闘技場の観覧席に戻った。

そこには四人がベンチに座っており今現在行われている試験を見ていた。


「ただ今戻りました」

「ジャン、どうだった?」


水が流れるように長く美しい金の髪を持つ女が尋ねる。

レイナルドの後をつけていた男、ジャンと呼ばれた者が口を開く。


「はい、あの者は何もせず大学校を出ていきました。しかしあの者が通った道中では何人か怯え震える者がいました。恐らくですが膨大な魔力を感じ取り、そうすることしかできなかったものと思われます」

「そう、そこまで膨大な魔力を持っているのね」

「これは私の勘ですがあの者とは絶対に敵対してはいけない気がします」

「それはどうして?」

「まず私自身があの者を倒せるとは思えません。むしろ全力で挑まれれば数十秒しか持たない気が……いや数十秒でもきついかも知れません。数秒、瞬殺も考えられます」

「では先ほどの戦闘は全く全力ではなかったと?」

「そのように愚考します」


素直に思ったことを包み隠さず口にする。

そういうところが気に入られてか、金髪の女の目や耳として信頼されていた。


「ありがとう、ジャン。ゆっくりしていいわ」

「それでは失礼します」


ジャンは金髪の女に頭を下げどこかに消えていった。


「どうしますか? あの者をこちらに引き込みますか?」


四人のうち一人、茶髪でツンツンと尖らせた髪型が特徴の男が問い掛ける。


「迷うところではあるけど、無理をしてでもって感じではないわね。それに私はジャンには申し訳ないけど今回の見立ては当てはまらないと思うの。確かにあのラグナ・インテンスを倒したからには実力はあるでしょうが、油断しきっていましたからね」

「そこなんですよね。簡単にやられすぎて判断が難しい。けどあれぐらいなら俺も引き込まなくてもいい気がするけどね」


茶髪の男も金髪の女に同意する。

そして茶髪の男の腕を抱いて離さない紫の髪をした女も同意する。


「リアもあれだけじゃ何とも言えないしね。それにあいつがネオと戦っても勝てる訳ないしね! それにもしネオが負けることがあれば……しっかりとリアがネオを可愛がってあげるから……」

「リア、最後まで高いトーンで話してくれ! 後半、本当に恐ろしいから……」

「相変わらず仲がいいわね」


紫髪の女、リア・オルタンスが発言し、茶髪の男、ネオティウス・イヴァンが空いている左手で垂れ下がった頭を支えている。

そんな二人を見ている金髪の女、レティシア・ホワイトロンドが軽いツッコミを入れる。

この四人では良く見かける光景だった。

だが少しだけ違った。もう一人の白髪の女が会話に入ってきていなかった。


「ユリシアどうかしたの? ここに来た時から一言も話していないけど」


レティシアが問い掛け、白髪の女、ユリシア・ヘルンベルツが答えた。


「あの方を引き込むかどうかの話なんだけど、あの方を引き込まないのなら私はここを抜けてあの方のもとに行くわ」


思いがけない言葉にレティシアだけでなく二人も目を見張る。

脱退宣言ともとれる言葉に驚きを隠せない。


「いきなりどうしてそんなことを言うの!? ここを抜けたいと思えるほどあの者になにかを感じたというの!?」

「そうよ」

「訳が分からないわ!」

「そんなの言ってないから知らなくて当然よ」

「じゃあ今すぐどういうことか教えなさい!」


険悪な空間ができあがる。長年ずっと四人は一緒に居たのだ。

秘め事は無い。

そう思っていたのに突如湧き出る事実にレティシアは困惑し強く当たってしまう。

いつもより激しい口調になっていることも理解している。

そうしてまででも問いただしたかった。

隠し事をされるのはつらい。

口喧嘩をしてもいいとさえ考えていたがそうならなかった。

だが、何故かユリシアは頬を赤く染め、恋する乙女のような顔つきをしていた。

その表情は今まで見たことのないもので、嬉しさや幸福感、恥じらいなどが複雑に入り交じったものである。

私は初めて見せる女の表情に目を奪われている最中に、秘め事が明かされた。


「あの方、いえレイナルド・スミスディア様は幼い頃に出会った時から恋焦がれ、好きで好きでたまらないほど大好きな未来の旦那様。長年この時を待ってた。本来ならこちらから会いに行く予定だったんだけど私が会いに行くより先に会いに来てくれたの。手を伸ばせば触れ合えるのにそれができないのはいや。未来永劫片時も離れず一緒に居たいの。だから仲間にしないというのならここを出ていくわ」


ユリシアの気持ちが語られた。

一人の男を一途に想う感情がレティシアにはあまりわからなかった。

だがユリシアの覚悟だけはどんなことがあろうと変わることがない。

その事実だけは理解させられていた。


最後まで読んでくださりありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
ユリシア飛ばし過ぎて良い感じです
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