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予告通り複数話投稿します。ある程度の間隔を空けて6話投稿する予定です。
現在1/6話目。順番にお気を付けください。
目を覚ます。
視界にはハイドラが映っているはずだったが見当たらない。
レオポルドは見逃してくれたのかと考えたがその考えは捨てた。
すぐさまミランダを見つけ彼女の下へ行き、叩き起こす。
運良く二人は死ぬことなく意識を手放していただけだ。
「ミランダ、分かるか?」
「う、うーん。……旦那様、ご無事でしたか」
「ハイドラがいない! どこに行ったか分かるか?」
「すみません、私も分からないです。それにもしかしてあそこに倒れているのってレイたちと逃げたはずの女の子ではありませんか!?」
ミランダが指をさし、レオポルドがそちらを向く。
ミランダの言ったとおりにレイが連れて行ったはずのヘルンベルツ男爵令嬢が倒れていた。
すぐさまヘルンベルツ男爵令嬢のところへ行き生存確認をする。
鼓動は小さいがしっかりと動いている。
少し安堵するもレイがいないことに焦りが止まらない。
意識を取り戻したばかりで今まで気づかなかったが、ハイドラと戦っていた時よりも気温が下がっている気がした。
そして冷気が漂ってくることも。
それがどこから来ているか感覚で探り当てそちらに向かっていく。
どんどん寒くなる気温に抗いつつレイを探す。
そしてレイを見つけた時仰天させられた。
ハイドラらしきものが凍らされ粉々にされていた。
そしてその近くで倒れ込んでいるレイ。
すぐさまレイに駆け寄り呼びかける。
「おい、レイ! しっかりしろ!」
反応はなく命の鼓動はヘルンベルツ男爵令嬢よりも弱々しかった。
レイを担ぎ上げすぐさまこの場所から離脱した。
ミランダの下へ行き火の魔法で体を温め体温を戻していく。
ヘルンベルツ男爵もこの間にこちらに辿り着き、事の顛末を話し謝ってきた。
しかしレオポルドにとってそんなことはどうでもよかった。
レイが生きてくれればどうでもよかった。
温め続けた結果レイの顔色が少し良くなってきた。
本来ならずっとこのまま温め続けたかったが、日が傾いてきたため撤収せざるをえない。
出来る限り迅速に移動し家に辿り着く。
把握している限りのことをランに伝え、治療をしてもらう。
レイは当然のことながら一緒に運び込まれたヘルンベルツ男爵令嬢も治療してもらう。
翌日になり、初めに目を覚ましたのはヘルンベルツ男爵令嬢の方だった。
ヘルンベルツ男爵は泣き崩れ、娘を抱きしめていた。
ヘルンベルツ男爵令嬢にも話を聞き、ヘルンベルツ男爵と食い違う点がなかったため、二人がレイに戻るよう進言したり行動したりしたことは事実だと判断する。
それも良かれと思っての行動だ。
それに最後に判断したのはレイだ。
だから無理には責めれなかった。
早く目覚めてほしい。
そうただただ祈るしかできなかった。
********************
そして女の子が目覚めてから二日後、俺は意識を取り戻した。
体を起こすと母さんがベットに寄り掛かるように寝ていた。
どうやら家に帰ってきているらしい。
この様子なら父さんたちも生きている可能性が高かった。
母さんが俺が起きたことに気が付き、目を赤らめていた。
そのまま抱きついてくると思ったが飛んで来たのは平手だった。
当然警戒していたわけではないので避けれず直撃する。
「グヘェ!」
「「グヘェ!」じゃない! どれだけ心配したか分かってるの!? 無茶しないでって言ったよね!?」
「ご、ごめんなさい」
母さんは本気で泣いていた。
謝った。
というよりも謝るしか選択肢はなかった。
「もういいわ、レイ君が生きていてくれてよかったわ」
「心配かけてごめんなさい」
今度こそ母さんが抱きついてくる。
俺は何も抵抗などせず受け入れた。
父さんたちも俺が目覚めたことに気が付き部屋に入ってくる。
皆目に涙を浮かべていた。
はっきり言ってどうやって俺がハイドラを倒したかあまり覚えていない。
だがいろいろなことを学べた気がした。
それに俺はどれだけ愛されているかもわかった。
様々な思いを生み出した俺のハイドラ討伐は幕を閉じた。
ハイドラを討伐して目覚めた後、俺は父さんにあの惨状は何だったのか問い詰められた。
俺もそれを思い出そうとしても曖昧な記憶しかなく、しっかりと答えることができなかった。
父さんはそれ以上言うことはなかったが、無茶だけはするなよとそれだけ言われた。
オリオンさん親子は俺が目を覚ましたのを知ると、ケガしてるところはないかやら助けてくれてありがとうやらいろいろ気にかけてくれた。
特にユリシアは泣きわめくはぺたぺた触ってくるなど明らかに距離が近くなっていた。
そして一時間ほどたった後、オリオンさんたちは帰る旨を伝えてきた。
さすがにベッドの上のままというわけにはいかず、ベッドから降り、父さんたちと一緒に見送るために外に出る。
「レイ来てくれたんだ!」
ユリシアが駆け寄ってくる。
お気付きだろうが、ユリシアは俺のことをレイと呼ぶようになった。
この呼び方になるとき、ユリシアがレイって呼んでいいよね、呼ぶね、異論ないよねと問い詰めるように言ってくるから許可した。
そうしないと身に危険が及びそうな感覚に陥ったことは言わないでおこう。
「そりゃ見送りぐらいするよ」
「そうなんだ、うれしい。じゃあ大学校で再開しようね」
「あ、あぁ」
ユリシアに俺が学園に通っても、通う予定もないことは伝えてある。
それに大学校についてはまだ考えていないと言っているが、ユリシアの中では俺が大学校に通うことは確定しているみたいだ。
「おい、ユリシア・そろそろ行くぞ」
オリオンさんがユリシアに伝えてくる。
父さんたちも別れの挨拶を済ませたようだ。
それを聴いたユリシアが自分に視線が向くように両手で固定し、数秒見つめあった後、頬にキスされた。
「へぇっ」
情けない声が出た。
まさかキスされるなんて思いもしなかった。
「レイ、いいお嫁さんになって帰ってくるからそれまで待っててね! それじゃまたね!」
ユリシアからの行動や言葉に俺は恥ずかしさのあまり顔が赤くなり目を逸らしてしまった。
俺はさらに顔を赤くし立ち尽くすだけだったが、ユリシアはとても楽しそうだった。
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