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本日ある程度の間隔を空けて8話投稿する予定です。
現在8/8話目。本日の最終投稿です。順番にお気を付けください。
「ふう、なんとかなったな」
「はい。さすが旦那様です。剣聖と呼ばれた実力しっかりと目に焼き付けました」
「父さん、すごかったよ!」
「レイよ、何の当然のことだ」
父さんは疲れた表情を見せていたものの笑っていた。
「ミランダ。俺はちょっと疲れたからあいつに止めを刺してくれ」
「わかりました。ではいきます」
ミランダは無数の氷の刃を作り出し、間髪無く打ち続けた。
ミランダは一定方向だけでなく動いて全方位から打ち込んだ。
今のハイドラのを例えるなら氷のとげを持つハリネズミのようだ。
ハイドラからどんどん血が流れる。
絶命していてもおかしくないほどの出血だ。
ハイドラを中心に赤い池ができたように広がっていた。
これだけ血を流せば命の灯はないだろう。
そんな判断をしていた。
それは父さんもミランダも同じ判断で俺と女の子とそのお父さんの下へ来ていた。
「怖かったね。でももう大丈夫だよ。お姉さんたちがやっつけたから」
「うん」
ミランダの終了宣言に立てに首を振った女の子は可愛らしく満面の笑みを浮かべていた。
「う、ううーん」
声のした方へ顔を向けると女の子のお父さんが目を覚まそうとしていた。
「お父さん! お父さん! わかる!? わかる!?」
女の子が懸命に女の子のお父さんを揺さぶる。
頭がぐわんぐわんと揺り動かされているが大丈夫か?
そんな心配をしているうちに女の子のお父さんは目を覚まし、震える手を娘の頬へあてていた。
「ああ、わかるよ。心配させて悪かったね」
「お父さん、お父さん」
女の子は泣きじゃくっていた。
声を上げながらお父さんに離さないと言わんばかりにがっちりとしがみついていた。
そんな女の子たちを見て、助けられてよかったと心から思わされる。
気づいたのは完全に偶然だった。
もし勘所が悪く、全く気付かなければ今目の前にある光景は一生見ることはなかっただろう。
冴えていてよかった。
さてお次は帰るだけだが、まだ女の子のお父さんは安静にしておいた方がいいだろう。
なら、その時間を利用して女の子たちのことを訊こう。
と思ったら父さんが先に質問をし始めた。
「俺はレオポルド・スミスディアという。二人ともこんな時に悪いが、なんでこんなところにいたのか教えてくれないか?」
「助けていただきありがとうございました。私はオリオン・ヘルンベルツと申します。ヘルンベルツ男爵家の当主をしております。こちらは娘のユリシアになります。ここに来たのは私が大学校で魔物や魔獣の
生体についての研究とその成果等を授業で教えています。ここにはフィールドワークに来ていたのです」
「だ、男爵様でしたか! 無礼をお詫びします。それにしても男爵様が大学校で教鞭を取り、自らフィールドワークに出られてるとはなんと身軽な……」
「ははは、よく言われます。もともと私は当主になる予定はなかったものですから、貴族仕事よりこういうことの方が向いているのですよ」
なんと貴族らしくない貴族だ。
まあ貴族なんて見たことないし、どんなものかも知らないから適当に思ってみたけど。
とりあえず目の前にいる人は自他ともに認める貴族らしくない貴族らしい。
そんなことを思っているとぺりっと似つかわしくない音が響いた。
オリオンさん親子は気付いた様子はなかったが、外野の俺たちは異変に気付いた。
急いであたりを見回す。
だがそこは先程までと何も変わらない風景が広がっていた。
またぺりっと先程より大きい音が鳴り響いた。
「おいおい嘘だろ……」
父さんが絶望に染まった声を上げた。
あの音はハイドラから聞こえてきたものだった。
そして先ほどまでと違う点は死体になったはずのハイドラから一本の首が生えていたことだ。
「シャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
裂帛がその場を支配する。
そして時間が巻き戻されるかのように氷の刃は抜け落ち、四本の首もみるみる再生していき、五本の首を持つハイドラとなって死地から舞い戻った。
俺たちはまだ完全にハイドラを倒し切れていなかった。
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