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本日ある程度の間隔を空けて8話投稿する予定です。
現在7/8話目。順番にお気を付けください。
大蛇だと蛇をそのまま大きくした姿だがハイドラになると首を複数所持している。
最高は八つの首を持つヤマタノオロチだ。
なぜ名前が統一されていないかというと首が二本から七本までは西大陸で最初に確認されこの名なのだが、八つのヤマタノオロチは東大陸で最初に確認され、それが昔話で登場する化物とよく似ているためこの名が付いた。
強さも首の数が多いほど強くなる。
それに首一つ一つから魔法を放て、かつ、すべて違う魔法という厄介極まりない魔獣だ。
今回は首が四本ということで四種類の魔法が放てるということだ。
「よし、行くぞ! ミランダは俺のバックアップ。レイはそこの二人を守れ。俺は前衛として突っ込む」
父さんは指示を飛ばすと両腰に一振りずつ下げていた刀を二振り一気に抜き放った。
その二振りの刀の刀身は一振りが闇夜も飲み込みそうな漆黒でもう一振りは穢れを知らない純白と想像させられる異様な色彩を放っていた。
父さんはそんな刀二振りを両手に引っさげハイドラに向って駆けた。
ハイドラも己に殺意を向けられていて何も抵抗しないわけもなく迎撃を開始した。
父さんに向って魔法が一斉に放たれる。
水、火、土、雷系統の四種類の球体の魔法。
当たればただで済まない攻撃魔法を父さんは避けるのではなく切り捨てた。
俺とミランダは援護をしなければならないはずだが唖然としてしまった。
魔法を切り裂くなど見たことも考えたこともなかった。
このとき初めてなぜ父さんが剣聖と呼ばれたのか、その一端を知ることができた。
俺は父さんの動きに見入って今ってなかなか手が出せなかったが、ミランダはすぐに己の立場を思い出しバックアップの魔法攻撃を始めた。
ハイドラの倒し方として首を切断しその切断面から首を回復させないために焼いたりして回復を防ぎ、最終的には全部の首を無くすというのが一般的だ。
だから父さんはハイドラの胴体の下へ目指し、首の根元を薙いでいく。
その速さは凝視してやっとわかるほどのものだった。
だがうまくいっていないようだった。
「チッ、ハイドラってこんなに硬かったか!?」
父さんが愚痴をこぼした。
そうなるのも当然で初撃はすべて弾かれた。
それでも二撃目に同じところに刀を通すと切れないことはなかった。
だがそのこと理解しているのはハイドラ自身もそうで二撃目を入れさせないために攻撃されていない首で父さんを喰い殺そうと果敢に攻め立てるが、ミランダの魔法により遮られダメージを与えることができてない。
父さんもなかなか二撃目を入れきれていない。
ハイドラの首が襲い掛かる。
それを刀で受け流し、首が飛んできた方へ駆けそのまま根元を一閃する。
しかしまた弾かれるも今度は二撃目もしっかりと決めれた感覚があった。
「よし!」
父さんも手ごたえに声が出た。
切断はできなかったもののもう一撃で首を飛ばすことができる状態だった。
だがハイドラの首は不自然に後ろに傾くも数秒で元に戻り、三撃目を入れさせてくれなかった。
「クソ! どれだけ高い回復能力を備えてるんだよ! こんなやつ見たことないぞ!」
父さんからやっかみが漏れる。
どうやら父さんですら出会ったことのないハイドラらしい。
その後も上手くいってもすぐに回復され元通り。
そんな繰り返し攻防が何度も続いた。
ハイドラの周りは赤い血で地面が染色されていた。
それでもなかなかくたばらないハイドラに父さんはこちらまで後退してきた。
「ミランダ。あのハイドラは異様に硬い。さっきから首を斬り飛ばそうとしているがなかなか出来ない。それに回復能力もずば抜けている。だから少し全力で行こうと思うがその時間も限られている。支援できるか?」
「はい、旦那様。お任せください」
「なら頼んだぞ。『肉体強化限界突破』」
聞きなれない言葉が聞こえた。
父さんをずっと見ていたが見失った。
どこにいるか探していると目に見えない速さでハイドラに二振りの刀を振るっていた。
「シャアァァァァァァァァァァ」
次々に傷が生まれていく。
その痛みにハイドラは咆哮を上げている。
回復スピードを越える斬撃に対処ができていなかった。
一つの首が痛みで頭を上に持ち上げた。
その瞬間を父さんが見逃すわけが無く切断しにかかる。
今までとは違った完璧な手ごたえ。
やっとの思いで切り飛ばすことに成功した。
「ミランダ―!」
父さんが叫ぶ。
ミランダはその声に反応する前からは炎の魔法を準備していた。
特大の火球が打ち出される。
それは真っ直ぐ切断面へ向かっていく。
ハイドラも焼かれると回復できないことを理解しているのか、他の首で身代わりにしようと動いていた。
そんなことはさせない。
そう思った俺は遠距離で土壁を構築し軌道を逸らしたりして阻止する。
父さんは次の首を斬るべく切断面から離れた首に取り掛かり邪魔をしていた。
そして着弾。
残り三つの首から悲鳴が上がる。
何とかうまくいった。
それで喜んでいる暇などなく次にすぐ取り掛かる。
先程は攻め時だと思い、父さんの指示を無視して魔法を放ってしまったが結果的良かったのでほっとしている。
女の子のお父さんも見つけた時よりも顔が優れているような気がする。
このまま順調に事が進めたらと思っていた。
まあ個人的には守るとか言ってほとんど手を出していないことに恥ずかしさはあるのだが。
父さんたちも順調に二本目の首を斬り飛ばすことができ、火球で切断面を焼いていた。
そんな様子を見ているとミランダから声がかかった。
「レイ、旦那様はそろそろ限界を迎えると思います。畳みかけますので旦那様の邪魔にならない程度にレイも思う存分に魔法を放ってください」
攻撃参加のお達しに気分が高揚した。
今まで指をくわえて待っているだけだったので思う存分にやらせていただくことにした。
炎の槍を次々と作り出し、父さんが攻撃していない方に撃ち続ける。
ダメージが入っているのか、声を上げるときもあった。
だがそんなことに一喜一憂することなく黙々と打ち続けた。
何度か雷の魔法が飛んでくることがあったが、それはミランダがすべて対処してくれたため被害はなかった。
そして三本目も切り飛ばし切断面を焼き、残りは俺が攻撃し続けた首だけだった。
こちらはすぐに切断され、俺が切断面を焼いた。
回復してこないことを確認した父さんは後退してきた。
脅威は去り、あとは止めを差すだけとなった。
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