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クリックしていただきありがとうございます。
ある程度の間隔を空けて6話投稿する予定です。
現在6/6話目。本日最終投稿です。順番にお気を付けください。
そして二日後出立の日を迎えた。
「父さん、母さん行ってくるよ」
「おう、頑張って来いよ」
「体に気をつけてね」
「お父さん、お母さん行ってきます」
「旦那様、奥様行って参ります」
俺らは大学校に向けて歩き出した。
そう俺じゃない。
俺らだ。
何とカスミが学園に通うことが許可されたのだ。
理由としてはカスミが通う学園は俺が試験を受ける予定の大学校と併設されており、何かあれば俺に頼ることができる点が一番大きい。
また保護者役としてミラもついてきたというのもあるだろう。
そんなわけでカスミは機嫌が良かった。
「カスミ、そんなに早く歩いたら体力が持たないぞ」
「大丈夫、大丈夫」
カスミの歩くスピードは普段より早かった。
疲れるのは目に見えていた。
そして数十分後、予想通りにカスミは疲れ果て俺の背中で絶賛お休み中だ。
「それにしてもカスミに許可が下りるとは思わなかったな」
「そうね、よく旦那様が許可を出したと思うわ」
「父さんはカスミ大好きっていうのが前面に出すぎているからな」
「それはレイも同じよ」
「そうか?」
首を傾げる。
俺は極普通に接しているつもりだったのだが、傍から見た時では俺の印象とは違っているのだろうか。
もしそうだったとしても俺は変えるつもりはない。
「あとレイ、旦那様から何度も言われていると思いますが、くれぐれも自重してくださいね。学園と大学校を飛び級した私ですらレイの実力は異常と思っているのですから」
「そこらへんは上手くやるよ。まあそういっていられないときは別だけど」
「それでもです」
何度も父さんから言われた。
「お前の力は強すぎる。だから自惚れるな。隠せるだけ隠せ」
そう父さんが言うのだから俺は素直に従うことにしている。
それに力を見せびらかす趣味などないから大丈夫だろうと考えている。
「なあ、ミラ」
「なんですか?」
「本当に俺についてきてよかったのか? 俺が大学校に行くことが決まった時点でミラは自由の身になったんだ。今まで自由を奪っていた俺が言うのははなはだおかしいのだが本当によかったのか?」
俺はミラに問う。
ミラほどの魔法の使い手なら今からでも全く遅くなどない。
喉から手が出るほど欲しい人材だろう。
そのような人物なのにまだ俺に時間を使っていいのかと思ったからなのだが、ミラから白い目で見られる。
「いいに決まっているからいるんじゃないの! むしろいたいと思ったからそうしてるの! 分からないの!」
「いや、俺としては俺のところよりも好待遇のところがあるだろうから聞いてみただけなんだが……」
「ならレイが頑張って好待遇にしてくれればいいだけじゃないの!」
「お、おっしゃる通りです」
これって告白じゃねと思ったが自重しよう。
もし間違いだったら移動早々気まずいことになる。
だが俺と居たいと言ってくれたことは素直にうれしかった。
だから声に出した。
「まあ、なんだ。俺と居たいって言ってくれたことは素直にうれしかったし、俺もミラと居れたらと思うよ」
ミランダはその言葉を聞くや否や、すぐ顔を真っ赤にしてそっぽを向く。
あれやっぱり俺のこと好きなのか?
確信度が少し上昇した。
そうしているうちに森を抜け町が見えてきた。
「おっ、カスミ! 町が見えてきたぞ!」
背中で気持ちよさそうに寝ているカスミをゆすって起こす。
「う、うーん。どうしたの、兄さま?」
「ほら、町が見えてきたぞ」
眠たげな眼をこすり俺が指さす方を見る。
「町だ! 兄さま町が見えるよ!」
眠気が素っ飛んだのか、眠たげな態度から一変、元気な子にチェンジした。
「ねえねえ兄さま、あそこが目的地?」
「最終の目的地ではないよ。あの町も目的地の一つだけど、そんなに長居するつもりはないよ。馬車を借りるために立ち寄るだけだからね」
大学校がある目的地までは馬車が必要なほど遠い。
しかも今まで歩いてきた方角は目的地とは真逆の方で遠回りをしている。
なぜそんな無駄なことをとなるわけだが、最短距離で行こうとするならば村の東側にある標高の高い山脈を越えていく必要があり非常に危険だ。
そんな危険を冒すくらいなら遠回りしてでも安全性の高いルートで行くべきだ。
そんなわけで町に入り、馬車を探している。
お目当ての物は簡単に見つけることができた。
だが問題はそのあとだった。
「まさか馬車とかがここまで高いとは思わなかったぞ」
「まあ馬と馬車までならあれだけど、御者の方も雇うとなるとその人の食事代や宿泊代もこちら負担になるわけだしね」
「どうするミラ? 俺は御者はいらなくてもいいと思っているのだが」
「レイは馬を御せるの?」
「村で馬に乗らせてもらったこともあるしな。何とかなるだろ」
御者で必要な高額の経費をケチった俺たちは俺が御者となり目的地へ出発した。
初めは馬を御すのに苦労したが乗馬の経験もあって何とか安定して走らすことができていた。
それに山賊に襲われることもなかった。それも山吹のおかげと思いたいが町に入るごとに愛でられる山吹を見ていると何とも言えない。
しかも「こんなに愛でられる日々が来るとは! レイ様と契約出来て本当に良かったわ!」と言いだすから余計にそう思えなかった。
そんなこんなで試験前日に大学校のあるグランディアに着いた。
馬と馬車を売り宿屋に入る。
明日の結果次第で俺の人生が変わる。
そう考えると緊張はするが、大したものではない。
それは受からないとおかしいと思えるほどに自信があるからだ。
いくら自信はあっても油断だけはしてはいけないしするつもりもない。
だから早く眠った。
そして試験当日を迎えた。
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